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2023.11.27

「WPS Office」と「Microsoft Office」の違いは?特徴や選び方のポイントを解説

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【2025年版】「WPS Office」と「Microsoft Office」の違いは?特徴や選び方のポイントを徹底解説

この記事の最終更新日:2025年6月29日

悩む女性

新しくパソコンを探していたら、すごく安いのに「Office付き」って書かれているモデルを見つけたんです。
でも、よく見たら「Microsoft Office」じゃなくて、「WPS Office」って書いてあって…。
これって、Microsoft Officeと同じように使えるんでしょうか?
偽物とか、怪しいソフトじゃないかと少し不安です。

解説する男性

その疑問、非常に重要なポイントです。
ご安心ください、「WPS Office」は偽物などではなく、世界中で数億人が利用している、非常にメジャーで信頼性の高いソフトウェアです。
Microsoft Officeの「互換オフィスソフト」と呼ばれるものですね。
そして、その最大の魅力は、なんといっても価格の安さです。
しかし、その安さには、知っておかなければならない、いくつかの重要な「トレードオフ」が存在します。
今日は、WPS Officeとは何か、そして業界標準であるMicrosoft Officeと何が同じで、何が決定的に違うのか、そのすべてを日本一詳しく、そして分かりやすく徹底解説していきます。
この記事を読めば、あなたの使い方にとって、どちらが本当に賢い選択なのかが、明確に理解できるはずですよ。

WPS Officeとは何か? - 「互換Officeソフト」の巨人

まず、WPS Officeの正体を正しく理解しましょう。

WPS Officeは、ソフトウェア開発大手のキングソフト社が開発・販売する、Microsoft Officeとの高い互換性を持つオフィススイートです。

その歴史と設計思想:「最大限の互換性」を「最小限のコスト」で

WPS Officeは、古くは「KINGSOFT Office」という名称で知られていました。

その設計思想は、一貫して「Microsoft Officeと最大限の互換性を保ちながら、圧倒的な低価格を実現する」という点にあります。

Word、Excel、PowerPointのファイル形式(.docx, .xlsx, .pptx)をネイティブに扱うことができ、その操作画面(UI)も、多くのユーザーがMicrosoft Officeと見間違えるほど、意図的に似せて作られています。

これにより、ユーザーは追加の学習コストなしに、Microsoft Officeからスムーズに移行することができます。

その高い互換性と低価格を武器に、特にアジア市場を中心に絶大なシェアを誇り、全世界での累計インストール数は数十億にも達すると言われています。

決して「怪しいソフト」ではなく、オフィススイート市場における、Microsoftの最も強力なライバルの一つなのです。

製品ラインナップ:Writer, Spreadsheets, Presentation

WPS Officeは、Microsoft Officeの主要なアプリケーションに対応する、以下の3つのソフトウェアで構成されています。

  • Writer (ライター): Microsoft Wordに相当する、文書作成ソフト。
  • Spreadsheets (スプレッドシーツ): Microsoft Excelに相当する、表計算ソフト。
  • Presentation (プレゼンテーション): Microsoft PowerPointに相当する、プレゼンテーション作成ソフト。

これらのアプリは、一つのウィンドウ内にタブとして表示・切り替えができる、独自のインターフェースも特徴の一つです。

【徹底比較】WPS Office vs Microsoft Office - 7つの視点で見る決定的差異

では、いよいよ本題です。

価格の安さが魅力のWPS Officeと、業界標準のMicrosoft Office。

両者の間に横たわる、決して価格だけでは測れない「本質的な違い」を、7つの重要な視点から徹底的に比較・分析していきます。

比較1:ファイルの互換性 - 95%は同じ、しかし「マクロ」と「特殊機能」に潜む罠

互換性を謳うWPS Officeですが、その実力はどの程度なのでしょうか。

【基本的なファイルの互換性は「非常に高い」】

まず結論から言うと、一般的なビジネス文書やレポート、簡単な表計算シートやプレゼンテーション資料など、日常的に作成・閲覧するファイルの互換性は、非常に高いレベルにあります。

Microsoft Officeで作成したファイルをWPS Officeで開いても、あるいはその逆でも、レイアウトが大きく崩れたり、内容が失われたりすることは、ほとんどありません。

この点においては、WPS Officeは「互換ソフト」として、極めて優秀であると言えます。

【最大の弱点:VBAマクロが動作しない】

しかし、ビジネスシーン、特に経理や分析業務で多用されるExcelの**「マクロ」**において、両者には致命的な非互換性が存在します。

Microsoft Officeのマクロは、**VBA(Visual Basic for Applications)**という、Microsoft独自のプログラミング言語で記述されています。

一方、WPS Officeのマクロ機能は、VBAと似てはいますが、完全に同じものではありません。

そのため、**Microsoft Excelで作成された、複雑なVBAマクロは、WPS Spreadsheetsでは正常に動作しない、あるいは全く動作しない**のです。

