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2025.4.24

ノートパソコンのBIOSアップデート:必要性とリスク

ノートパソコンのお役立ち情報

Q:「BIOSのアップデートって、したほうがいいんですか?パソコンのサポートページに『BIOSアップデート推奨』って書いてあったんですけど…正直ちょっと怖いです。よく分からないし、失敗したらどうなるんでしょう?」

A:「BIOSの更新は確かに慎重に行うべきだ。でも目的がはっきりしているなら、やる価値はある。互換性や安定性が向上する場合も多いからね。ただし、更新にはリスクもある。状況を見て判断することが大切だよ」


BIOSアップデートとは何か

BIOS(またはUEFI)は、パソコンの電源を入れた直後に動作する、ハードウェア制御の基盤となるソフトウェアです。

OSが起動する前に、CPU・メモリ・ストレージなどの基本構成をチェック・制御しています。

BIOSアップデートとは、その制御ソフトウェアを新しいバージョンに書き換える作業のことを指します。

BIOSアップデートとは何か

パソコンの電源を入れたとき、最初に動き出すのがBIOS(Basic Input Output System)やUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)です。これは、OSよりも前に起動し、ハードウェア全体をチェックして動作環境を整える、まさにシステムの「心臓部」ともいえる存在です。

BIOSアップデートとは、このファームウェアに新しいプログラムを書き込み、機能の改善や不具合の修正、そして新しいCPUやメモリなどへの対応を行う作業のことを指します。見た目には変化がないように見えても、パソコンの安定性や性能に影響を及ぼす重要な処理です。


BIOSとUEFIの違いを簡単におさらい

最近のパソコンでは「BIOS」よりも「UEFI」と呼ばれる仕組みが主流です。どちらも役割は似ていますが、構造や機能に違いがあります。

● BIOSはレガシーな構造で、MBR方式のブートに限定
● UEFIはGUI表示やマウス操作、セキュアブートに対応
● UEFIの方が大容量ストレージや高速起動に適している

とはいえ、多くの場面で両者は「BIOS設定」などと呼ばれ、混同して扱われることが一般的です。


BIOSアップデートが必要になる場面

BIOSは基本的に頻繁に更新するものではありません。しかし、特定のタイミングではアップデートが有効になる場合があります。

● 新しいCPUやメモリに対応するためのマザーボード側対応
● セキュリティの脆弱性(例:SpectreやMeltdown)への対処
● 起動不具合やハードウェアの認識ミスを修正するパッチ
● 新機能の追加(例:リモート管理、ファン制御の最適化)
● OSアップグレード後の互換性向上(例:Windows 11対応)

逆に、問題なく動作している環境では無理にアップデートする必要はなく、リスクと利点を天秤にかける判断が求められます。


BIOSアップデートの準備と注意点

ファームウェアの書き換えは、途中で電源が落ちたり、誤ったファイルを適用した場合、システムが起動不能になるリスクがあります。実行前には、しっかりと準備を整えておくことが大切です。

確認しておくべき事項

● 現在のBIOSバージョンと製造元(MSI、ASUS、Gigabyteなど)を確認
● マザーボードの型番を正確に特定
● メーカー公式サイトから対応したBIOSファイルをダウンロード
● アップデート履歴を読み、適用内容と変更点を把握
● 停電対策としてUPS(無停電電源装置)の利用を検討

また、ノートパソコンの場合は必ずACアダプタを接続し、バッテリー残量が十分ある状態で行いましょう。


BIOSアップデートの方法(代表的なパターン)

マザーボードのメーカーや機種によってアップデートの手順は異なりますが、代表的な方法をいくつか紹介します。

1. Windows上から実行する専用ユーティリティ

● ASUS → EZ Update
● MSI → Live UpdateまたはMSI Center
● Gigabyte → @BIOS
● DellやHPなど → Support Assistant経由で自動適用

この方法は手軽ですが、OSの状態に依存するため、途中でシステムが不安定になると失敗リスクが高まります。

2. BIOS設定画面(UEFI)から直接アップデート

多くのマザーボードでは、起動時に[Delete]や[F2]キーを押すことでBIOSセットアップ画面を開けます。その中に「M-Flash」や「EZ Flash」などの機能があり、USBメモリに保存したファイルを指定することで更新できます。

