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最終更新日:2026年8月1日

パソコンのセキュリティ

二段階認証・パスキーの基本|もう一段の鍵で安全にログイン

「二段階認証」「パスキー」という言葉を、最近よく見かけるようになりました。でも、「なんだか難しそう」「設定したほうがいいの?」と、後回しにしている方も、多いのではないでしょうか。実は、いまや、パスワードだけでアカウントを守る時代は、終わりつつあります。パスワードは、流出したり、推測されたり、することがあるからです。そこで大切なのが、「もう一段の鍵」をかける「二段階認証」と、パスワードそのものを、指紋や顔で置き換える「パスキー」です。どちらも、あなたの大切なアカウント(メールやSNS、ネット銀行など)を、乗っ取りから守る、頼もしい仕組みです。このページでは、二段階認証とパスキーの、しくみと始め方を、やさしくご紹介します。なお、具体的な設定手順や対応状況は、サービスやお使いの機器によって異なり、変わることもあるため、最新の手順は、各サービスの公式案内をご確認ください。

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IT初心者の七海さん IT初心者の七海さん

「二段階認証」とか「パスキー」って、最近よく聞くんですけど…。なんだか難しそうで。パスワードだけじゃ、危ないんでしょうか?設定したほうがいいんですか?

IT上級者の大介先輩 IT上級者の大介先輩

どちらも、アカウントを守る、大事な仕組みだよ。ポイントは3つ。①二段階認証=パスワードに「もう一段の確認」を足して、守りを固める ②パスキー=指紋や顔で、パスワードなしで、安全にログイン ③まずは、メールなど、大事なアカウントから設定しよう。あと、ひとつ大事なのは、スマホをなくしたときのために、「回復用のコード」を保管しておくこと。これを忘れると、自分が締め出されちゃうからね。

この記事でわかること

  • なぜパスワードだけでは危ないのか
  • 二段階認証とは(しくみと方法)
  • パスキーとは(パスワードレス)
  • 二段階認証とパスキーの違いと使い分け
  • 始め方と、どこから設定するか
  • 安全に使うための注意点(回復手段など)

結論

「もう一段の鍵」で、アカウントを守るのが基本です

アカウントを守る基本は、「①パスワードに『もう一段の確認』を足す=二段階認証 ②パスワードそのものを、指紋や顔で置き換える=パスキー」の、2つの仕組みを活用することです。まず、「二段階認証(2段階認証)」は、ログインのときに、ID・パスワードの入力に加えて、もう1段階、別の確認を求める仕組みです。たとえば、パスワードを入れたあと、スマホに届いた数字(コード)や、認証アプリに表示される数字を、入力します。こうすることで、たとえパスワードが流出しても、あなたのスマホ(手元のデバイス)がなければ、ログインできなくなり、乗っ取りを防げます。「もう一段の鍵」をかける、イメージです。次に、「パスキー」は、もっと新しい仕組みで、パスワードそのものを使わずに、指紋認証や顔認証(または、デバイスのPIN)で、ログインできるようにするものです。覚えにくいパスワードを、入力する必要がなくなり、安全で、しかも楽になります。Apple・Google・Microsoftといった、主要なIT企業が、こぞって対応を進めており、これからの主流になりつつあります。

どちらを使えばいいか、迷うかもしれませんが、考え方はシンプルです。「パスキーに対応しているサービスでは、パスキーを設定する」、「パスキーにまだ対応していないサービスでは、パスワードに、二段階認証を必ず追加する」——これが、現実的な使い分けです。そして、設定するときは、いきなり全部やろうとせず、「大事なアカウントから」始めるのが、コツです。とくに、メールアカウントは、ほかのサービスのパスワード再設定の起点になるため、最優先で守りましょう。あわせて、SNS、Apple・Google・Microsoftのアカウント、ネット銀行なども、優先度が高いです。最後に、いちばん大切な注意点を、ひとつ。二段階認証やパスキーを設定したら、必ず「回復(リカバリー)手段」も用意してください。スマホをなくしたり、機種変更したりしたときに、自分がアカウントから締め出されないよう、「バックアップコード(回復コード)」を保管し、予備の連絡先を登録しておきましょう。それでは、順番に見ていきましょう。

