
Wordで作るパンフレット!デザインから印刷まで
Officeのお役立ち情報

Q:「パンフレットってWordでも作れるんですか?お店の案内をパンフレットにしたいんですけど、Illustratorとかは使えなくて…。Wordでもちゃんとしたデザインって作れますか?」
A:「Wordでも十分に作れるよ。ページ設定や段組、画像配置をきちんとすれば、見栄えのするパンフレットが仕上がる。印刷設定も調整すれば、市販のテンプレートと変わらないレベルになる」
Wordでパンフレットを作る基本構成
Wordは文書作成ソフトですが、ページレイアウトやグラフィック機能を活用すれば、販促用の印刷物にも十分対応できます。
特に少部数の社内印刷や簡易配布向けには、手軽かつ実用的です。
パンフレットに適した構成
● A4サイズで2つ折りまたは3つ折りが一般的
● 表紙・内容・裏表紙の構成を意識して配置
● 片面印刷か両面印刷かにより構成が変わるため事前に設計する
A4を横使いにして、三つ折りのレイアウトにするのが定番です。
Wordで作るパンフレットの基本構成と実用的な設計手順
Microsoft Wordは文書作成用ソフトという印象が強いですが、実際にはページレイアウトや画像配置、表組み、段組みなど、簡易なDTPツールとしても活用できます。特に社内向けの告知資料や小規模イベント用の配布物であれば、Wordだけで完結させることが十分可能です。
ここでは、Wordを使ってA4サイズの三つ折りパンフレットを作成する際の基本的な構成と、具体的な操作手順を上級者向けの視点で詳しく解説します。
パンフレットに適した構成とレイアウトの考え方
基本はA4横向き三つ折りレイアウト
A4用紙を横向きにして三つ折りにする形が最も一般的です。仕上がりサイズは三等分になるため、各面のサイズに合わせて内容を設計する必要があります。
● 表紙(最終的に折り返される面)
● 裏表紙(中央の折り面)
● 内面左・中・右(開いたときに見える3面)
三つ折りの構成を設計する際には、以下を意識して割り当てましょう。
● 1面目(折返し部分) → 表紙
● 2面目(中央部分) → 裏表紙や会社概要
● 3面目 → 開いたときの左ページ
● 4〜6面目 → 内容ページ(サービス案内、価格表など)
片面印刷と両面印刷では構成が異なります。印刷前に設計図を紙で試作しておくと、誤配置を防げます。
Wordでのレイアウト設定方法
用紙サイズと方向の設定
● 「レイアウト」タブ →「サイズ」でA4を選択
● 同じく「方向」で「横」を選ぶ
この段階で、A4横の紙面に対してレイアウトを設計する準備が整います。
三つ折り用のガイド線を作る
Wordには三つ折り用のテンプレートは用意されていないため、手動でカラム分割やガイド線を活用します。
● 「レイアウト」タブ →「段組み」→「その他の段組み」
● 段数を「3」、間隔を3〜5mmに設定し、線を表示にチェック
これでページが3等分され、それぞれの段に文章や画像を配置できます。より正確に作業したい場合は、表を使って3つのセルに分ける方法も有効です。
各面に配置する内容と構成例
表紙の役割とデザイン
表紙は視認性が重要です。パンフレットを手に取ったときに最初に目に入るため、印象を左右します。
● 会社ロゴ、イベント名、キャッチコピーを配置
● 背景に写真やカラーを使用して視覚的に引き付ける
● 情報を詰め込みすぎず、余白を活かしてシンプルにまとめる
裏表紙の役割と内容
裏表紙には主に連絡先やQRコード、地図などを配置します。
● 住所・電話番号・メール・SNSなどを網羅的に掲載
● 営業時間や定休日も忘れずに記載
● Googleマップへのリンク用QRコードを挿入すると親切
中面3面の活用例
● 面1 → 会社紹介、理念、実績など
● 面2 → 商品やサービスの特徴、ビジュアル要素を中心に
● 面3 → プラン、価格表、問い合わせ案内などの行動促進エリア
ビジュアルとテキストのバランスが重要で、すべて文字だと読まれにくくなります。写真やアイコンを入れて視覚的な区切りを入れると読みやすくなります。
印刷時の注意点と実務対応
両面印刷と折り順の確認
三つ折りパンフレットは、両面印刷する場合、裏表の折り方と面の対応に注意が必要です。
