最終更新日:2026年6月19日
Excel活用ガイド
【2026年版】Excelで2つのシートや表を比較して差分を見つける方法4選|条件付き書式と関数で色を付ける手順と、つまずきやすい前提
先月と今月の表、どこが変わったのか。1行ずつ目で見比べるのは、大変ですし、見落としも起きがちです。Excelには、2つのシートや表を比較して、違う箇所に色を付けたり、差分を抽出したりする方法があります。ただ、正直にお伝えすると、「ボタン一つで全自動」とまではいきません。表の作りやExcelのバージョンによって、向き不向きや前提があります。この記事では、代表的な4つの方法と、つまずきやすい点を、誇張せず正直に解説します。専門用語には折りたたみの用語解説をつけました。
先月と今月の表、どこが変わったのか目で探してて…。1行ずつ見比べるの、間違えそうで大変なんです。違うところだけ、自動で色が付いたりしないんですか?Excelでできたら、すごく助かるんですけど。
できるよ。便利な方法がいくつかある。代表的なのは3つ。①条件付き書式で、違うセルだけに色を付ける ②IF関数などで、一致か不一致かを〇×で出す ③新しいExcelなら、差分だけを別の場所に抽出する。ただ、正直に言うと「全自動」ではなくて、表の行や列をそろえる準備が大事なんだ。バージョンによる制限もある。順番に教えるね。
この記事でわかること
- 比較の前に必要な準備
- 条件付き書式で色を付ける
- IF・EXACT関数で〇×判定
- COUNTIFで存在をチェック
- 新しいExcelで差分を抽出
- つまずきやすい前提と限界
結論
主な方法は4つ。ただし「全自動」ではなく、表をそろえる準備が要る
Excelで2つのシートや表の差分を見つける方法は、大きく4つあります。第一に、条件付き書式と数式を使い、違うセルだけに色を付ける方法。第二に、IF関数やEXACT関数で、セルが一致か不一致かを〇×(またはTRUE/FALSE)で判定する方法。第三に、COUNTIF関数で、片方のリストにしか存在しない行を見つける方法。第四に、新しいExcel(Microsoft 365 やExcel 2021以降)のFILTER関数で、差分だけを別の場所に抽出する方法です。色を付けるなら条件付き書式、リストの差分を抜き出すなら関数、と使い分けます。
ただ、ここで正直にお伝えしたいことがあります。「2つの表を読み込めば、ボタン一つで全自動」という、魔法のような機能を期待すると、少しがっかりするかもしれません。これらの方法は、いずれも前提があります。とくに大切なのが、比較する2つの表の「行や列の位置がそろっている」こと。途中に行が挿入されていたり、並び順が違ったりすると、単純なセル比較は、ずれて正しく動きません。多くの場合、比較の前に、並べ替えや、キーとなる列をそろえる準備が必要です。また、条件付き書式やFILTER関数には、後述するバージョンの制限もあります。この記事では、各方法の手順とあわせて、こうしたつまずきやすい前提も、正直に解説します。
比較の前に必要な準備

方法の説明に入る前に、いちばん大切な「準備」の話をさせてください。ここを飛ばすと、どの方法もうまくいきません。
2つの表を比較する方法の多くは、「同じ位置のセル同士」を見比べる、という仕組みです。たとえば、両方の表のA2セル同士、B2セル同士、を比べます。ということは、2つの表で、行と列の並びがそろっていることが、大前提になります。もし、片方の表だけ途中に行が追加されていたり、並び順が違っていたりすると、比較する相手がずれてしまい、本当は同じデータなのに「違う」と判定されてしまいます。
「行・列の並びをそろえるのが第一歩」
ですから、比較の前に、両方の表を、同じキー(たとえば商品コードや社員番号など、各行を識別できる列)で並べ替えて、行の順序をそろえておきましょう。列の順番も合わせます。この下ごしらえができていれば、これから紹介する方法が、正しく機能します。逆に、ここが雑だと、どんな高度な方法を使っても、正しい差分は出ません。地味ですが、いちばん大事な工程です。Excelの基本的なデータ整理に不安があれば、Excelの重複の削除と集計もあわせてどうぞ。
キー列と並べ替え
「キー列」は、表の中で、各行を一意に識別できる列のことです。たとえば、商品コード、社員番号、注文番号などです。2つの表を比較するときは、このキー列を基準に、両方の表を同じ順番に並べ替えると、同じ行同士を正しく見比べられます。「並べ替え(ソート)」は、表のデータを、特定の列の順(昇順・降順)に並べ直す操作です。Excelの「データ」タブの「並べ替え」から行えます。比較の前に、両方の表を同じキー列で並べ替えておくことが、正確な差分チェックの第一歩になります。
条件付き書式で色を付ける

