
“普通のTeams会議”との違いは?ウェビナーや全社集会で使える「Teamsライブイベント」の開催方法と使い方を徹底解説
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記事の最終更新日:2025年10月10日
ピー太さん、今度、会社で数百人規模のオンライン全社集会を開催することになったんです。いつも使っているTeamsの「会議」機能でやろうと思ったのですが、上司から「参加者が多すぎるから、大規模配信用の機能を使うように」と指示されました。
以前は「ライブイベント」という機能があったと聞いたのですが、見当たらなくて…。一体、何なのでしょうか?私たちが普段使っているTeams会議とは、何がどう違うのですか?
ウェビナーみたいに発表者だけが話せて、視聴者はコメントするだけ、みたいな形式にできるのでしょうか?設定方法から当日の運営方法まで全く見当もつかないので、教えてください。
そのご指示、まさに的確な判断ですね。さすが上司の方です。そして、お客様が探している機能は、現在「**Teams タウンホール**」という名前に進化しています。かつての「ライブイベント」機能は、この新しいタウンホールに統合されたのです。
Teamsの「会議」と「タウンホール」の違いは、例えるなら「**円卓を囲んでのディスカッション**」と「**プロのテレビ番組のスタジオ収録**」ほどの違いがあります。「会議」は参加者全員が対等に発言できる双方向のコミュニケーションの場。
一方、「**タウンホール**」は、発表者と制作スタッフという「**舞台裏**」から、大多数の「**視聴者**」に向けて洗練されたコンテンツを一方的に配信するための、プロフェッショナルな「**放送スタジオ**」なのです。
視聴者のマイクが誤ってオンになる心配もありませんし、Q&A機能で質疑応答もスマートに管理できます。この記事では、お客様がプロの「番組ディレクター」となるべく、タウンホールの基本概念から具体的な開催設定、そして当日の放送開始までの全手順を徹底的に解説していきます。
タウンホールの哲学:それは「会議」ではなく、統制された「放送」である
私たちが日常的に利用するTeamsの「会議」は、その設計思想の根幹に「**コラボレーション(協業)**」があります。参加者は原則として対等であり、誰もが自由に発言し画面を共有し、議論に参加することが求められます。
しかし、参加者が数十人、数百人となるウェビナーや全社集会、あるいはオンラインの会社説明会といったシーンでは、この「対等性」が逆にイベントの進行を妨げるリスクとなります。意図しない参加者のマイクからの雑音、誤った画面共有による放送事故…。
「**Teams タウンホール**」は、このような大規模な配信イベント特有のリスクを排除し、プロフェッショナルな放送体験を実現するために設計された全く異なるツールです。その思想の核心は、「**役割の完全な分離**」にあります。
イベントの運営は少数の「**開催者**」「**共同開催者**」「**発表者**」という、明確な役割を持つ「舞台裏」のメンバーだけで行われます。そして大多数の「**出席者**」は、マイクもカメラも使えない「視聴者」として安全にコンテンツを受け取ることに専念します。これは双方向の「会議」ではありません。それは、統制され洗練された一方通行の「**放送(ブロードキャスト)**」なのです。
第一章:役割の理解 - あなたはどの役を演じるのか?
