最終更新日:2026年9月13日
Excelの基本操作ガイド
Excelの絶対参照と相対参照|$とF4キーの使い分け
合計の式を1行だけ作って下にコピーしたら、参照するセルが1つずつずれて、計算が合わなくなった——。Excelのセル参照は、既定では「今いるセルからの位置関係」で記録されています。だから、コピーすると参照も一緒に動きます。動かしたくないセルがあるときは、列と行の前に $ を付けて固定します。この記事では、Microsoft公式の情報をもとに、相対参照と絶対参照の違い、$ の付け方、F4キーでの切り替え、行だけ・列だけを固定する複合参照までを整理します。
IT初心者の七海さん
大介先輩、数式を下にコピーしたら、参照するセルが1つずつ下にずれて、計算がおかしくなってしまって…。ずらしたくないセルだけ、そのままの場所を見に行かせる方法ってあるんでしょうか?
IT上級者の大介先輩
あるよ。Windows版のExcelなら、①ずらしたくない列と行に $ を付ける ②数式バーで参照を選んで F4 キーを押す ③行だけ、列だけ固定したい時は複合参照を使う。この3つが基本だよ。Microsoftも、セルを選んで数式バーで参照を選び、F4キーで種類を切り替える手順を案内している。
この記事でわかること
- コピーすると参照がずれるのは、既定が相対参照だから
- $ を付けると、その列・その行が固定されること
- Windows版で参照の種類を切り替える手順(F4キー)
- 行だけ・列だけを固定する複合参照の書き方
- Mac版では操作するキーが異なること
結論
動かしたくない列と行の前に $ を付けます
Microsoftは、セル参照は既定で相対参照であり、参照はセルの位置を基準にしていると説明しています。そのため、相対参照を含む数式をコピーすると、コピー先の位置に合わせて参照も変わります。元のセル参照をそのまま維持したい場合は、列と行の前にドル記号($)を付けて絶対参照にします。
参照の種類を変える操作として、Microsoftは、数式が入力されているセルを選択し、数式バーで変更する参照を選択して、F4キーで参照の種類を切り替える手順を案内しています。列だけ、または行だけを固定する書き方もあり、これを複合参照と呼びます。
この記事が対象にするExcel

参照の考え方はどのExcelでも共通ですが、参照の種類を切り替えるキー操作は、WindowsとMacで異なります。Microsoftも、WindowsとMacで別のページを用意しています。
本記事の操作画面と手順は、Windows版のExcel for Microsoft 365を対象にしています。Microsoft公式の解説ページはExcel Web Appも適用先に含めていますが、本記事ではブラウザー版の画面や操作は扱いません。
Mac版については、キー操作だけをMac版のExcelでの切り替えで案内します。(参考:Microsoft公式サポート「相対参照、絶対参照、複合参照を切り替える」)
相対参照:コピーすると参照がずれる
Microsoftは、セル参照は既定では相対参照であり、参照はセルの位置を基準にしていると説明しています。たとえばセルC2からセルA2を参照する場合、実際には「2列左の、同じ行にあるセル」を参照していることになります。
※図解は説明用に作成したものです。操作画面は、Microsoftの公式情報および公開資料をもとに再現した説明用画像です。実際の表示は、Excelのバージョンや設定などにより異なる場合があります。
Microsoftが挙げている例では、セルD4に入力した数式をD5にコピーすると、参照していたB4・C4がB5・C5に変わります。位置関係が保たれたまま、参照先が1行下へ移動するということです。
これは不具合ではなく、既定の動作です。1行分の数式を作って下へコピーするだけで表全体の計算ができるのは、この仕組みのおかげです。困るのは、単価表や税率のように「1か所だけを見続けてほしいセル」がある場合です。
絶対参照:$ を付けて固定する
Microsoftは、元のセル参照をそのまま維持したい場合、列と行の前にドル記号($)を付けてセル参照を絶対セル参照にする、と案内しています。先ほどの例であれば、D4の数式の参照を $B$4 と $C$4 の形にしておくと、D5にコピーしても数式は変更されません。
$ は「ここは動かさない」という印だと考えると分かりやすくなります。列を表すアルファベットの前に付いた $ は列を、行を表す数字の前に付いた $ は行を固定します。列と行の両方に $ が付いている状態が絶対参照です。
単価表や税率のセルを参照する数式では、この形にしておくと、下方向にも右方向にもコピーできます。VLOOKUP関数のように範囲を指定する関数でも、範囲の指定に絶対参照がよく使われます。関数側の使い方は「ExcelのVLOOKUP関数の使い方入門」で解説しています。
F4キーで参照の種類を切り替える
$ は手で入力することもできますが、Microsoftは参照の種類を変更する手順として、キー操作を案内しています。手順は3つです。
- 数式が入力されているセルを選択します。
- 数式バーで、変更する参照を選択します。
- F4キーを押して、参照の種類を切り替えます。
2番目の「数式バーで参照を選択する」が抜けやすい手順です。数式の中には複数の参照が含まれていることがあるため、どの参照を切り替えるのかを先に指定します。
PC STORE編集部からの補足|キーが反応しないとき
参照を選択していない状態では、切り替える対象が決まりません。まず数式バーで参照が選択されているかを確認してください。F4キーを押しても切り替えられない場合の原因は、Microsoftの当該ページでは案内されていません。使用しているキーボードまたはパソコンのメーカーの案内をご確認ください。
複合参照:行だけ・列だけを固定する
Microsoftは、列または行の値の前だけにドル記号($)を付けて、絶対セル参照と相対セル参照を混在させる書き方も紹介しています。この場合、列または行のいずれかが固定されます。$B4 や C$4 のような形です。
- $B4 は列Bが固定され、行番号はコピー先に合わせて動きます
- C$4 は行4が固定され、列はコピー先に合わせて動きます
- $B$4 は列も行も固定され、どこへコピーしても変わりません
縦横に広がる表で、1つの数式を全体にコピーしたい場合に使う書き方です。Microsoftは、この使い方について「まれに」としています。まずは相対参照と絶対参照の2つを押さえ、必要になったときに複合参照を使う、という順番で問題ありません。
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コピーしたときに参照がどう変わるか

