【緊急】Officeのライセンス認証が繰り返し要求される!5つの原因と今すぐ試せる解決策
Officeのお役立ち情報

助けてください!
最近、WordやExcelを開くたびに「ライセンス認証」の画面が出てきて、サインインを求められるんです…。
正しいパスワードを入れても、その時は使えるんですけど、一度閉じてもう一度開くと、また同じ画面が…。
まるで無限ループみたいで、仕事にならなくて本当に困っています。

その症状、非常によく分かります。
「認証ループ」と呼ばれる、多くのユーザーを悩ませる厄介なトラブルですよね。
ご安心ください。
それはPCの致命的な故障ではありません。
多くの場合、PC内に保存されているライセンス情報が、何らかの理由で破損したり、矛盾したりしているだけなんです。
今日は、なぜこの無限ループが起きるのか、その5つの主な原因を特定し、ご自身で今すぐ安全に試せる具体的な解決策を、簡単なものから順番に、そしてプロの視点から日本一詳しく解説していきます。
この記事の手順を一つずつ試せば、きっとそのイライラから解放されますよ。
【大前提】なぜ認証ループは起きるのか? - Officeライセンスの仕組み
解決策に進む前に、なぜこのような奇妙な問題が起きるのか、その背景にあるOfficeのライセンス認証の仕組みを理解することが、トラブル解決への近道となります。
Office認証の裏側:アカウントと「資格情報トークン」の役割
あなたがMicrosoft 365やOffice 2024を初めて使う時、Microsoftアカウントでサインインし、ライセンス認証を行います。
この時、お使いのPCには、あなたのライセンスが正当なものであることを証明するための、暗号化された小さな「証明書」のようなデータが保存されます。
これを専門的には「資格情報トークンユーザーの認証情報(ID、パスワードなど)を安全に管理し、サービスへのアクセスを許可するために使われる、暗号化された電子的な“通行手形”のようなものです。」と呼びます。
次回以降、WordやExcelを起動すると、アプリケーションはこのPC内に保存されたトークンをまず確認しにいきます。
トークンが有効であれば、Microsoftのサーバーに毎回問い合わせることなく、スムーズにアプリを起動できる、という仕組みです。
認証ループの正体:壊れた「通行手形」の無限確認
認証ループは、まさにこの仕組みが原因で発生します。
何らかの理由で、PC内に保存されている資格情報トークンが破損してしまったり、別のアカウントのトークンと競合してしまったりすると、Officeアプリは「この通行手形は無効です。本物ですか?」と判断します。
そこで、ユーザーに再度サインインを求め、新しいトークンを発行しようとします。
しかし、PC内の古い破損した情報が邪魔をして、新しいトークンを正しく保存・認識できず、アプリを再起動すると、また「この通行手形は無効です…」という確認作業を繰り返してしまうのです。
これから紹介する解決策は、この「壊れた通行手形」をきれいに掃除し、新しい本物の通行手形を再発行させてあげるための、具体的な手順ということになります。
【原因特定】あなたのケースはどれ?認証ループを引き起こす5つの原因
この「壊れた通行手形」問題を引き起こす原因は、主に以下の5つが考えられます。
ご自身の状況がどれに当てはまるか、考えてみましょう。
原因1:複数のMicrosoftアカウントによる競合
PC上で、複数のMicrosoftアカウントを利用している場合に、非常によく発生します。
例えば、Windows OSには個人のMicrosoftアカウントでサインインしているのに、Officeは大学や会社から提供された別のアカウントで使っている、といったケースです。
あるいは、過去に使っていたアカウント情報がPC内に残っていて、現在のアカウント情報と衝突(コンフリクト)を起こしている可能性もあります。
原因2:Windows資格情報マネージャー内のトークンの破損
Windowsには、様々なサービスへのログイン情報を安全に保存しておく「資格情報マネージャー」という機能があります。
Officeのライセンス情報(トークン)も、ここに保存されています。
この保存されているトークンデータそのものが、何らかの理由(OSの不具合や予期せぬシャットダウンなど)で破損してしまい、Officeアプリが正しく読み取れなくなっているケースです。
原因3:PCの日付、時刻、タイムゾーンのズレ
意外に思われるかもしれませんが、これも非常に多い原因の一つです。
ライセンス認証は、インターネットを通じてMicrosoftのサーバーと、暗号化された安全な通信(SSL/TLS通信)を行って実現されます。
この安全な通信は、お使いのPCと、サーバーの時刻が正確に合っていることが大前提です。