● FAT32形式のUSBメモリを使用
● BIOSファイルとリネーム用ツールを用意(必要に応じて)
● アップデート中は絶対に電源を切らない

この方式は比較的安全で、現在は主流のアップデート方法となっています。


アップデート後の確認とトラブル対応

BIOSの書き換えが完了すると、パソコンは自動的に再起動されることがほとんどです。起動後は以下の点を確認しておきましょう。

● BIOSのバージョンが正しく更新されているか
● 起動順位やXMP設定などが初期化されていないか
● ハードウェアの認識に問題がないか
● OS起動が正常に行われるか

まれに、BIOSの初期設定が適用されることで起動順序が変わってしまい、OSが見つからないエラーが表示されることがあります。その場合はBIOS設定画面で「ブート順」を再設定すれば解決できます。

また、アップデートに失敗した場合でも、一部のマザーボードには「Dual BIOS」や「BIOS Flashback」などの復旧機能が搭載されており、別のUSBポートやリカバリー用スイッチで復元できることもあります。


結論

BIOSアップデートは、ハードウェアの互換性向上やセキュリティ対策、システム安定性の向上といった観点で非常に重要な作業です。とはいえ、作業にともなうリスクもあるため、目的を明確にし、信頼できる手順で慎重に実行する必要があります。

パソコンを長く快適に使い続けるためには、BIOSの役割を正しく理解し、必要なタイミングでのアップデートを的確に判断することが求められます。上級者であれば、自作PCや業務用端末のメンテナンスにおいて、BIOSアップデートを確実に行えるようになっておくと、環境構築の幅が大きく広がるでしょう。


BIOSアップデートが必要なケース

BIOSの更新が必要になる場面はいくつかありますが、必ずしも常に行う必要はありません。


アップデートを検討すべき状況

● 新しいCPUやメモリを搭載するために互換性が必要なとき
● OSのアップグレード(例:Windows 11)に対応させる場合
● セキュリティの脆弱性に対する修正が提供されたとき
● 起動トラブルやハードウェア不具合の改善がBIOS更新で対応されている場合


アップデートが不要な場合

● パソコンが安定動作しており、特別なハード構成の変更予定がない
● BIOS更新内容がパフォーマンスやセキュリティに関係していない
● メーカーが明確に「更新不要」と記載している場合

BIOSアップデートが必要なケース

BIOS(またはUEFI)は、OSよりも前に動作し、ハードウェアを正しく制御するための非常に重要なプログラムです。そのため、内容の更新が行われると動作の安定性が向上したり、新しいハードウェアとの互換性が広がるといったメリットがあります。

とはいえ、BIOSのアップデートには一定のリスクも伴うため、安易に実行するのは避けたいところです。ここでは、アップデートが必要なケースとそうでないケースを上級者向けに整理し、判断の指針と具体的な進め方をご紹介します。


アップデートを検討すべき代表的な状況

BIOSアップデートの必要性は、主にハードウェアやソフトウェアの変化があった場合に発生します。次のような場面では、更新を前向きに考える価値があります。

新しいCPUやメモリを搭載する予定があるとき

● 次世代CPUを導入するために、マザーボード側の対応が必要な場合
● 高速メモリモジュールを使いたいが、既存のBIOSでは認識できないケース
● AMDやIntelがアーキテクチャを変更したタイミングで、ソケットは同じでも対応に差が出ることがある

BIOSが古いと、対応CPUを装着してもPOSTすら通らない場合があります。CPU交換を予定しているなら、事前に対応BIOSバージョンを確認しておきましょう。

OSをアップグレードしたいとき(例:Windows 11)

● TPM 2.0やセキュアブートが条件となる
● 古いBIOSではUEFIモード非対応で、インストールがブロックされることがある
● 対応しているハードでも、アップデートが必要になる場合がある

特にWindows 11ではUEFIブート+TPM 2.0の組み合わせが必須要件とされているため、旧世代PCではBIOSの更新で対応を得る場面が多く見られます。

セキュリティ脆弱性の修正が公開されたとき

● CPUレベルの脆弱性(Spectre/Meltdownなど)に対して、BIOSでマイクロコード修正が行われることがある
● Intel ME(Management Engine)などの脆弱性も対象になるケースがある
● 公開された脆弱性情報に「BIOSアップデート推奨」と記載がある場合