● Word上でページを2ページ使い、表面と裏面を別々にデザイン
● 印刷プレビューで折ったときの順序が正しくなるか必ずチェック
● 家庭用プリンタを使う場合、用紙の裏返しと印刷方向の対応表を事前に確認しておく
手作業で折る場合でも、1mmズレると見栄えが崩れるため、トンボ(折り線の目印)をうっすら挿入しておくのが効果的です。
カラーモードと画像の解像度
● 画像は300dpi推奨、JPEGまたはPNG形式で挿入
● カラープリンタを使う場合は、RGBでも印刷可能だが、外注する場合はCMYKを想定しておくと良い
印刷所に依頼する場合はPDF化が必要になるため、Wordファイルを「名前を付けて保存」→「PDF」を選んで出力します。
配布後を見越した設計の工夫
パンフレットは「読ませる」だけでなく、「次の行動につなげる」目的があります。そのためには、内容だけでなく構成全体に戦略性が求められます。
● 各面に完結したメッセージを配置し、どの順で読まれても伝わるようにする
● 行動を促す要素(QRコード、申込先リンク、特典情報など)を強調
● 配布後のレスポンスを追跡できるよう、専用URLやQRコードを使い分ける
結論
Wordを使ったパンフレット作成は、しっかりと構成を設計すれば、十分に実用的な印刷物を制作できます。特に三つ折りレイアウトは、A4用紙1枚で多くの情報を整理しつつ、持ち運びや配布にも適した形式です。
レイアウト設定、段組み、各面の内容配置、そして印刷までの流れを理解すれば、外部のデザイナーに依頼せずとも、社内資料や販促ツールをスピーディに作成できます。Wordの標準機能を最大限に活かし、必要十分な品質を自力で実現する。それが、業務効率化を重視する上級ユーザーのスマートな選択です。
Wordでのレイアウト設定と段組
見栄えを整えるには、ページサイズや段組みの調整がポイントになります。
段組で紙面を3分割する方法
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1.「レイアウト」タブを開く
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2.「段組み」→「3段」を選択
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3.必要に応じて「段組みの詳細設定」で間隔や線を調整
これで三つ折りに対応したレイアウトが作れます。
マージン(余白)と印刷領域の調整
● 印刷機によっては端まで印刷できない場合がある
● マージンは上下左右10mm程度に設定しておくと安全
● 「ページ設定」から余白を個別に調整可能
Wordでのレイアウト設定と段組調整の基本
Wordでパンフレットやチラシなどを作成する際、文字や画像を整えて配置するだけでは美しい仕上がりにはなりません。印刷物としての見栄えを整えるには、ページ設定や段組みといった基本のレイアウト調整が重要です。
とくにA4横三つ折りのパンフレットのようなレイアウトでは、段組みの精度と余白の設定が全体の完成度に大きく影響します。ここではWordのレイアウト設定と段組操作を詳しく解説し、実務で使えるレイアウト調整のポイントを紹介します。
段組を使って紙面を正確に3分割する手順
三つ折りパンフレットなどでは、紙面を3等分する段組み設定が必須です。Wordには段組み機能が用意されており、これを活用することで左右のバランスを保ったレイアウトが作れます。
段組みの基本設定手順
● 「レイアウト」タブをクリック
● 「段組み」→「3段」を選択
この操作でページ全体が3等分されます。段ごとに自動的にテキストが流れるため、スペース配分を意識しながら編集できます。
段組みの詳細設定を行う方法
より精密にコントロールしたい場合は、段組みメニューの中から「その他の段組み」を選び、細かい数値を指定します。
● 「段数」を「3」に指定
● 「間隔」は3〜5mm程度に設定(折り目の干渉を防ぐ)
● 「線を引く」にチェックを入れると、各段の間にガイド線が表示される
段間にガイド線を入れておくと、印刷後にどこで折るかが視覚的に把握しやすくなります。これは試作時にも便利です。
マージンと印刷領域の調整でトラブルを防ぐ
