
突然のブルースクリーン!停止エラーコード別の原因特定ガイドと自力でできる5つの解決策
Windowsのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年7月14日
大事なレポートを作成していたまさにその時、突然パソコンの画面が真っ青になって、悲しそうな顔文字とよく分からない英語のメッセージが表示されたんです。
しばらくすると勝手に再起動はしたのですが、また同じことが起きるのではないかと怖くて作業に集中できません。
これが噂に聞く「ブルースクリーン」なのでしょうか?もうこのパソコンは壊れる寸前なのでしょうか?
表示されていた「停止コード」というものをメモしてはみたのですが、これが何を示しているのか全く分かりません。
この恐怖の青い画面の原因と、自分でできる対処法を教えてください。
その突然の青い画面、PCを使う者なら誰もが一度は肝を冷やす瞬間ですね。しかし、まず覚えておいてください。ブルースクリーン、すなわち「ストップエラー」はPCの「死の宣告」ではありません。むしろ、その逆です。
それは、Windowsの中核部分(カーネル)がシステムの深刻な矛盾を検知した際に、あなたの大切なデータを守るために全ての動作を自ら緊急停止させたという、究極の「保護機能」の作動記録なのです。
そして、お客様がメモしたその「停止コード」こそが、PCがあなたに残してくれた最後の、そして最も重要なダイイング・メッセージ。その暗号を読み解くことで、我々はトラブルの真の原因を特定することができます。
この記事では、その停止コードの解読方法から、原因を体系的に切り分け、自力で問題を解決するための5段階の緊急修復プロトコルまでを徹底的に解説します。
ブルースクリーンの哲学:それは「絶望」の青ではなく、「理性」の青である
予期せぬ青い画面と、そこに表示される謎のエラーコード。それはユーザーに無力感と絶望を与えます。しかし、私たちはその画面に対する見方を変えなければなりません。
ブルースクリーンは混沌としたパニックの象徴ではありません。それは、Windowsという巨大で複雑なシステムが、自身の内部で発生した致命的な矛盾に対して、「これ以上処理を続けるとさらなるデータの破損を招く危険があるため、全ての活動を緊急停止する」という、極めて論理的で理性的な判断を下した結果なのです。
つまり、ブルースクリーンはあなたのデータを破壊から守るための最後のセーフティネットです。そして、そこに残された「停止コード」は、その緊急停止の引き金となった原因を私たちに伝えるための唯一の手がかり。この手がかりを元に冷静に原因を推理し、適切な処置を施していく。それこそが、プロフェッショナルなトラブルシューティングの流儀なのです。
第一章:暗号解読 - 代表的な「停止コード」とその主な原因
ブルースクリーンに表示される停止コードは無数に存在しますが、その中でも特に頻繁に遭遇する代表的なコードと、その背後にある最も可能性の高い原因を知っておくことが、迅速な問題解決への近道です。
【原因:ドライバー関連】
デバイスドライバー(※OSがグラフィックボードやネットワークカードといったハードウェアを制御するための翻訳ソフト)の不具合や非互換性は、ブルースクリーンの最も一般的な原因の一つです。
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`DRIVER_IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL`
最も有名なエラーコードの一つです。ドライバーが不正なメモリ領域にアクセスしようとしたことを示します。最近アップデートしたドライバーや、新しく接続した周辺機器が原因であることが多いです。 -
`VIDEO_TDR_FAILURE`
これは、グラフィックドライバーが応答を停止し、システムが回復できなかったことを意味します。グラフィックドライバーの不具合、GPU(グラフィック処理装置)の過熱や物理的な故障の可能性を示唆しています。
【原因:ハードウェア・メモリ関連】
メモリやCPUといったPCの根幹をなすハードウェアの物理的な問題が原因となるケースです。
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`MEMORY_MANAGEMENT`
Windowsのメモリ管理システムに深刻なエラーが発生したことを示します。物理的なメモリ(RAM)の故障あるいは相性問題が最も疑われますが、ディスクエラーが原因のこともあります。 -
`WHEA_UNCORRECTABLE_ERROR`
これは、CPU、マザーボード、PCIeデバイス、ストレージといったハードウェアレベルで修正不可能な重大なエラーが検出されたことを示す、極めて深刻なエラーコードです。ハードウェアの物理的な故障の可能性が非常に高いです。
【原因:システムファイル・ストレージ関連】
Windowsの重要なシステムファイルや、OSがインストールされているストレージ(SSD/HDD)の不具合が原因となるケースです。
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`CRITICAL_PROCESS_DIED`
Windowsの動作に不可欠な重要なシステムプロセスが何らかの理由で終了してしまったことを示します。システムファイルの破損、ストレージの不良セクタ、あるいは悪意のあるマルウェアなどが原因として考えられます。 -
`INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE`
PCの起動プロセス中に、OSがインストールされている起動ドライブを見失ってしまったというエラーです。ストレージの物理的な故障、SATAケーブルの接触不良、あるいはBIOSの設定変更などが原因となり得ます。
第二章:5段階の緊急修復プロトコル
エラーコードからおおよその原因を推測したら、いよいよ具体的な修復作業に入ります。これも必ず、ステップ1の簡単なものから順番に試してください。
