
ノートPCのメモリは8GBで足りる?16GBは必要?用途別の最適解と後悔しない選び方【2025年最新】
ノートパソコンのお役立ち情報


新しいノートパソコンを選んでいるんですけど、メモリっていうので迷っていて…。
「8GB」と「16GB」があって、16GBの方がもちろん良いんだろうなとは思うんですけど、その分、値段も高くなるじゃないですか。
そもそもメモリって何をするものなのかも、いまいち分かってなくて…。
私の使い方なら8GBで十分なのか、それとも後で後悔しないように16GBにしておくべきなのか、教えてもらえませんか?

メモリ選び、PC購入で最も悩ましく、そして最も重要なポイントの一つです。
そのお悩み、非常によく分かります。
メモリの容量は、PCの「快適さ」に直接関わってきますからね。
ご安心ください。
今日は、メモリの役割を「作業机の広さ」という世界一わかりやすい例えで解説し、なぜ2025年の今、8GBでは足りなくなってきたのか、そして、どんな人が8GBで十分で、どんな人が16GBを選ぶべきなのかを、具体的な利用シーンを交えながら徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたの使い方に最適なメモリ容量が明確になり、自信を持って選べるようになっていますよ。
【超重要】メモリ(RAM)とは何か? - PCの快適さを決める「作業机の広さ」
PCのスペック表には、CPU、ストレージ、そしてメモリといった、様々な項目が並んでいます。
その中でも、PCの「サクサク感」や「快適さ」に最も直接的な影響を与えるのが、この「メモリ」の容量です。
メモリの役割を世界一わかりやすく解説
メモリの役割を理解するために、PCでの作業を「あなたが机で勉強する様子」に例えてみましょう。
- ・あなた自身 = CPU
実際に計算をしたり、文章を考えたりする、PCの頭脳です。
- ・本棚 = ストレージ (SSD/HDD)
教科書、参考書、辞書といった、たくさんの情報(データやアプリケーション)が保管されている場所です。
容量が大きいほど、たくさんの本をしまっておけます。
- ・机 = メモリ (RAM)
本棚から取り出した教科書や参考書を、実際に広げて作業を行うスペースです。
この「机の広さ」こそが、メモリ容量そのものです。
あなたがレポートを書く時、まず本棚(ストレージ)から必要な教科書や辞書(データやアプリ)を取り出し、机(メモリ)の上に広げますよね。
机が広ければ(メモリ容量が大きければ)、たくさんの資料を一度に広げ、参照しながら快適に作業を進めることができます。
しかし、机が狭いと(メモリ容量が小さいと)、どうなるでしょうか。
新しい参考書を広げるためには、今広げている別の本を、いちいち本棚に戻さなければなりません。
この「資料を机と本棚の間で頻繁に出し入れする作業」が、PCの世界では「スワップメモリ(机)の空き容量が不足した際に、一時的に使用していないデータを低速なストレージ(本棚)に退避させる動作のこと。これが多発すると、PC全体の動作が極端に遅くなります。」と呼ばれる現象であり、PCの動作が極端に遅くなる最大の原因なのです。
なぜ2025年の今、「8GBでは足りない」と言われるのか?
数年前まで、メモリ8GBは「標準的で十分な容量」とされていました。
しかし、2025年現在、その常識は完全に過去のものとなりました。
その背景には、PCを取り巻く環境の、いくつかの大きな変化があります。
1. OS自体の巨大化と高機能化
最新のWindows 11やmacOSは、美しいデザインや高度なセキュリティ機能を実現するために、OS自体が多くのメモリを必要とします。
PCを起動し、何も特別なアプリを立ち上げていない状態でも、OSは常に**3GBから4GBものメモリを占有**しています。
つまり、メモリ8GBのPCでは、その半分近くが、あなたが何かを始める前に、すでにOSによって予約されてしまっているのです。
2. Webブラウザの“メモリ大食い”問題
現代のWebサイトは、高解像度の画像や動画、複雑なスクリプトで構成されており、その表示には多くのメモリを消費します。
特に、Google ChromeのようなモダンなWebブラウザは、タブごとに独立したプロセスを生成することで安定性を高めていますが、その代償としてメモリ消費量が非常に大きいことで知られています。
調べ物のためにタブを10個、15個と開いていくと、Webブラウザだけで2GBから3GBのメモリを簡単に消費してしまいます。
3. アプリケーションの進化とマルチタスクの常態化
Microsoft TeamsやZoomといったコミュニケーションツールは、ビデオ通話や画面共有で常にメモリを消費します。
WordやPowerPointといったOfficeアプリも、高機能化に伴い、昔のバージョンより多くのメモリを必要とします。
そして、現代の私たちは、これらのアプリケーションを一つずつ順番に使うのではなく、「Teamsで会議しながら、Chromeで資料を調べ、PowerPointで資料を修正する」といった、複数のアプリを同時に開くマルチタスクが当たり前になっています。
この使い方では、8GBの「机」は、あっという間に資料で埋め尽くされてしまうのです。