セキュリティを重視する職場や管理端末では、ハードウェアレベルの脆弱性対策も見落とせません。

起動トラブルやデバイスの不具合を修正したいとき

● 起動に失敗する、USBデバイスが認識されないなどの不具合がある場合
● メーカーのBIOS更新履歴に、該当する不具合の修正が記載されている場合
● OSやドライバを更新しても解決しなかったときの最終手段としての選択

BIOSにはマザーボード上のコントローラの動作制御が含まれているため、特定の周辺機器との互換性が問題になるケースも少なくありません。


アップデートが不要な場合の判断ポイント

BIOSの更新は基本的に「必要な場合にのみ行う」が原則です。以下のような状況では、無理にアップデートする必要はありません。

パソコンが安定動作しており、構成変更の予定もない

● 起動が速く、周辺機器もすべて正しく認識されている
● 特に新しいハードの追加や交換を行わない
● セキュリティパッチもOSレベルでカバーできている

現在の使用環境に満足しているなら、更新によるリスクを冒す必要はありません。

BIOS更新の内容が明確に関係ない場合

● 更新履歴に「特定CPU対応の追加」「海外市場向け修正」など、自分の環境に影響しない内容しか書かれていない
● 性能向上や安定性向上ではなく、言語表示やファン回転数調整など、ニッチな項目が中心

特に業務用PCやサーバーでは、安定性を最優先するため、意味のない更新は避けるのが通例です。

メーカーが「更新不要」と明示している

● 製造元のFAQやダウンロードページに「アップデートは不要」と記載されている
● 自動更新ソフト(Support Assistantなど)でも更新候補に出てこない

ノートパソコンなどでは、BIOSの更新に関してメーカーが明確な判断を示していることがあります。この場合は無理に手動で書き換えを行わず、推奨に従うのが安全です。


BIOSアップデートの実施前に行うべき準備

アップデートを実行する前には、いくつかの基本的な準備をしておくと安心です。

● 現在のBIOSバージョンをメモしておく(起動時の画面やmsinfo32コマンドで確認)
● マザーボードまたはPC型番を正確に特定し、対応BIOSファイルを入手する
● 必ず公式サイトから最新のBIOSと手順書をダウンロードする
● USBメモリをFAT32でフォーマットし、アップデート用ファイルを格納
● ノートPCではACアダプタを接続し、バッテリーが十分充電されている状態で行う
● 万が一に備え、設定画面のスクリーンショットを事前に撮影しておく


実行時の注意点と作業後の確認

アップデート中は、絶対に電源を切らないことが大前提です。特に書き込み中に操作を止めると、BIOSが破損してPCが起動できなくなる可能性があります。

アップデート完了後は次の点を確認しましょう。

● BIOSのバージョンが更新されているか
● 起動順位やブートモード(UEFI/Legacy)が初期化されていないか
● XMP(メモリプロファイル)やファン制御設定などが意図通りになっているか
● OS起動後にデバイスマネージャーでハードウェアの認識に問題がないか

必要に応じて、以前のBIOS設定を手動で再構成する準備もしておきましょう。


結論

BIOSアップデートは、パソコンのハードウェア環境を一歩先へ進めるための重要な作業ですが、そのすべてが常に必要なわけではありません。新しいCPUやOSへの対応、不具合修正やセキュリティ対策といった明確な理由があるときのみ、慎重に実施するのが賢明です。

安定して動作しているシステムでは無理なアップデートを避け、必要性が生じた場合には公式情報をもとに確実な手順で行うことが、安全で効率的なPC運用につながります。適切な判断力と準備が、BIOS更新の成功と安心を支えるカギになります。


BIOSアップデートのメリット

正しく行えば、BIOSの更新には次のような効果があります。


ハードウェアの互換性向上
 → 新世代のパーツに対応できるようになることがある

システム安定性の改善
 → 不安定だった動作が安定する可能性がある

セキュリティの強化
 → Intel ME脆弱性など、深刻な問題への修正が含まれる場合がある

パフォーマンス最適化
 → 特定の動作で処理速度が改善されることもある

BIOSアップデートのメリット

パソコンを構成する各種パーツが正しく動作するためには、BIOS(またはUEFI)の働きが不可欠です。このシステムは、OSが起動する前の段階でCPUやメモリ、ストレージといった重要なハードウェアの制御を行っています。