ステップ1:直前の変更を元に戻す(最も基本的な原因切り分け)
まず、自問してください。「**ブルースクリーンが発生する直前に、私は何か新しいことをしなかったか?**」と。新しいソフトウェアをインストールした、特定のドライバーをアップデートした、あるいは新しいUSB機器を接続した。もし思い当たる節があれば、その「直前の変更」こそが最も有力な容疑者です。可能であればPCをセーフモード(後述)で起動し、そのインストールしたソフトウェアやドライバーをアンインストールしてみてください。新しい周辺機器を接続した直後であれば、それらを全て取り外した状態で起動を試みます。多くの場合、問題はこれで解決します。
ステップ2:セーフモードでの起動とシステムファイルの修復
セーフモードは、Windowsを必要最小限の機能とドライバーだけで起動する診断用のモードです。もしセーフモードでならPCが安定して起動できるのであれば、問題の原因はハードウェアの物理的な故障ではなく、ソフトウェア的な要因にあると強く推定できます。セーフモードで起動したら、まずWindowsセキュリティを使い、完全なマルウェアスキャンを実行します。次に、システムの健全性をチェックし修復するための、2つの強力なコマンドを実行します。
管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、まずシステムファイルチェッカー(SFC)を実行します。
sfc /scannow
これが完了したら、次に展開イメージのサービスと管理(DISM)ツールを実行します。
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
これらのコマンドは、破損したWindowsのシステムファイルを検出し、正常なバージョンに修復してくれるOSの自己治癒機能です。
ステップ3:ハードウェアの健康診断(メモリとディスク)
ソフトウェア的な問題が見当たらない場合、次はハードウェアの物理的な健康状態を疑います。
【メモリ診断】
Windowsには、メモリ(RAM)の物理的な故障をテストするための診断ツールが標準で搭載されています。スタートメニューで「Windowsメモリ診断」と検索して起動し、「今すぐ再起動して問題の有無を確認する」を選択します。PCが再起動し、青い背景の診断ツールが自動でメモリテストを開始します。もしこのテストでエラーが検出された場合は、メモリモジュールそのものが物理的に故障している可能性が非常に高いです。
【ディスクチェック】
ストレージ(SSD/HDD)のファイルシステムにエラーがないかをチェックします。管理者権限のコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行します。
chkdsk c: /f /r
このコマンドは、Cドライブのエラーをチェック(`/f`)し、不良セクタを回復(`/r`)しようと試みます。次回のPC再起動時にスキャンが実行されます。
ステップ4(上級者向け):イベントビューアーでエラーの詳細ログを確認する
Windowsは、システムで発生した全ての重要な出来事を「イベントログ」として記録しています。「イベントビューアー」を起動し、左側のペインで「Windowsログ」>「システム」を選択します。中央の一覧にエラー(赤いビックリマークのアイコン)や警告が表示されます。ブルースクリーンが発生した時刻と近いタイミングで記録されている重大なエラーログを確認することで、「どのドライバーがエラーを吐いたのか」といった、より詳細な原因の手がかりを得られる場合があります。
ステップ5(最終手段):システムの復元とリセット
これまでの全ての手段を尽くしても問題が解決しない場合の、最後のソフトウェア的な解決策が、OSの状態を過去に戻すことです。
【システムの復元】
これは、PCのシステムファイルや設定を、問題が発生する前の特定の時点(復元ポイント)の状態に巻き戻す機能です。あなたの個人データ(ドキュメントや写真など)は削除されません。もし事前にシステムの保護を有効にしていれば、この機能でPCを健全な状態に戻せる可能性があります。
【このPCを初期状態に戻す】
これは、Windowsを完全に初期化する最終手段です。「個人用ファイルを保持する」オプションを選択すればデータは保護されますが、インストールした全てのアプリケーションは削除されます。これにより、ソフトウェアに起因するほとんどの問題は根本的に解決されます。
まとめ:ブルースクリーンは、あなたのPCからの「対話」の始まりである
突然のブルースクリーンは恐怖と混乱をもたらします。しかし、それはあなたのPCがあなたに助けを求めている明確なサインです。そのメッセージを正しく読み解き、論理的な手順で対処する知識と冷静さを持つこと。それが、あなたを単なるPCの利用者から、その健康を管理できる信頼されるパートナーへと変えるのです。
- まず、停止コードをメモする: それが全ての謎を解く最も重要な手がかりである。
- 直前の「変化」を思い出す: 新しいソフト、ドライバー、周辺機器。トラブルの引き金は多くの場合、あなたの直前のアクションにある。
- セーフモードは万能の診断室: そこで起動できるなら問題はソフトウェアにある。SFCとDISMという二人の名医にシステムの修復を任せる。
- ハードウェアの健康診断を怠らない: メモリ診断とディスクチェックで物理的な不調の可能性を探る。
- 最後の手段は常に「時間を巻き戻す」こと: 「システムの復元」または「PCのリセット」。バックアップさえあれば、いつでも健全な過去に戻ることができる。
そして、もしこの全てのステップを経てもあなたのPCが回復しないのであれば、それはもはやあなた一人の手には負えません。その時は決して無理をせず、私たちプロの診断と治療を頼ってください。あなたの大切なパートナーを再び元気にするお手伝いをさせていただきます。

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