Office(オフィス)付きパソコンなら格安中古のPC STORE

2025.9.29

【耳障りな騒音さらば】中古デスクトップPCの「ファンがうるさい」を解決!原因特定からCPUクーラー交換まで、静音化の全知識

パソコン全般のお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年9月22日

質問するスト子
スト子

ピー太さん、最近購入した中古のデスクトップPCなんですが、一つだけ大きな問題があって…。電源を入れると、「フォーン!」という掃除機みたいな大きなファンの音が鳴り響くんです。

特に少し負荷のかかる作業をすると、さらに音が大きくなって集中できません。これって中古のPCだから仕方がないことなのでしょうか?それとも、何か故障のサイン…?

この耳障りな騒音を静かにさせるための、何か良い方法はありませんか?

解説するピー太
ピー太

その「騒音」、PCがお客様に送っている重要な「SOS信号」ですよ。決して放置してはいけません。

ファンの音がうるさいということは、PCの頭脳である「CPU」が熱中症寸前で、冷却ファンが「助けてくれ!」と必死に悲鳴を上げている状態なのです。その原因は多くの場合、長年の使用で内部に蓄積した「**ホコリ**」か、あるいはCPUと冷却装置の間の熱伝導を助ける「**CPUグリス**」の劣化です。

ご安心ください。その悲鳴は、お客様自身の手で静かな安らぎの音色へと変えることができます。この記事では、プロのPCドクターとしてその騒音の原因を正確に診断し、PC内部の「大掃除」から専門的な「CPUグリスの塗り替え」、そして究極の静音化である「CPUクーラーの交換」まで、あなたのデスクに静寂を取り戻すための全ての知識と手順を徹底的に解説します。

騒音の哲学:ファンの音は「原因」ではなく、PC内部の「悲鳴」という「結果」である

デスクトップPCのファンがうるさい。この現象に直面した時、多くの人は「ファンが壊れた」と考えがちです。しかし、それは多くの場合正しくありません。PCの冷却ファンは、CPUなどの重要部品の温度を監視し、その温度が上昇すれば回転数を上げて冷却能力を高めるという、極めて忠実な働きをしています。

つまり、ファンが高速で回転し大きな音を立てているということは、それ自体が「原因」なのではなく、PC内部で何らかの「**熱の問題**」が発生しているという「**結果**」なのです。その根本原因は主に2つです。

  1. 冷却効率の低下: 本来スムーズであるべき空気の通り道(通気口やヒートシンクのフィン)が長年のホコリで塞がれ、冷却システムが本来の性能を発揮できなくなっている。
  2. 熱伝導の劣化: CPUで発生した熱をヒートシンクへと効率的に伝えるための重要な仲介役である「CPUグリス」が、経年劣化で乾燥・硬化し、熱がうまく伝わらなくなっている。

したがって真の静音化とは、ファンを交換するといった対症療法ではなく、これらの根本原因を取り除き、PCの冷却システム全体を健康な状態に戻してあげるという根本治療に他ならないのです。


第一章:診断 - 騒音の「種類」と「発生源」を特定する

治療を始める前に、まず正しい診断を下します。お客様のPCから聞こえる音は、どのような「種類」の音ですか?

  • 「フォーン」「ブーン」という一定の大きな風切り音: これはファンが正常に、しかし高速で回転している音です。原因は前述した「熱問題」である可能性が99%です。
  • 「カラカラ」「ジージー」という不規則な異音: これはファンの軸受(ベアリング)が物理的に摩耗・破損しているサインです。この場合はファンの物理的な交換が必要となります。

次に、PCのサイドパネルを開けた状態で電源を入れ、どのファンが騒音の発生源となっているのか、耳を澄まして特定します。デスクトップPCには主に4種類のファンが存在します。

  1. CPUの真上に設置された「**CPUファン**」(多くの場合これが主犯です)
  2. ケースの前面や背面に取付けられた「**ケースファン**」
  3. グラフィックボードに搭載された「**GPUファン**」
  4. PC全体の電源を供給する「**電源ユニット(PSU)ファン**」