BIOSは製造時点でインストールされていますが、後に提供される更新ファイルを適用することで、より多くのパーツとの互換性を得たり、動作の安定性を高めたりすることが可能です。正しい手順で行えば、BIOSアップデートはパソコンの性能や信頼性を向上させる強力な手段になります。


ハードウェアとの互換性が広がる

新しいCPUやメモリ、ストレージデバイスを導入したいと考えたとき、既存のBIOSが対応していない場合があります。そんなとき、アップデートによってその制限が解除されるケースがよく見られます。

主な効果

● 次世代のIntelやAMDプロセッサに対応
● 高速なDDR4やDDR5メモリが正しく認識されるようになる
● M.2 SSDやNVMeデバイスの動作不良が解消される場合がある
● 特定のグラフィックボードとの相性問題が緩和される

たとえば、AMDのSocket AM4マザーボードでは、第1世代Ryzenから第5世代まで対応するために複数回のBIOS更新が行われてきました。BIOSアップデートなしでは、物理的に挿しても起動できないこともあるため、互換性の確認はとても重要です。


システム全体の安定性を改善

パソコンの動作が不安定な場合、その原因はOSやドライバだけでなく、BIOSにあることも少なくありません。特に新しいハードウェアや最新のOSと組み合わせた場合、相性によって思わぬ不具合が生じることがあります。

期待できる改善例

● ブルースクリーン(BSOD)の発生頻度が減少
● 起動時のフリーズやリブートループの解消
● USBポートやLANが不安定になる問題の修正
● マルチモニター環境での表示不具合が改善されることも

メーカーが公開するBIOS更新履歴には、「システムの安定性向上」や「互換性修正」などの記載が含まれていることがあり、自分の環境と一致する項目があればアップデートする価値は高くなります。


セキュリティの脆弱性に対応できる

BIOSレベルで動作するソフトウェアは、OSとは別のレイヤーにあるため、セキュリティホールが見つかった場合の影響も大きくなります。特に企業環境では、これらの脆弱性に対するパッチが求められる場面が増えています。

主な修正対象

● Intel Management Engine(ME)の脆弱性
● SMM(System Management Mode)領域の不正アクセス対策
● UEFIルートキットのリスク低減
● セキュアブートの強化やTPM 2.0の信頼性向上

BIOSを最新版にすることで、脅威ベクトルの一部を封じることができ、ファームウェアベースの攻撃に対する備えとなります。


パフォーマンス面の最適化

BIOSアップデートには、システム全体の速度や応答性に関わるチューニングが含まれていることもあります。特定の構成において、処理能力の最大化が実現されることがあります。

改善が見込まれるポイント

● ブーストクロックや電力管理のチューニングによるCPU性能の向上
● 高速メモリの安定動作によるベンチマークスコアの改善
● ストレージアクセスの高速化によるアプリ起動時間の短縮
● 電力制御(PL1/PL2)やファン制御の見直しによる熱効率の改善

BIOSの最適化は必ずしも「劇的な向上」をもたらすわけではありませんが、システム構成がシビアな環境ほど、その恩恵が体感しやすくなります。


アップデートを安全に行うための操作手順

メリットの多いBIOS更新ですが、作業には細心の注意が必要です。以下に基本的な手順をまとめました。

手順概要

  1. 1.マザーボードの型番を確認

  2. 2.公式サイトから対応するBIOSファイルをダウンロード

  3. 3.FAT32でフォーマットしたUSBメモリにBIOSファイルを保存

  4. 4.パソコンを再起動し、[Del]または[F2]でBIOS設定画面を開く

  5. 5.「M-Flash」「EZ Flash」などのアップデートツールを実行

  6. 6.USBからファイルを読み込み、指示に従ってアップデート開始

  7. 7.完了後、自動的に再起動されるので設定を再調整

電源が途中で落ちないよう、ノートPCではACアダプタ接続、デスクトップでは無停電電源装置(UPS)の利用をおすすめします。


結論

BIOSアップデートには、ハードウェア対応の拡張、動作の安定化、セキュリティ強化、さらには処理性能の向上といった多くのメリットがあります。見えない部分でシステムを支えるこのアップデートは、パソコンの信頼性や拡張性に関わる重要な基盤です。