1つめの方法は、条件付き書式です。違うセルだけに、自動で色が付くので、視覚的に差分を見つけやすく、いちばん人気の方法です。
手順はこうです。まず、色を付けたい側の表(たとえばSheet1)のセル範囲を選びます。次に「ホーム」タブ→「条件付き書式」→「新しいルール」→「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。数式の欄に、選んだ範囲の左上のセルと、比較相手のセルが「違うとき」を表す式、たとえば `=A1<>Sheet2!A1` のように入力します(実際のセル位置に合わせます)。最後に、違うときに付けたい色を指定して「OK」を押すと、2つのシートで値が異なるセルだけに、色が付きます。
「比較する2シートは同じブックに置く」
ここで、つまずきやすい大切な注意点があります。条件付き書式の数式は、別のファイル(別ブック)のセルを参照できません。そのため、比較したい2つのシートは、必ず同じExcelファイル(同じブック)の中に置いておく必要があります。別々のファイルになっている場合は、片方のシートを、もう片方のファイルにコピーしてから行いましょう。また、範囲全体が塗りつぶされてしまうときは、数式の「$」(絶対参照・相対参照)の付け方がずれていることが多いので、ルールを編集して見直します。色付けによる可視化はExcelの条件付き書式によるデータの見える化もあわせてどうぞ。
条件付き書式と絶対参照・相対参照
「条件付き書式」は、セルの値が、決めた条件に当てはまるときだけ、自動で色や書式を変える機能です。差分比較では、「2つのシートで値が違う」という条件で、色を付けます。「絶対参照・相対参照」は、数式の中でセルを指す方法です。「$A$1」のように「$」が付くと、コピーしても位置がずれない絶対参照、「A1」のように付かないと、コピー先に応じてずれる相対参照になります。条件付き書式で範囲を比較するときは、この$の付け方が重要で、付け方を誤ると、意図しないセルまで色が付いたり、正しく比較できなかったりします。F4キーで$の付け外しを切り替えられます。
IF・EXACT関数で〇×判定

2つめは、関数を使って、一致・不一致を「〇×」や「TRUE/FALSE」で表示する方法です。差分を、データとして列に残せるのが利点です。
たとえば、比較用の列を作り、`=IF(Sheet1!A2=Sheet2!A2,"〇","×")` と入力すると、2つのシートのA2が同じなら「〇」、違えば「×」が表示されます。これを下までコピーすれば、各行が一致しているか、一目でわかります。「×」だけをフィルターで絞り込めば、違う行だけを確認できます。なお、アルファベットの大文字・小文字も厳密に区別して比較したいときは、`=EXACT(Sheet1!A2,Sheet2!A2)` を使うと、完全に同じなら「TRUE」、少しでも違えば「FALSE」が返ります。
「〇×やTRUE/FALSEで、差分を列に残せる」
この方法の良いところは、結果が「データ」として残るので、後から並べ替えたり、フィルターで絞ったり、件数を数えたりと、加工しやすいことです。色付け(条件付き書式)が「見た目でわかる」のに対し、関数は「データとして扱える」と覚えておくとよいでしょう。両方を組み合わせて、「×」のセルに条件付き書式で色を付ける、といった使い方も便利です。なお、IF関数の基本から学びたい方は、関連するExcel関数の記事もあわせてご覧ください。
IF関数とEXACT関数
「IF関数」は、「もし〜なら、Aを、そうでなければBを表示する」という、条件分岐の関数です。差分比較では、「2つのセルが等しければ〇、違えば×」のように使います。書式は `=IF(条件, 真のときの値, 偽のときの値)` です。「EXACT関数」は、2つの文字列が、完全に同じかどうかを判定する関数で、アルファベットの大文字・小文字も区別します。`=EXACT(文字列1, 文字列2)` で、同じなら「TRUE」、違えば「FALSE」を返します。通常の「=」での比較は大文字小文字を区別しないため、厳密に比べたいときはEXACT関数が役立ちます。
COUNTIFで存在をチェック

