
ノートパソコンのスペックを確認する方法:初心者向けガイド
ノートパソコンのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年7月10日
友人に「パソコンのスペックって何?」と聞かれたのですが、実はよく分かっていなくて、うまく答えられませんでした。
最近、新しく使ってみたいソフトがあるのですが、そのソフトの公式サイトに「システム要件」というものが書かれていて、私のパソコンがそれに対応しているのか、どうやって調べればいいのか分からなくて…。
CPUとか、メモリとか、GPUとか、よく聞く言葉ですけど、自分のパソコンに何が搭載されているのか、どこを見れば分かるのでしょうか?
初心者でも分かるように、パソコンのスペックの確認方法とその意味を、詳しく教えてほしいです。
その疑問、PCをより深く、そして賢く使いこなすための、最も重要な第一歩ですよ。
パソコンの「スペック」とは、いわばそのPCの「戸籍謄本」や「健康診断書」のようなもの。
そのPCがどんな部品で構成され、どれほどの能力を持っているのかを示す、客観的な指標です。
ご安心ください。
その情報は、全てあなたのPCの中に記録されており、いくつかの簡単な手順で、誰でも確認することができます。
この記事では、PCの頭脳である「CPU」、作業机の広さである「メモリ」、そしてデータの倉庫である「ストレージ」といった、主要な部品ごとに、スペックの確認方法はもちろんのこと、その数字が持つ「本当の意味」まで、専門家の視点から、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきます。
あなたの愛機の「自己紹介」を、一緒に聞いてあげましょう。
なぜスペックを知る必要があるのか?- PCとの対話の第一歩
自分のパソコンのスペックを把握することは、単なる知識欲を満たすためだけの行為ではありません。
それは、あなたがPCという道具と、より深く、より建設的な対話を行うための、共通言語を学ぶことに他なりません。
例えば、新しいソフトウェアを導入する際、スペックを知っていれば、そのソフトが快適に動作するかどうかを、インストールする前に判断できます。
PCの動作が遅いと感じた時、スペックを知っていれば、メモリ不足が原因なのか、ストレージの速度がボトルネックなのか、といった問題の切り分けが可能になります。
そして、将来的にPCを買い替える、あるいは売却する際にも、スペックを正確に理解していることは、適正な価値判断を下すための、絶対的な基盤となります。
スペックを知ることは、あなたがPCの単なる「ユーザー」から、その能力を理解し、最大限に引き出すための「マネージャー」へと進化する、最初のステップなのです。
第一章:全ての土台 - OS(オペレーティングシステム)の確認
まず最初に確認すべきは、PCの全ての動作の土台となる、OSの情報です。
これにより、利用できる機能や、UIの操作方法が大きく変わってきます。
Windowsであれば、「設定」>「システム」>「バージョン情報」を開きます。
ここで、「エディション」(例:Windows 11 Home, Windows 11 Pro)や、「バージョン」を確認できます。
macOSの場合は、画面左上のアップルメニュー()から「このMacについて」を選択すれば、OSの名前(例:macOS Sonoma)とバージョンが一目で分かります。
また、「システムの種類」として「64ビット オペレーティングシステム」と表示されていることも確認しましょう。
2025年現在、ほとんどのPCは64ビットですが、これが、現代のソフトウェアを動かすための基本的な条件となります。
第二章:PCの頭脳 - CPU(プロセッサー)の性能を読み解く
CPU(Central Processing Unit)は、PCの計算処理を担う、まさしく「頭脳」にあたる最重要パーツです。
CPUの性能が、PC全体の基本性能を大きく左右します。
CPUスペックの読み解き方
CPUのスペックで注目すべきは、主に「メーカー」「モデル名」「世代」「コア数」「クロック周波数」です。
- ・メーカーとモデル名: Intel社の「Core i7」や、AMD社の「Ryzen 5」といった名前がこれにあたります。一般的に、同じ世代であれば、Core i9 > i7 > i5 > i3、Ryzen 9 > 7 > 5 > 3の順で性能が高くなります。