見た目の整ったレイアウトでも、印刷でズレが発生すれば台無しになります。特に注意すべきなのが余白(マージン)と印刷可能範囲の設定です。
マージン設定の目安と調整方法
印刷機によっては、用紙の端まで印刷できない場合があります。そこで、安全マージンを確保しておくことが大切です。
● 上下左右それぞれ10mm程度の余白を設けると無難
● 「レイアウト」タブ →「余白」→「ユーザー設定の余白」から調整可能
● 表紙や裏表紙など重要な要素は、余白から5mm以上内側に配置するのが安全
特に社内のインクジェットプリンタでは、端まできれいに印刷されないことが多いため、マージンを含めた設計が必要です。
印刷範囲を事前に確認する方法
● 使用するプリンタの「プロパティ」または「印刷設定」で印刷可能範囲を確認
● 「ページ設定」画面で「印刷の向き」を横に設定し、レイアウトと整合をとる
● プレビューで余白切れやズレが発生していないかを最終確認する
印刷テストを行う際は、本番用とは別に試し刷り用の用紙で出力し、折り位置や配置が想定通りになっているかチェックしましょう。
表やテキストボックスを組み合わせて自由度を上げる
段組みだけでは制御しづらいレイアウトもあります。そうした場合には、表やテキストボックスを活用するとより柔軟に対応できます。
表を使ってレイアウトを固定する方法
● 「挿入」タブ →「表」→「1行3列」の表を作成
● 各セルに内容を入力し、線を非表示に設定すれば段組のように使える
● 表をページ幅に合わせて伸ばし、均等に配置することで三つ折りの代替レイアウトが完成
段組みと違い、表は各セルの幅を個別に調整できるため、折り返し部分にわずかに余裕を持たせる設計も可能です。
テキストボックスによる自由配置
テキストボックスは、図や装飾要素と組み合わせるレイアウトで特に有効です。
● 「挿入」タブ →「テキストボックス」から自由配置を行う
● 「文字列の折り返し」を「前面」にすると、自由な位置に配置できる
● 写真や図と重ねて使うと、デザインの幅が広がる
パンフレットに動きや強調を加えたい場合、テキストボックスは非常に便利な手段です。
印刷の実務と仕上がり調整のコツ
両面印刷時の注意点
両面印刷を行う場合、表裏の面が正しく対応するようにページ構成を調整する必要があります。
● 表面と裏面をそれぞれページ1・2として作成
● 印刷設定で「短辺とじ」または「長辺とじ」を選び、折り方と一致させる
● 試しに印刷して手折りし、表裏の面が正しいか確認してから本印刷へ
家庭用プリンタでの両面印刷はズレが発生しやすいため、手動で紙を裏返して印刷する方が確実な場合もあります。
PDF出力による確認
印刷所に依頼する場合や、仕上がりを事前に確認したい場合はPDF形式で保存しておくと便利です。
● 「ファイル」→「名前を付けて保存」→「ファイルの種類」から「PDF」を選択
● PDFビューワーで開き、画面上で折り位置や余白を確認
PDF化しておけば他者との共有や校正作業もスムーズになります。
結論
Wordで美しく整ったレイアウトを作成するには、段組みやマージンの設定、印刷範囲の把握といった基本操作を正確に行うことが大切です。特にA4横三つ折りのような用途では、単なるテキスト入力だけではなく、段構成・折り位置・余白・視覚的なバランスを意識した設計が求められます。
段組みの標準機能だけでは足りない場面では、表やテキストボックスを使って柔軟に対応することが重要です。印刷までを見据えた準備と確認を徹底すれば、Wordでも十分に実用的で高品質な印刷物が作成できます。細部まで丁寧に調整し、伝えたい内容を正しく、そして美しく届けることが上級者の技術です。
画像・図形・テキストボックスの使い分け
Wordでパンフレットを作る際は、テキストと画像の配置を自由に操作できることが重要です。
● テキストボックスを活用してレイアウト自由度を確保
● 画像は「文字列の折り返し」を「前面」「背面」「四角形」などに設定
● 図形を使って色分けや見出しエリアを作るとデザイン性が上がる
複雑な段組や枠線の設定も、テキストボックスと図形の組み合わせで再現可能です。
Wordでの画像・図形・テキストボックスの使い分けとレイアウト術