Microsoftは、参照を含む数式を下方向に2つ、右方向に2つ移動した先のセルにコピーした場合に、参照がどう更新されるかを表で示しています。元の数式にあった参照がA1の位置にある場合の対応です。
| コピーする数式の参照 | 参照の種類 | コピー後 |
|---|---|---|
| $A$1 | 絶対参照列と絶対参照行 | $A$1(絶対参照) |
| A$1 | 相対参照列と絶対参照行 | C$1(複合参照) |
| $A1 | 絶対参照列と相対参照行 | $A3(複合参照) |
| A1 | 相対参照列と相対参照行 | C3(相対参照) |
$ が付いている側は表記が変わらず、付いていない側だけが移動分だけ進んでいることが分かります。数式が思ったとおりに動かないときは、コピー先の数式を1つ開いて、この表と見比べてみてください。
2つの表を突き合わせて差を確認する方法は「Excelで2つのシートや表を比較して差分を見つける方法4選」で扱っています。(参考:Microsoft公式サポート「相対参照、絶対参照、複合参照を切り替える」)
Mac版のExcelでの切り替え
Mac版のExcelでは、数式バーで変更したい参照を選択し、⌘+Tを押すと参照の組み合わせを切り替えられます。Windows版のF4キーとは操作が異なります。
$ の意味や、コピーしたときに参照が更新される仕組みそのものは、Mac版のページでも同じ内容が説明されています。列または行のいずれかだけを固定する書き方についても記載があります。
Mac版の画面や手順の詳細は、Microsoftが用意している専用のページをご確認ください。(参考:Microsoft公式サポート「相対参照と絶対参照を切り替える」)
よくある質問

数式をコピーすると参照がずれてしまいます。
Microsoftは、セル参照は既定では相対参照であり、参照はセルの位置を基準にしていると説明しています。相対参照を含む数式をコピーすると、その数式内の参照が変更されます。つまり、ずれること自体は既定の動作です。動かしたくない参照がある場合は、列と行の前にドル記号($)を付けて絶対参照にします。Windows版では、数式が入力されているセルを選択し、数式バーで変更する参照を選択してから、F4キーで参照の種類を切り替えられます。
$ は手で入力してもよいのでしょうか。
Microsoftは、列と行の前にドル記号($)を付けてセル参照を絶対セル参照にする、と説明しています。表記としてはどちらも同じ形になります。そのうえで、参照の種類を変更する手順としてはキー操作が案内されており、Windows版ではセルを選択し、数式バーで変更する参照を選択してF4キーを押す、という流れです。数式の中に参照が複数ある場合は、どの参照を切り替えるかを数式バーで選んでから操作します。
行だけを固定したいときは、どう書きますか。
Microsoftは、列または行の値の前だけにドル記号($)を付けて、絶対セル参照と相対セル参照を混在させる書き方を紹介しています。この場合、列または行のいずれかが固定されます。行を固定したい場合は、行番号の前に $ を付けます。C$4 のような形です。逆に列を固定したい場合は、列のアルファベットの前に付けて $B4 とします。Microsoftはこの使い方を「まれに」としているため、まずは相対参照と絶対参照を押さえておけば足ります。
MacのExcelでもF4キーですか。
Microsoftは、WindowsとMacで別のページを用意しています。Mac版のページで案内されているのは、変更するセル参照を含むセルを選択し、数式バーで変更するセル参照をクリックしてから、⌘+Tを押して組み合わせ間を移動する、という手順です。Windows版で案内されているF4キーとは、押すキーが異なります。参照を先に選択してから操作するという流れは共通です。お使いの環境に合わせて、それぞれの公式ページをご確認ください。
コピーした後の数式が正しいか、どう確かめますか。
コピー先のセルを選んで数式バーを見ると、実際に参照している位置を確認できます。Microsoftは、参照を含む数式を下方向に2つ、右方向に2つ移動した先へコピーした場合の対応表を公開しています。$A$1 はそのまま、A$1 は C$1、$A1 は $A3、A1 は C3 になる、という内容です。$ が付いている側は表記が変わらず、付いていない側だけが移動分だけ進みます。意図した固定になっているかは、この対応と見比べると確認できます。
まとめ
Excelのセル参照は、既定では相対参照です。Microsoftは、参照はセルの位置を基準にしており、相対参照を含む数式をコピーすると参照が変更されると説明しています。コピーで参照がずれるのは不具合ではなく、既定の動作です。元のセル参照を維持したい場合は、列と行の前にドル記号($)を付けて絶対参照にします。
参照の種類を変える手順は、数式が入力されているセルを選択し、数式バーで変更する参照を選択してから、Windows版ではF4キーを押します。列または行のいずれかだけを固定する複合参照もあり、$B4 なら列が、C$4 なら行が固定されます。Mac版では、数式バーで参照を選択して⌘+Tを押すと切り替えられます。表の広がる方向に合わせてどこを固定するかを決めておくと、数式を1つ作ってコピーするだけで済むようになります。Excelの機能の索引は「Excel 関数・機能 総合インデックス」にまとめています。
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