もし、PCの内蔵時計が大幅にずれていると、サーバー側は「この通信は時刻がおかしく、安全性が確認できない」と判断し、認証を拒否します。
これが、認証ループとして現れることがあります。
原因4:ファイアウォールやプロキシサーバーによる通信ブロック
特に、会社のネットワークや、大学のキャンパスネットワークなど、厳格なセキュリティ設定がされている環境でPCを使っている場合に考えられる原因です。
ネットワークのファイアウォール外部のネットワークからの不正なアクセスや攻撃を防ぐための「防火壁」のような役割を持つ、セキュリティシステムです。やプロキシサーバーが、Officeのライセンス認証に必要な、Microsoftのサーバーとの通信を「不審な通信」と判断し、ブロックしてしまっている可能性があります。
原因5:Officeアプリケーションまたはシステムファイルの破損
これまでの原因に当てはまらない場合、Officeのアプリケーションファイル自体や、Officeの動作に関連するWindowsのシステムファイルが破損している可能性を疑います。
これは、不完全なアップデートや、他のソフトウェアとの競合などが原因で発生することがあります。
【解決策】今すぐ試せる!5つの修復ステップ
原因の見当がついたら、いよいよ具体的な修復作業です。
リスクが低く、簡単な手順から順番に試していきましょう。
解決策1:【基本の応急処置】アカウントの再サインインと日時の同期
まず、最も簡単で、多くの軽微な問題を解決できる応急処置から試します。
ステップ1-a:Officeアカウントからの再サインイン
これは、一時的なアカウントの認識不整合をリフレッシュする操作です。
- 1. WordやExcelなど、いずれかのOfficeアプリケーションを開きます。
- 2. 画面左上の「ファイル」メニューをクリックし、左側メニューの下の方にある「アカウント」を選択します。
- 3. 「ユーザー情報」の項目に、現在サインインしているアカウントが表示されています。
そのアカウント名の下にある「サインアウト」のリンクを、すべてのアカウントでクリックします。
- 4. すべてのアカウントからサインアウトしたら、一度すべてのOfficeアプリケーションを閉じます。
- 5. 再度、Wordなどを起動します。
ライセンス認証を求める画面が表示されるので、Officeに紐づいている**正しいMicrosoftアカウント**で、改めてサインインし直してください。
ステップ1-b:日付と時刻の強制同期
PCの時計のズレを修正します。
- 1. 「スタート」ボタンを右クリックし、「設定」を選択します。
- 2. 左側のメニューから「時刻と言語」を選び、「日付と時刻」をクリックします。
- 3. 「時刻を自動的に設定する」と「タイムゾーンを自動的に設定する」の両方がオンになっていることを確認します。
- 4. 少し下にスクロールし、「追加設定」の項目にある「今すぐ同期」ボタンをクリックします。
これにより、インターネット上の正確な時刻サーバーと、PCの時計が強制的に同期されます。
これらの基本操作を行った後、PCを再起動し、問題が解決しているかを確認してください。
【これで解決しない場合】
問題は、より根深い場所にありそうです。
次は、PC内に保存されている「壊れた通行手形」を、直接削除しにいきます。
解決策2:【効果絶大】Windows資格情報マネージャーからOfficeの資格情報を削除する
【なぜこれを行うのか?】
この手順は、認証ループ問題の根本原因である「破損した、あるいは競合している資格情報トークン」を、Windowsの保管庫から手動で完全に削除し、クリーンな状態にするためのものです。
これにより、次回Officeを起動した際に、全く新しい、正常なトークンが再発行され、問題が解決する可能性が非常に高いです。
これは、プロが最初に行う、最も効果的なトラブルシューティングの一つです。
【具体的な手順】
- 1. **すべてのOfficeアプリケーションを完全に終了**させてください。
タスクバーにアイコンが残っていないことを確認します。
- 2. 「スタート」ボタンをクリックし、`資格情報`と入力して検索します。
表示された「資格情報マネージャー」をクリックして開きます。
- 3. 「資格情報マネージャー」のウィンドウで、**「Windows 資格情報」**をクリックします。
- 4. 「汎用資格情報」というセクションに、PCに保存されている様々な資格情報の一覧が表示されます。
この中から、**`MicrosoftOffice`** という文字列で始まる名前の資格情報をすべて探し出します。
(例: `MicrosoftOffice16_Data:s-1-5-21-...`)
