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2025.11.7

Macが不調な時の“最終手段”「ディスクユーティリティ」とは?“First Aid”でディスクを修復し、トラブルを未然に防ぐ正しい使い方

MacOSのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年10月10日

質問するスト子
スト子

ピー太さん、私のMac、最近なんだかすごく不安定なんです。アプリが突然フリーズしたり、ファイルがうまく保存できなかったり、時には起動すら失敗したり…。

再起動すると一時的に直るのですが、またすぐに同じような症状が出てきます。友人に相談したら「ディスクユーティリティのFirst Aidを試してみたら?」と言われたのですが、なんだか専門的で怖くて触れません。

これって一体何をするためのツールなのでしょうか?下手に触って、データを全部消してしまったりしないか心配です。

解説するピー太
ピー太

そのお悩み、Macから発せられる「声なき悲鳴」を敏感に感じ取っていますね。素晴らしい洞察力です。そしてご友人のアドバイスは的確ですよ。「**ディスクユーティリティ**」は、まさにMacのトラブル解決における「**最後の砦**」であり、プロの技術者が最初に行う「**精密検査**」のためのツールなのです。

例えるなら、お客様のMacのディスク(SSDやHDD)は膨大な情報が記録された「巨大な図書館」。First Aidは、その図書館の全ての目録カード(ファイルシステムの構造)をチェックし、置き間違えられた本や破れたページがないかを診断・修復してくれる「凄腕の司書」です。

ご安心ください。これから解説する正しい手順で使えば、お客様のデータ(本)を消してしまうことはありません。この記事では、その凄腕司書の正しい呼び出し方から、Macが起動しないという絶望的な状況でさえも彼を召喚するための究極の裏ワザまで、あなたのMacの健康を取り戻すための全知識を解説します。

ディスクユーティリティの哲学:それは、Macの「土地」そのものを、診断し、耕す行為である

私たちが日々作成するファイルやインストールするアプリケーション。それらは全て、Macのストレージ(SSDやHDD)という広大な「土地」の上に、「ファイルシステム」という規則正しい「区画整理」に従って記録されています。しかし、長年の使用、予期せぬ強制終了、あるいはソフトウェアの不具合などによって、この区画整理の台帳に矛盾やエラーが生じることがあります。

「ここにファイルがあるはずなのに見つからない」「この区画は空いているはずなのにデータが書き込めない」。このようなファイルシステムの論理的な破損こそが、原因不明のフリーズやアプリケーションのエラーといった、多くの不可解なトラブルの根源なのです。

「**ディスクユーティリティ**」は、このMacの土地そのものの健全性を診断し管理するための、Appleが提供する最も根源的なツールです。そして、その中核機能である「**First Aid**」を実行するという行為は、単なるトラブルシューティングではありません。それは、あなたの全てのデジタル資産が根を下ろす土地そのものを点検し、耕し、再び豊かで安定した土壌へと回復させる、極めて重要な「メンテナンス」なのです。


第一章:応急処置室 - First Aidの基本的な使い方

Macがまだ正常に起動する状態であれば、First Aidの実行は非常に簡単です。定期的な健康診断として、月に一度程度実行することをお勧めします。

  1. ディスクユーティリティの起動:
    「アプリケーション」フォルダ >「ユーティリティ」フォルダの中にある「ディスクユーティリティ」を起動します。
  2. 表示を「すべてのデバイスを表示」に切り替える:
    これがプロの第一歩です。ディスクユーティリティの「表示」メニューから、「**すべてのデバイスを表示**」を選択してください。これにより、物理的なディスク本体から、その中のコンテナ、そしてボリュームまで、全ての階層が表示されます。
  3. 修復の順序が重要:
    First Aidは、必ず「**内側から外側へ**」の順番で実行します。左側のリストで、最も階層の深いボリューム(通常は「Macintosh HD - Data」など)を選択し、ツールバーの「First Aid」をクリックして「実行」します。
  4. 階層を遡って実行:
    一番内側のボリュームが完了したら、その一つ上の階層のボリューム(例:「Macintosh HD」)、さらにその上のコンテナ、そして最後に一番上の階層にある物理ディスク本体(例:「APPLE SSD ...」)へと、順番にFirst Aidを実行していきます。