Wordは文書作成ツールとして知られていますが、パンフレットやチラシといった印刷物のレイアウトにも十分対応できます。その鍵となるのが、「画像」「図形」「テキストボックス」をどう使い分けるかです。これらの要素を適切に組み合わせることで、柔軟で見栄えの良いデザインが実現できます。
ここでは、それぞれの機能の特性と活用方法、操作手順を上級者向けに解説していきます。
テキストボックスで自由な文字配置を実現する
テキストボックスの基本的な使い方
Wordのテキストボックスは、文章をページのどこにでも配置できる強力な機能です。通常の文書とは異なり、段落の流れに影響されないため、パンフレット作成時のレイアウト自由度が大きく向上します。
● 「挿入」タブ →「テキストボックス」→「横書きテキストボックス」を選択
● 任意の場所をクリックしてサイズを調整し、テキストを入力
● テキストボックスの枠線や塗りつぶしを「図形の書式」で変更可能
レイアウトのコントロール方法
● 複数のテキストボックスを使って段組風の配置が可能
● 文字列の折り返しを「前面」にすると、テキストが他要素と重ならない
● テキストボックス同士の配置は「配置」メニューで整列や間隔調整ができる
細かい調整が必要な場面では、グリッド表示やスナップ機能を使うと作業が効率化します。
画像の挿入と文字列の折り返し設定
パンフレットでは、視覚的に伝える要素として画像の使い方が非常に重要になります。Wordでは画像の配置を柔軟に調整するための「文字列の折り返し」機能が用意されています。
画像の挿入と配置手順
● 「挿入」タブ →「画像」→ ファイルから挿入
● 挿入した画像を右クリック →「文字列の折り返し」から配置方法を選択
よく使われる折り返し設定と特徴は以下のとおりです。
●「前面」→ 他要素の上に画像を重ねる。自由配置が可能
●「背面」→ 画像を背景として使用し、その上に文字を載せる
●「四角形」→ 画像の周囲をテキストが自動的に回り込むようになる
視覚的に整ったデザインを目指す場合、画像のサイズと位置は比率を保ちながら慎重に調整する必要があります。
図形を使ってレイアウトに装飾と構造を加える
図形は単なる装飾だけでなく、レイアウトのガイドや区切り、強調に役立ちます。色や配置を調整すれば、プロっぽい印象に近づけることができます。
図形の基本操作
● 「挿入」タブ →「図形」から長方形、円、矢印などを選択
● 配置した図形をクリックし、「図形の書式」で色や枠線を編集
● テキストを入れるには右クリック→「テキストの追加」で直接入力が可能
図形とテキストを組み合わせて見出しを装飾すれば、セクション分けが明確になり、読みやすさが格段にアップします。
レイアウト支援としての図形の使い道
● セクションごとの背景色代わりに使用(例:長方形+文字)
● 枠付きボックスで情報を囲んで視認性アップ
● 区切り線や矢印で視線誘導をコントロール
図形をレイヤーとして使い、上に画像やテキストを配置することで、PowerPointのような演出的表現も可能になります。
複雑な段構成も組み合わせで実現できる
三つ折りや四段組のレイアウトは、Wordの標準段組機能だけでは制御が難しいケースがあります。こうした場面では、テキストボックス・図形・画像を併用して手動で配置することで、希望の構成を再現できます。
● 段ごとにテキストボックスを配置し、それぞれ独立した内容を入力
● 各段を区切るために、縦の図形(線または細い長方形)を配置
● 見出しエリアには背景色付きの図形を重ね、テキストでセクションタイトルを記載
これらをグループ化しておくことで、後からまとめて移動や調整も可能になります。
作成後の調整と整列で仕上がりを高める
見た目を整える最終ステップとして、整列や配置の微調整を行いましょう。
● 「Ctrl+クリック」で複数の要素を選択し、「図形の書式」→「配置」で上下左右を整列
● 「サイズと位置」で幅・高さを数値で統一し、デザインの統一感を出す
● テキストボックスや画像に「グリッドに合わせる」をオンにすると正確に揃う
また、「表示」タブで「ルーラー」や「グリッド線」を表示させておくと、作業が視覚的にスムーズになります。
結論