ただし、リスクゼロではないため、必要性をよく見極めたうえで、公式手順に沿って慎重に行うことが大切です。上級者としてBIOSの役割を理解し、適切なタイミングで活用できれば、パソコンの潜在能力をより広く引き出せるようになるでしょう。


BIOSアップデートに伴うリスク

便利な機能である一方、BIOSアップデートには失敗のリスクもあります。


アップデート途中で電源が落ちると起動不能になることがある
バージョン間の互換性不備でOSが起動しなくなることもある
一部の設定が初期化されることがある(セキュアブート、ブート順など)

特にノートパソコンの場合は、バッテリー切れやネットワーク切断に注意が必要です。

BIOSアップデートに伴うリスク

BIOSアップデートは、ハードウェアの互換性向上やセキュリティの改善、パフォーマンス最適化といった多くのメリットをもたらします。しかしながら、その性質上、慎重に進めなければ深刻な問題につながる可能性もあります。

BIOSは、パソコンの起動に関わる根本的な制御プログラムです。ここに不具合が起こると、OSが立ち上がらなくなったり、最悪の場合はパソコン自体が動作しなくなることもあります。ここでは、BIOSアップデートに潜む具体的なリスクと、その回避方法について詳しく解説します。


電源障害による書き換え失敗のリスク

最も注意すべきトラブルのひとつが、アップデート中に電源が切れてしまうことです。ファームウェアの書き換えは非常にデリケートな処理であり、中断されるとBIOS領域が破損してしまいます。

代表的なケース

● アップデート中に停電が発生する
● バッテリー駆動中に電源が切れる
● ノートPCでACアダプタを接続せずに実行してしまう
● USBポートから給電していた機器が干渉し、システムがフリーズする

こうしたトラブルが起こると、マザーボードがBIOSを読み込めず、起動プロセスに進まない「文鎮化」と呼ばれる状態になるおそれがあります。

予防策

● ノートPCでは必ずACアダプタを接続し、バッテリー残量を十分に確保
● デスクトップPCでは、できればUPS(無停電電源装置)を使う
● アップデート中は他の操作を行わず、ケーブルの抜き差しも避ける
● BIOS画面経由でのアップデート(M-Flashなど)を選ぶとより安全


バージョン不一致や非互換による起動トラブル

アップデート後にパソコンが起動しなくなることもあります。これは、新しいBIOSが既存の構成と適合していない場合や、誤ったBIOSファイルを適用したときに発生します。

起こりうる問題

● OSがブートできず、「Operating System not found」と表示される
● メモリやストレージの認識エラー
● 起動中にループ状態に陥る(POST通過不可)
● セキュアブートやCSM(Compatibility Support Module)の設定がリセットされ、OSと整合しない

このようなトラブルは、特にWindows 11のようにUEFIモードとTPM 2.0が必須となる構成で起こりやすくなります。

予防策

● マザーボードの型番とBIOSバージョンが一致しているかを事前に必ず確認
● メーカーの公式サイトから、最新版ではなく“安定版”を選ぶのも有効
● アップデート内容(リリースノート)を読み、適用対象か判断
● BIOS設定の写真を撮っておき、必要があれば手動で再構成できるようにする


設定の初期化による思わぬ動作変化

BIOSのアップデートを行うと、多くの場合設定内容が初期状態に戻ります。これにより、普段の環境と異なる動作になってしまうことがあります。

具体例

● ブート順が変更され、OSの入っていないドライブから起動を試みてしまう
● RAIDやAHCIモードが切り替わり、OSが読み込めなくなる
● XMP(メモリプロファイル)が無効になり、性能が落ちる
● ファン制御設定が変わり、静音性や冷却効率が悪化する
● セキュアブートが有効化/無効化され、OSの整合性チェックに失敗

設定の初期化は必ず起きるとは限りませんが、再起動後に「あれ、動作がおかしいな」と感じたときの原因として多いのがこのパターンです。

対策と対応

● アップデート前に、BIOS設定画面を確認し、カメラやスマホで記録
● ブートオプション、ストレージモード、メモリ設定の3点は特に注意
● 再起動後、BIOS画面に入り、必要な設定を手動で戻す
● メーカー製ノートの場合、初期化後に自動復元される項目もあるため、付属ソフトの挙動にも注意


