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最終更新日:2026年9月16日

Excelの基本操作ガイド

Excelのシートを保護して編集できる範囲を決める|ブックの保護との違い

入力してもらうために配った表で、計算式の入った列まで書き換えられていた——。Excelには、指定したセルだけを編集できるようにして、それ以外を変更できなくする「シートの保護」があります。ポイントは、保護をかける前に、入力させたいセルのロックを先に外しておくことです。順番が逆だと、どこも編集できない表になります。この記事では、Microsoft公式の情報をもとに、2段階の手順と、許可する操作の選び方、ブックの保護との違いを整理します。

  • Excel
  • シートの保護
  • セルのロック
  • ブックの保護

重要|シートの保護はセキュリティ機能ではありません

ワークシートの保護は、ロックされたセルの編集を制限するための機能です。Excelファイルを開けなくする保護とは異なるため、機密情報の保護を目的にする場合は、別のファイル保護機能を確認してください。Microsoftも、ワークシートレベルの保護はセキュリティ機能として意図されていない、と明記しています。

IT初心者の七海さん

IT初心者の七海さん

入力してもらう用の表を配ったら、計算式の入った列まで書き換えられてしまって…。入力してほしいところだけ触れるようにして、あとは変更できないようにできますか?

IT上級者の大介先輩

IT上級者の大介先輩

できるよ。Windows版のExcelなら、①入力させたいセルのロックを先に外す ②「校閲」タブの「シートの保護」を選ぶ ③許可する操作を選んでから保護する。順番が大事だよ。ただしMicrosoftは、これはセキュリティ機能ではないと明記しているから、ファイルを開けなくする保護とは別ものだね。

この記事でわかること

  • シートの保護が2段階の手順であること
  • 入力させたいセルのロックを先に外す方法
  • 保護時に許可できる操作の選び方
  • 保護されているかの確認と解除の手順
  • ブックの保護は対象が違うこと

結論

ロックを外してから保護する、の順で進めます

Microsoftは、ワークシートを保護するプロセスには2つの手順があると説明しています。最初の手順で、他のユーザーによる編集を可能にするセルのロックを解除し、その後、パスワードありまたはなしでワークシートを保護する、という流れです。

保護していないシートでも、セルはすでにロックされた状態になっています。ロックは、シートの保護を有効にした場合にのみ動作します。そのため、何もせずに保護をかけると、シート全体が編集できない状態になります。先に、入力させたいセルだけロックを外しておくのが要点です。

配った表を書き換えられて困る七海にシートの保護の手順を大介が教える導入漫画
導入漫画:入力用の表を書き換えられた七海が、「先にロックを外す・校閲タブから保護する・許可する操作を選ぶ」という順序を大介から教わります。

この記事が対象にするExcel

対象にするExcelの範囲を七海と大介が初心者向けにやさしく確認している様子

本記事の操作画面と手順は、Windows版のExcel for Microsoft 365を対象にしています。参照している公式ページは2つあり、適用先が異なります。

  • ワークシートの保護に関するページの適用先は、Excel for Microsoft 365、Excel 2024、Excel 2021、Excel 2019、Excel 2016です
  • ブックの保護に関するページの適用先には、Excel for Microsoft 365 for Macなど、Mac版も含まれています

(参考:Microsoft公式サポート「ワークシートを保護する」)

なぜ「先にロックを外す」のか

この機能でつまずきやすいのが、順番です。Microsoftは、ワークシートを保護するプロセスには2つの手順があると説明しています。最初に、他のユーザーによる編集を可能にするセルのロックを解除し、その後、パスワードありまたはなしでワークシートを保護します。

※図解は、Microsoftの公式情報をもとに作成した説明用の画像です。実際の画面表示は、Excelのバージョン、設定、画面幅などにより異なる場合があります。

ロック解除前と保護後で、同じ列だけが編集可能になる図
説明図:ロックを外したセルだけが、保護後も編集できる範囲になります。

Microsoftは、ActiveXコントロール、フォームコントロール、図形、グラフ、SmartArt、スパークライン、スライサー、タイムラインなどは、スプレッドシートに追加する時点であらかじめロックされる、と説明しています。ただし、ロックは、シートの保護を有効にした場合にのみ動作するとも記載されています。

つまり、ロックという設定と、保護という状態は別のものです。ロックは「保護がかかったときに編集させない」という印で、その印が実際に効き始めるのが保護をかけた瞬間、という関係になります。

手順1:入力させたいセルのロックを外す

先に、編集を許可したいセルのロックを解除します。Microsoftが案内している手順は次のとおりです。

セル選択から「ロックをオフ」までの経路図
説明図:右クリックからでも、Ctrl+1からでも、同じ画面を開けます。
  1. Excelファイルで、保護するワークシートのタブを選択します。
  2. 他のユーザーによる編集が可能なセルを選択します。
  3. シートの任意の場所を右クリックして「セルの書式設定」を選び、「保護」タブへ移動して「ロック」をオフにします。

