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2025.7.29

【Copilotを調教】AIの精度が劇的に変わる!Excel・Wordで使える「神プロンプト」の作り方と命令文のコツ

Officeのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年7月18日

質問する若い女性
Copilot、なんだか、うまく使いこなせない…

Microsoft 365のCopilotを使い始めたんです。すごい機能だと思うのですが、実際に使ってみると、なんだかAIの回答が的外れだったり、私がイメージしていたものと全然違うアウトプットが出てきたりして…。

例えば、Excelで「このデータを分析して」とお願いしても求めていないグラフが出てきたり、Wordで「この文書でプレゼン作って」と頼んでも内容が薄っぺらいスライドが出来上がったり。

AIに自分の意図を正確に伝えて、思った通りの仕事をしてもらうための何か「コツ」や「お作法」のようなものはないのでしょうか?

解説する博識な男性
PC STORE スタッフ

その悩みこそ、AI時代の新しいスキル「**プロンプトエンジニアリング**」の入り口です。素晴らしい気づきですよ。

Copilotは、世界中の本を読破した超優秀な新人アシスタントだと考えてみてください。知識は無限ですが、お客様の仕事の文脈や常識はまだ何も知りません。もしお客様がその新人に「これ、よろしく」と曖昧な指示を出せば、曖昧な成果物しか返ってこないのは当然ですよね?

AIの精度を劇的に変える鍵は、私たちが、いかに優れた「上司」としてAIに対して的確で質の高い「指示書(プロンプト)」を書けるかにかかっています。

この記事では、そのAIの能力を120%引き出すためのプロンプト設計の基本原則「COREフレームワーク」から、ExcelやWordの具体的な業務シーンでそのまま使える「神プロンプト」の実例まで、お客様のCopilotを最高のビジネスパートナーへと「調教」するための全技術を解説します。

プロンプトの哲学:それは「願い」を「設計図」に変換する思考の技術

AIとのコミュニケーションは、検索エンジンにキーワードを打ち込むのとは根本的に異なります。検索が既存の情報の中から「探す」行為であるのに対し、生成AIへのプロンプトは、まだこの世に存在しない新しいアウトプットを「創り出す」ための最初のステップ、すなわち「設計図」です。

優れた建築物が詳細で緻密な設計図から生まれるように、優れたAIの成果物もまた質の高いプロンプトから生まれます。プロンプトエンジニアリングとは、お客様の頭の中にある漠然とした「こうだったらいいのに」という願いやイメージを、AIという極めて論理的でしかし文脈を持たない知性が、誤解の余地なく解釈できる具体的で構造化された「命令文」へと変換していく思考の技術なのです。

この技術を身につけることで、お客様はAIのアウトプットの質をコントロールする主導権を完全に握ることができます。AIに使われるのではなく、AIを使いこなす。そのための第一歩を踏み出しましょう。


第一章:COREフレームワーク - 最高の結果を生むプロンプトの設計原則

優れたプロンプトには、いくつかの共通の構成要素があります。私たちはそれを覚えやすいように、「**CORE(コア)**」という頭文字で体系化しました。お客様の指示にこの4つの要素を含めることを意識するだけで、Copilotの応答の精度は劇的に向上します。

  • C - Context(文脈):あなたは誰で、これは何のためのものか?
    Copilotに役割(ペルソナ)を与え、そのアウトプットがどのような状況で使われるのかを伝えます。「あなたはプロのマーケターです」「これは小学生向けの説明文です」「フォーマルなビジネスメールとして」といった文脈情報が、トーンや言葉選びを最適化します。
  • O - Objective(目的):何をしてほしいのか?
    Copilotに実行してほしい中核的なタスクを、明確な「動詞」で指示します。「要約して」「分析して」「作成して」「アイデアを5つ出して」といった具体的なアクションを示します。
  • R - Resources & Constraints(情報源と制約):何を使い、何をしてはいけないか?
    タスクを実行する上で参照すべき情報源と、守るべきルールを指定します。「このWord文書を基に」「選択範囲のデータだけを使って」「専門用語は使わないで」「文字数は800字以内で」といった制約がアウトプットの範囲を限定し、精度を高めます。
  • E - Example & Format(具体例と出力形式):どのような形で出してほしいか?
    期待するアウトプットの具体的な形式や例を示します。「箇条書きで」「3つの段落構成で」「以下のフォーマットに従って」といった形式の指定や簡単な例を示すことで、Copilotはあなたの期待をより正確に理解します。

このCOREフレームワークは、お客様の思考を整理し、AIへの指示の「解像度」を上げるための強力な思考ツールなのです。


第二章:プロンプト道場 - ExcelとWordでの実践的な活用例

それでは、このCOREフレームワークを使い、具体的なビジネスシーンでどのようにCopilotを「調教」していくのか、ダメなプロンプトと神プロンプトを比較しながら見ていきましょう。