多くの場合、緑色のチェックマークと共に「問題ないようです」と表示されるはずです。もし何らかのエラーが検出・修復された場合は、それがお客様のMacの不調の原因だった可能性が高いでしょう。


第二章:集中治療室 - macOS復旧モードからFirst Aidを実行する

Macの起動ディスクそのものに問題が発生している場合、OSが起動した状態ではFirst Aidが完全な修復を行えないことがあります。より強力で確実な修復を行うためには、macOSからではなく、その手前にある「**macOS復旧**」という特別な診断・修復環境からFirst Aidを実行する必要があります。これは、例えるなら患者が眠っている間に手術を行うようなものです。

macOS復旧モードへの入り方

起動方法はお使いのMacのCPUの種類によって異なります。

  • Apple Silicon搭載Mac(M1, M2, M3など):
    Macの電源を完全に切った状態から電源ボタンを押し続け、「起動オプションを読み込み中」と表示されたら指を離します。その後、歯車のアイコンの「オプション」を選択します。
  • Intel搭載Mac:
    Macの電源を入れた直後、または再起動した直後に「`Command (⌘) + R`」キーを押し続けます。Appleロゴが表示されたら指を離します。

macOS復旧のユーティリティ画面が表示されたら、そこから「ディスクユーティリティ」を選択し、第一章で解説したのと全く同じ手順(内側から外側へ)で、全てのボリュームとディスクに対してFirst Aidを実行してください。Macが起動しない、アップデートに失敗するといった深刻なトラブルの多くは、この復旧モードからのFirst Aidによって解決する可能性があります。


第三章:その他の機能 - ディスクのパーティション分割と消去

ディスクユーティリティは、修復だけでなくディスクを管理するための強力な機能も備えています。

パーティションの作成

「パーティション」機能を使えば、一つの物理的なディスクを複数の独立したボリューム(ドライブ)として論理的に分割することができます。例えばmacOS用とBoot Campを使ったWindows用でディスクを分けたり、あるいはOS用とデータ用でボリュームを分離したりといった高度な管理が可能になります。

ディスクの消去(フォーマット)

【警告】この操作は、選択したディスク上の全てのデータを復元不可能な形で消去します。実行する前に、対象のディスクを絶対に間違えないように細心の注意を払ってください。

「消去」機能は、ディスクやボリュームを完全に初期化(フォーマット)するためのものです。外付けHDDをMac用に最適化したい場合や、Macを売却・譲渡する前に個人データを完全に消去したい場合などにこの機能を使用します。

まとめ:ディスクユーティリティは、あなたのMacの「土台」を守る最高の守護者である

Macの原因不明の不調。その多くは、私たちが普段意識することのないファイルシステムの小さな「歪み」から生まれます。ディスクユーティリティの「First Aid」は、その歪みが大きな「亀裂」へと発展する前にそれを検出し修復してくれる、Macに標準で備わった最高の「主治医」です。

  1. 不調の根源は「土地」にあり: ファイルシステムの論理的なエラーが、多くの不可解なトラブルを引き起こすと知る。
  2. まず「通常モード」で健康診断: 月に一度はディスクユーティリティを起動し、「内側から外側へ」の順序でFirst Aidを実行する習慣を持つ。
  3. 重篤な症状には「macOS復旧」から: Macが起動しないなどの深刻な問題に対しては、OS起動前の集中治療室であるmacOS復旧からFirst Aidを実行する。
  4. CPUの種類で「作法」が違う: Apple SiliconとIntel Macでは、復旧モードへの入り方が異なることを覚えておく。
  5. First Aidは「データを消さない」安全な手術: 恐れることなく、定期的なメンテナンスとして活用する。

車の定期点検を怠らないように、お客様のMacの土台であるディスクの健康状態にも時々耳を傾けてあげてください。その小さな習慣が、あなたの大切なデータを守り、快適なMacライフを末長く支えてくれるのです。

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