犯人が特定できれば、治療の方針は定まります。


第二章:治療 - 静かなPCを取り戻すための4つのステップ

ここからは具体的な静音化の手順です。簡単なものから順番に試していきましょう。

ステップ1:内部の徹底的な大掃除

これが最も基本的で、そして最も効果的な治療法です。必要なものは**エアダスター**と掃除機、そして少しの勇気です。

【警告】作業前には必ずPCの電源ケーブルをコンセントから抜き、数分放置して内部の電気を放電させてください。

  1. PCのサイドパネルを開け、屋外やベランダなどホコリが飛んでも問題のない場所にPCを運びます。
  2. エアダスターを使い、まずCPUクーラーのヒートシンク(金属の放熱板)とファンに詰まったホコリを徹底的に吹き飛ばします。この際、**ファンに直接強い空気を当てて高速回転させないよう、指で軽くブレードを押さえておく**のがプロのコツです。
  3. 同様に、ケースファン、グラフィックボードのファン、そして電源ユニットの吸気口と排気口のホコリも吹き飛ばします。
  4. 最後にPCケースの底に溜まったホコリを掃除機で吸い取ります。

多くの場合、この大掃除だけでPCの冷却性能は劇的に回復し、ファンの回転数は驚くほど静かになるはずです。

ステップ2(上級者向け):CPUグリスの塗り替え

大掃除をしてもまだファンの音が大きい場合、次なる容疑者はCPUとクーラーの間に塗られた「**CPUグリス**」の劣化です。このグリスは経年劣化で乾燥・硬化すると熱伝導の効率が著しく低下します。市販の新しいCPUグリスと無水エタノール、そして拭き取り用の布を用意し、以下の手順で塗り替えを行います。

  1. CPUクーラーをマザーボードから慎重に取り外します。
  2. CPUの表面とクーラーの接地面に残っている古い乾燥したグリスを、無水エタノールを染み込ませた布で優しく完全に拭き取ります。
  3. 新しいグリスを米粒一粒程度の大きさだけCPUの中央に絞り出します。
  4. CPUクーラーを元の位置に真上からゆっくりと乗せ、均等に圧力がかかるように対角線上のネジを少しずつ順番に締めながら固定します。

このグリスの塗り替えは、PCの冷却性能を新品時の状態、あるいはそれ以上に回復させる非常に効果的なメンテナンスです。

ステップ3:物理的に故障したファンの交換

もし騒音の原因が「カラカラ」といった物理的な異音であれば、そのファンは寿命です。同じサイズと規格の新しいファンに交換する必要があります。ケースファンであれば80mmや120mmといった標準的なサイズを確認し交換します。CPUファンの交換も可能ですが、多くの場合次にご紹介するクーラー全体のアップグレードを検討する方が賢明です。

ステップ4(究極の静音化):高性能なCPUクーラーへの換装

中古オフィスPCに搭載されているCPUクーラーは、多くの場合コスト重視のリテールクーラー(純正クーラー)です。これを数千円で購入できる高性能なサードパーティ製の「**サイドフロー型**」や「**トップフロー型**」のCPUクーラーに換装すること。これこそが、お客様のPCを究極の「静音PC」へと生まれ変わらせる最後の手段です。大型のヒートシンクと静音設計のファンを備えたこれらのクーラーは、純正クーラーとは比較にならない圧倒的な冷却性能と静粛性を両立しています。購入の際は、お使いのPCのCPUソケットの規格(例:`LGA1200`や`AM4`)とPCケースの内部スペースに収まる高さを確認することが重要です。

まとめ:PCの「騒音」は、あなた自身の手で「静寂」へと変えられる

耳障りなPCのファン騒音は、諦める必要のない問題です。その原因のほとんどは、お客様自身の手による適切なメンテナンスで解決することが可能です。そのための行動原則をここにまとめます。

  1. まず音を「聞け」: 騒音は高速回転の「風切り音」か、それとも物理的な「異音」か。その診断が全ての始まりである。
  2. 全ての基本は「掃除」にあり: PC内部のホコリは万病の元。エアダスターでの徹底的なクリーニングが最も効果的な第一の治療法。
  3. 「CPUグリス」は消耗品と心得る: 数年が経過したPCにとって、CPUグリスの塗り替えは冷却性能を蘇らせる魔法の若返り術である。
  4. 究極の静寂は「投資」で手に入れる: 高性能なCPUクーラーへの換装は、数千円の投資であなたのPC体験の「質」を根底から向上させる、最高のコストパフォーマンスを持つアップグレードである。

静かで快適なPC環境は、お客様の集中力と創造性を最大限に引き出してくれます。ぜひこの記事を参考に、あなたのPCとの対話を楽しみながら、最高のワークスペースをその手で作り上げてください。

パソコン購入のためのお役立ち情報

パソコン選びがよく分からない方、ご不安のある方、悩む前に!お気軽にご相談ください!

専門スタッフが、性能・ご予算・お好みなどご希望に合ったパソコンをお探しします!

PC STOREへ