二段階認証とパスキーの基本を七海が大介に相談している導入漫画
二段階認証とパスキーに戸惑う七海さんに、大介先輩が「どちらもアカウントを守る大事な仕組み・二段階認証はパスワードにもう一段の確認・パスキーは指紋や顔でパスワードなしでログイン・大事なアカウントから設定・回復用のコードの保管も忘れずに」と整理します。

なぜパスワードだけでは危ないのか

なぜパスワードだけでは危ないのかを初心者向けに七海と大介が案内している様子

まず、「なぜ、パスワードだけでは不安なのか」を、知っておきましょう。これが、出発点です。

長い間、オンラインサービスへのログインは、「ID(メールアドレスなど)」と「パスワード」の組み合わせで、行われてきました。しかし、このパスワードだけに頼る方法には、いくつもの弱点があります。まず、単純なパスワード(数字だけ、短い文字列など)は、簡単に推測・解読されてしまいます。かといって、複雑なパスワードにしても、いくつものサービスで「使い回し」をしていると、どこか1か所からパスワードが流出したときに、ほかのサービスにも、次々と不正ログインされてしまう危険があります。実際、大規模なサービスから、パスワードが流出する事件は、後を絶ちません。また、本物そっくりの偽サイトに誘導して、パスワードを入力させる「フィッシング詐欺」も、巧妙化しています。つまり、どんなに気をつけて、複雑なパスワードを設定し、適切に管理していても、パスワードだけでは、流出や、なりすましのリスクを、完全には防げないのです。だからこそ、パスワードに「もう一段の確認」を足したり、パスワードそのものを、より安全な方法に置き換えたり、する必要が、出てきているのです。

「使い回し・流出・偽サイト・パスワードだけでは守れない」

パスワードだけのログインが危ない理由は、「①単純なパスワードは推測・解読されやすい ②使い回すと、1か所の流出が、他サービスの被害に広がる ③大規模な流出事件が後を絶たない ④偽サイトに入力させるフィッシング詐欺がある」など、いくつもあります。「自分は大丈夫」と思っていても、利用しているサービス側から、パスワードが流出してしまえば、自分では防ぎようがありません。だからこそ、パスワードに加えて「もう一段の守り」をかける、二段階認証や、パスワードそのものを置き換えるパスキーが、重要になっているのです。とはいえ、パスワードが完全に不要になったわけではなく、まだ多くの場面で使われています。基本として、パスワードは「サービスごとに違うものにする」「使い回さない」「できるだけ長く複雑にする」ことが大切です。たくさんのパスワードを覚えるのは大変なので、パスワードを安全に保管・管理してくれる「パスワード管理アプリ」の活用も、おすすめです。Macでのパスワード管理は、Macのパスワードアプリ・キーチェーンで解説しています。あわせてご覧ください。

二段階認証とは(しくみと方法)

二段階認証のしくみと方法を大介が七海に説明している様子

まず、「二段階認証」から。パスワードに、もう一段の確認を足す仕組みです。

「二段階認証(2段階認証)」は、その名のとおり、ログインのときに、2つの段階の確認を行う仕組みです。1段階目は、これまでどおり、ID・パスワードの入力。そして、2段階目に、別の方法で、「本当に本人かどうか」を確認します。この2段階目があることで、たとえパスワードが流出しても、不正ログインを防げます。なぜなら、2段階目の確認は、基本的に「本人だけが持っているもの(スマホなど)」を使うからです。2段階目の方法には、いくつか種類があります。「認証アプリ」は、スマホの専用アプリ(認証アプリ)に表示される、数十秒ごとに変わる6桁などの数字(ワンタイムパスワード)を入力する方法です。「SMS(ショートメッセージ)」は、登録した電話番号に、確認コードが届く方法。「メール」は、メールにコードが届く方法。「プッシュ通知」は、スマホに届いた通知で「ログインを許可しますか?」と確認する方法です。これらの中では、一般的に「認証アプリ」や、後述する「パスキー」が、より安全とされています。一方、「SMS」は手軽ですが、比較的、突破されやすいとも言われています。