- ・世代: CPUの設計の「新しさ」を示す、極めて重要な指標です。例えば、Intelの「Core i7-**12**700H」という型番の、最初の数字(この場合は12)が世代を表します。世代が新しいほど、一般的に性能や電力効率が向上しています。
- ・コア数とスレッド数: CPUの内部にある、計算処理を行う中心部分(コア)の数です。コア数が多いほど、複数の作業を同時に、効率的に処理できます。4コアや6コアが一般的ですが、高性能なモデルでは10コアを超えるものも珍しくありません。
- ・クロック周波数(GHz): CPUが1秒間に行う計算サイクルの回数を示す数値で、一つの作業をどれだけ速く処理できるかの目安となります。
CPUスペックの確認方法
【Windows 11の場合】
最も簡単なのは、「設定」>「システム」>「バージョン情報」を見ることです。
「プロセッサ」の項目に、詳細なモデル名とクロック周波数が記載されています。
より詳細な情報(コア数、スレッド数など)を知りたい場合は、「Ctrl + Shift + Esc」でタスクマネージャーを起動し、「パフォーマンス」タブの「CPU」を選択すると、右下に全ての情報が網羅されています。
【macOSの場合】
画面左上のアップルメニュー()>「このMacについて」で、プロセッサまたはチップの項目を確認します。
Apple Silicon搭載のMacであれば「チップ」として(例:Apple M2)、Intel搭載のMacであれば「プロセッサ」として(例:2.3 GHz クアッドコアIntel Core i7)表示されます。
第三章:作業机の広さ - メモリ(RAM)の容量と速度
メモリ(RAM: Random Access Memory)は、CPUが処理するデータを一時的に置いておくための「作業机」です。
この作業机が広ければ広いほど、多くのアプリケーションやデータを同時に広げて、快適に作業を進めることができます。
メモリスペックの読み解き方
メモリで最も重要なのは、その「容量(GB)」です。
2025年現在、WebブラウジングやOfficeソフトといった一般的な用途であれば、最低でも8GB、快適な利用を目指すなら**16GB**が推奨されます。
動画編集や最新のゲームといった、より負荷の高い作業を行う場合は、32GB以上を搭載していると、安心感が大きく増します。
その他、データの転送速度に関わる規格(DDR4, DDR5など)や、動作周波数(MHz)といったスペックも存在しますが、まずは容量を最優先で確認しましょう。
メモリスペックの確認方法
【Windows 11の場合】
タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブ > 「メモリ」を見るのが、最も詳細で分かりやすい方法です。
右上には搭載されている総容量が表示され、グラフの下には、現在の使用量に加え、「速度」(例:3200MHz)や、「使用中のスロット数」(例:2/4)、そして規格(例:SODIMM)といった、増設を検討する際に不可欠な情報まで、全て記載されています。
【macOSの場合】
アップルメニュー()>「このMacについて」で、搭載されているメモリ容量を確認できます。
より詳細な規格(速度や種類)を知りたい場合は、同画面から「詳細情報...」をクリックし、「システムレポート」を開くことで確認可能です。
第四章:データの倉庫 - ストレージの種類と容量
ストレージは、OSやアプリケーション、そしてあなたの写真や書類といった、全てのデータを長期的に保管しておくための「倉庫」です。
その「種類」と「容量」が、PCの体感速度と利便性を大きく左右します。
ストレージスペックの読み解き方
【種類:SSDかHDDか】
これが最も重要な違いです。
SSD(ソリッドステートドライブ)は、半導体メモリを使った高速なストレージで、OSやアプリの起動、ファイルの読み書きが非常に速いです。
一方、HDD(ハードディスクドライブ)は、磁気ディスクを物理的に回転させてデータを読み書きするため、SSDに比べて動作が大幅に遅くなります。
2025年現在、快適なPCの利用には、OSがインストールされているメインドライブが**SSDであること**が、絶対的な条件と言えます。
【容量:GBかTBか】
