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2025.7.6

ノートPCのメモリは8GBで足りる?16GBは必要?用途別の最適解と後悔しない選び方【2025年最新】

ノートパソコンのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年7月14日

質問する若い女性
パソコンのメモリ、8GBと16GBで、すごく迷います…

新しいノートパソコンを選んでいるのですが、メモリという部品の容量で、完全に手が止まってしまいました。

8GBのモデルと16GBのモデルがあって、当然8GBの方が価格は安いのですが、お店の人は「絶対に16GBがおすすめです」と言います。

私の使い方は、主にWebブラウザで調べ物をしたり、Wordでレポートを書いたり、たまにZoomで会議をしたり、という程度です。

本当に、私のような使い方でも16GBも必要なのでしょうか?

必要ないものに余計なコストは払いたくないですし、かといって、ケチって動作が遅くなるのも嫌です。

2025年の今、一体どちらを選ぶのが後悔しないための賢い選択なのか、プロの視点から正直なアドバイスをもらえませんか?

解説する博識な男性
PC STORE スタッフ

ノートパソコン選びにおける、最も重要で、そして最も多くの人が悩む核心的な問いですね。

その問いに対する私たちプロの、2025年時点での明確な答えからまず申し上げましょう。

それは、「**ほとんど全ての人にとって、16GBはもはや『贅沢』ではなく、『快適な日常のための標準装備』である**」という事実です。

メモリを料理人の「作業机の広さ」に例えてみましょう。8GBは学生向けの小さな勉強机。Wordの教科書と数冊の参考書(ブラウザタブ)を広げれば、もういっぱいです。16GBはプロの広々とした作業台。複数の調理器具(アプリ)と多くの食材(データ)を同時に広げてもまだ余裕があり、効率的に作業を進められます。

この記事では、なぜ現代のPC作業がそれほどの「作業机の広さ」を必要とするのか、その技術的な背景を解き明かし、お客様の具体的な使い方において8GBがどのような「限界」をもたらし、16GBがどのような「自由」をもたらすのかを徹底的に可視化していきます。

メモリの哲学:それは、あなたの「思考の速度」を邪魔させないための作業空間である

メモリ(RAM)とは、PCの頭脳であるCPUが今まさに処理しようとしているデータやプログラムを、一時的に置いておくための超高速な「作業スペース」です。お客様のPCが行う全ての動作は、まず低速な「倉庫」であるストレージ(SSDやHDD)から、必要な「道具」や「材料」(データ)をこの高速な「作業机(メモリ)」の上に取り出すことから始まります。

CPUは、常にこの作業机の上だけで仕事を行います。したがって、この作業机が広ければ広いほど、多くの道具や材料を一度に広げておくことができ、CPUはいちいち倉庫まで物を取りに行くという時間のロスなく、次々と仕事をこなしていくことができます。

しかし、もし作業机が狭ければどうなるでしょう。新しい道具を机の上に置くためには、今使っていない別の道具を、一旦面倒でも倉庫に片付けに戻らなければなりません。この「倉庫との往復作業」こそが、PCのパフォーマンスを著しく低下させる犯人、「**スワップ**」と呼ばれる現象の正体です。

つまり、十分なメモリ容量を確保するということは、あなたの思考や作業の流れを、この不必要な往復作業によって中断させないための、最も重要で効果的な投資なのです。


第一章:現状把握 - あなたのPCは今、どれくらい「机」を使っているか

「本当にそんなにメモリって使われているの?」という疑問に答えるために、まずはご自身のPCが今この瞬間、どれだけのメモリを消費しているのかを可視化してみましょう。

Windowsであれば`Ctrl + Shift + Esc`キーで「タスクマネージャー」を起動し、「パフォーマンス」タブの「メモリ」を選択します。Macであれば「アプリケーション」>「ユーティリティ」にある「アクティビティモニタ」を起動し、「メモリ」タブを選択します。

そこに表示されている「使用中」のメモリ量とグラフを見てください。おそらく、あなたが思っている以上に多くのメモリが消費されていることに驚くはずです。Webブラウザのタブを10枚開いただけでも数GB。コミュニケーションツールのTeamsやSlackを起動すればさらに1GB。OS自体も快適に動作するために常に数GBのメモリを確保しています。

この現実を直視することこそが、メモリ容量の重要性を理解するための第一歩となります。特に、タスクマネージャーで「コミット済み」の左側の数値が、あなたのPCの物理的な搭載メモリ量に近づいている、あるいは超えている場合、それはあなたのPCがすでにメモリ不足によるパフォーマンス低下(スワップ)を起こし始めている明確な証拠です。


第二章:実証 - 用途別、8GBと16GBの快適度の決定的違い

それでは、具体的な利用シーンごとに、8GBと16GBのメモリ容量がどのような体験の違いをもたらすのかを見ていきましょう。

ケース1:ライトユース(Web閲覧、動画視聴、メール、簡単な文書作成)

【8GBの場合】
この用途に限定すれば、8GBのメモリは「**動作はするが、快適とは言えない**」というのが2025年時点での正直な評価です。Webブラウザのタブを数枚開く、あるいはWordとYouTubeを同時に使うといった単一の軽作業であれば、問題は表面化しにくいでしょう。しかし、現代のWebページはそれ自体が非常に多くのリソースを消費する一種のアプリケーションです。あなたが意識しないうちにタブの数が10枚、20枚と増えていった時、あるいはバックグラウンドでOSのアップデートが始まった時、あなたは文字入力のもたつきやアプリの切り替えの一瞬の硬直といった、メモリ不足の兆候を感じ始めるはずです。