「パスワード+もう一段・できれば認証アプリが安心」

二段階認証は、「①1段階目=ID・パスワード ②2段階目=本人だけが持つスマホなどでの確認(認証アプリ・SMS・メール・プッシュ通知)」という仕組みです。これにより、パスワードが流出しても、2段階目で守られます。2段階目の方法は、いくつかありますが、できれば「認証アプリ」を使うのが、おすすめです。SMS(電話番号へのコード)も、ないよりはずっと安全ですが、近年は、SMSを狙った手口も登場しており、認証アプリやパスキーに比べると、やや弱いとされています。とはいえ、「完璧な方法を選ぶこと」よりも、「まず、何らかの二段階認証を、設定しておくこと」のほうが、はるかに大切です。SMSしか選べないサービスなら、SMSでも、設定しておきましょう。何も設定していない状態が、いちばん危険です。注意点として、偽サイト(フィッシング)に、確認コードを入力してしまうと、二段階認証も突破される恐れがあります。コードの入力を求められたら、それが本物のサイトか、必ず確認しましょう。コードを、他人に教えるのも、絶対にやめましょう。

二段階認証・二要素認証・多要素認証

これらは、似ていますが、少しずつ意味が異なります。「二段階認証(2段階認証)」は、認証を「2つの段階(ステップ)」に分けて行うことを指します。たとえば、「パスワードを入れる→次に、確認コードを入れる」という、2回の手続きを踏む方式です。「二要素認証(2要素認証、2FA)」は、認証に使う「要素」の種類に注目した呼び方です。認証の要素には、大きく3つの種類があります。「知識(パスワードや暗証番号など、本人が知っていること)」「所持(スマホやセキュリティキーなど、本人が持っているもの)」「生体(指紋や顔など、本人の身体的特徴)」です。二要素認証は、このうち、異なる2種類の要素を組み合わせる方式です。たとえば「パスワード(知識)+スマホに届くコード(所持)」のように。「多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)」は、2つ以上の、異なる要素を組み合わせる、より広い呼び方です(二要素認証も、多要素認証の一種です)。厳密には、「二段階」と「二要素」は別の概念ですが(同じ種類の要素を2回使えば、二段階でも二要素ではない、など)、日常的には、ほぼ同じ意味で使われることも多いです。大切なのは、言葉の違いよりも、「パスワードだけでなく、複数の確認を組み合わせて、守りを固める」という考え方です。

パスキーとは(パスワードレス)

パスキーとパスワードレスのしくみを七海と大介が用途別に案内している様子

次に、いま注目の「パスキー」です。パスワードを使わずに、安全にログインできます。

「パスキー(Passkey)」は、パスワードを使わずに、指紋認証・顔認証や、デバイスのPIN(暗証番号)で、ログインできるようにする、新しい仕組みです。「パスワードレス(パスワード不要)認証」とも呼ばれます。仕組みを、簡単に説明します。パスキーは、「鍵」を、2つに分けて使います。ひとつは「秘密鍵」で、これは、あなたのデバイス(スマホやパソコン)の中に、安全に保管され、外部に出ることは一切ありません。もうひとつは「公開鍵」で、これは、サービス側に登録されます。ログインのときは、デバイス内の秘密鍵を使って、本人であることを証明します(このとき、指紋や顔、PINで、本人確認をします)。パスワードのように、文字列を、どこかに送ったり、入力したり、しないため、流出する心配が、ほとんどありません。さらに、パスキーは、偽サイト(フィッシング)に、非常に強いのが特徴です。パスキーは、正しいサイトでしか機能しない仕組みになっているため、偽サイトでは、そもそも認証が成立しません。Apple・Google・Microsoftが、こぞって対応を進めており、スマホやパソコンの生体認証を使って、パスワードなしで、安全にログインできる時代が、現実になりつつあります。

「指紋や顔でログイン・秘密鍵は外に出ず偽サイトに強い」

パスキーは、「①指紋・顔認証や、デバイスのPINで、パスワードなしでログイン ②秘密鍵はデバイス内に保管され、外に出ない ③偽サイト(フィッシング)では認証が成立しないので、非常に安全」という、優れた仕組みです。パスワードを覚える必要も、入力する必要もないので、安全なうえに、楽になります。パスキーは、お使いのアカウント(AppleのApple ID、GoogleのGoogleアカウント、Microsoftのアカウントなど)や、クラウドと連携して管理され、同じアカウントでログインした複数のデバイス間で、同期して使えることが多いです(たとえば、スマホで作ったパスキーを、パソコンでも使える、など)。これにより、機種変更などのときも、引き継ぎやすくなっています。指紋センサーや顔認証のないパソコンでも、デバイスのPINやパスコードを使って、パスキーでログインできます。まだ、すべてのサービスが対応しているわけではありませんが、対応サービスは、着実に増えています。「パスキーでログイン」「パスキーを作成」といった案内を見かけたら、ぜひ設定してみましょう。Macでのパスキーの使い方は、Macのパスキー・パスワードレスで、くわしく解説しています。