3つめは、COUNTIF関数を使って、「片方のリストにしかない行」を見つける方法です。同じ位置のセル比較ではなく、リスト全体に「あるか・ないか」を調べたいときに使います。
たとえば、旧リストと新リストがあり、「新しく追加された商品」や「なくなった商品」を見つけたいとします。新リストの横に作業列を作り、`=COUNTIF(旧リストの範囲, 新リストの商品コード)` と入力します。この結果が「0」なら、その商品コードは旧リストには存在しない=新しく追加された行、とわかります。逆に、旧リストの横で、新リストの範囲を数えれば、なくなった行を見つけられます。結果が0の行をフィルターで絞れば、差分のリストが得られます。
「0なら片方にしかない行=存在の差分がわかる」
この方法は、行の順番がそろっていなくても使えるのが利点です。位置ではなく「存在するかどうか」で判定するため、並び順が違うリスト同士の比較に向いています。先ほどの条件付き書式やIF関数が「同じ位置のセルの値の違い」を見るのに対し、COUNTIFは「リストにその項目があるかないか」を見る、という違いです。目的に応じて、使い分けましょう。COUNTIFなど集計系の関数はExcelのピボットテーブルによるデータ分析とあわせて覚えると、分析の幅が広がります。
COUNTIF関数
「COUNTIF関数」は、指定した範囲の中に、ある条件に合うセルが「いくつあるか」を数える関数です。書式は `=COUNTIF(範囲, 検索条件)` です。差分チェックでは、「このコードは、もう一方のリストにいくつあるか」を数えるのに使います。結果が「0」なら、そのコードは相手のリストに存在しない、つまり片方だけにある行(追加された、または削除された行)だと判断できます。1以上なら、両方に存在します。行の並び順がそろっていなくても、存在の有無で差分を見つけられるのが、この方法の強みです。
新しいExcelで差分を抽出

4つめは、新しいExcelの関数で、差分だけを別の場所に「抽出」する方法です。色を付けるのではなく、違うデータだけをリストアップできます。ただし、使えるバージョンに条件があります。
Microsoft 365 や、Excel 2021以降では、FILTER関数が使えます。これと、先ほどのCOUNTIFを組み合わせると、差分を自動でリスト化できます。たとえば、`=FILTER(新リスト, COUNTIF(旧リストの範囲, 新リストのコード列)=0)` のように書くと、「新リストの中で、旧リストに存在しない行」だけを、数式を入れたセルから下に、自動で書き出してくれます。元のリストが変われば、抽出結果も自動で更新されます。色付けや目視より、差分の「一覧」が欲しいときに便利です。
「FILTERはMicrosoft 365/Excel 2021以降が必要」
ただし、正直にお伝えすると、このFILTER関数は、Microsoft 365 またはExcel 2021以降でないと使えません。Excel 2019 以前では利用できないので、その場合は、前述のCOUNTIFで作業列を作り、フィルターで絞る方法を使ってください。まずは、ご自身のExcelのバージョンを確認しましょう。新しい関数は便利ですが、共有相手が古いExcelだと開けない、といったこともあるので、環境にあわせて選ぶことが大切です。XLOOKUPなど新しい関数の活用はExcelのXLOOKUP関数の使い方も参考になります。
FILTER関数とスピル
「FILTER関数」は、表の中から、条件に合う行だけを抜き出して表示する関数です。Microsoft 365 とExcel 2021以降で使えます。書式は `=FILTER(対象範囲, 条件)` です。差分抽出では、「もう一方に存在しない行」という条件で、差分だけをリストアップできます。「スピル」は、一つの数式の結果が、複数のセルに自動的にあふれて表示される、新しいExcelの仕組みです。FILTER関数は、抽出した複数の行を、スピルによって自動的に下や横に展開します。便利な反面、結果を表示する範囲に既にデータがあるとエラー(#SPILL!)になるので、空いた場所に数式を入れます。これらは2019以前のExcelにはない機能です。
つまずきやすい前提と限界

最後に、正直にお伝えしておきたい、つまずきやすい前提と限界をまとめます。ここを知っておくと、「思ったとおりにならない」を防げます。
第一に、繰り返しになりますが、「全自動・最速」ではありません。どの方法も、表の行・列がそろっていることが前提で、ずれていれば、まず並べ替えなどの前処理が必要です。第二に、バージョンとエディションの制限です。FILTER関数はMicrosoft 365/Excel 2021以降が必要です。また、Excelには「スプレッドシート比較(Inquire)」という、ファイル同士を比較する専用機能もありますが、これはOfficeの一部のエディション(Professional Plus など)でしか使えず、すべてのExcelに入っているわけではありません。第三に、条件付き書式は、同じブック内でしか比較できません。
「大量・複雑ならPower Queryや専用ツールも」
そして、扱うデータが非常に大きい、構造が複雑、定期的に大量の比較を行う、といった場合は、ここまでの関数や条件付き書式だけでは、手間がかかったり、限界があったりします。そうしたときは、Power Query(データを取り込んで加工する機能)を使う方法や、シート比較に特化した専用ツールを使う方法も、選択肢になります。無理にすべてを基本機能でやろうとせず、目的と規模に合った手段を選ぶのが、結局はいちばん効率的です。まずは、この記事の基本的な方法から試し、物足りなくなったら、より高度な手段を検討する、という順序がおすすめです。
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よくある質問