離れた場所にある複数のセルをまとめて選ぶ方法についても記載があります。Ctrlキーを押しながら左クリックすると、連続しない複数のセルを選択できます。

PC STORE編集部からの補足|キーボードから開く場合

「セルの書式設定」は、Ctrl+1でも開けます。Mac版については、公式ページの同じ手順のなかに Command+1 の記載があります。本記事の操作画面はWindows版を対象としているため、Mac版の画面の詳細は扱いません。

数式そのものを見せたくない場合の設定もあります。Microsoftは、他のユーザーに数式を表示させたくない場合、セルや数式バーに表示されないようにすることができる、と案内しています。この設定は別のページで解説されています。

手順2:校閲タブからシートを保護する

ロックを外し終えたら、保護をかけます。

「校閲」からシート保護、許可操作、任意のパスワード設定の3段図
説明図:許可する操作を選んでから、必要に応じてパスワードを設定します。
  1. 「校閲」タブで「シートの保護」を選びます。
  2. 「このシートのすべてのユーザーに許可する操作」ボックスの一覧で、ユーザーが変更できるようにする要素をオンにします。
  3. 必要に応じてパスワードを入力し、「OK」を選びます。確認のダイアログボックスにパスワードを再入力し、「OK」を選びます。

パスワードは必須ではありません。Microsoftは、パスワードを使うと、シートの保護解除にパスワードの入力が求められるため、他のユーザーがワークシートの保護を解除しないようにすることができる、と説明しています。

PC STORE編集部からの補足|パスワードについての公式の案内

Microsoftは、大文字、小文字、数字、記号を組み合わせた強力なパスワードを使うよう案内しています。これらの文字を混在させていないパスワードは強固とはいえないとし、8文字以上、14文字以上を使用するパスフレーズの方が適しているとしています。あわせて、パスワードを忘れた場合、Microsoftがそのパスワードを復元することはできないと明記されています。設定する場合は、保管方法もあわせて決めておいてください。

許可する操作を選ぶ

保護をかけるときのダイアログボックスでは、保護中でも許可する操作を選べます。Microsoftが公開している一覧は15項目です。ここでは、そのうち使う場面の想像しやすいものを抜き出します。

許可できる操作と、制限が残る並べ替え・オートフィルターの対比
説明図:許可する操作を選べます。ただし、並べ替えとオートフィルターには追加の制限があります。
オプション 許可されるユーザーの操作
ロックされたセル範囲の選択 「ロック」がオンになっているセルにポインターを移動すること。既定では選択できます
ロックされていないセル範囲の選択 「ロック」がオフのセルにポインターを移動すること。既定では選択でき、Tabキーで移動できます
セルの書式設定 「セルの書式設定」または「条件付き書式」のオプションを変更すること
列の書式設定 列幅の変更や列の非表示など、列の書式設定コマンドを使うこと
行の書式設定 行の高さ変更や行の非表示など、行の書式設定コマンドを使うこと
行の挿入 行を挿入すること
行の削除 行を削除すること。行の削除が保護され、行の挿入が保護されていない場合、挿入はできても削除はできません
並べ替え データの並べ替えコマンドを使うこと。ただしこの設定に関係なく、ロックされたセルを含む範囲は並べ替えできません
オートフィルターの使用 オートフィルターが適用されているときに、ドロップダウン矢印でフィルターを変更すること。ただしこの設定に関係なく、保護されたワークシートでオートフィルターを適用または削除することはできません

並べ替えとオートフィルターの2つは、チェックを入れても制限が残ります。「許可する」にしたのに操作できない、という食い違いが起きやすい項目です。この2つを前提にした運用を考えている場合は、先に確認しておくと想定違いを避けられます。

ここに挙げていない項目には、列の挿入、列の削除、ハイパーリンクの挿入、ピボットテーブルレポートを使用する、オブジェクトの編集、シナリオの編集があります。表の一部だけ編集させたい場合の設定は、範囲ごとに指定する方法も公式に用意されています。

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保護されているかの確認と解除

保護がかかっているかどうかは、リボンの表示で分かります。Microsoftは、ワークシートを保護すると、リボンの「シートの保護」オプションが「シート保護の解除」に変わると説明しています。「校閲」タブを開いて、どちらの表示になっているかを見ます。

解除の手順は次のとおりです。

  1. 保護を解除するワークシートに移動します。
  2. 「ファイル」から「情報」、「保護」、「シート保護の解除」へ進みます。または「校閲」タブの「変更」から「シート保護の解除」を選びます。
  3. シートがパスワードで保護されている場合は、ダイアログボックスにパスワードを入力し、「OK」を選びます。

設定したセルのロックを変更したい場合は、いったん保護を解除してから作業します。

ブックの保護との違い

シートの保護とブックの保護の違いを大介が七海に比較して説明している様子

「校閲」タブには「ブックの保護」も並んでいますが、制限の対象が違います。Microsoftは、ブックの保護について、他のユーザーが非表示のワークシートの表示、ワークシートの追加、移動、削除、非表示、名前変更を行うことができないようにするためのもので、Excelのシート構成をパスワードで保護できる、と説明しています。

