
【予算3万円】激安中古オフィスPC“魔改造”入門!グラボ増設でAPEXも動くゲーミングPCを自作する全手順を徹底解説
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記事の最終更新日:2025年9月19日
ピー太さん、私、APEX LegendsみたいなPCゲームを始めてみたいんです!でも、新品のゲーミングPCってすごく高くて、とても手が出ません…。予算は3万円から5万円くらいが限界です。
この予算でゲームができるPCを手に入れるなんて、やっぱり夢物語でしょうか?ネットで、すごく安い中古のオフィス用デスクトップPCを見かけたのですが、さすがにこういうのではゲームは動きませんよね…?
スト子さん、その「夢物語」を現実に変える最高の「秘術」があるんですよ。それがPC好きの間で囁かれる究極のコストパフォーマンス術、「**中古オフィスPCの魔改造**」です。
お客様が見つけたその地味な中古オフィスPC、実は隠れた「逸材」かもしれません。なぜなら、ゲームの快適さを最も左右する部品は、PCの頭脳である「CPU」よりも、映像を専門に描画する「**グラフィックボード(グラボ)**」だからです。
私たちの作戦はこうです。まず、CPU性能が高くかつ激安の中古オフィスPCという「屈強な素体」を手に入れる。そして、そこに予算の許す限り最高の「グラフィックボード」という戦闘用の翼を移植するのです。
この記事では、その魔改造の全手順、すなわちベースとなるPCの選び方から最適なグラボの選定、そして物理的な移植手術の方法まで、あなたを最強のコスパを追求するPCビルダーへと導きます。
魔改造の哲学:それは「価値の非対称性」を突く知的な錬金術である
なぜこの「中古オフィスPCの魔改造」が、これほどまでに高いコストパフォーマンスを実現できるのか。その秘密は、中古PC市場に存在する巨大な「**価値の歪み**」にあります。
企業で大量に使われていたリースアップのデスクトップPCは、数年後、中古市場に驚くほどの低価格で放出されます。これらのPCは、ゲーム性能の指標となるグラフィック性能が低いため、一般的な中古市場での評価は高くありません。しかし、その心臓部である「CPU」は、当時のビジネスユースに耐えうる非常に高性能なものが搭載されていることが多いのです。
一方、PCゲームの世界では、CPUの性能もさることながら、GPU(グラフィックボード)の性能がフレームレート(※1秒間の描画回数。高いほど滑らかに見える)を直接的に決定づけます。つまり、私たちの戦略の核心はこうです。
**中古市場で不当に安く評価されている「CPU性能」を激安で手に入れ、そこに予算の大部分を集中させた最新の「GPU性能」を後から付け加える。**この価値の非対称性を突く知的な錬金術こそが、新品のゲーミングPCの半額以下の予算で同等の性能を手に入れることを可能にする唯一の道なのです。
第一章:素体の選定 - 失敗しないベースPC選びの鉄則
魔改造の成否は、そのベースとなる「素体」選びで8割が決まります。狙うべきは、DELLの「**OptiPlex**」、HPの「**EliteDesk / ProDesk**」、あるいはLenovoの「**ThinkCentre**」といった法人向けのリースアップ品です。その中でも、以下の条件を満たす個体を探し出してください。
① CPU:Intel Core i5 第6世代以降
CPUはPCの基本的な処理能力を決定します。APEX Legendsのような現代のゲームを快適にプレイするためには、最低でも「**Intel Core i5 の第6世代(Skylake世代)**」以上が欲しいところです。型番で言えば、「Core i5-**6**500」のように、ハイフンの後の最初の数字が「6」以上のモデルです。理想を言えば、第7世代、第8世代と数字が大きいほど高性能になります。
② 筐体サイズ:「ミニタワー(MT)」または「省スペース(SFF)」
これが最も重要なチェックポイントです。法人向けのデスクトップには様々なサイズがありますが、グラボを増設できるのは拡張スロットを持つある程度の大きさのモデルだけです。
- ミニタワー(MT): 最も拡張性が高く、搭載できるグラボの選択肢も豊富。初心者にも改造がしやすいおすすめのサイズです。
- 省スペース(SFF): スリムで置き場所に困らないサイズ。搭載できるグラボは「ロープロファイル」という背の低い特殊な規格に限定されますが、APEXを動かすには十分な性能のカードが存在します。
【警告】手のひらサイズの「マイクロ」や「タイニー」と呼ばれる超小型PCは、拡張スロットがないため今回の魔改造には**絶対に使用できません。**
③ 拡張スロット:PCI Express x16スロットの有無
グラフィックボードは、「**PCI Express x16**」という規格の拡張スロットに接続します。商品説明や写真で、このスロットが空いていることを必ず確認してください。
④ 電源ユニット(PSU)の容量