職場の共有ファイルがVBAマクロを多用している場合や、あなたがマクロを使って業務を自動化しているのであれば、WPS Officeはその時点で選択肢から外れることになります。

これが、WPS Officeがビジネスの現場でMicrosoft Officeを完全に代替できない、最大の理由です。

【高度な機能の互換性】

マクロ以外にも、Microsoft Officeの高度な機能を使ったファイルでは、互換性の問題が発生することがあります。

例えば、ExcelのPower PivotやPower Queryといった高度なデータ分析機能、PowerPointの特定の画面切り替え効果やアニメーション、Wordの高度な変更履歴や文献管理機能などは、WPS Officeでは正しく再現されない、あるいは静的なオブジェクトに変換されてしまう場合があります。

比較2:機能の差異 - 「十分」なWPS vs. 「多機能・高機能」なMS Office

基本的な文書作成や表計算において、WPS Officeが提供する機能は、ほとんどのユーザーにとって「十分」と言えるレベルです。

しかし、Microsoft Officeは、長年の歴史の中で培ってきた、より「多機能」で「高機能」な、プロフェッショナルな要求に応えるための奥深さを持っています。

特に、データ分析やAI活用といった最先端の領域では、両者の差は顕著です。

  • Excelのデータ分析機能:

    Microsoft Excelには、前述のPower PivotやPower Queryに加え、ゴールシークやソルバーといった高度な分析ツール、さらにはPythonコードを直接実行できる「Python in Excel」といった、本格的なデータサイエンスにも対応できる機能が搭載されています。

    これらはWPS Spreadsheetsにはない、Excelの大きなアドバンテージです。

  • AIアシスタント (Copilot):

    2025年現在、Microsoft 365の最大の強みは、AIアシスタント「Copilot」との深い統合です。

    自然言語で指示するだけで、文章の作成、データの分析、プレゼンテーションの自動生成といった作業をAIが代行してくれます。

    この革命的な生産性向上は、クラウドと密接に連携するMicrosoft 365でしか体験できません。

    WPS Officeには、現時点でこれに匹敵する機能は存在しません。

比較3:フォント - 「同じように見えて、違う」というレイアウト崩れの最大原因

これは、マクロと並んで、ビジネスシーンでWPS Officeを使う際の、もう一つの深刻な問題点です。

それは「フォント」の互換性です。

Microsoft Office、特に日本語版では、**「メイリオ」**や**「游ゴシック」「游明朝」**といった、Microsoftがライセンスを持つ、あるいは標準でバンドルされている高品質なフォントが、当たり前のように使われています。

しかし、WPS Officeは、これらのフォントを自社製品に含めて配布するライセンスを持っていません。

そのため、WPS Officeには、これらの標準フォントの代わりに、**見た目が酷似した「互換フォント」**が収録されています。

問題は、この「互換フォント」が、あくまで“似ている”だけで、文字の幅や高さ、字間といったメトリクス情報が、本物のフォントと**微妙に異なる**点です。

その結果、Microsoft Officeで完璧にレイアウトを整えたWord文書やPowerPointスライドを、WPS Officeで開くと、この微妙な文字幅の違いが積み重なり、**意図しない箇所で改行がずれたり、表のセルからはみ出したりといった、「レイアウト崩れ」が発生**するのです。

個人で完結する文書ならまだしも、契約書や請求書、顧客向けの提案書といった、1文字のズレも許されないようなビジネス文書を扱う場合、この問題は致命的となり得ます。

比較4:操作性とユーザーインターフェース (UI)

この点においては、WPS Officeは非常に健闘しています。

Microsoft Officeの「リボンUI」を非常によく再現しており、長年Microsoft Officeに親しんだユーザーでも、ほとんど違和感なく操作を始めることができます。

また、WPS Office独自の機能として、Writer、Spreadsheets、Presentationの各アプリを、Webブラウザのように**一つのウィンドウ内でタブで切り替えられる**インターフェースも提供しています。

複数のOfficeファイルを同時に開いて作業する際に、タスクバーが散らからず、スマートにウィンドウを管理できるため、この機能を好むユーザーもいます。

比較5:価格とライセンス - 「圧倒的な安さ」のWPS Office

価格こそが、WPS Officeの最大の武器です。

Microsoft Office Home & Business 2024の買い切り版が4万円以上するのに対し、WPS Officeの最上位版である「WPS Office 2 Platinum Edition」でも、1万円強程度で購入できます。

さらに安価なStandard Editionや、広告が表示される代わりに無料で使える「Free版」も存在します。

初期投資を極限まで抑えたいユーザーにとって、この価格差は非常に大きな魅力です。

比較6:クラウドとマルチデバイス

Microsoft 365が、1TBのOneDriveクラウドストレージと、PC、Mac、スマートフォン、タブレットといったマルチデバイスでの利用を標準で提供する、統合的な「サービス」であるのに対し、WPS Officeは、基本的にはPCにインストールして使う「ソフトウェア」です。