- 5. 見つけ出した`MicrosoftOffice`の資格情報を、一つずつクリックして詳細を展開し、**「削除」**ボタンを押して、PCから削除していきます。
複数ある場合は、すべて削除してください。
- 6. すべてのOffice関連資格情報を削除したら、PCを再起動します。
- 7. 再起動後、WordなどのOfficeアプリケーションを起動します。
初回起動時と同じように、ライセンス認証を求める画面が表示されるので、正しいMicrosoftアカウントでサインインしてください。
この操作により、新しくクリーンな資格情報トークンが生成され、認証ループが解消されるはずです。
【これで解決しない場合】
資格情報以外の部分にも問題が及んでいる可能性があります。
次は、Microsoftが提供する公式の診断・修復ツールに助けを求めましょう。
解決策3:【公式ツール】Microsoft サポート/回復アシスタント (SaRA) を実行する
【なぜこれを行うのか?】
Microsoftは、OfficeやWindowsの様々なトラブルを自動で診断・修復するための、非常に強力な公式ツール「サポート/回復アシスタント(通称 SaRA)Microsoft Support and Recovery Assistantの略。Officeのライセンス問題、インストールやアンインストールの不具合など、様々なトラブルを自動で解決してくれる公式ツールです。」を提供しています。
このツールは、私たちが手動で行うような、資格情報のクリア、レジストリの修正、Officeの再インストールといった複雑な手順の多くを、対話形式で、安全かつ自動的に実行してくれます。
専門知識がないユーザーでも、プロと同等の修復作業を試みることができる、非常に頼りになる存在です。
【具体的な手順】
- 1. Webブラウザで「Microsoft SaRA ダウンロード」などと検索し、Microsoftの公式サイトから、サポート/回復アシスタントのインストーラーをダウンロードします。
- 2. ダウンロードしたファイルを実行し、画面の指示に従ってツールをインストールします。
- 3. SaRAが起動したら、問題が発生しているアプリケーションとして「Office」を選択します。
- 4. 次に、問題の一覧から「Officeのライセンス認証を行ったり、ライセンス認証エラーを修正したりすることができない」といった、今回の症状に最も近い項目を選択し、「次へ」をクリックします。
- 5. あとは、SaRAが自動的にシステムをスキャンし、問題点を診断します。
問題が発見されると、「資格情報をリセットします」「Officeのライセンス状態をリセットします」といった形で、具体的な修復アクションを提案してくれます。
画面の指示に従って、修復を実行してください。
多くの場合、このSaRAを実行することで、手動では解決が難しい複雑なライセンス問題も解消されます。
【これで解決しない場合】
公式ツールでも解決できないとなると、かなり根深い問題である可能性が出てきます。
次は、自己責任となりますが、レジストリを直接編集するという、より外科的な手術を試みます。
解決策4:【上級者向け】レジストリを編集して認証情報を完全リセットする
【なぜこれを行うのか?】
WindowsのレジストリWindowsのOSやアプリケーションに関する、あらゆる設定情報が格納されている、巨大なデータベースです。システムの心臓部とも言える、極めて重要な部分です。には、Officeのライセンス認証状態を管理するための、さらに深い情報が記録されています。
資格情報マネージャーから情報を削除しても問題が解決しない場合、このレジストリ内の認証情報キーが破損、あるいはロックされている可能性があります。
このキーを直接削除することで、Officeの認証情報を、本当の意味で完全に初期化することができます。
操作を誤ると、Windowsが起動しなくなる危険性もあります。
必ず、これから示す手順を正確に、そして自己責任のもとで実行してください。
操作に少しでも不安がある場合は、このステップは飛ばして、次の解決策に進んでください。
【具体的な手順】
- 1. すべてのOfficeアプリケーションを完全に終了させます。
- 2. 「Windows」キー + 「R」キーを押し、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開きます。
入力欄に `regedit` と入力し、Enterキーを押して「レジストリエディター」を起動します。
- 3. レジストリエディターの左側のツリーを、以下のパスまで順番に展開していきます。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Common\Identity
