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2025.10.14

【これで迷わない】中古PCのメモリ増設・交換ガイド|“相性”で失敗しないための規格(DDR3/4)と容量の正しい選び方

パソコン全般のお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年9月25日

質問するスト子
スト子

ピー太さん、中古で買ったノートパソコン、スペックは良いのですがメモリが8GBなんです。ブラウザのタブをたくさん開いたり、オンライン会議をしながら作業したりすると途端に動きがカクカクになってしまって…。

メモリを増設すれば快適になると聞いたので挑戦してみたいのですが、いざ通販サイトを見ると「DDR3」とか「DDR4」、「SO-DIMM」とか、暗号みたいな言葉ばかりでどれを買えばいいのかさっぱり分かりません。

「相性」問題で買ったのに使えなかったらどうしよう、と思うと不安で購入できません。私のPCにピッタリ合う正しいメモリを確実に見つけ出す方法を教えてください。

解説するピー太
ピー太

メモリ増設への挑戦、素晴らしいですね!それは中古PCのポテンシャルを最大限に引き出す、最もコストパフォーマンスの高いアップグレードですよ。そして、お客様のその慎重な姿勢こそが成功の鍵です。

おっしゃる通り、メモリの世界には厳格な「言語」のルールがあります。例えるなら、ガソリン車に軽油を入れられないように、DDR4のPCにDDR3のメモリを挿すことは物理的に不可能なのです。

ご安心ください。その「言語」を解読し、お客様のPCの「血液型」に完全に適合するメモリを見つけ出すための簡単な「鑑定術」があります。この記事では、プロのPC整備士のようにあなたのPCの中身を正確に診断し、100%互換性のあるメモリを選び出し、そして安全に交換するための全ての手順を徹底的に解説します。

メモリ増設の哲学:それは、PCの「作業机」を拡張する最も賢明な投資である

PCのメモリ(RAM: Random Access Memory)は、よく「**作業机の広さ**」に例えられます。CPUが優秀な「職人」だとしても、その職人が作業を行うための机が狭ければ、一度に一つの仕事しか広げることができません。新しい仕事を始めるたびに、前の道具を一度棚にしまい、新しい道具を取り出すという非効率な作業が発生します。これがPCが「重く」なる現象の正体です。

メモリが不足すると、PCは低速なストレージ(SSD/HDD)をメモリの代わり(仮想メモリ)として使い始めるため、全体のパフォーマンスが劇的に低下するのです。メモリを増設するという行為は、この小さな作業机を広大なワークデスクへと交換する行為に他なりません。広大な机の上では、職人(CPU)は複数のプロジェクト(アプリケーション)を同時に広げ、瞬時にそれらを切り替えながら最高のパフォーマンスを発揮することができます。特に中古PCにおいて、メモリ増設は数千円の投資でPCの体感速度を新品同様、あるいはそれ以上に引き上げる、最も費用対効果の高いアップグレードなのです。


第一章:メモリの言語学 - 失敗しないための規格の正しい読み解き方

「相性」問題で失敗しないために、まずメモリが持ついくつかの重要な「規格」の意味を理解しましょう。これらは互換性の有無を決定づける絶対的なルールです。

① 形状(フォームファクタ):DIMM vs SO-DIMM

メモリには、その物理的な大きさによって2つの主要な形状があります。

  • DIMM(ディム): 主にデスクトップPCで使用される大型のメモリモジュールです。
  • SO-DIMM(エスオーディム): ノートパソコンやミニPCで使用される、DIMMの約半分の長さの小型なメモリモジュールです。

この2つは物理的に全く異なるため間違えて購入することはありませんが、アップグレードしたいPCがどちらのタイプなのかをまず把握しておく必要があります。

② 世代(規格):DDR3 vs DDR4 vs DDR5

これこそが互換性を決定づける**最も重要な要素**です。DDRとは、メモリのデータ転送技術の「世代」を示す規格です。世代が上がるごとにデータ転送速度と省電力性能が向上しています。

  • DDR3: 2014年頃までのPCで主流。Intel Coreプロセッサーの第7世代以前のモデルなどで採用されています。
  • DDR4: 2015年頃から普及し始め、現在も多くの中古PCで採用されている主流の規格。Intel Coreプロセッサーの第8世代~第11世代あたりで広く使われています。
  • DDR5: 最新世代の規格。主にIntel 第12世代以降の新しいPCで採用されています。

【絶対厳守】これらの各世代のメモリモジュールは、物理的な切り欠きの位置やピンの数が異なり、**互いに一切の互換性がありません。** DDR4のスロットにDDR3のメモリを挿すことは物理的に不可能です。

③ 速度(クロック周波数)

