最終更新日:2026年9月17日
Excelの基本操作ガイド
Excelの循環参照の警告が出る時|原因の見つけ方と直し方
合計の数式を入れたら「循環参照」というメッセージが表示され、セルに0が並んでいる——。これは、数式が自分自身をたどってしまい、計算を終えられない状態です。よくあるのは、合計の範囲に答えを入れるセルまで含めてしまっているケースです。Excelには、原因のセルを一覧で示す機能が用意されているので、勘で探す必要はありません。この記事では、Microsoft公式の情報をもとに、起きる仕組みと、原因のセルを見つける手順、直しても消えない場合の確認先を整理します。
IT初心者の七海さん
合計の数式を入れたら、循環参照というメッセージが表示されて、セルに0が表示されてしまって…。どの数式が原因なのか、探す方法ってあるんでしょうか?
IT上級者の大介先輩
あるよ。①その数式が自分自身を参照していないか見る ②「数式」タブの「エラー チェック」から「循環参照」を開く ③一覧に出たセルを選んで数式を直す。合計の範囲に自分のセルが入っている、というのが起きやすいパターンだね。Microsoftも、循環参照は数式が直接的または間接的にそれ自体を参照するときに発生する、と説明している。
この記事でわかること
- 循環参照が起きる3つのパターン
- 原因のセルを一覧で見つける手順
- 複数のセルにまたがる場合の追跡方法
- 警告と、セルに表示される値について
- 直してもメッセージが消えない場合の確認先
結論
「数式」タブのエラー チェックから、原因のセルを一覧で確認できます
Microsoftは、循環参照について、数式が直接的または間接的にそれ自体を参照するときに発生すると説明しています。例として挙げられているのは、セルD3に =D1+D2+D3 が入っている場合です。D3はD3に依存するため、Excelは計算を完了できません。
探し方として案内されているのは、「数式」から「エラー チェック」、「循環参照」へ進み、一覧表示されている各セルアドレスを選んで、数式がそれ自体を指さないように更新する、という流れです。この手順を、ステータスバーに循環参照が表示されなくなるまで繰り返します。
この記事が対象にするExcel

本記事の操作画面と手順は、Windows版のExcel for Microsoft 365を対象にしています。参照した公式ページの適用先には、Excel for Microsoft 365 for MacなどMac版も含まれています。
公式ページには、プラットフォームによる違いについての記載もあります。Excel for the webは数式の計算をサポートしているが、循環参照のトラブルシューティングツールはデスクトップよりも制限される可能性がある、という説明です。iOSとAndroidについても、完全なトレースと修正のためにはデスクトップアプリを使うよう案内されています。
ブラウザーやスマートフォンで開いていて操作が見当たらない場合は、デスクトップ版のExcelでファイルを開いてから作業してください。(参考:Microsoft公式サポート「Excel で循環参照を削除または許可する」)
循環参照が起きる3つのパターン
Microsoftは、循環参照が作成される代表的なパターンを3つ挙げています。どれも「たどっていくと自分に戻ってくる」という点が共通しています。
※図解は、Microsoftの公式情報をもとに作成した説明用の画像です。実際の画面表示は、Excelのバージョン、設定、画面幅などにより異なる場合があります。
| シナリオ | 使用例 | 循環参照が作成される理由 |
|---|---|---|
| 直接自己参照 | セルA1に =A1+A2
|
A1はそれ自体の値によって異なります |
| 数式に独自のセルが範囲に含まれる | セルF3に =SUM(A3:F3)
|
F3は、計算中の範囲に含まれます |
| セル間の間接ループ | A1に =B1+1、B1に =A1+1
|
各セルは互いに依存します |
実務で起きやすいのは、2番目のパターンです。合計を入れるセルまで、合計する範囲に含めてしまっている状態を指します。行を追加したときに範囲を広げすぎて、答えのセルまで巻き込んでしまう、という形で起こります。
3番目の間接ループは、1つの数式を見ただけでは気づきにくい形です。A1とB1のように、離れた2か所が互いを参照していると、どちらの数式も単体では自然に見えます。
原因のセルを一覧で見つける
勘で探す必要はありません。Excelには、循環参照のあるセルを一覧で示す機能があります。
- 「数式」から「エラー チェック」、「循環参照」へ移動します。
- 一覧表示されている各セルアドレスを選択し、数式を更新して、それ自体をポイントしないようにします。