4. AI機能の標準搭載という新たな波
さらに、CopilotやApple Intelligenceといった、OSに統合されたAI機能が標準となりつつあります。
これらのAIアシスタント機能は、その高度な処理のために、バックグラウンドで常に一定量のメモリを確保し、使用します。
AI PCが主流となるこれからの時代において、メモリの重要性は、かつてないほど高まっているのです。
【徹底検証】あなたの使い方はどっち?用途別・メモリ消費量のリアル
では、実際にどのような使い方をすると、どれくらいのメモリが消費されるのでしょうか。
ここでは、具体的な利用シーンを5つのケースに分け、それぞれの想定メモリ使用量をシミュレーションしてみましょう。
これにより、あなた自身の使い方に最適なメモリ容量が見えてくるはずです。
ケース1:ライトユーザー(Web閲覧、動画視聴、メール、Officeでの簡単な資料作成)
【具体的な使い方】
PCの主な用途は、インターネットでの調べ物やネットショッピング、YouTubeやNetflixでの動画鑑賞、そして時々WordやExcelで簡単な文書や家計簿を作成する程度。
一度に開くWebブラウザのタブは5~7個程度で、複数のアプリを同時に駆使するような複雑な作業はほとんど行わない。
【想定メモリ使用量(合計:約6.0 GB)】
- ・OS (Windows 11 / macOS): 約3.5 GB
- ・Webブラウザ (Chrome タブx7): 約1.5 GB
- ・Officeソフト (Word or Excel): 約0.5 GB
- ・その他常駐ソフト (セキュリティソフトなど): 約0.5 GB
【判定と解説】
このケースでは、合計メモリ使用量は約6.0GBとなり、**8GBのメモリ容量で、ギリギリではあるものの、なんとか足ります。**
ただし、空き容量は2GB弱と、決して余裕があるわけではありません。
時折、多数の画像を含むWebページを開いた際や、アプリの切り替え時に、一瞬動作がもたつく場面が出てくる可能性はあります。
「最低限のことができれば良い」と割り切れるのであれば、8GBでも選択肢には入ります。
ケース2:標準的な学生・ビジネスユーザー(ケース1 + オンライン会議 + 複数資料の参照)
【具体的な使い方】
大学のオンライン授業や、会社のWeb会議に日常的に参加する。
TeamsやZoomで会議をしながら、PowerPointの資料を画面共有し、同時にWebブラウザで10以上のタブを開いて関連情報を参照し、Wordで議事録のメモを取る。
簡単な画像編集ソフトで、プレゼン資料に貼り付ける画像のサイズ変更やトリミングも行う。
【想定メモリ使用量(合計:約8.5 GB)】
- ・OS: 約3.5 GB
- ・Webブラウザ (Chrome タブx15): 約2.0 GB
- ・Officeソフト (Word & PowerPoint): 約1.5 GB
- ・Web会議アプリ (Teams or Zoom): 約1.0 GB
- ・その他常駐ソフト: 約0.5 GB
【判定と解説】
この使い方こそが、現代の多くの学生やビジネスパーソンの標準的な姿と言えるでしょう。
想定される合計メモリ使用量は約8.5GBとなり、**8GBの物理メモリ容量を完全に超えてしまいます。**
こうなると、PCは不足分を補うために、低速なSSD上に仮想メモリ(スワップファイル)を頻繁に作成し始め、PC全体の動作が著しく遅くなります。
アプリの切り替えに数秒待たされたり、ビデオ会議の映像がカクついたりと、あらゆる場面でストレスを感じることになります。
このケースに当てはまるユーザーにとって、**16GBメモリは、もはや「推奨」ではなく「必須」**のスペックです。
ケース3:クリエイティブ・ユーザー(写真RAW現像、Full HD動画編集)
【具体的な使い方】
趣味や仕事で、デジタル一眼レフカメラで撮影した写真のRAW現像や、動画の編集を行う。
Adobe Lightroom Classicで数十枚から数百枚のRAWデータを読み込み、色調補正や部分的な修正を行い、Photoshopでさらに高度なレタッチを行う。
Adobe Premiere ProやFinal Cut Proで、複数のFull HD(1920x1080)動画クリップを繋ぎ合わせ、テロップやBGM、エフェクトを追加する。
【想定メモリ使用量(合計:11.5 GB ~ 19.5 GB以上)】
- ・OS: 約3.5 GB
- ・Lightroom Classic (カタログ読み込み・現像時): 4 GB ~ 8 GB以上
- ・Photoshop (複数レイヤー・高解像度ファイル編集時): 4 GB ~ 8 GB以上
- ・Premiere Pro (Full HDタイムライン編集中): 6 GB ~ 10 GB以上
【判定と解説】
RAWデータや動画ファイルは、一枚一枚、一分一分が非常に大きなデータサイズを持ちます。
これらのデータを快適に処理するためには、広大な「机(メモリ)」が不可欠です。
8GBのメモリでは、そもそもアプリケーションが快適に動作せず、作業になりません。
このケースでは、**16GBが実用的な最低ライン**となります。
