最終更新日:2026年9月18日
Excelの基本操作ガイド
Excelの数式が再計算されない|自動計算と手動計算の切り替え
数字を書き換えたのに、合計が前のままで変わらない——。数式そのものが間違っていなくても、計算のタイミングを決める設定が「手動」になっていると、値を変えただけでは結果が更新されません。Excelは既定では自動で再計算しますが、この設定はファイル側で切り替えられます。この記事では、Microsoft公式の情報をもとに、設定の確認場所と戻し方、手動のまま使うときの更新方法、そして注意しておきたい影響範囲を整理します。
重要|計算方法の変更は、開いているすべてのブックに影響します
Windowsデスクトップ版で計算方法を変更すると、開いているすべてのブックに影響します。手動計算を使った後は、必要に応じて設定を確認してください。
IT初心者の七海さん
数字を書き換えたのに、合計がずっと前のままで変わらなくて…。数式は合っているはずなんです。数式そのものではなく、別のところに原因があるということでしょうか?
IT上級者の大介先輩
数式は合っているかもね。①「ファイル」から「オプション」の「数式」で、計算方法が手動になっていないか確認する ②自動に戻すか、その場で更新したいならF9キーを押す ③手動のまま使う時は、開いているほかのブックにも影響するから注意する。Microsoftも、既定では数式が依存するセルが変更された場合のみ自動的に再計算する、と説明している。
この記事でわかること
- 既定では、どのタイミングで再計算されるのか
- 計算方法の設定を確認する場所
- 手動のときに更新する2つのボタン
- 再計算のショートカット4種と、それぞれの対象範囲
- 手動にしたときに気をつけること
結論
「ファイル」→「オプション」→「数式」で計算方法を確認します
Microsoftは、Excelについて数式が依存するセルが変更された場合のみ数式を自動的に再計算すると説明しています。これはブックを最初に開くときと、編集しているときの既定の動作です。そのうえで、再計算されるタイミングと方法を制御できる、とも記載されています。
設定を確認する経路は、「ファイル」タブを選択し、「オプション」を選択して、「数式」カテゴリを選ぶ流れです。「計算オプション」セクションの「ブックの計算」で、自動になっているかどうかを確認します。手動になっている場合、値を変えても結果は更新されません。
この記事が対象にするExcel

本記事の操作画面と手順は、Windows版のExcel for Microsoft 365を中心に解説しています。参照した公式ページの適用先には、Excel for Microsoft 365、Excel 2024、Excel 2021が挙げられています。
公式ページはWindowsとWebのタブに分かれており、本記事ではWindowsデスクトップ版の内容を扱います。ブラウザー版の画面や操作は扱いません。
(参考:Microsoft公式サポート「Excel で数式の再計算、反復計算、または精度を変更する」)
既定では、いつ再計算されるのか
まず、Excelがどういう考え方で計算しているのかを押さえます。Microsoftは、計算とは、数式を計算し、その数式を含むセルにその結果を値として表示するプロセスである、と説明しています。
※図解は、Microsoftの公式情報をもとに作成した説明用の画像です。実際の画面表示は、Excelのバージョン、設定、画面幅などにより異なる場合があります。
そのうえで、時間を無駄にしてコンピューターの速度を低下させる不要な計算を回避するため、数式が依存するセルが変更された場合のみ数式を自動的に再計算すると記載されています。これがブックを最初に開くときと、編集しているときの既定の動作です。
計算に時間がかかる場面についても説明があります。ブックに多数の数式が含まれている場合や、ブックが再計算されるたびに自動的に再計算するデータテーブルや関数が含まれている場合、計算により多くの時間がかかります。他のワークシートやブックへのリンクが含まれている場合も、時間がかかることがあります。
Microsoftは、こうした場合について、計算のプロセスを手動計算に変更すると、計算が発生したときにコントロールすることができるとしています。手動計算は不具合ではなく、大きなブックを扱うために用意された選択肢です。
計算方法の設定を確認する
設定を確認する経路は2つあります。どちらからでも変更できます。
- 「ファイル」タブを選択し、「オプション」を選択して、「数式」カテゴリを選択します。
- 「計算オプション」セクションの「ブックの計算」で、目的の設定を選びます。
Microsoftは、リボンからの変更についても案内しています。「数式」タブの「計算」グループで「計算オプション」を選び、「自動」を選ぶ方法です。設定画面を開かずに切り替えたい場合は、こちらが早い経路になります。