WPS Officeにも「WPS Cloud」という独自のクラウドサービスはありますが、その容量や、OSとの統合レベル、各種アプリとの連携のスムーズさにおいては、Microsoft 365のOneDriveに及ばないのが現状です。

比較7:信頼性とサポート

Microsoft Officeは、40年以上の歴史を持つ、オフィススイートの業界標準(デファクトスタンダード)です。

その安定性、セキュリティ、そして世界規模でのサポート体制は、他の追随を許しません。

特に、企業のコンプライアンスや、ITガバナンスを重視する環境では、Microsoft Office以外の選択肢は考えにくいでしょう。

一方で、WPS Officeも、キングソフトという大手ソフトウェア企業が開発しており、信頼性も高く、日本語でのサポートも提供されています。

しかし、業界標準であるMicrosoft製品と同等の安心感を求めるのは、酷かもしれません。

【結論】あなたに最適なのはどっち?ケース別最終診断

これまでの比較を踏まえ、あなたがどちらを選ぶべきか、具体的なケースに分けて最終的な結論を示します。

WPS Officeが最適な選択となる人

  • 1. 用途が個人の趣味や、家庭での利用に限定される人:

    町内会の回覧板作成、家計簿、趣味の小説執筆など、外部とのファイルのやり取りが少なく、高度な機能を必要としない個人的な用途であれば、WPS Officeの圧倒的なコストパフォーマンスは非常に魅力的です。

  • 2. Microsoft Officeとのファイル互換性を、それほど厳密に求めない人:

    マクロを使ったファイルを開くことがなく、多少のレイアウト崩れも自分で修正できる、あるいは気にならない、という使い方であれば、大きな問題は起こりません。

  • 3. とにかく初期費用を抑えたい、という価格最優先の人:

    PCの購入予算が限られており、最低限のOffice互換ソフトがあれば良い、と割り切れるのであれば、WPS Officeは合理的な選択です。

Microsoft Officeを選ぶべき人

  • 1. 仕事やビジネスでPCを使う、すべての社会人:

    取引先や社内の同僚と、ファイルの互換性やレイアウト崩れを一切気にすることなく、スムーズに共同作業を行うためには、業界標準であるMicrosoft Officeが必須です。

    「WPS Officeを使っているので、ファイルが開けません/崩れています」という言い訳は、ビジネスの世界では通用しません。

  • 2. VBAマクロや、高度なデータ分析機能が必要な人:

    Excelの持つポテンシャルを最大限に引き出し、業務の自動化や高度な分析を行いたいのであれば、選択肢はMicrosoft Office以外にありません。

  • 3. 大学などで、レポートや論文を提出する必要がある学生:

    教員がMicrosoft Officeを使っている環境で、レイアウト崩れのリスクがあるWPS Officeで作成したレポートを提出するのは、賢明とは言えません。

    また、多くの大学ではMicrosoft 365が無償で提供されているため、そちらを利用すべきです。

  • 4. AI(Copilot)の力を借りて、生産性を劇的に向上させたい人:

    2025年以降、AI機能を活用できるか否かは、仕事の生産性に決定的な差を生み出します。

    その未来への扉を開ける鍵は、Microsoft 365だけが持っています。

まとめ - 「互換性」と「将来性」への投資価値を考える

WPS OfficeとMicrosoft Office、両者の違いを徹底的に比較してきました。

  1. 1. WPS Officeは「価格」が最大の武器:

    個人的な用途で、基本的な文書作成や表計算ができれば十分、というユーザーにとっては、非常に優れたコストパフォーマンスを提供します。

  2. 2. しかし「互換性」は完璧ではない:

    特に「VBAマクロ」の非互換性と、「フォント」の違いによるレイアウト崩れのリスクは、ビジネスシーンや学業においては、致命的な弱点となり得ます。

  3. 3. Microsoft Officeは「標準」であることの価値:

    価格は高価ですが、完全な互換性という「安心感」、高度な機能とサポートという「信頼性」、そしてAIやクラウドといった「将来性」を提供します。

    これらは、目先の価格差以上の、本質的な価値です。

結論として、私たちは、PCを仕事や本格的な学業に使う、ほとんどすべてのユーザーに、**業界標準であるMicrosoft Office(特に、将来性豊かなMicrosoft 365)**を選ぶことを強く推奨します。

それは、あなたの大切な時間を守り、仕事の成果の質を高め、そして未来のテクノロジーの恩恵を最大限に享受するための、最も賢明な「投資」だからです。

もし、あなたのPC選びや、最適なOfficeプランの選択に迷ったら、いつでもお気軽に、私たちPCのプロにご相談ください。

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