しかし、複数のAdobeソフトを同時に立ち上げたり、より解像度の高い4K動画の編集に挑戦したりすることを見据えるなら、**32GBのメモリを搭載することで、待ち時間が大幅に短縮され、創造的な作業を止めない、真に快適な編集環境**が手に入ります。
ケース4:理系学生・開発者(プログラミング、仮想環境、CAD)
【具体的な使い方】
情報科学系の学生やソフトウェア開発者で、VS Codeなどのエディタでコーディングを行う。
Web開発のために、Dockerを使って複数のサーバー環境(コンテナ)を同時に動かしたり、仮想マシンVMwareやParallelsといったソフトウェアを使い、一つのPC上で、Windowsの中にLinuxを入れるなど、別のOSをゲストとして動かす技術です。(VMware, Parallelsなど)上で、Windowsの中にLinuxを起動させたりする。
建築・機械系の学生で、AutoCADなどのCADソフトを使って、複雑な3Dモデルを設計する。
【想定メモリ使用量(合計:10.5 GB ~ 20 GB以上)】
- ・ホストOS (Windows 11): 約3.5 GB
- ・ゲストOS (Linuxなど): 割り当てるメモリ量 (4 GB ~ 8 GB)
- ・Dockerコンテナ群: 合計 2 GB ~ 4 GB以上
- ・開発ツール (VS Code, etc): 約1.0 GB
- ・CADソフト (AutoCADなど): 8 GB ~ 16 GB以上
【判定と解説】
仮想環境やCADソフトは、メモリを最も大量に消費するアプリケーションの代表格です。
8GBでは、これらの作業を行うことは不可能です。
**16GBでも、複数の仮想環境を同時に動かしたり、大規模な3Dモデルを扱ったりすると、メモリ不足に陥る**場面が想定されます。
そのため、これらの用途がメインとなるユーザーには、**32GB以上のメモリを搭載することを強く推奨**します。
メモリ容量が、そのまま学習や開発の効率に直結する世界です。
8GB vs 16GB - 後悔しないための最終判断基準
具体的な用途別の消費量を見て、ご自身の使い方に必要なメモリ容量のイメージが湧いてきたかと思います。
最後に、それでも迷っているあなたのために、後悔しない選択をするための、より長期的な視点からのアドバイスを送ります。
「今」だけでなく「4年後」を見据えることの重要性
PCは、一度購入したら数年間は使い続ける、高価な買い物です。
そして、私たちが使うOSやアプリケーションは、この瞬間も進化を続けており、それに伴ってメモリの要求量も、年々増加の一途をたどっています。
2025年の時点で「ギリギリ足りる」8GBという容量は、2年後の2027年、4年後の2029年には、間違いなく「完全に力不足」になっている可能性が極めて高いのです。
「今は大丈夫でも、卒業や契約更新までの4年間、ずっと快適に使い続けたい」。
そう考えるのであれば、**現在の快適さのためだけでなく、未来の快適さのための「保険」「投資」として、少し予算を追加してでも16GBを選択しておくことが、結果的に最も賢明で、コストパフォーマンスの高い選択**となるのです。
PCの性能は「最も遅い部品」に引きずられる【ボトルネックの法則】
PCの総合的なパフォーマンスは、搭載されている部品の中で、最も性能の低い(処理が遅い)パーツに引きずられてしまうという、「ボトルネック瓶の首(bottleneck)が一番細くなっていて、そこが中身の流れる量を決めてしまうことから、システム全体の性能を制約している最も性能の低い部分を指す言葉です。の法則」があります。
たとえ、あなたが最新の高性能なCPUを搭載したPCを選んだとしても、メモリが8GBしかなければ、CPUはその性能をフルに発揮することができません。
なぜなら、CPUが高速に処理しようにも、作業スペースである「机(メモリ)」が狭すぎて、データの出し入れに時間がかかり、CPUが「手待ち」の状態になってしまうからです。
CPUの性能を無駄にしないためにも、それに見合った、十分な広さの「机(メモリ)」を用意してあげることが、バランスの取れた高性能なPC環境を構築する上で不可欠なのです。
【重要】ノートPCのメモリは「後から増やせない」ことがほとんど
「とりあえず8GBで買っておいて、足りなくなったら後から増設すればいいや」という考えは、現代のノートPCでは、もはや通用しません。
かつてのノートPCは、裏蓋の小さなカバーを外すだけで、誰でも簡単にメモリの交換や増設が可能でした。
しかし、近年の薄型・軽量ノートPCでは、本体の薄型化を実現するため、メモリチップがマザーボード(PCのメイン基板)に直接はんだ付けされている**「オンボードメモリ」**という仕様が主流になっています。
このオンボードメモリは、物理的に取り外したり、交換したりすることが不可能なため、**購入後に容量を増やすことは一切できません。**
つまり、あなたがPCを購入した瞬間に、そのPCが一生使えるメモリ容量は、決定されてしまうのです。
この「後戻りできない」という事実こそが、購入時に、将来を見据えた十分なメモリ容量を選択しておくべき、最大の理由です。
【結論】2025年、あなたに最適なメモリ容量はこれだ!