ストレージの容量は、GB(ギガバイト)やTB(テラバイト、1TB = 1000GB)で表されます。
一般的な使い方であれば256GB~512GB、写真や動画を大量に保存する場合は1TB以上の容量があると安心です。
ストレージスペックの確認方法
【Windows 11の場合】
「設定」>「システム」>「ストレージ」で、各ドライブの総容量と現在の使用状況を確認できます。
ドライブがSSDかHDDかを確認するには、「ドライブの最適化」ツール(スタートメニューで検索)を開くのが確実です。
「メディアの種類」の列に、「ソリッドステートドライブ」または「ハードディスクドライブ」と明記されています。
【macOSの場合】
アップルメニュー()>「このMacについて」>「ストレージ」タブで、容量と使用状況がグラフィカルに表示されます。
Apple純正のストレージは、近年全てSSD(Appleではフラッシュストレージと呼称)になっています。
第五章:映像の表現力 - GPU(グラフィックス)の有無と性能
GPU(Graphics Processing Unit)は、画面表示や映像処理を専門に担うパーツで、いわば「映像の専門家」です。
特に、3Dゲームや動画編集、CADといった、高度なグラフィック処理を必要とする作業では、このGPUの性能が決定的に重要となります。
GPUスペックの読み解き方
GPUには、CPUに内蔵されている「内蔵グラフィックス(iGPU)」と、独立した専用のチップとして搭載されている「専用グラフィックス(dGPU)」の二種類があります。
一般的な事務作業や動画視聴であれば、iGPUで十分ですが、前述のような専門的な作業を行うには、NVIDIA社の「GeForce」シリーズや、AMD社の「Radeon」シリーズといった、dGPUが搭載されていることが望ましいです。その性能は、モデル名の数字が大きいほど高くなります。
GPUスペックの確認方法
【Windows 11の場合】
タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブを開き、左側のリストに「GPU 0」「GPU 1」といった項目があるかを確認します。
通常、「GPU 0」がCPU内蔵グラフィックス、「GPU 1」が専用グラフィックスです。
それぞれの項目を選択すれば、右上にそのGPUの正式なモデル名が表示されます。
また、DirectX診断ツール(ファイル名を指定して実行から「`dxdiag`」)の「ディスプレイ」タブでも、詳細な情報を確認できます。
【macOSの場合】
アップルメニュー()>「このMacについて」の概要に、グラフィックスの情報が記載されています。
Apple Silicon搭載Macでは、GPUはチップに統合されています。
まとめ:スペック確認・クイックリファレンス
自分のPCのスペックを知ることは、PCを賢く、そして長く使いこなすための基本スキルです。
以下に、Windows 11における主要な確認方法を、クイックリファレンスとしてまとめます。
- ・【総合情報】OSバージョン、CPU、実装RAMの基本情報: 「設定」>「システム」>「バージョン情報」で一括確認。
- ・【CPU詳細】コア数、スレッド数、キャッシュなど: 「タスクマネージャー」(Ctrl+Shift+Esc)>「パフォーマンス」タブ >「CPU」。
- ・【メモリ詳細】容量、速度、規格、使用スロット数: 「タスクマネージャー」>「パフォーマンス」タブ >「メモリ」。
- ・【ストレージ種類】SSDかHDDかの確認: 「ドライブの最適化とデフラグ」ツールを起動し、「メディアの種類」列を確認。
- ・【GPU詳細】搭載GPUのモデル名: 「タスクマネージャー」>「パフォーマンス」タブ >「GPU 0」「GPU 1」など。
- ・【究極の詳細情報】DirectX診断ツール: 「ファイル名を指定して実行」(Win+R)で「`dxdiag`」と入力。ディスプレイ、サウンド、入力デバイスの詳細が全て分かります。
これらのツールを使いこなせば、あなたはもう、自分のPCの性能について、何も恐れることはありません。
スペックという「共通言語」を手に入れ、あなたのPCとの、より豊かな対話を楽しんでください。

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