特にノートパソコンで注意したい点

デスクトップPCと比べて、ノートパソコンにはBIOS更新時に特有のリスクが存在します。ハードウェアの選択肢が少なく、内蔵バッテリーや省電力機能が影響しやすいためです。

注意すべきポイント

● バッテリーが劣化している場合、電源が不安定になりやすい
● 一部機種では、ネットワーク経由のBIOS配信が行われるが、Wi-Fi接続中に切断されると失敗の原因になる
● メーカー独自のアップデートユーティリティは途中キャンセルができないため、操作を誤ると復旧が難しい

メーカーが提供する専用のアップデートソフトは便利ではあるものの、実行中にPCがスリープしないよう設定を調整したうえで開始するのが安全です。


結論

BIOSアップデートは、ハードウェアの互換性向上やセキュリティ強化といった利点がありますが、その反面、失敗するとパソコンが起動できなくなるという重大なリスクも伴います。

電源障害や設定初期化、互換性不良といったトラブルを避けるためには、事前準備と情報収集が何よりも大切です。メーカーの公式情報をよく読み、推奨手順に従って慎重に行うことで、リスクを最小限に抑えることができます。

上級者であっても、BIOSアップデートは「必要なときだけ、安全に」が原則です。慌てず丁寧に、確実なアップデートを心がけましょう。


安全にアップデートするための準備

BIOS更新は慎重に進めることでリスクを最小限に抑えることができます。


事前に確認すること

● メーカー公式サイトでモデル番号に合った最新版を確認
● 現在のBIOSバージョンを確認(msinfo32コマンドで表示可)
● アップデート内容のリリースノートをよく読む
● バッテリー残量を十分に確保し、ACアダプターを接続する


推奨手順

● メーカーの提供する専用ユーティリティを使用
● アップデート前に重要なデータをバックアップ
● 作業中は操作を控え、電源を絶対に切らない
● 完了後はBIOS設定が初期化されるため、必要な設定は再確認

安全にアップデートするための準備

BIOSのアップデートは、パソコンの基盤部分に関わる重要な操作です。最新パーツへの対応、セキュリティの強化、安定性の向上といった恩恵を受けられる一方で、失敗すればシステムが起動不能になる可能性もあります。

そのため、実行する前の準備がとても重要です。ここでは、アップデートを安全に行うための確認事項や具体的な手順について、上級者向けに整理して解説します。


事前に確認しておきたいポイント

アップデート前の情報収集と下準備をしっかり行うことで、失敗リスクを大幅に減らすことができます。まずは、以下の項目を順番にチェックしましょう。

モデル番号に対応した正しいファイルを選ぶ

● 自分のパソコンの型番やマザーボード名を正確に特定する
● メーカー公式サイトで、機種専用のBIOS最新版を探す
● 同じシリーズでも仕様が異なるモデルがあるため、数字や記号を間違えないように注意する

特に自作PCの場合、チップセットの違いでファイルの互換性がないこともあります。

現在のBIOSバージョンを確認する

BIOSがすでに最新の場合、無理に更新する必要はありません。以下の方法でバージョンを確認できます。

● Windowsの検索バーで「msinfo32」と入力し、「システム情報」を開く
● 「BIOSバージョン/日付」の項目を確認して控える

必要であればスクリーンショットを保存しておくと、更新後の比較やトラブル時の参考になります。

リリースノートで変更内容を把握する

アップデートによって何が変わるのかを明確にしておくと、自分の環境に適した更新かどうか判断しやすくなります。

● 「安定性向上」「セキュリティ修正」「新CPU対応」などの記載をチェック
● 不具合の修正対象に、自分の使用状況と関係する内容が含まれているか確認
● 一部のBIOSは「取り消し不可」「ロールバック不可」といった注意書きがあるため要注意