これまでのすべての分析を踏まえ、あなたに最適なメモリ容量を、プロとして最終的に断定します。
「8GB」を選んでも良い、ごく限定的なユーザー
以下のような、すべての条件に当てはまる、極めて限定的な使い方をする方であれば、8GBも選択肢となり得ます。
- ・1. 用途が、Web閲覧、メール、動画視聴、Officeでのごく簡単な文書作成に、完全に限定されている。
- ・2. 複数のアプリケーションや、多数のブラウザタブを同時に開くことが、ほとんどない。
- ・3. PCの利用頻度が週に数時間程度と非常に低く、スマートフォンやタブレットがメインである。
- ・4. 予算が絶対的な最優先事項であり、2~3年後に動作が遅くなることを許容できる。
「16GB」を選ぶべき、ほぼすべての人
上記の限定的なケースに当てはまらない、**PCを「道具」として、学習や仕事、趣味に日常的に活用する、ほぼすべての現代人**にとって、2025年現在、**16GBが唯一の正解であり、賢明な選択**です。
16GBメモリは、もはや一部のヘビーユーザーのための「贅沢品」ではありません。
複数のアプリを同時に使うのが当たり前となった現代のPC利用スタイルにおいて、ストレスなく作業に集中し、将来にわたって快適なデジタルライフを送るための**「必需品」**なのです。
8GBモデルとの価格差は、数年間にわたる「時間の節約」と「精神的な快適さ」を考えれば、間違いなく元が取れる、最も価値のある投資です。
「32GB以上」を検討すべき、特定のプロフェッショナル
この記事で解説したケース3(クリエイティブ)やケース4(開発・研究)に当てはまる方々、つまり、4K以上の高解像度動画編集、本格的な3DCG制作、大規模なデータベースや複数の仮想環境の運用、最先端のAI開発といった、メモリ容量が生産性に直接的に結びつく専門的な作業を行うプロフェッショナルにとっては、32GB、あるいはそれ以上のメモリが、その能力を最大限に発揮させるための強力な武器となります。
まとめ - メモリ選びは「未来の快適さ」への投資
ノートパソコンのメモリ選びは、多くの人にとって、分かりにくく、悩ましい問題です。
しかし、その本質は非常にシンプルです。
- 1. メモリは「作業机の広さ」:
机が広い(メモリが大きい)ほど、たくさんの作業を同時に、快適に進められます。
- 2. 現代のPC作業は机を広く使う:
2025年現在、OSやアプリの進化により、8GBの机では、すぐに物で溢れてしまい、作業が滞ってしまいます。
- 3. 16GBは「未来への投資」:
PCを数年間、快適に使い続けたいと考えるなら、16GBメモリは、将来のOSやアプリの進化にも対応できる、最も賢明でコストパフォーマンスの高い「投資」です。
特に、後から増設できないノートPCでは、購入時の選択がすべてを決めます。
「大は小を兼ねる」という言葉は、メモリ選びにおいて、まさに真理と言えるでしょう。
目先の価格差に惑わされることなく、数年後の自分の快適なPCライフを想像して、最適な容量を選んでください。
もちろん、メモリ容量だけでなく、CPUやストレージとのバランスも考慮した、総合的なPC選びが重要です。
もし、あなたの使い方にとって最高のPC構成に迷ったら、いつでもお気軽に、私たちPCのプロにご相談ください。
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