2つの表を読み込めば、全自動で差分が出ますか?
「ボタン一つで全自動」とまではいきません。条件付き書式や関数を使えば、差分に色を付けたり、抽出したりできますが、いずれも、比較する2つの表の行・列がそろっていることが前提です。途中に行が挿入されていたり、並び順が違ったりすると、正しく比較できません。多くの場合、まず両方の表を同じキー列で並べ替える、といった前処理が必要です。この準備さえできれば、あとは比較的スムーズに差分を見つけられます。地道ですが、準備がいちばん大切です。
条件付き書式で、別ファイルのシートと比較できますか?
できません。条件付き書式の数式は、別のExcelファイル(別ブック)のセルを参照できない仕様です。そのため、比較したい2つのシートは、必ず同じファイル(同じブック)の中に入れておく必要があります。もし別々のファイルになっている場合は、片方のシートを、もう一方のファイルにコピーしてから、条件付き書式を設定してください。なお、関数(IFやCOUNTIF)で比較する場合も、両方を同じブックにまとめておくほうが、数式が扱いやすく、トラブルも少なくなります。
FILTER関数が使えません。なぜですか?
Excelのバージョンが原因の可能性が高いです。FILTER関数は、Microsoft 365、またはExcel 2021以降で使える関数です。Excel 2019 やそれ以前のバージョンでは、利用できません。お使いのExcelのバージョンを確認してみてください。古いバージョンの場合は、FILTERの代わりに、COUNTIF関数で作業列を作り(相手のリストに存在しない=結果が0)、その列をフィルターで絞り込むことで、同じように差分のリストを得られます。バージョンに合わせて、方法を選びましょう。
「スプレッドシート比較」という機能を聞きましたが?
一部のエディション限定の機能です。Excelには「スプレッドシート比較(Inquireアドイン)」という、2つのファイルを比較して違いを一覧表示する専用機能があります。ただし、これはOfficeの一部のエディション(Professional Plus や、一部のMicrosoft 365 など)でしか使えず、すべてのExcelに搭載されているわけではありません。お使いの環境にこの機能がなければ、この記事で紹介した、条件付き書式や関数による方法が、現実的な選択肢になります。まずは、手元のExcelでできる方法から試すのがおすすめです。
データが多くて、関数だと大変です。
Power Queryや専用ツールも検討しましょう。扱うデータが非常に大きかったり、比較を頻繁に行ったりする場合、関数や条件付き書式だけでは、動作が重くなったり、手間がかかったりすることがあります。そうしたときは、Excelの「Power Query」という、データを取り込んで加工・結合する機能を使うと、大量データの比較を効率化できます。また、シート比較に特化した専用のツールやフリーソフトもあります。すべてを基本機能でやろうとせず、データの規模と目的に合った手段を選ぶのが、結局はいちばん効率的です。
まとめ

Excelで2つのシートや表の差分を見つける方法は、主に4つです。違うセルに色を付けるなら「条件付き書式」、一致・不一致を〇×で残すなら「IF・EXACT関数」、片方にしかない行を見つけるなら「COUNTIF関数」、差分を別の場所にリスト化するなら、新しいExcelの「FILTER関数」。色で見るか、データとして残すか、存在を調べるか、一覧で抽出するか、目的に応じて使い分けます。
ただし、正直にお伝えすると、「ボタン一つで全自動・最速」とはいきません。どの方法も、比較する2つの表の行・列がそろっていることが前提で、ずれていれば、まず同じキー列で並べ替える前処理が必要です。これがいちばん大切な工程です。また、条件付き書式は同じブック内でしか比較できず、FILTER関数はMicrosoft 365/Excel 2021以降が必要、スプレッドシート比較(Inquire)は一部エディション限定、といったバージョン・環境の制限もあります。データが大量・複雑なら、Power Queryや専用ツールも選択肢です。まずは基本の方法から試し、物足りなくなったら、より高度な手段へ。準備を整え、環境に合った方法を選べば、差分チェックは、ぐっと楽になります。
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