タウンホールを成功させるための最初のステップは、運営チーム内の役割分担を明確にすることです。
- 開催者(Organizer): イベントのスケジュール設定、アクセス許可の設定、そして共同開催者や発表者の指名など、イベント全体の責任者です。
- 共同開催者(Co-organizer): 開催者とほぼ同等の権限を持ち、イベントの管理や当日の運営をサポートします。当日の配信コンテンツ(どの発表者の映像をライブにするかなど)をコントロールする「監督」の役割も担います。
- 発表者(Presenter): 実際にカメラの前で話したり画面を共有したりする演者です。
- 出席者(Attendee): 配信を視聴するオーディエンスです。カメラやマイクを使うことはできず、Q&A機能などを通じてのみイベントに参加します。
小規模なイベントであれば、一人が開催者、共同開催者、発表者を兼任することも可能です。
第二章:イベントの企画 - タウンホールのスケジュール設定
それでは、具体的な開催手順に入ります。タウンホールはTeamsの「**カレンダー**」アプリから作成します。
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タウンホールの作成:
カレンダーの右上にある「新しい会議」ボタンの横のドロップダウンメニューから、「**タウンホール**」を選択します。 -
基本情報の入力:
通常の会議設定と同様に、イベントの「タイトル」「日時」を入力し、「共同開催者」と「発表者」を指名します。 -
【最重要】アクセス許可の設定:
イベントの詳細設定で、アクセス許可を設定します。これは誰がこの放送を視聴できるかを決定する極めて重要な設定です。- **プライベート:** 招待されたユーザーだけが視聴できます。
- **組織内:** お客様の会社の組織内の全ての人が視聴できます。社内向けの全社集会などに適しています。
- **パブリック:** リンクを知っている**世界中の誰もが**視聴できます。社外向けのウェビナーや製品発表会に適しています。サインインも不要です。
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Q&Aなどのオプション設定:
イベント設定の中で「Q&A」を有効にすれば、視聴者がテキストで質問を投稿できる機能が使えます。イベントの録画設定などもここで行います。 -
スケジュールと共有:
「公開」ボタンをクリックすればイベントの作成は完了です。出席者(視聴者)に共有するための「**出席者リンク**」をコピーしておきましょう。
第三章:放送開始 - 開催者と発表者のための操作マニュアル
イベントの時間になったら、開催者・共同開催者と発表者はカレンダーからイベントに「参加」します。すると、通常の会議とは異なるプロフェッショナルな「放送スタジオ」画面が表示されます。
開催者(または共同開催者)の仕事
開催者の画面では、参加している発表者のカメラ映像や共有コンテンツが画面下部に一覧で表示されます。主な仕事の流れは以下の通りです。
- まず、ライブ配信に表示したいコンテンツ(発表者のカメラなど)を選択し、「**ステージに送信**」ボタンをクリックします。これにより、コンテンツが「ステージ」と呼ばれる配信準備エリアに移動します。
- イベントの開始時間になったら、画面上部の「**会議を開始**」ボタンをクリックします。これでライブ配信が正式に開始され、ステージ上のコンテンツが視聴者へと配信されます。
- 発表が進行するにつれて、次に表示したいコンテンツ(次の発表者のカメラや共有画面など)をステージにセットし、配信内容を切り替えていくことで番組を進行します。
この「ステージ」という準備エリアが、放送事故を防ぎ、プロのスムーズな進行を可能にする重要な仕組みです。
発表者の仕事
発表者の画面はよりシンプルです。開催者からの指示に従い自分のカメラやマイクをオンにしたり、「共有」ボタンからプレゼンテーション資料などを共有したりします。自分が今ライブになっているかどうかは、自分の映像が赤い枠で囲まれているかで確認できます。
まとめ:タウンホールは、あなたの「伝える力」を最大化する舞台装置である
Teamsタウンホールは、単なる大人数向けの会議ツールではありません。それは、お客様のメッセージを最も効果的に、そして最もプロフェッショナルな形で多くの人々に届けるための洗練された「舞台装置」です。その舞台を成功させるための、最後のチェックリストです。
- 「会議」か「放送」か、目的を明確にする: 双方向の議論が必要なら「会議」。統制された一方通行の配信なら「タウンホール」。その選択が全てを決める。
- 役割分担が成功の鍵: 誰が「開催者(監督)」で、誰が「発表者(演者)」なのか。その役割を事前に明確にする。
- 「アクセス許可」は慎重に: 組織内限定か、それとも全世界公開か。イベントの性質に合わせて正しい視聴範囲を設定する。
- 開催者は「ステージ」を制する: 常に次に流す映像を「ステージ」で準備し、満を持してライブ配信する。このワンクッションが放送事故を防ぐ。
- リハーサルこそが全て: 本番と同じ環境で必ず一度はリハーサルを行う。その経験が当日の自信と余裕を生む。
この強力な放送スタジオを使いこなせば、お客様のウェビナーや全社集会は、参加者の記憶に深く刻まれるプロフェッショナルなイベントへと昇華するでしょう。
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