Wordでのパンフレット作成において、画像・図形・テキストボックスの使い分けは、レイアウトの柔軟性と完成度を大きく左右する要素です。それぞれの機能を単独で使うのではなく、組み合わせて活用することで、標準機能の範囲内でも自由度の高いレイアウトが実現できます。
テキストボックスで自在に文字を配置し、画像の折り返し設定で視覚要素を引き立て、図形でセクションや構造を補強する。こうした工夫を積み重ねることで、Wordでも十分に見映えのする印刷物が仕上がります。細部まで丁寧に設計することで、情報が正確に伝わり、印象に残るパンフレットを作成することができます。
色とフォントの設計ポイント
デザインに統一感を出すために、配色と文字のルールを明確にしておくことが大切です。
● 色はベース+アクセントの2〜3色に抑える
● 文字サイズは見出しと本文で明確に差をつける
● フォントは基本的に2種類まで(例:游ゴシック+メイリオ)
● 目立たせたい箇所は太字・色・囲み線で区別
シンプルに整理されたデザインの方が、印刷後の仕上がりもきれいに見えます。
Wordで整ったデザインをつくるための色とフォントの設計ポイント
パンフレットやチラシをWordで作る際、内容の分かりやすさだけでなく、見た目の統一感も非常に重要です。その見た目を支えるのが、色とフォントの設計です。配色と文字設計にルールを持たせることで、全体に一貫性が生まれ、仕上がりの印象が大きく向上します。
ここでは、実務で使える色とフォントの選び方、具体的な設定方法、デザインを整理するための考え方を詳しく解説していきます。
色の使い方にルールを持たせてデザインを整理する
ベースカラーとアクセントカラーの考え方
パンフレット全体の印象は色で大きく左右されます。特にWordでの印刷物は、紙面がごちゃごちゃしていると読みづらくなりやすいため、色数を絞って使うことが基本です。
● 基本はベースカラー1色+アクセントカラー1〜2色まで
● ベースカラーは背景や本文、罫線など広い面積に使う色
● アクセントカラーは見出しや強調部分に使い、視線誘導を狙う
例えば、ベースに薄いグレーを使い、アクセントに青やオレンジを使うと、シンプルでありながら視認性の高い構成になります。
色の設定方法(Wordの操作)
● 色を設定したい要素を選択
● 「ホーム」タブ →「フォントの色」または「図形の塗りつぶし」からカラーを選択
● 「その他の色」でRGBや16進コードを指定すれば正確な配色が可能
カラーの統一感を保つために、テーマカラーのカスタマイズを活用すると便利です。
フォント設計で読みやすさと整合性を両立する
使用するフォントは最大2種類までに絞る
多くのフォントを使うと全体が散漫な印象になります。フォントは役割を分けて選定するのがポイントです。
● 見出し用:視認性が高く印象が残るフォント(例:メイリオ、游ゴシック Bold)
● 本文用:読み疲れしにくいスタンダードなフォント(例:游明朝、游ゴシック Regular)
フォントの太さやサイズを適切に組み合わせることで、複数フォントを使わなくても表現に幅を持たせることができます。
フォント設定の手順
● 「Ctrl+A」で全選択 →「ホーム」タブから基本のフォントとサイズを設定
● 見出しは個別に選択して、サイズを大きく、太字に設定
● 必要に応じて「スタイル」機能を使えば、フォント設定をテンプレート化できる
スタイルを使うことで、複数ページにわたるパンフレットでも一括で見出しや本文のフォントを統一できます。
文字の強調は3パターン以内にとどめる
読ませたい情報を目立たせるには、太字・色・囲みのいずれかを組み合わせて使います。ただし、強調の方法が多すぎると逆に読みにくくなるため、絞ることが重要です。
強調方法とその使い方
● 太字:情報量が多い中で特定のキーワードを強調する際に有効
● 色:アクセントカラーで見出しや数値を目立たせる
● 囲み線:セクションの分割や補足説明など、構造の区切りに適している
例:本文中の「30%割引」という表現に対し、赤の太字+黄色の囲み線を使うことで、瞬時に視認させる工夫が可能です。
囲み線や背景色の設定手順
● 強調したいテキストをテキストボックスに入れる
● テキストボックスを選択 →「図形の書式」→「図形の塗りつぶし」「図形の枠線」で色や太さを調整
● 「文字列の折り返し」を「前面」に設定すると、自由な位置に配置可能