実行前に整えておきたい環境

アップデート中のトラブルを避けるために、電源やデータ保護に関する対策も大切です。次のような準備を整えてから作業に入りましょう。

電源の確保

● ノートパソコンでは必ずACアダプターを接続
● バッテリーは80%以上の残量を推奨
● デスクトップでは、できればUPS(無停電電源装置)を利用すると安心

ファームウェア書き換え中の電源遮断は、致命的なトラブルの原因になります。

データのバックアップ

● 万が一に備えて、重要なデータや作業ファイルは事前にバックアップ
● ドキュメント、デスクトップ、ダウンロードフォルダなど、定期的に使う場所を対象にしておくと効率的
● クラウドストレージや外付けHDDを使うと安心感が増す

BIOSそのものはストレージ内のデータには直接影響しませんが、トラブルからの復旧には万全を期すことが大切です。


BIOSアップデートの推奨手順

メーカーが提供している専用のアップデートツールを使用すれば、操作ミスのリスクを減らすことができます。以下は一般的な流れです。

専用ユーティリティを使用する方法(Windows上で実行)

  1. 1.メーカー公式サイトから「BIOS Update Utility」または「Firmware Update Tool」をダウンロード

  2. 2.管理者権限で実行し、現在のBIOSとアップデート対象が一致していることを確認

  3. 3.指示に従って進行し、PCが自動で再起動した後、アップデートが開始される

  4. 4.完了後は、再度BIOSに入り、設定を確認・再調整

※この方法は手軽ですが、OSの状態に依存するため、トラブル時にはBIOSレベルでの操作が必要になることもあります。

BIOS(UEFI)画面から直接アップデートする方法

  1. 1.BIOSファイルをUSBメモリ(FAT32形式)にコピー

  2. 2.パソコンを再起動し、BIOS設定画面を開く([Delete]、[F2]など)

  3. 3.メニューから「M-Flash」「EZ Flash」「Q-Flash」などを選択

  4. 4.ファイルを読み込み、更新を実行

  5. 5.処理中は絶対に電源を切らない

この方法はOSに依存せず実行できるため、より安全とされています。


アップデート後に確認すべき設定

BIOSアップデートが終わると、設定が初期化されている場合があります。以下の項目は必ず再確認しましょう。

● ブート順の再設定(OSが入ったドライブを1番に)
● UEFI/Legacyモードの確認
● セキュアブートの有効・無効設定
● メモリのXMPプロファイル適用
● ファン制御や冷却設定の再適用
● バーチャライゼーション(VT-x/AMD-V)の有効化(仮想環境を使う場合)

保存した設定画面の写真や手書きメモがあると、元の構成に戻す作業がスムーズになります。


結論

BIOSアップデートは、ハードウェアの互換性や安定性、セキュリティの向上を実現できる便利な操作ですが、成功のためには「準備」と「手順の遵守」がすべてと言っても過言ではありません。

事前にBIOSのバージョンと変更履歴を確認し、環境のバックアップと電源対策を万全に整えたうえで、メーカーが提供する安全な方法で実行することが、失敗を防ぐ最も効果的な方法です。

上級者であっても油断せず、丁寧に準備を進めれば、BIOSアップデートはシステムの進化に大きく貢献してくれます。安心して作業できる環境を整え、最適なタイミングで有効に活用しましょう。


よくある質問


アップデート後、パソコンが起動しなくなったらどうする?
 → BIOSリカバリ機能がある機種なら復旧可能。ない場合は修理対応が必要です。

どのくらいの頻度でBIOSを更新すべき?
 → 安定している場合は無理に更新する必要はありません。用途変更や不具合が出たときのみで十分です。

Windows UpdateでBIOSが勝手に更新されたことがあるのはなぜ?
 → 一部のメーカーではファームウェアアップデートをWindows経由で配信しています。

よくある質問とその対応

BIOSアップデートはパソコンの基盤を構成する重要な作業であるため、ユーザーの間でも疑問や不安が多く聞かれます。特にアップデート後にトラブルが発生した場合や、更新のタイミングに関する判断は難しく感じられるかもしれません。

ここでは、よくある質問を取り上げ、それぞれの背景や対応策を具体的に解説します。事前に知っておくことで、トラブル時の冷静な対処や、無用な更新の回避に役立ちます。


アップデート後にパソコンが起動しなくなったらどうする?