「ブックの計算」で選べる設定は3つです。
- 自動:値、数式、または名前を変更するたびに、すべての依存数式を再計算します。これが既定の設定です
- データテーブルだけを計算対象から外す方式:値、数式、または名前を変更するたびに、データテーブルを除くすべての従属数式を再計算します
- 手動:自動再計算をオフにして、手動で再計算したときにのみ数式を更新します
PC STORE編集部からの補足|2つ目の選択肢の名称について
2つ目の選択肢は、公式の日本語ページ内で表記に揺れがあります。本記事では、UI上の名称を断定せず、機能で説明しています。実際の表示は、お使いのExcelの画面でご確認ください。
手動のときに更新する
手動計算のまま結果を更新したい場合は、更新を実行するボタンが用意されています。Microsoftが案内しているのは2つです。
- 今すぐ計算:開いているすべてのワークシート(データテーブルを含む)を手動で再計算し、開いているすべてのグラフシートを更新します
- シートの計算:アクティブなワークシートと、このワークシートにリンクされているグラフおよびグラフシートを手動で再計算します
どちらも「数式」タブの「計算」グループにあります。ブック全体をまとめて更新したいときは今すぐ計算、今見ているシートだけでよいときはシートの計算、という使い分けになります。
数式が参照するセルの固定については「Excelの絶対参照と相対参照」で解説しています。
再計算のショートカットと対象範囲
キーボードからも再計算を実行できます。4つのキーはそれぞれ対象範囲が違います。同じ「再計算」でも、どこまでを計算し直すかが変わります。
| キー | 対象 |
|---|---|
| F9 | アクティブなブックの、変更された数式と依存セル |
| Shift+F9 | アクティブなシートの、変更された数式と依存セル |
| Ctrl+Alt+F9 | 開いているすべてのブックの全数式 |
| Ctrl+Shift+Alt+F9 | 依存関係を確認してから、開いているすべてのブックの全数式 |
ふだん使うのはF9です。Microsoftは、ブックに自動再計算が設定されている場合は、F9キーを押して再計算する必要はないと記載しています。押しても害はありませんが、自動になっていれば不要な操作です。
Ctrl+Alt+F9とCtrl+Shift+Alt+F9は、最後に再計算されたとき以降に変更されたかどうかを問わず、開いているすべてのブックの数式を計算し直します。対象が広い分、大きなブックでは時間がかかるため、通常の作業で使う場面は限られます。
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手動にしたときに気をつけること

手動計算は便利ですが、影響の範囲を知らずに使うと、あとで困ることがあります。Microsoftが記載している注意点は2つです。
1つ目は、影響の範囲です。Excelデスクトップアプリでは、これらのオプションを変更すると、開いているすべてのブックに影響します。1つのファイルのために手動へ切り替えたつもりでも、同時に開いている他のブックも手動になります。作業が終わったら、設定を確認しておくと安心です。
2つ目は、保存時の動作です。Microsoftは、「手動」を選択すると、「保存する前にブックを再計算する」チェックボックスが自動的に選択されると説明しています。あわせて、ブックの保存に時間がかかる場合は、このチェックボックスをオフにすると保存時間が短縮される可能性がある、とも記載されています。
つまり、手動にしていても保存の直前には再計算が走る設定になっている、ということです。このチェックを外すと保存は速くなりますが、保存したファイルの中身が最新の計算結果とは限らなくなります。どちらを優先するかで選ぶことになります。
それでも更新されない場合
設定を確認しても解決しない場合に、公式ページから確認できる範囲を整理します。
- 手動のままになっている:「ブックの計算」が手動のままだと、値を変えても更新されません。自動に戻すか、更新を実行します
- 更新を実行していない:手動のまま使う場合は、今すぐ計算、シートの計算、またはショートカットで更新を実行する必要があります
- リンク元が再計算されていない:他のワークシートにリンクしている場合、元のワークシートが再計算されていないことがあります
リンク元については、公式ページに具体的な記載があります。ワークシートに、再計算されていないワークシートにリンクしている数式が含まれていて、そのリンクを更新した場合、元のワークシートの再計算が完了していないことを示すメッセージが表示されるとされています。