この方法なら、本文の流れを崩さずに目立たせたい情報だけをピンポイントで強調できます。
色と文字の組み合わせで見やすさを最適化する
配色と文字の視認性に注意する
背景と文字のコントラストが弱すぎると読みにくくなります。特に明るい色同士や暗い色同士の組み合わせは避けましょう。
● 背景が白なら、文字色は黒・濃紺・ダークグレーが基本
● 背景に色をつける場合は、文字を白または黒で明確に区別
● 赤背景+白文字、紺背景+黄色文字などは印刷でも再現性が高い
実際の印刷前にプリンタで試し刷りをして、画面上と紙面での印象の違いを確認することをおすすめします。
統一感のあるデザインを支えるスタイル設定
Wordの「スタイル」機能を活用することで、見出し・本文・小見出し・注釈などを一括で管理できます。これにより、修正時も全体に反映されるため、作業の効率も大幅に向上します。
● 「ホーム」タブ →「スタイル」で既存のスタイルを選択・変更
● 「見出し1」「見出し2」「本文」など役割別に定義
● カスタムスタイルを作成し、色・フォント・サイズを事前に統一
このように設定しておけば、複数人での編集作業でもデザインのブレが起きにくくなります。
結論
色とフォントの設計は、デザインの土台をつくる非常に重要な要素です。色は2〜3色に絞り、ベースとアクセントを明確に分ける。フォントは最大でも2種類にとどめ、見出しと本文でサイズや太さを調整する。さらに、強調表現は絞り込み、必要な箇所だけに限定することで、全体が整理されて見やすくなります。
Wordでのパンフレット制作でも、こうした設計の基本を押さえることで、印刷物としての品質を大きく高めることができます。見た目と機能性のバランスがとれた、読みやすく印象に残る資料づくりを意識して取り組むことが、上級者としての仕上げにつながります。
印刷時の設定と注意点
完成後の印刷品質は、設定に大きく左右されます。トラブル防止のためにも、印刷前の確認は入念に行いましょう。
● 「両面印刷」設定がプリンタに対応しているか確認
● 三つ折り用の場合、折り位置が正確に合うようマージンに注意
● PDFとして保存し、印刷会社に入稿することも可能
● 写真を多用する場合は「高解像度印刷」を選択
インクジェットプリンタではにじみやズレが起きやすいため、少部数のテスト印刷をしてから本番に臨むと安心です。
印刷品質を左右するWordの設定と実務上の注意点
パンフレットやチラシをWordで作成したあと、最終的なクオリティを決定づけるのが「印刷」です。画面上では美しく見えていても、印刷の設定や用紙の扱いを誤ると、ズレやにじみ、色味の違いが発生してしまいます。
ここでは、印刷の前に押さえておくべき設定項目、プリンタの対応確認、三つ折りの特殊な注意点、そして印刷トラブルを避けるための具体的な対策を紹介します。
プリンタの機能と設定を事前に確認する
両面印刷に対応しているかを確認
パンフレットの多くは両面印刷が前提です。ただし、プリンタによっては自動両面印刷に対応していない場合があります。
● 使用するプリンタの仕様で「自動両面印刷」が可能か確認
● 対応していない場合は「手動で両面印刷」を選び、片面ずつ印刷して紙を裏返す
● 印刷設定内の「ページレイアウト」で「短辺とじ」または「長辺とじ」を選択し、折り方向に合わせる
手動印刷時は紙の向きや表裏を間違えやすいため、テスト印刷で裏面の向きや折りの位置を確認してから本番に移るのが安全です。
三つ折りレイアウトの印刷時に注意すること
折り位置とマージンの微調整
三つ折りにする場合、仕上がりの左右で幅がわずかに異なるため、等間隔で印刷すると折り目が合わないことがあります。
● 通常の三つ折りでは、内側に折り込む面を数ミリ小さく設計(例:97mm+100mm+100mm)
● マージン設定で、左右どちらかに余白を多めに確保すると折り目がきれいに収まる
● 目印として「折りガイド線」を細くグレーで表示させておくと作業がしやすくなる
紙の厚みによっても折りずれが生じるため、実際の用紙で試作しながら調整するのが確実です。
印刷解像度と画像品質を意識した設定
高画質な画像を使用し、印刷解像度を調整