BIOSの更新後、パソコンが立ち上がらなくなるというトラブルはまれに発生します。これはアップデートが中断されたり、誤ったファイルが適用されたりした場合に起こりえます。

考えられる原因

● BIOS書き換え中に電源が落ちた
● 適合しないBIOSファイルを使用した
● アップデート後に設定が初期化され、起動順位が変わった
● セキュアブートやCSMなどの設定がOSと不一致になった

対応策

BIOSリカバリ機能があるかを確認
 → 多くのマザーボードには「Dual BIOS」や「BIOS Flashback」といった復旧機能が備わっています。これにより、USBメモリから自動的に再書き込みできるケースもあります。

メーカーサポートに連絡
 → ノートパソコンやOEM機の多くは専用の復旧手段を持っているため、モデル名と状況を伝えて相談しましょう。

CMOSクリアを実行
 → マザーボード上のCMOSクリアジャンパを短絡する、またはボタン電池を数分抜いて再装着することで、設定のリセットを試みることも可能です。

もしもこれらの手段でも改善しない場合、ハードウェア修理やBIOSチップの再書き換えが必要になることがあります。


どのくらいの頻度でBIOSを更新すべき?

BIOSは頻繁に更新すべきものではありません。むしろ、無理に行うことでリスクが発生するため、慎重な判断が求められます。

更新を検討すべきタイミング

● 新しいCPUやメモリを使いたいとき
● Windows 11など、最新OSに対応させたい場合
● ハードウェアの認識不具合や起動トラブルが発生したとき
● セキュリティ脆弱性に関する修正が提供されたとき

更新を控えてもよいケース

● 現在の構成でパソコンが安定動作している
● 新しい機能やパーツへの対応が不要
● メーカーが「更新は不要」と明記している場合

BIOSは「必要になったときだけ行う」のが基本方針です。毎回のアップデートを追いかける必要はありません。


Windows UpdateでBIOSが勝手に更新されるのはなぜ?

「気づかないうちにBIOSが変わっていた」というケースは、近年では特にメーカー製ノートパソコンや法人向けPCで多く報告されています。これは、Windows UpdateがBIOS(ファームウェア)を自動的に配信する仕様によるものです。

背景と仕組み

● Microsoftは、DCH準拠のドライバ設計を推進しており、その一環としてファームウェア更新もWindows Update経由で配信対象としています。
● 特にLenovo、Dell、HPなどの大手メーカーでは、機種ごとのBIOSアップデートが自動的に適用されるよう設定されていることがあります。
● 通常のWindows Update設定では、これらが「重要な更新」として分類され、ユーザーに通知なくインストールされることもあります。

回避や確認の方法

BIOS更新の履歴は「デバイスマネージャー」や「イベントビューア」で確認可能
設定の一部では、自動更新をブロックする手段もある→ グループポリシーやレジストリを使い、ファームウェアカテゴリの更新を抑制する方法が用いられます。

ただし、法人や管理対象PCでなければ、原則としてWindows Updateの自動更新を完全に無効化するのは推奨されていません。セキュリティの観点からは、BIOS更新もある程度自動化されている方が安全です。


結論

BIOSアップデートに関する疑問は、失敗時の影響が大きいだけに慎重な判断が求められます。起動しないなどのトラブルが起きた場合は、リカバリ機能の有無やメーカーサポートの対応が鍵となります。

更新の頻度については、「安定しているなら不要」が基本です。必要なときにだけ実施し、確実な手順と準備をもって対応することで、失敗のリスクを最小限に抑えることができます。

また、最近ではWindows Update経由でBIOSが自動更新されることもあります。これについては、仕様として理解し、必要に応じて管理者設定で制御するとよいでしょう。

上級ユーザーとして、仕組みやリスクを理解しつつ、場面に応じた正しい判断を積み重ねていくことが、安全で快適なPC運用につながっていきます。


まとめ

BIOSアップデートは、ノートパソコンの安定性や性能、互換性を高めるために有効な手段です。

● 目的が明確であれば更新にはメリットがある
● 不要な更新は避け、リスクを正しく理解して行うことが大切
● 手順を守れば、安全にアップデートできる
● トラブル防止にはバックアップと事前準備が欠かせない

不安な場合は無理に自分で行わず、専門店やメーカーサポートに相談しましょう。

当店ではBIOSアップデートの代行や動作確認も承っておりますので、安心してご相談ください。

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