- ステータスバーに循環参照が表示されなくなるまで、この手順を繰り返します。
先ほどの =SUM(A3:F3) の例であれば、範囲の終わりを1つ手前にして、自分のセルを含まない形にします。数式の書き方そのものは正しくても、範囲の指定に自分が入っているために計算が完了しない、というのがこのパターンです。
PC STORE編集部からの補足|コマンドが見当たらない場合
Microsoftは、コマンドが表示されない場合はExcelの検索ボックスを使って探すよう案内しています。また、コマンドが無効になっている場合は、最初にワークシートのセルを選択してから、もう一度試すという説明もあります。何も選択していない状態だと使えないことがある、ということです。
複数のセルにまたがる場合
間接ループのように、原因が1か所に収まっていない場合の方法も案内されています。Microsoftは、問題が複数のセルにまたがる場合は、「数式」から「参照元の追跡」または「依存項目の追跡」を使って、関係をたどるよう説明しています。
2つの機能は、たどる向きが逆です。参照元をたどれば「このセルは、どこを見に行っているか」が分かり、依存項目をたどれば「このセルは、どこから見られているか」が分かります。行き先と来た道の両方を確認すると、輪になっている経路が見えてきます。
移動を助けるショートカットも案内されています。Ctrl+G(Windows)またはControl+G(Mac)を押すと、参照元のセルへすばやくジャンプできます。
数式が参照するセルの固定については「Excelの絶対参照と相対参照」で解説しています。
警告と、セルに表示される値
メッセージの出方にも決まりがあります。Microsoftは、Excelでは、セッションで初めて循環参照が作成されると警告メッセージが表示され、それ以降の循環参照では同じ警告ダイアログが表示されない場合があると説明しています。1回きりの表示で終わることがあるため、後から作った循環参照に気づきにくい、という性質があります。
警告を閉じたあとについては、Excelはセルに0または最後に計算された値を表示する場合があると記載されています。必ず0になるとは限りません。0が表示されていないセルに循環参照があると思われる場合は、数式バーで数式を選択してEnterキーを押してみるよう案内されています。
ステータスバーの表示についても説明があります。ステータスバーには「循環参照」と1つのセルアドレスが表示されることがあります。ただし、別のワークシートに循環参照が存在する場合、アドレスが表示されず「循環参照」だけが表示されることがあるとされています。アドレスが出ていないときは、別のシートを探すことになります。
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直してもメッセージが消えない場合

1つ直したのにメッセージが続く場合、原因が別の場所にあります。Microsoftは、編集後もアラートが続く理由として4つを挙げています。
- 別のワークシートに、別の循環参照が残っている
- 別の開いているブックに、まだ循環参照がある
- 数式チェーンが、引き続き間接的にそれ自体を指している
- 反復計算が有効になっているため、循環参照が意図的に許可されている
見落としやすいのが、2番目の「別の開いているブック」です。今見ているファイルだけを確認しても解決しない場合があります。同時に開いている他のブックも確認の対象になります。
3番目の数式チェーンは、間接ループが残っている状態です。この場合は、参照元の追跡と依存項目の追跡で経路をたどります。4番目については、次の章で扱います。
反復計算で意図的に許可する場合
循環参照は、常に誤りとは限りません。Microsoftは、再計算の繰り返しが意図的である特定の財務モデルまたはエンジニアリングモデルの循環参照は許可できると説明しています。ただしあわせて、ほとんどのワークシートでは、反復計算をオフのままにしますとも明記しています。
設定の経路は次のとおりです。Excel for Windowsデスクトップでは、「ファイル」から「オプション」、「数式」へ移動します。Excel for Macデスクトップでは、「Excel」から「環境設定」、「計算」へ移動します。
- 「反復計算を有効にする」(Windows)または「反復計算を使用する」(Mac)を選びます。
- 「最大反復回数」を設定して、再計算の回数を制御します。
- 「変更の最大値」を設定して、再計算を停止するタイミングを制御します。
既定値についても記載があります。既定では、Excelは反復回数が100回の繰り返し後、または値の変化が0.001未満の場合に停止します。
PC STORE編集部からの補足|通常はオフのままにします