パスキーとFIDO(公開鍵暗号)

「パスキー(Passkey)」は、「FIDO(ファイド)」という、パスワードレス認証の国際標準規格に基づいて作られた、認証方法です。FIDOは、Apple、Google、Microsoft、Amazonなどの、世界の主要なIT企業が参加する団体(FIDOアライアンス)が、策定しています。パスキーは、この FIDO の最新仕様(FIDO2)に基づくもので、Apple・Google・Microsoft によって、「パスキー」という名前で、広く普及が進められています。パスキーの安全性を支えているのが、「公開鍵暗号方式」という技術です。これは、対になる2つの鍵(「秘密鍵」と「公開鍵」)を使う仕組みです。「秘密鍵」は、利用者のデバイス(スマホやパソコンのセキュリティチップなど)の中に生成・保管され、外部に出ることはありません。「公開鍵」は、サービス側のサーバーに登録されます。ログイン時、サーバーから送られてくる「お題(チャレンジ)」に対して、デバイス内の秘密鍵で「電子署名」をして返すと、サーバーが、登録済みの公開鍵で、その署名が正しいかを検証します。この方式では、パスワードのような「秘密の情報そのもの」を、ネットワーク上でやり取りしないため、盗み取られる心配がありません。また、それぞれのサービスごとに、異なる鍵のペアが作られ、正しいサイトでしか機能しないため、フィッシング詐欺にも、非常に強くなっています。難しそうに聞こえますが、利用者は、指紋や顔、PINで本人確認をするだけで、これらの複雑な処理は、すべて自動で行われます。

二段階認証とパスキーの違いと使い分け

二段階認証とパスキーの違いと使い分けを七海と大介が比較しながら整理している様子

「結局、どっちを使えばいいの?」という疑問に、お答えします。使い分けは、シンプルです。

二段階認証とパスキー、「結局、どちらを使えばいいの?」と、迷うかもしれません。整理しましょう。「二段階認証」は、これまでの「パスワード」を残したまま、それに「もう一段の確認」を、足す仕組みです。つまり、パスワードが土台にあります。一方、「パスキー」は、「パスワードそのものを、なくす(置き換える)」仕組みです。パスワードを使わないため、パスワードの流出という問題が、根本からなくなり、より安全で、より簡単です。安全性と利便性では、パスキーのほうが優れています。では、なぜ二段階認証も必要かというと、「まだ、すべてのサービスが、パスキーに対応しているわけではない」からです。そこで、現実的な使い分けは、こうなります。「①パスキーに対応しているサービスでは、パスキーを設定する」。「②パスキーにまだ対応していないサービスでは、パスワードに、二段階認証を必ず追加する」。この2つを組み合わせれば、お使いのアカウントを、その時点で可能な、最も安全な方法で、守ることができます。どちらも、難しい操作は不要で、各サービスの設定画面から、案内に従うだけで、設定できます。

「対応していればパスキー・未対応はパスワード+二段階認証」

使い分けは、「①パスキー対応サービス=パスキーを設定(最も安全で簡単)②パスキー未対応サービス=パスワードに二段階認証を追加」と、覚えておけば大丈夫です。パスキーは、これからの主流ですが、移行の途中であり、まだ対応していないサービスも、たくさんあります。なので、当面は、両方を使い分けるのが、現実的です。大切なのは、「どちらか一方だけが正解」ではなく、「そのサービスで使える、いちばん安全な方法を選ぶ」ことです。すでにパスワードと二段階認証で守っているサービスが、後からパスキーに対応したら、パスキーに切り替える(または追加する)、というのも、よい方法です。なお、パスキーを設定したサービスでも、念のため、パスワードや二段階認証が、まだ有効になっている(残っている)ことも多いです。その場合は、いざというときの予備として、残しておくと安心です。いずれにせよ、「何も設定していない」状態から、一歩を踏み出すことが、いちばん重要です。完璧を目指して立ち止まるより、まず設定しましょう。