写真やイラストを多用するデザインでは、画像の解像度が印刷品質を左右します。低解像度の画像をそのまま使うと、にじみやぼやけが発生します。
● 画像の解像度は最低でも300dpi(印刷用)を推奨
● Wordに挿入する前に画像サイズを調整しておくと圧縮されにくい
● 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」→「イメージのサイズと画質」で「ファイル内の画像を圧縮しない」にチェック
プリンタのドライバ設定でも、印刷モードを「高品質」または「写真用」に切り替えておくと、色の出方が改善されます。
PDF形式で保存・入稿する際のポイント
Wordで作成した文書をそのまま印刷所に渡すと、フォントの違いや配置のズレが起こることがあります。確実に仕上がりを保つには、PDF形式で保存して入稿するのが基本です。
● 「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPSの作成」で保存
● オプション設定で「標準(オンライン発行および印刷)」を選ぶ
● 画像の解像度を「高」に設定し、トンボや裁ち落としが必要な場合は余白を調整
フォントが埋め込まれない場合は、文字化けの原因になります。特に印刷会社に依頼する場合は、事前にPDFの仕様を確認しておきましょう。
テスト印刷で仕上がりをチェックする
本印刷に入る前に、必ず少部数のテスト印刷を行い、デザインと印刷のずれがないか確認しましょう。
● 実際に使用する用紙とプリンタで試し刷りを行う
● 折り目、色の発色、文字のにじみ、余白のズレなどを目視で確認
● 問題があれば、Wordのマージンや配置、色合いを調整して再出力
インクジェットプリンタの場合、用紙との相性によってにじみやすくなることもあります。可能であれば「普通紙」「光沢紙」など複数の用紙で試して最適なものを選ぶのが理想です。
色の再現性とプリンタの特性を理解する
モニター上で見える色と、印刷された色は同一にはなりません。これはRGB(モニター)とCMYK(印刷)の違いによるものです。
● 特に鮮やかな青や赤は印刷時にくすむことが多いため、鮮やかすぎる色合いは避ける
● モニター側での色調整を行うには、キャリブレーションや試し刷りによる微調整が必要
● 印刷会社に依頼する場合は、色見本の提供や指定カラーコードの使用が効果的
家庭用プリンタでの再現には限界があるため、高品質を求める場合はプロへの外注も選択肢になります。
結論
Wordで作成したパンフレットやチラシを高品質に仕上げるには、印刷前の設定と確認が非常に重要です。両面印刷や三つ折りレイアウトでは、折り位置のズレや紙送りの誤差が仕上がりを左右するため、事前準備を怠らないようにしましょう。
解像度の高い画像を使い、プリンタの設定を最適化し、可能であればPDF形式で保存・入稿することで、トラブルを防ぐことができます。テスト印刷は必須工程と考え、画面と実際の仕上がりのギャップをしっかり把握した上で、本番の印刷に臨むことが大切です。印刷も制作工程の一部として意識すれば、完成度の高い資料が手に入ります。
よくあるトラブルと対策
● 折り位置がズレる
→ 段組みの幅やマージンの設定が均等でない可能性あり
● 文字が画像に隠れる
→ 「前面」「背面」のレイヤー設定を確認
● 印刷したら色が暗い/鮮やかすぎる
→ 画面と印刷で色味は異なるため、あらかじめテスト印刷推奨
Wordでパンフレットを作る際によくあるトラブルとその対策
Wordでパンフレットやチラシを作成する際、完成データが整っていても、いざ印刷してみるとレイアウトのズレや色の違和感など、予期せぬトラブルに見舞われることがあります。これらの問題は多くの場合、設定や確認不足によって起こりますが、事前にポイントを押さえておくことで回避できます。
ここでは、よくあるトラブル3つを取り上げ、それぞれの原因と具体的な解決策、操作手順を詳しく解説します。
折り位置がズレる原因と対策
三つ折りレイアウトにありがちなズレの原因は、段組みや余白(マージン)の設定にあります。単純に3等分しただけでは、折ったときに端の面が少し長くなり、きれいに重ならないケースが多くあります。
主な原因
● 段組み幅がすべて同じになっている
● マージンが左右対称で、折り込み側に余裕がない