この設定は、循環参照を含む計算をそのまま実行させるためのものです。意図しない循環参照が残っている状態でオンにすると、誤った数式に気づけないままになります。公式も、ほとんどのワークシートでは反復計算をオフのままにする、としています。まずは数式を直す方向で確認し、意図的に循環参照を使うモデルに限って検討してください。
よくある質問

循環参照とは何ですか。
数式が自分自身をたどってしまう状態です。Microsoftは、循環参照は数式が直接的または間接的にそれ自体を参照するときに発生する、と説明しています。例として挙げられているのは、セルD3に =D1+D2+D3 が含まれている場合で、D3がD3に依存するため、Excelは計算を完了できません。公式が示しているパターンは3つで、直接自己参照(セルA1に =A1+A2)、数式に独自のセルが範囲に含まれる場合(セルF3に =SUM(A3:F3))、セル間の間接ループ(A1に =B1+1、B1に =A1+1)です。
どの数式が原因なのか、どうやって探しますか。
一覧で確認できます。Microsoftが案内している手順は、「数式」から「エラー チェック」、「循環参照」へ移動し、一覧表示されている各セルアドレスを選択して、数式がそれ自体をポイントしないように更新する、という流れです。この手順を、ステータスバーに循環参照が表示されなくなるまで繰り返します。問題が複数のセルにまたがる場合は、「数式」から「参照元の追跡」または「依存項目の追跡」を使って関係を追跡するよう案内されています。Ctrl+G(Windows)またはControl+G(Mac)で、参照元のセルへすばやくジャンプできます。
セルに0が表示されるのは、なぜですか。
警告を閉じたあとの表示についての説明があります。Microsoftは、警告を閉じると、Excelはセルに0または最後に計算された値が表示される場合がある、としています。必ず0になるわけではなく、最後に計算された値が残ることもあります。そのため、0が表示されていないセルにも循環参照が潜んでいる可能性があります。公式は、0が表示されないセルに循環参照があると思われる場合は、数式バーで数式を選択してEnterキーを押してみるよう案内しています。
数式を直したのに、メッセージが消えません。
別の場所に残っている可能性があります。Microsoftは、編集後もアラートが続く理由として4つを挙げています。別のワークシートに別の循環参照が残っている、別の開いているブックにまだ循環参照がある、数式チェーンが引き続き間接的にそれ自体を指している、反復計算が有効になっているため循環参照が意図的に許可されている、の4つです。今開いているシートだけでなく、他のシートと、同時に開いている他のブックも確認の対象になります。ステータスバーにアドレスが表示されず「循環参照」だけが表示される場合は、別のワークシートに存在する可能性があるとされています。
反復計算をオンにすれば解決しますか。
用途が限られる設定です。Microsoftは、再計算の繰り返しが意図的である特定の財務モデルまたはエンジニアリングモデルの循環参照を許可することができる、と説明しています。そのうえで、ほとんどのワークシートでは反復計算をオフのままにします、とも明記しています。この設定は循環参照を許可するものなので、意図しない循環参照が残っている場合、誤った数式に気づけないままになります。まずは数式を直す方向で確認してください。設定する場合の経路は、Windowsでは「ファイル」から「オプション」、「数式」です。既定では、反復回数が100回の繰り返し後、または値の変化が0.001未満の場合に停止します。
まとめ
循環参照は、数式が直接的または間接的にそれ自体を参照するときに発生します。公式が挙げているパターンは3つで、直接自分を指す場合、合計などの範囲に自分のセルが含まれる場合、2つのセルが互いを参照する場合です。実務では、合計の範囲に答えのセルまで含めてしまう形が起きやすく、範囲の終わりを1つ手前にすると解消します。
原因のセルは、「数式」から「エラー チェック」、「循環参照」で一覧表示できます。複数のセルにまたがる場合は、参照元の追跡と依存項目の追跡で経路をたどります。警告はセッションで最初の1回しか表示されない場合があり、セルには0または最後に計算された値が表示される場合があります。直してもメッセージが続くときは、別のシート、別の開いているブック、間接的な数式チェーン、反復計算の設定という4つを確認します。反復計算は、意図的な循環参照を含むモデルに限った設定で、通常はオフのままにします。Excelの機能の索引は「Excel 関数・機能 総合インデックス」にまとめています。
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