始め方と、どこから設定するか

二段階認証とパスキーの始め方とどこから設定するかを七海と大介が確認している様子

では、実際に始めましょう。「どこから設定するか」が、とても大切です。

二段階認証やパスキーの設定は、各サービス(Google、Apple、Microsoft、SNS、ネット銀行など)の、「設定」の中の「セキュリティ」や「アカウント」「ログイン」といった項目から、行います。具体的な手順は、サービスごとに異なりますが、おおよそ、次のような流れです。二段階認証なら、「セキュリティ設定」で「2段階認証を有効にする」を選び、方法(認証アプリ・SMSなど)を選んで、画面の案内に従って設定します。パスキーなら、「パスキーを作成」「パスキーでログイン」といった項目を選び、デバイスの指紋・顔認証やPINで、登録します。どちらも、画面の案内に従えば、数分で完了します。ここで、いちばん大切なのが、「どこから設定するか(優先順位)」です。すべてのアカウントを、一度に設定するのは大変なので、「大事なアカウントから」順番に設定しましょう。最優先は、「メールアカウント」です。メールは、ほかの多くのサービスの、パスワード再設定の窓口になっているため、メールが乗っ取られると、被害が一気に広がります。次に、Apple・Google・Microsoftのアカウント、SNS、ネット銀行やネット証券、ネットショッピングなど、重要なものから、固めていきましょう。

「各サービスの設定から・メールなど大事なものを優先」

始め方は、「①各サービスの『設定→セキュリティ/アカウント』を開く ②二段階認証を有効にする、またはパスキーを作成する ③画面の案内に従う」だけです。難しくありません。そして、設定する順番が大切で、「①メール ②Apple・Google・Microsoftアカウント ③SNS ④ネット銀行・ネット証券・ネットショッピング」など、重要なアカウントから、優先的に設定しましょう。とくに、メールアカウントは、最優先です。多くのサービスは、パスワードを忘れたときに、メールで再設定します。つまり、メールを乗っ取られると、芋づる式に、他のサービスも乗っ取られかねないからです。まずは、ふだん使っているメールから、設定してみてください。具体的な設定手順は、サービスごとに異なり、画面の表示も変わることがあるため、各サービスの公式ヘルプや、設定画面の案内を見ながら、進めるのが確実です。なお、Microsoftアカウントで、サインインがうまくいかない・設定に困ったときは、Microsoftアカウントのサインイントラブルも参考になります。焦らず、ひとつずつ、設定していきましょう。

安全に使うための注意点(回復手段など)

二段階認証とパスキーを安全に使うための注意点と回復手段を七海と大介が落ち着いて整理している様子

最後に、とても大切な注意点です。これを知らないと、自分が締め出されることも。

二段階認証やパスキーを設定するときに、絶対に忘れてはいけない、大切な注意点があります。それは、「回復(リカバリー)手段を、必ず用意しておく」ことです。二段階認証やパスキーは、スマホなどのデバイスと、結びついています。そのため、もし、スマホを紛失したり、壊れたり、機種変更したりすると、2段階目の確認ができず、自分自身が、アカウントにログインできなくなる(締め出される)危険があるのです。これを防ぐために、設定時に発行される「バックアップコード(回復コード)」を、必ず保管しておきましょう。これは、スマホが使えないときに、代わりにログインするための、予備の鍵です。紙に印刷したり、安全な場所にメモしたり、して、大切に保管します(パソコンの中だけでなく、紙でも残すと、より安心です)。また、予備の連絡先(別のメールアドレスや電話番号)を、登録できるサービスも多いので、設定しておきましょう。さらに、機種変更のときは、新しいスマホへ、認証アプリのデータや、パスキーを、きちんと引き継ぐ(または、再設定する)必要があります。古いスマホを手放す前に、移行を済ませましょう。

「回復コードを必ず保管・締め出されない備えを」

安全に使うための注意点は、「①バックアップコード(回復コード)を必ず保管する(紙でも残すと安心)②予備の連絡先(別メール・電話番号)を登録する ③機種変更時は、認証アプリやパスキーを、忘れずに引き継ぐ・再設定する」です。とくに、①の回復コードの保管は、絶対に忘れないでください。「セキュリティを高めたつもりが、自分が締め出されて、二度とログインできなくなった」というのは、本当に困ります。回復手段は、その最後の命綱です。そのほか、認証コードを、偽サイトに入力したり、他人に教えたり、しないこと(本物のサイトか、必ず確認)。パスワードも、引き続き、使い回さず、できれば管理アプリで管理すること。これらも、大切です。セキュリティは、難しく考えすぎず、「できることから、ひとつずつ」で大丈夫です。まずは、いちばん大事なメールアカウントに、二段階認証(できればパスキー)を設定し、回復コードを保管する——ここから始めてみましょう。なお、中古パソコンを購入したときの、ウイルス対策やセキュリティの基本は、中古パソコンのウイルス・セキュリティ対策も、あわせてご覧ください。安全に、安心して、パソコンやスマホを使いましょう。

よくある質問

二段階認証とパスキーの基本に関するよくある質問を七海が確認し大介が答えている様子
二段階認証と、パスキーは、どちらを設定すればいいですか?