【Excel編①】データ分析とグラフ作成

【ダメなプロンプト】
`このデータでグラフ作って`

【神プロンプト(CORE適用)】
`[C]あなたはデータアナリストです。このレポートは経営会議で使用します。[R]シート上の売上データ全体を情報源として、[O]各営業担当者の製品カテゴリ別売上合計を分析し、[E]その結果を担当者ごとの積み上げ棒グラフで可視化してください。`

【解説】
後者のプロンプトは、Copilotに「データアナリスト」という役割を与え、「経営会議」という文脈を伝えることで、よりフォーマルで分かりやすいグラフの作成を促します。また、「何を」「どのように」分析し、「どんな形式で」アウトプットしてほしいかを具体的に指示することで、Copilotは迷うことなくあなたの意図通りの分析結果を一瞬で生成します。

【Excel編②】関数の生成と解説

【ダメなプロンプト】
`XLOOKUPの使い方を教えて`

【神プロンプト(CORE適用)】
`[C]あなたはExcelのベテラン講師です。私はExcel初心者です。[O]E列に、D列の「社員番号」をキーとして、[R]別シート「社員マスタ」のC列にある「所属部署」を自動で表示するXLOOKUP関数を作成してください。[E]もし社員番号が見つからない場合は「該当なし」と表示されるようにエラー処理も含めてください。そして、その関数の各部分が何を意味しているのかをステップ・バイ・ステップで解説してください。`

【解説】
このプロンプトは、単に答えを求めるだけでなく、Copilotに「ベテラン講師」という役割を与え、「初心者である自分」という文脈を伝えることで、アウトプットの質を「丁寧な解説付きの回答」へと変化させています。これはCopilotを単なる作業代行者から、あなただけのパーソナルな「家庭教師」へと変える高等テクニックです。

【Word編③】長文の要約

【ダメなプロンプト】
`要約して`

【神プロンプト(CORE適用)】
`[C]あなた(Copilot)は私の優秀なアシスタントです。この要約は私が会議の冒頭で口頭で発表するためのものです。[R]このWord文書全体の内容を基に、[O]主要な結論と次のアクションアイテムを抽出し、[E]3つの箇条書きで簡潔にまとめてください。`

【解説】
「誰が」「何のために」その要約を必要としているのかという文脈を与えることで、Copilotはただ文章を短くするのではなく、「結論」と「アクションアイテム」という、その文脈において最も価値の高い情報に焦点を当てて要約を生成するようになります。

【Word編④】企画書の壁打ちと作成

【ダメなプロンプト】
`新商品の企画書を作って`

【神プロンプト(CORE適用)】
`[C]私たちは今、新しいサステナブル素材を使ったエコフレンドリーなスニーカーの企画会議をしています。あなたは経験豊富なプロダクトマネージャーとして議論に参加してください。[O]まず、この新商品のターゲット顧客となりうるペルソナ(人物像)を3パターン提案してください。次に、それぞれのペルソナに響くマーケティングのキャッチコピー案を5つずつ出してください。`

【解説】
Copilotはゼロから何かを生み出すブレインストーミングの最高のパートナーともなり得ます。Copilotに具体的な役割を与え対話を重ねることで、お客様のアイデアはより具体的で実現性の高い企画へと磨き上げられていくのです。

まとめ:プロンプトエンジニアリングとは、あなたの「思考」を構造化する技術である

Copilotを自在に操るためのプロンプトエンジニアリングは、決して一部の技術者だけの特殊なスキルではありません。それは、お客様が普段頭の中で行っている漠然とした思考や要求を、「**誰が、何を、何のために、どのように**」といった構造的な要素に分解し再構築するという、全ての知的生産活動の基礎となる思考の訓練です。

  1. AIに「役割(ペルソナ)」を与える: お客様がAIになってほしい専門家(マーケター、アナリスト、コピーライターなど)を最初に定義する。これによりアウトプットの専門性とトーンが定まる。
  2. 「動詞」で明確に命令する: 「要約する」「分析する」「作成する」「比較する」「提案する」。あなたの目的をAIが誤解しようのない具体的なアクションとして伝える。
  3. 制約は自由な発想を生む: 「800字以内で」「箇条書きで」「小学生にも分かるように」。具体的な制約や出力形式を指定することがAIの思考を限定し、結果としてアウトプットの精度を高める。
  4. 一度で完璧を求めない: Copilotとの対話は一問一答のクイズではない。最初のアウトプットをたたき台として、「もっとフォーマルな表現にして」「この部分をさらに詳しく」といった追加の指示を与え、対話を重ねることで成果物を共同で磨き上げていく。

このAIとの新しい対話の作法をマスターした時、Copilotはもはや単なる便利なツールではなく、お客様の思考を加速させ、創造性を拡張する、かけがえのない「知的パートナー」へとその姿を変えることでしょう。

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