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2025.8.11

Windowsを軽くする最終手段!「クリーンインストール」の全手順|データのバックアップからインストールメディア作成、実行までプロが解説

Windowsのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年8月3日

質問する若い女性
パソコンの不調、もう初期化しかない…?

長年使っているWindowsのパソコンが最近すごく遅くて、時々フリーズもするんです。不要なファイルを消したり、ウイルスチェックをしたり色々試したのですが、もう限界みたいで…。

友人から、そんな時は「クリーンインストール」をすると買った時みたいにサクサクになると聞きました。でも、OSを入れ直すなんてすごく難しそうで、失敗してパソコンが起動しなくなったらと思うと怖くて手が出せません。

OSの「リセット」機能とは何が違うのでしょうか?初心者でも失敗しない、データのバックアップからインストールを実行するまでの完璧な手順を教えてください。

解説する博識な男性
PC STORE スタッフ

その最終手段に、辿り着かれましたか。「クリーンインストール」は、確かにPCメンテナンスにおける「最後の切り札」です。しかし、それは決して危険な賭けではありません。正しい手順と周到な準備さえすれば、誰でも安全に実行できる最も効果的なリフレッシュ術なのです。

例えるなら、OSの「リセット」が家の中を大掃除する「リフォーム」だとすれば、「クリーンインストール」は一度更地に戻して新しい家を建て直す「新築」です。古い家の見えない基礎の歪みや柱の傷み(OSの根深い不調)も、全て一掃できます。

この記事では、その「新築工事」を成功させるための完璧な設計図と施工手順をお客様に授けます。工事前の徹底した「準備」、工事道具である「インストールメディア」の作成、そして実際の「施工」まで、プロの現場監督のようにあなたを導きましょう。

クリーンインストールの哲学:それはPCの「デジタルな輪廻転生」である

古い、散らかったWindowsのデスクトップが、クリーンでミニマルな新しいデスクトップへと生まれ変わる様子のビフォーアフター画像

長年使い続けたパソコンのオペレーティングシステムは、私たちが意識しないうちに数え切れないほどのデジタルな「澱(おり)」を溜め込んでいます。アンインストールされたアプリケーションの残骸、古いドライバーの競合、そして断片化した無数の一時ファイル。これらの目に見えないソフトウェア的な「汚れ」の蓄積こそが、PCのパフォーマンスを徐々に蝕んでいく根本的な原因です。

Windowsの「このPCを初期状態に戻す」という機能は、これらの汚れをある程度洗い流してくれますが、家の「基礎」となる部分までは完全に綺麗にしきれない場合があります。

クリーンインストールは、この基礎部分、すなわちストレージドライブ(SSDやHDD)を一度完全にフォーマット(初期化)し、何もない純粋な更地の上にMicrosoftから提供される最新のクリーンなWindowsをゼロから再構築するという、究極のリフレッシュ術です。それは、PCのソフトウェア的な魂を一度解放し、新しい肉体に宿らせる「デジタルな輪廻転生」とも言えるプロセスなのです。


第一章:工事前の絶対的安全手順 - 失敗しないための完璧な準備

データのバックアップ、ライセンスキーの控え、ドライバーのダウンロードといった準備項目がチェックリスト形式で並んでいる画像

クリーンインストールはあなたのPCを救う強力な手段ですが、準備を怠ればあなたの大切なデータを永遠に失う危険な行為にもなり得ます。この工事前の準備こそが、プロジェクトの成否の9割を決定づけます。

ステップ1:データの完全バックアップ

これは議論の余地のない最も重要な手順です。クリーンインストールの過程で、PCの内蔵ストレージは完全に消去されます。写真、動画、仕事の書類、個人的なメモなど、お客様にとって少しでも価値のある全ての個人データを、必ず外付けのHDDやSSD、あるいはOneDriveのようなクラウドストレージにコピーしておいてください。「3-2-1ルール」(3つのコピー、2種類の媒体、1つは別の場所)を意識すれば、さらに万全です。

ステップ2:アプリケーションの棚卸しとインストーラーの準備

クリーンインストール後、お客様が使っていた全てのアプリケーションは消え去ります。事前に自分がどのアプリケーションを使っていたのかをリストアップし、それらのインストーラー(インストール用のファイル)をあらかじめダウンロードしてバックアップ用の外付けドライブに保存しておくと、復旧作業が非常にスムーズになります。

ステップ3:各種ライセンスキーの確認と保管

Windowsのライセンスは、近年のPCではハードウェアに紐付いた「デジタルライセンス」となっていることが多く、クリーンインストール後も自動で認証されることがほとんどです。しかし万が一に備え、現在のプロダクトキーを確認・保管しておくとより安心です。さらに重要なのが、Microsoft Officeの買い切り版やAdobe製品、あるいは有償の専門ソフトなど、お客様が別途購入したソフトウェアのライセンスキーです。これらのキーがなければ、再インストール後にソフトウェアを有効化できなくなります。必ず事前に確認し、安全な場所にメモしておきましょう。

ステップ4:必須ドライバーの事前ダウンロード

クリーンインストール後、Windows Updateを通じてほとんどのドライバーは自動でインストールされます。しかしごく稀に、ネットワークアダプター(LANやWi-Fi)のドライバーが認識されず、インターネットに接続できなくなるという最悪の事態が発生します。このリスクを避けるため、事前にPCメーカーのサポートサイトから、最低でも「**チップセットドライバー**」と「**LAN / Wi-Fiドライバー**」だけはダウンロードし、バックアップ用のUSBメモリなどに保存しておくことを強く推奨します。これさえあれば、オフライン状態でもPCの基本的な機能を回復させることができます。