対応していればパスキー、未対応ならパスワード+二段階認証、が基本です。安全性と利便性では、パスキーのほうが優れていますが、まだ、すべてのサービスが、パスキーに対応しているわけではありません。そこで、現実的な使い分けは、「①パスキーに対応しているサービスでは、パスキーを設定する ②パスキーにまだ対応していないサービスでは、パスワードに、二段階認証を必ず追加する」となります。パスキーは、パスワードそのものを使わず、指紋や顔認証でログインできるため、流出の心配が少なく、偽サイトにも強く、操作も簡単です。対応しているなら、ぜひパスキーを使いましょう。一方、パスキー未対応のサービスでも、パスワードだけで放置するのは危険なので、二段階認証を追加して、守りを固めます。すでにパスワードと二段階認証で守っているサービスが、後からパスキーに対応したら、パスキーに切り替える(または追加する)のも、よい方法です。大切なのは、「どちらか一方が正解」と考えるのではなく、「そのサービスで使える、いちばん安全な方法を選ぶ」ことです。そして何より、「何も設定しない」状態から、一歩踏み出すことが、最も重要です。

スマホをなくしたら、ログインできなくなりませんか?

そのために「回復手段」を、事前に用意しておきます。これは、とても重要なポイントです。二段階認証やパスキーは、スマホなどのデバイスと結びついているため、スマホを紛失・故障すると、2段階目の確認ができず、自分がログインできなくなる恐れがあります。これを防ぐために、設定するときに、必ず「回復(リカバリー)手段」を用意しておきましょう。具体的には、まず、設定時に発行される「バックアップコード(回復コード)」を、保管します。これは、スマホが使えないときに、代わりにログインするための、予備の鍵です。紙に印刷するか、安全な場所にメモして、大切に保管してください(パソコンの中だけでなく、紙でも残すと、より安心です)。また、多くのサービスでは、予備の連絡先(別のメールアドレスや電話番号)を、登録できます。これも設定しておくと、いざというときに、本人確認の手段になります。さらに、パスキーは、クラウド経由で、複数のデバイスに同期されることが多いので、1台をなくしても、別のデバイスからログインできることがあります。いずれにせよ、「回復コードの保管」と「予備連絡先の登録」を、設定とセットで行うことが、締め出しを防ぐ、いちばんの対策です。

SMSで届くコードの認証でも、大丈夫ですか?

ないよりは、ずっと安全です。ただ、可能なら、より強い方法がおすすめです。SMS(電話番号にコードが届く方式)での二段階認証は、設定が手軽で、多くの人が使っています。パスワードだけの状態に比べれば、SMS認証を追加するだけでも、安全性は、大きく向上します。ですので、「SMSしか選べない」サービスや、「SMSが、いちばん手軽で続けやすい」という場合は、SMSでも、ぜひ設定してください。何も設定しないのが、いちばん危険です。ただし、正直にお伝えすると、SMS認証は、二段階認証の方法の中では、比較的、突破されやすいとも言われています。近年は、電話番号を狙った手口なども登場しているためです。そのため、もし選べるなら、SMSよりも、「認証アプリ(スマホの専用アプリに表示される、変化するコードを使う方式)」や、「パスキー」のほうが、より安全でおすすめです。とはいえ、繰り返しになりますが、「完璧な方法を選ぶこと」より、「まず、何らかの二段階認証を設定すること」のほうが、はるかに大切です。SMSで始めて、慣れてきたら、認証アプリやパスキーに切り替える、という進め方でも、まったく問題ありません。

パスキーは、パスワードと違って、覚えなくていいのですか?