ロックされたセルの編集と、シート構成を対象にするブック保護の対比
説明図:シートの保護はロックされたセルの編集、ブックの保護はシートの構成が対象です。

設定は「校閲」タブの「ブックの保護」から行い、パスワードボックスにパスワードを入力します。Microsoftは、パスワードは省略可能で、指定しない場合は誰でもブックの保護を解除して変更できると説明しています。紛失した場合、Excelは回復できないとも記載されています。

保護されているかどうかの確認方法も案内されています。「校閲」タブで「ブックの保護」アイコンが強調表示されていれば、ブックは保護されています。ブック内のシートの下部をクリックすると、シートの挿入、削除、名前の変更、移動、コピー、非表示、非表示解除といった、ブックの構造を変更するオプションが使用できない状態になります。「ファイル」から「情報」、「ブックの保護」でも確認できます。

なお、ファイルそのものを開けないようにする保護は、これらとはさらに別の機能として案内されています。(参考:Microsoft公式サポート「ブックを保護する」)

よくある質問

シートの保護に関する疑問に七海が質問し大介が答えている様子
保護をかけたら、どこも入力できなくなりました。

ロックを外す手順が先に必要です。Microsoftは、ワークシートを保護するプロセスには2つの手順があり、最初の手順で他のユーザーによる編集を可能にするセルのロックを解除する、と説明しています。保護していないシートでもセルはすでにロックされた状態で、ロックはシートの保護を有効にした場合にのみ動作します。いったん「校閲」タブから「シート保護の解除」を選び、入力させたいセルを選択して、右クリックから「セルの書式設定」を開き、「保護」タブで「ロック」をオフにしてから、あらためて保護をかけ直してください。

保護したのに並べ替えができません。

並べ替えは、許可する操作にチェックを入れても制限が残る項目です。Microsoftは、並べ替えのオプションについて、データの並べ替えコマンドを使うことを許可するものだと説明したうえで、この設定に関係なく、保護されたワークシートのロックされたセルを含む範囲を並べ替えることはできない、と注記しています。オートフィルターにも同様の注記があり、この設定に関係なく、保護されたワークシートでオートフィルターを適用または削除することはできない、とされています。既存のフィルターの変更は、許可すれば行えます。

パスワードは設定したほうがよいですか。

用途によります。Microsoftは、パスワードを使うと、シートの保護解除にパスワードの入力が求められるため、他のユーザーがワークシートの保護を解除しないようにすることができる、と説明しています。一方で、パスワードを忘れた場合、Microsoftがそのパスワードを復元することはできない、とも明記されています。設定する場合の推奨として、大文字、小文字、数字、記号を組み合わせ、8文字以上、できれば14文字以上のパスフレーズを使うよう案内されています。うっかり書き換えを防ぐ目的であれば、パスワードなしで保護をかける選択もあります。

シートの保護とブックの保護は、何が違いますか。

制限の対象が違います。ワークシートの保護は、ロックされたセルの編集を制限するためのものです。ブックの保護について、Microsoftは、他のユーザーが非表示のワークシートの表示、ワークシートの追加、移動、削除、非表示、名前変更を行うことができないようにするために、シート構成をパスワードで保護できる、と説明しています。ロックされたセルの編集を制限したいならシートの保護、シートの追加や削除、名前の変更を制限したいならブックの保護、という使い分けになります。どちらも、ファイルそのものを開けないようにする保護とは別の機能です。

保護されているかどうかは、どこで分かりますか。

リボンの表示で確認できます。Microsoftは、ワークシートを保護すると、リボンの「シートの保護」オプションが「シート保護の解除」に変わる、と説明しています。「校閲」タブを開いて、どちらの表示になっているかを見てください。ブックの保護については、「校閲」タブで「ブックの保護」アイコンが強調表示されていれば保護されている、と案内されています。あわせて、ブック内のシートの下部をクリックしたときに、挿入、削除、名前の変更、移動、コピー、非表示といったオプションが使用できない状態になることも示されています。

まとめ

シートの保護は、2段階の手順です。Microsoftは、最初の手順で他のユーザーによる編集を可能にするセルのロックを解除し、その後、パスワードありまたはなしでワークシートを保護する、と説明しています。保護していないシートでもセルはロックされた状態で、そのロックはシートの保護を有効にした場合にのみ動作します。入力させたいセルを選び、「セルの書式設定」の「保護」タブで「ロック」をオフにしてから、「校閲」タブの「シートの保護」を選ぶ、という順序になります。

保護時には、許可する操作を選べます。ただし並べ替えとオートフィルターには、チェックの有無に関係なく残る制限があるため、事前の確認が要ります。ブックの保護は、シート構成が対象です。そして、ワークシートの保護はセキュリティ機能として意図されたものではなく、ファイルを開けなくする保護とは別の機能です。目的が機密情報の保護であれば、別のファイル保護機能をご確認ください。Excelの機能の索引は「Excel 関数・機能 総合インデックス」にまとめています。

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