- 4. `Identity`というキー(フォルダ)を見つけたら、まずバックアップを取ります。
`Identity`キーを右クリックし、「エクスポート」を選択。デスクトップなどの分かりやすい場所に、適当な名前(例: Identity_backup)を付けて保存します。
- 5. バックアップが完了したら、`Identity`キーを右クリックし、**「削除」**を選択します。
- 6. レジストリエディターを閉じ、PCを再起動します。
再起動後、Officeは`Identity`キーをクリーンな状態で自動的に再作成します。
Wordなどを起動し、改めてサインインすることで、認証情報が完全にリセットされ、問題が解決する可能性があります。
解決策5:Officeの修復または完全な再インストール
【なぜこれを行うのか?】
これまでのすべての手順を試しても問題が解決しない場合、ライセンス情報だけでなく、Officeのアプリケーションファイル自体が破損している可能性を疑います。
まずは、Windowsに内蔵されている修復機能で軽微な破損を修正し、それでもダメなら、一度Officeを完全にアンインストールしてから、クリーンな状態で再インストールするという、最後のソフトウェア的対策を試みます。
【ステップ5-a:Officeの修復インストール】
- 1. 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開きます。
- 2. アプリの一覧から「Microsoft 365」またはお使いのOffice製品を探し、右端の「…」をクリックして「変更」を選択します。
- 3. 「このアプリに変更を加えることを許可しますか?」と表示されたら「はい」をクリック。
- 4. 修復オプションの選択画面が表示されます。
まずは**「クイック修復」**を試してみてください。
これは、ローカルに保存されているファイルを使って、軽微な問題を高速に修復します。
- 5. クイック修復で解決しない場合は、再度同じ手順で**「オンライン修復」**を実行します。
こちらは、インターネット経由でOfficeのコンポーネントを再ダウンロードするため、より時間はかかりますが、より多くの問題を解決できる可能性があります。
【ステップ5-b:Officeの完全なアンインストールと再インストール】
オンライン修復でもダメだった場合の最終手段です。
通常のアンインストールでは、PC内に古い設定ファイルやレジストリ情報が残ってしまうことがあります。
そのため、先ほど紹介したMicrosoftの公式ツール**「サポート/回復アシスタント (SaRA)」を使って、完全にアンインストールする**ことを強く推奨します。
SaRAには、OfficeをPCから完全に消去するための専用オプションがあり、これを使うことで、本当にクリーンな状態からの再インストールが可能になります。
完全アンインストール後、Microsoftアカウントのポータルサイトから、改めてOfficeをインストールし直してください。
まとめ - 認証ループの迷宮からの脱出
WordやExcelを開くたびにサインインを求められる、あの終わりのない認証ループ。
その原因は、PC内に保存された「壊れた通行手形(資格情報トークン)」にありました。
そして、その問題を解決するための、5つの具体的なステップを解説しました。
- 1. 基本の応急処置: アカウントの再サインインと、日時の同期を試す。
- 2. 効果絶大な掃除: 資格情報マネージャーから、古いOfficeの資格情報を手動で削除する。
- 3. 公式ツールに任せる: Microsoft サポート/回復アシスタント (SaRA) を実行し、自動で問題を診断・修復させる。
- 4. 外科的な手術(上級者向け): レジストリを編集し、認証情報を根こそぎリセットする。
- 5. 最終手段: Officeの修復インストール、それでもダメなら完全な再インストールを行う。
ほとんどの認証ループ問題は、これらの手順のいずれかで解決するはずです。
重要なのは、パニックにならず、簡単なものから順番に、一つずつ冷静に試していくことです。
もし、これらすべての手を尽くしても問題が解決しない場合は、お使いのMicrosoftアカウント自体に特殊な問題があるか、あるいはWindowsのシステムに、より根深い不具合が生じている可能性があります。
そうなった時は、一人で悩み続けないでください。
私たちPCのプロフェッショナルは、そんな複雑な問題の解決をお手伝いするために存在しています。
お気軽にご相談いただければ、専門的な知識と経験で、あなたを認証の無限ループから解放することをお約束します。
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