はい、パスキーは、覚える必要も、入力する必要もありません。パスキーの大きな魅力のひとつが、「パスワードのように、文字列を覚えたり、入力したりする必要がない」ことです。パスキーでは、ログインのときに、お使いのデバイス(スマホやパソコン)の、指紋認証や顔認証、または、デバイスのPIN(暗証番号)で、本人確認をするだけです。複雑なパスワードを、いくつも覚える必要が、なくなります。なぜ、これが可能かというと、パスキーは、デバイスの中に安全に保管された「秘密鍵」を使って、自動的に本人確認を行う仕組みだからです。あなたが覚えておくべき「秘密の文字列」は、存在しません。これは、安全性の面でも、大きなメリットです。覚えられる範囲で、と、つい単純なパスワードにしてしまったり、使い回してしまったり、という、パスワードにありがちな問題が、そもそも起こりません。また、入力しないので、偽サイトに、うっかり入力してしまう、という心配もありません。ただし、パスキーを使うための、デバイス自体のロック解除(指紋・顔・PIN)は、しっかり設定しておく必要があります。デバイスのPINやパスコードは、推測されにくいものにし、他人に教えないようにしましょう。パスキーは、安全と、楽さを、両立した、これからの認証方法です。

中古のパソコンでも、二段階認証やパスキーは使えますか?

はい、多くの場合、問題なく使えます。二段階認証は、特別な機能を必要としないため、中古・新品を問わず、ほとんどのパソコンで利用できます。各サービスの設定画面から、有効にするだけです。2段階目の確認には、スマホ(認証アプリやSMS)を使うことが多いので、パソコン側の性能は、あまり関係ありません。パスキーについては、指紋認証や顔認証を、パソコン本体で使いたい場合は、対応するセンサー(指紋センサーや、顔認証用のカメラ)が必要になります。中古パソコンの中には、これらのセンサーが搭載されているモデルも、搭載されていないモデルも、あります。ただし、センサーがないパソコンでも、デバイスのPIN(暗証番号)を使って、パスキーでログインできます。また、スマホ側でパスキーを管理し、パソコンでログインするときに、スマホを使って認証する、という方法も可能です。ですので、生体認証センサーがない中古パソコンでも、パスキー自体は、利用できます。もし、パソコン本体で、指紋認証や顔認証を使いたい場合は、購入時に、対応センサーの有無を確認するとよいでしょう。中古パソコン選びで、こうした機能の有無が気になる場合は、お気軽にご相談ください。ご希望に合った一台を、正直にご提案します。

まとめ

二段階認証とパスキーの基本を整理してわかりやすく案内している様子の七海と大介

アカウントを守る基本は、「もう一段の鍵」をかけることです。パスワードだけのログインは、流出・使い回し・偽サイトなどのリスクがあり、いまや安全とは言えません。そこで重要なのが、二段階認証と、パスキーです。「二段階認証(2段階認証)」は、パスワードに加えて、もう一段、別の確認(認証アプリ・SMS・メール・プッシュ通知など、本人だけが持つスマホでの確認)を求める仕組みで、パスワードが流出しても、乗っ取りを防げます。方法の中では、認証アプリが比較的安全で、SMSはやや弱いとされますが、何も設定しないより、はるかに安全なので、まずは設定することが大切です。「パスキー」は、パスワードそのものを使わず、指紋・顔認証やPINでログインする、新しい仕組みです。秘密鍵はデバイス内に保管され外に出ず、偽サイトでは成立しないため、フィッシングに非常に強く、安全かつ簡単です。Apple・Google・Microsoftが対応を進める、これからの主流です。

使い分けは、シンプルです。「パスキーに対応しているサービスでは、パスキーを設定」、「パスキー未対応のサービスでは、パスワードに二段階認証を追加」。これで、その時点で可能な、最も安全な守りになります。設定は、各サービスの「設定→セキュリティ/アカウント」から、案内に従うだけ。大切なのは、設定する順番で、「メール」を最優先に、Apple・Google・Microsoftアカウント、SNS、ネット銀行など、重要なものから固めましょう。そして、絶対に忘れてはいけないのが、「回復(リカバリー)手段」の用意です。スマホの紛失・機種変更で、自分が締め出されないよう、バックアップコード(回復コード)を保管し、予備の連絡先を登録しておきましょう。具体的な手順や対応状況は、サービスや機器で異なり、変わることもあるため、各サービスの公式案内で、最新をご確認ください。完璧を目指して立ち止まるより、まず大事なアカウントから、一歩を踏み出すことが、何よりの安全対策です。

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