第二章:道具の作成 - 起動可能なWindowsインストールメディアを作る

Windows 11のメディア作成ツールがUSBメモリにインストールメディアを作成している様子のスクリーンショット

クリーンインストールを行うためには、PCを内蔵ストレージからではなく外部のメディアから起動させる必要があります。そのための「起動ディスク」を、Microsoftが公式に提供しているツールを使って作成します。必要なものは、8GB以上の空のUSBメモリだけです。

Microsoftの公式サイトで「Windows 11のダウンロード」ページにアクセスし、「**Windows 11のインストールメディアを作成する**」の項目から、「メディア作成ツール(Media Creation Tool)」をダウンロードして実行します。ウィザードの指示に従い、「別のPCのインストールメディアを作成する」を選択し、言語やエディションを確認した後、「使用するメディア」として「USBフラッシュドライブ」を選択します。PCに接続したUSBメモリを指定すれば、ツールが自動的に最新のWindows 11のダウンロードと、起動可能なインストールメディアの作成を行ってくれます。この一本のUSBメモリこそが、あなたのPCを更地から再建するための万能の建築道具となるのです。


第三章:施工 - クリーンインストールの実行手順

Windowsのインストール画面で「カスタム」インストールを選択し古いパーティションを全て削除している様子のスクリーンショット

全ての準備が整ったら、いよいよ最も重要なインストール作業に入ります。焦らず、一つ一つのステップを慎重に進めてください。

ステップ1:USBメモリからの起動

作成したインストール用USBメモリをPCに挿したまま電源を入れます。そしてすぐに特定のキー(`F2`, `F12`, `Delete`など、メーカーによる)を連打し、BIOS/UEFIの設定画面を呼び出します。「Boot」メニューから起動デバイスの優先順位を、内蔵ストレージよりも「USBメモリ」が一番になるように変更し、設定を保存して再起動します。

ステップ2:インストールの開始とプロダクトキーの入力

PCがUSBメモリから起動すると、見慣れたWindowsのインストール画面が表示されます。言語やキーボードの設定を確認し、「今すぐインストール」をクリックします。プロダクトキーの入力を求められたら、「プロダクトキーがありません」を選択します。お客様のPCが一度でもWindows 10/11のライセンス認証を受けていれば、そのハードウェア情報がMicrosoftのサーバーに記録されており、インストール後にインターネットに接続すれば自動でライセンス認証が行われます。

ステップ3【最重要】:カスタムインストールとパーティションの完全消去

「インストールの種類を選んでください」という画面で、お客様は運命の選択を迫られます。ここで、必ず「**カスタム:Windowsのみをインストールする(詳細設定)**」を選択してください。すると、PCの内蔵ストレージのパーティション(ドライブの論理的な仕切り)が一覧表示されます。クリーンインストールを行うためには、ここに表示されている古いWindowsに関連する**全てのパーティション(回復、EFI、プライマリなど)を、一つずつ選択しては「削除」していきます。**この操作は、ドライブ上の全てのデータを完全に消し去る後戻りのできない行為です。最終的にドライブ全体が1つの「未割り当て領域」になったことを確認したら、その「未割り当て領域」を選択し、「次へ」をクリックします。あとはWindowsが自動的に必要なパーティションを作成し、ファイルのコピーとインストールを開始します。


第四章:竣工と入居 - インストール後の初期設定

インストールが完了しPCが再起動すると、お客様を迎えるのは新品のPCを初めて起動した時と全く同じ「ようこそ」画面です。地域やキーボードレイアウトの設定、Microsoftアカウントでのサインインといった初期設定(OOBE: Out-of-Box Experience)を、画面の指示に従って進めてください。

デスクトップが表示されたら、まず最初に行うべきは、事前に準備しておいたUSBメモリからLAN/Wi-Fiとチップセットのドライバーをインストールすることです。インターネットに接続できるようになったら、Windows Updateを実行し、全てのシステムとドライバーを最新の状態にします。それが終われば、いよいよお客様が使うアプリケーションを再インストールし、バックアップしておいた大切な個人データを新しいクリーンな我が家へと戻していく、楽しい入居作業の始まりです。

まとめ:クリーンインストールとは、最高の「パフォーマンス」と「安心」を取り戻す究極のメンテナンスである

長年の利用で蓄積されたデジタルな澱を一掃し、PCを生まれたての純粋な状態へと還すクリーンインストール。それは、あらゆるソフトウェア的な不調に対する最も強力で、そして最も確実な解決策です。その成功の鍵は、焦らず正しい手順を踏むという慎重さにあります。

  1. 準備が成否の9割を決める: データ、アプリ、ライセンス、そして必須ドライバー。インストールを始める前に、失われる全てのものを外部に確保しておく。この準備があなたの精神的な余裕を生む。
  2. 道具は公式なものを使う: Microsoftが提供する「メディア作成ツール」で、最新のクリーンなインストール用USBメモリを作成する。
  3. 最大の関門はパーティションの「削除」: インストール中の「カスタム」選択と既存パーティションの完全な削除。これこそが真の「クリーン」インストールを実現するための唯一の道である。
  4. ドライバーは事前に用意する: 特にネットワークドライバーは、インストール後のインターネット接続を保証するための生命線となる。

クリーンインストールをマスターすることは、お客様がPCの単なる「使用者」から、そのソフトウェア的な健康状態を自らの手で管理・維持できる、真の「所有者」へと進化することを意味します。その圧倒的なパフォーマンスとクリーンな環境がもたらす快適さを、ぜひあなたも体験してください。

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