● 印刷時に用紙が少しずれて出力されている
対策と設定方法
● 「レイアウト」→「段組み」→「その他の段組み」で段幅を手動で設定
● 折り込み側(内側の面)を2〜3mm短く調整すると収まりが良い
● マージンは「ページ設定」から左右で別の数値を指定できる
また、手折り前提の場合は、試しに1枚だけ印刷し、実際に手で折って折り目を確認するのが一番確実です。
文字が画像や図形の背後に隠れる問題の対処法
テキストが突然消えたように見える場合、実際には「前面」「背面」の順序設定で、文字が他のオブジェクトに隠れていることがほとんどです。Wordでは、図形や画像、テキストボックスが重なる際にレイヤー(重なり順)を制御できます。
主な原因
● 画像が「前面」に設定されていて、テキストが背後に回ってしまっている
● 図形や塗りつぶしが透過されておらず、文字を完全に覆っている
● テキストボックス内の文字が枠を超えて隠れている場合もある
対策と設定手順
● 対象の画像や図形を右クリック →「順序」→「背面へ移動」
● 文字を表示させたいオブジェクトを右クリック →「文字列の折り返し」→「背面」または「四角形」に変更
● テキストボックスが使われている場合、「文字列の折り返し」を「前面」にして配置し直す
重なりが多くなる場合は、「Ctrl」キーを使って複数選択し、「図形の書式」タブから「配置」や「グループ化」で一括調整すると効率的です。
印刷時に色が変わる問題の理由と調整法
パソコンの画面で見る色と、実際に印刷された色は一致しないことが多くあります。これは、画面がRGB(光の三原色)で表示しているのに対し、印刷はCMYK(インクの4色)で再現されるからです。
よくある症状
● 鮮やかに見えた色が、印刷するとくすんで見える
● 明るいグレーやベージュが、ほとんど白に近く印刷されてしまう
● 全体的に暗く、ディテールがつぶれることがある
対策と実践的な手順
● 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」→「イメージのサイズと画質」で「画像を圧縮しない」にチェック
● 写真は300dpi以上の高解像度に設定し、明るさとコントラストを調整しておく
● プリンタ設定で「写真印刷」や「高品質」を選択すると再現性が向上
● 印刷プレビューで全体のバランスを見た上で、実際に1枚テスト印刷を行う
特に家庭用インクジェットプリンタでは、光沢紙と普通紙で発色が大きく異なるため、使用する用紙とモード設定の組み合わせにも注意が必要です。
テスト印刷とチェックリストの活用
トラブルを未然に防ぐには、本番前にテスト印刷を行い、以下の項目を一つひとつチェックすることが大切です。
● 折り位置がぴったり合っているか
● テキストや画像が切れていないか、重なっていないか
● 色の印象がモニターと極端に違っていないか
● 文字サイズやフォントが読みやすいか
● 余白やマージンが適切に確保されているか
チェックは一人で行わず、第三者の目でも確認してもらうと、気づかなかったミスが見つかることがあります。
結論
Wordでパンフレットやチラシを作る際によくあるトラブルは、折り位置のズレ、レイヤーによる文字の非表示、印刷時の色の変化といったものに集約されます。どれも、設計段階で少し意識を変えるだけで防げる問題です。
段組やマージンを丁寧に調整し、レイヤー順序を明確に管理し、印刷前には必ずテストを重ねる。これらを徹底すれば、初回から完成度の高い印刷物を仕上げることができます。制作工程の中にチェックの習慣を組み込むことが、最終的な品質と信頼につながります。
まとめ
Wordでも、工夫次第で本格的なパンフレットを作ることができます。
● 段組みやテキストボックスで紙面を柔軟にレイアウト
● 色やフォントを統一して読みやすく整える
● 印刷時はマージンや折り位置の確認を忘れずに
● 完成データはPDF化してトラブルを回避
操作に慣れれば、Wordでも十分なデザインクオリティを実現できます。
設定や印刷に不安がある方は、当店までご相談ください。用途に合わせたテンプレート作成や印刷サポートも承っています。
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