「DDR4-2666」や「PC4-21300」といった表記はメモリの動作速度を示します。原則として数字が大きいほど高速です。異なる速度のメモリを混在させた場合、PCはより「遅い方」の速度に合わせて動作します。中古PCの増設では、最高速度を追求するよりもPCが元々搭載しているメモリと同じ世代と速度のものを選ぶのが、最も確実で安全な選択です。


第二章:捜査開始 - あなたのPCに適合するメモリを100%特定する方法

それでは、お客様のPCがどの「言語」のメモリを話すのかを特定するための、具体的な捜査手順に入ります。

方法1(最も手軽):タスクマネージャーで確認する(Windows)

Windowsに標準搭載されたタスクマネージャーが多くの情報を教えてくれます。

  1. `Ctrl + Shift + Esc`キーを押してタスクマネージャーを起動します。
  2. 「パフォーマンス」タブ > 「メモリ」を選択します。

右側の画面に、お使いのPCのメモリに関する詳細な情報が表示されています。

  • 速度: 「2666MHz」のように、現在の動作速度が表示されます。
  • 使用中のスロット: 「2/4」のように、PCに搭載されているメモリスロットの総数と現在使用中の数が表示されます。このPCにはまだ2つの空きスロットがあることが分かります。
  • フォームファクター: 「SO-DIMM」のように、メモリの物理的な形状が表示されます。

この情報だけで、多くの場合「**SO-DIMM**」形状で「**DDR4-2666**」のメモリを探せばよい、という当たりを付けることができます。

方法2(最も確実):メーカーの公式サイトで仕様を確認する

タスクマネージャーの情報だけでは不安な場合、あるいはPCがサポートする最大のメモリ容量を知りたい場合。最も確実な方法は、お客様のPCの「**正確な型番**」を元に、メーカーの公式サイトで公式な「仕様(スペック)表」を確認することです。仕様表には、そのPCがサポートするメモリの「規格(DDR3/DDR4)」「速度」、そして「最大搭載可能容量」が正確に記載されています。

方法3(最終手段):PCを開けて現物を確認する

どうしても情報が見つからない場合の最後の手段が、PCの裏蓋を開けて現在搭載されているメモリモジュールに貼られたシールを直接目で確認することです。シールには必ずそのメモリの規格(例:PC4-21300)が記載されています。


第三章:執刀 - メモリの交換・増設の実践手順

正しいメモリを手に入れたら、いよいよ移植手術です。作業前には必ずPCをシャットダウンし、ACアダプターを抜き、バッテリーを(可能なら)外してください。また、静電気による部品の破損を防ぐため、金属製のものに触れて身体の静電気を逃してから作業を始めましょう。

ノートパソコン(SO-DIMM)の場合

  1. PCの裏蓋のネジを全て外し、慎重にカバーを開けます。
  2. メモリスロットは多くの場合、銀色のシールドで覆われています。そのシールドを外すとメモリモジュールが見えます。
  3. スロットの両脇にある金属製のクリップを同時に外側へと軽く押し広げると、メモリが斜めにポップアップします。
  4. メモリを引き抜き、新しいメモリを切り欠きの位置を合わせて斜めにスロットの奥までしっかりと差し込みます。
  5. メモリを基板側に倒し込み、「カチッ」と音がして両側のクリップで固定されたことを確認します。
  6. 裏蓋を閉め、電源を入れてWindowsが正常に起動し、タスクマネージャーでメモリ容量が増えていることを確認すれば手術は成功です。

まとめ:メモリ増設は、中古PCに「第二の青春」を与える魔法である

中古PCのメモリ増設は、少しの知識と勇気さえあれば誰でも挑戦できる、最も効果的なパワーアップ術です。その成功の鍵は、焦らず正しい手順でお客様のPCに適合するメモリを正確に特定することにあります。

  1. メモリは「作業机」である: 机が広ければ多くの仕事を同時にこなせる。メモリ増設はPCのマルチタスク性能を直接的に向上させる。
  2. 「世代(DDRx)」こそが絶対の掟: DDR3とDDR4は決して交わることのない別の種族。物理的に互換性はない。
  3. 「タスクマネージャー」が最初の探偵: お客様のPCのメモリの種類と空きスロットの数は、まずここで確認する。
  4. 「メーカーの仕様書」が最終的な証拠: 最も確実な情報は、常に製造元の公式ドキュメントにある。
  5. 交換作業は慎重に、しかし恐れずに: 静電気に注意し、クリップの仕組みを理解すれば、メモリの交換は決して難しい作業ではない。

もはやブラウザのタブを開くたびにPCの挙動が遅くなるというストレスに耐える必要はありません。ぜひ、お客様の中古PCという素晴らしい原石にメモリ増設という磨きをかけ、その秘められた真の輝きを解き放ってあげてください。

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