【16GBの場合】
これらの日常的なストレスから完全に解放されます。多数のブラウザタブを開いたままZoomでのオンライン会議に参加し、同時にメモ帳アプリで議事録を取る、といった現代の標準的なマルチタスクを何一つ気にすることなくスムーズにこなせます。16GBはライトユーザーにとって最高のパフォーマンスを提供するものではありません。それは、PCのパフォーマンスについて一切頭を悩ませることなく本来の目的に集中できるという、「**精神的な平穏**」をもたらすための「**賢明な保険**」なのです。

ケース2:標準的な学生・ビジネスパーソンの使い方

【8GBの場合】
レポート作成、オンライン授業、プレゼン資料作成、そして友人との共同作業。こうした一般的な学生やビジネスパーソンの使い方において、8GBのメモリはもはや「**明確な性能不足**」と言わざるを得ません。複数のPDF論文を参照しながらWordでレポートを書き、PowerPointの資料を開き、そしてブラウザで調べ物をする。こうしたごく当たり前の知的生産活動は、8GBの作業机の上では常に窮屈で非効率なものとなります。4年間という長い学生生活やこれからのビジネスキャリアを共にするパートナーとして、8GBを選ぶことは自らハンディキャップを背負うようなものです。

【16GBの場合】
これこそが現代のスタンダードです。16GBのメモリは、お客様の4年間の学業やビジネスにおけるあらゆる要求に余裕を持って応えてくれる、信頼できる作業空間を提供します。将来的に簡単な動画編集やプログラミングといった新しい挑戦を始めたくなったその時にも、16GBのメモリはその新しい世界の扉を開くための十分な余力を残しています。

ケース3:クリエイターやゲーマーの使い方

【8GBの場合】
この領域においては、議論の余地なく「**完全に不適合**」です。Adobe PhotoshopやPremiere Proといったプロ向けのクリエイティブソフトは、起動することすら困難な場合があります。

【16GBの場合】
フルHD解像度での動画編集や写真のRAW現像、あるいは多くのPCゲームを楽しむための「**最低限の入場券**」です。作業は可能ですが、複数のエフェクトを重ねたり高解像度のデータを扱ったりすると、パフォーマンスの限界を感じる場面も多くなるでしょう。

【32GB以上】
4K動画の本格的な編集、3Dモデリング、仮想マシンの利用、そして最新のAAAクラスのゲームを最高の設定で楽しむといった、プロフェッショナルな、あるいはヘビーな要求に応えるための領域です。


第三章:ノートPC特有の最重要チェックポイント - メモリは「増設可能」か

これまで解説してきたメモリ容量の重要性以上に、ノートパソコンを選ぶ上で致命的に重要となるもう一つの観点があります。それは、「**そのメモリは将来的に増設・交換することが可能か**」という拡張性の問題です。

特に近年の薄型・軽量なノートパソコンでは、コストダウンと省スペース化のためにメモリーチップがマザーボードに直接半田付けされている「**オンボードメモリ**」という仕様が主流になりつつあります。このオンボードメモリは、後から**一切の増設や交換が不可能**です。もしお客様が8GBのオンボードメモリを搭載したノートパソコンを購入した場合、そのPCの寿命が尽きるまで永遠に8GBという狭い作業机と付き合い続けなければならない、という厳しい運命が確定します。

一方で、一部のビジネスノートやゲーミングノートPCには、ユーザー自身がメモリを交換・増設できる「**メモリスロット(SODIMMスロット)**」が用意されているモデルも存在します。このようなモデルであれば、今は予算を抑えて8GBモデルを購入しておき、数年後にもし性能に不満を感じ始めたら、その時に16GBや32GBのメモリを購入して自分で増設するという、非常に賢明で長期的なアップグレード計画を立てることが可能です。

ノートパソコンを購入する際には、その価格やデザインだけでなく、メモリが「オンボード」なのか、それとも「スロット式」なのかを製品の詳細な仕様表で必ず確認してください。この小さな確認作業が、あなたの数年後の後悔を防ぐための最も重要なチェックポイントとなるのです。

まとめ:2025年、16GBメモリはもはや「安心」と「時間」を買うための自己投資である

ノートパソコンのメモリ容量の選択は、お客様のPC体験の快適性と将来の可能性を直接的に左右する、極めて重要な意思決定です。そして、アプリケーションやOSがより多くの機能を搭載しリッチになっていく未来を見据えた時、その答えはもはや明確です。

  1. 「8GBで足りるか?」ではなく、「16GBで何が得られるか?」と考える: 16GBメモリがもたらす真の価値はパフォーマンスの向上だけではない。それは、メモリ残量を一切気にすることなく、思考を中断させずに作業に没頭できるという「精神的な自由」と、それによって生み出される貴重な「時間」である。
  2. 2025年の「標準」は16GBであると認識をアップデートする: Webブラウザの多数のタブ、オンライン会議ツール、そして複数のOfficeアプリ。これらの現代の標準的なワークロードは、もはや8GBのメモリでは安定して支えきれない。
  3. ノートPC選び最大の罠、「オンボードメモリ」に注意する: 購入後に後悔しないために最も重要なのは、そのメモリが「増設・交換可能か」どうか。安価な薄型ノートの8GBオンボードモデルは、あなたの未来の可能性を永久に閉ざしてしまう危険な選択肢かもしれない。
  4. 迷ったら16GBを選ぶ: もしお客様が予算の範囲内で8GBと16GBのどちらを選ぶか迷っているのであれば、答えは常に16GBです。そのわずかな初期投資の差は、これから4年間の計り知れないほどの快適性と時間の節約によって、必ず回収されるでしょう。

あなたの作業机は、広ければ広いほど良い。そのシンプルな真実が、あなたのノートパソコン選びにおける最高の道しるべとなるはずです。

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