このとき、値が正しくない場合でも、ソースワークシートに保存されている現在の値でリンクを更新するには「OK」を選びます。リンクの更新を取り消して、ソースワークシートから取得した前の値を使用するには「キャンセル」を選びます。どちらを選ぶかで、手元に残る値が変わります。
数式そのものが自分自身を参照している場合は、別の原因になります。その場合は「Excelの循環参照の警告が出る時」をご確認ください。
よくある質問

値を変えても合計が更新されません。
計算方法の設定をご確認ください。Microsoftは、Excelは数式が依存するセルが変更された場合のみ数式を自動的に再計算する、と説明しています。これが既定の動作ですが、設定で手動に変更されている場合、値を変えただけでは更新されません。確認する経路は、「ファイル」タブを選択し、「オプション」を選択して「数式」カテゴリを選び、「計算オプション」セクションの「ブックの計算」を見る流れです。「数式」タブの「計算」グループにある「計算オプション」からも確認できます。自動に戻すか、手動のまま更新したい場合はF9キーを押します。
F9キーは、いつ押せばよいですか。
手動計算にしている場合の更新に使います。F9は、アクティブなブックの中で、最後に計算されたとき以降に変更された数式と、その数式を参照する数式を再計算します。Microsoftは、ブックに自動再計算が設定されている場合は、F9キーを押して再計算する必要はない、と記載しています。なお、押すキーによって対象範囲が変わります。Shift+F9はアクティブなシートが対象、Ctrl+Alt+F9は開いているすべてのブックの全数式が対象、Ctrl+Shift+Alt+F9は依存関係を確認したうえで、開いているすべてのブックの全数式が対象です。
手動計算にすると、他のファイルにも影響しますか。
影響します。Microsoftは、Excelデスクトップアプリでは、これらのオプションを変更すると、開いているすべてのブックに影響する、と明記しています。1つの重いファイルのために手動へ切り替えた場合でも、同時に開いている他のブックが手動になります。他のファイルで値が更新されないと感じたときは、この設定が原因の可能性があります。手動計算を使った後は、必要に応じて「ブックの計算」の設定をご確認ください。
手動にすると、保存したファイルの中身はどうなりますか。
保存前に再計算する設定が、自動的にオンになります。Microsoftは、「手動」を選択すると「保存する前にブックを再計算する」チェックボックスが自動的に選択される、と説明しています。あわせて、ブックの保存に時間がかかる場合は、このチェックボックスをオフにすると保存時間が短縮される可能性がある、とも記載されています。このチェックを外した場合、保存の直前に再計算が行われないため、保存したファイルの中身が最新の計算結果とは限らなくなります。保存の速さと、保存される値のどちらを優先するかで選ぶことになります。
他のシートを参照している数式が古いままです。
リンク元のワークシートが再計算されていない可能性があります。Microsoftは、ワークシートに、再計算されていないワークシートにリンクしている数式が含まれていて、そのリンクを更新した場合、元のワークシートの再計算が完了していないことを示すメッセージが表示される、と説明しています。このとき、値が正しくない場合でも、ソースワークシートに保存されている現在の値でリンクを更新するには「OK」を選びます。リンクの更新を取り消して、ソースワークシートから取得した前の値を使用するには「キャンセル」を選びます。リンク元のブックも開いている場合は、そちらの計算方法もあわせてご確認ください。
まとめ
数式が更新されないとき、原因が数式側にあるとは限りません。Microsoftは、Excelは数式が依存するセルが変更された場合のみ数式を自動的に再計算する、と説明しています。これが既定の動作で、設定で手動に変更されていると、値を変えただけでは結果が変わりません。確認する経路は、「ファイル」から「オプション」、「数式」カテゴリの「計算オプション」です。「数式」タブの「計算」グループからも切り替えられます。
手動のまま更新したい場合は、「今すぐ計算」でブック全体を、「シートの計算」でアクティブなシートを更新できます。キーボードではF9がアクティブなブック、Shift+F9がアクティブなシートを対象にします。手動計算は大きなブックを扱うための選択肢ですが、Windowsデスクトップ版では開いているすべてのブックに影響し、「保存する前にブックを再計算する」が自動的にオンになります。使い終えたら設定を確認しておくと、他のファイルで戸惑わずに済みます。Excelの機能の索引は「Excel 関数・機能 総合インデックス」にまとめています。
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