オフィスPCは元々高性能なグラボを搭載することを想定していないため、電源ユニットの容量が比較的小さい(例:180W~250W)です。これが、私たちが搭載できるグラボの種類を制限する最大の「制約」となります。
第二章:翼の移植 - グラボ選びの鉄則とおすすめモデル
ベースPCの制約の中で最高のパフォーマンスを引き出すグラボを選びます。その選択基準は2つです。
鉄則①:「補助電源不要」モデルであること
オフィスPCの電源ユニットには、高性能なグラボが必要とする追加の電力供給ケーブル「補助電源コネクタ」が付いていません。したがって私たちが選べるのは、マザーボードの**PCI Expressスロットからの給電(最大75W)だけで動作する**省電力なモデルに限定されます。
鉄則②:筐体サイズに合ったモデルであること
ベースPCが省スペース(SFF)モデルの場合、搭載できるのは「**ロープロファイル**」規格のブラケット(金属の固定板)に対応したカードだけです。
【2025年版】おすすめグラボモデル
これらの厳しい条件をクリアし、かつAPEX Legendsを1080p(フルHD)解像度で快適に(平均60fps以上)プレイできる性能を持つ代表的なモデルは以下の通りです。
- NVIDIA GeForce GTX 1650 (GDDR6版): 長年にわたり補助電源不要グラボの王として君臨してきた名機。中古市場でも豊富に流通しておりコストパフォーマンスが高いです。
- NVIDIA GeForce RTX 3050 (6GB版): 新しい世代の選択肢。GTX 1650を上回る性能を持ちながら、一部に補助電源不要のモデルが存在します。
- AMD Radeon RX 6400: ロープロファイル専用設計で非常にコンパクト。GTX 1650と同等かそれ以上の性能を誇る強力なライバルです。
これらのグラボを中古で1万円~2万円程度で手に入れることができれば、PC本体と合わせても総予算3万円台でゲーミングPCを自作することが可能になります。
第三章:執刀 - グラボ増設の物理的な手順
部品が揃えば、いよいよ移植手術です。PCの分解は自己責任ですが、手順は非常にシンプルです。
- PCの電源ケーブルを抜き、数分放置して内部の電気を放電させます。
- PCのサイドパネルを開けます。多くの場合、手で回せるネジかレバーで簡単に開けられます。
- マザーボード上の一番下、あるいは下から二番目にある長い「**PCI Express x16**」スロットを確認します。
- そのスロットに対応する背面の金属カバー(拡張スロットカバー)をネジを外して取り除きます。
- グラフィックボードをスロットの溝に合わせ、両手で真上からゆっくりと均等に力を加え、「カチッ」と音がするまでしっかりと差し込みます。
- グラボの金属ブラケットをPCケースにネジで固定します。
- サイドパネルを閉め、モニターのケーブルをこれまで繋いでいたマザーボード側の端子ではなく、**今取り付けたグラフィックボードの出力端子(HDMIやDisplayPort)**に接続し直します。
これで物理的な手術は完了です。電源を入れ、無事に画面が映ることを確認しましょう。
第四章:魂の注入 - ドライバのインストールと最終設定
ハードウェアの準備が整ったら、最後にその能力を100%引き出すためのソフトウェア的な設定を行います。まずNVIDIAまたはAMDの公式サイトにアクセスし、お客様が取り付けたグラフィックボードのモデル名に対応する最新の「**グラフィックドライバー**」をダウンロードし、インストールします。これにより、OSはグラボの能力を完全に認識し、ゲームなどの3Dアプリケーションでその真価を発揮できるようになります。
次に、APEX Legendsなどのゲームをインストールしグラフィック設定を調整します。GeForce GTX 1650やRadeon RX 6400クラスのグラボであれば、解像度を「1920 x 1080 (フルHD)」に設定し、テクスチャやアンチエイリアシングといった各種設定を「中」から「低」に調整することで、平均して60fps以上を維持し快適にプレイすることが可能でしょう。
まとめ:「魔改造」とは、知識で「価値」を創造する最高の遊びである
激安の中古オフィスPCに一筋の光を与え、最新のゲームが動くマシンへと生まれ変わらせる「魔改造」。それは単なる節約術ではありません。市場に埋もれた価値を見出し、自らの手でハードウェアを組み合わせ、新しい価値を創造するという、PCビルドの最も根源的でエキサイティングな楽しみが凝縮された最高の「大人の遊び」です。
- 「素体」のCPU性能にこだわる: 全ての基礎となるベースPCは、Core i5-第6世代以上が最低条件。
- 「補助電源不要」と「サイズ」でグラボを選ぶ: オフィスPCの制約の中で最高のパフォーマンスを発揮するGTX 1650やRX 6400といった賢明な選択をする。
- 物理的な増設は慎重に、しかし大胆に: 手順はシンプル。PCI Express x16スロットに愛を込めて差し込むだけ。
- ドライバーという「魂」を忘れずに注入する: 最新のグラフィックドライバーをインストールして初めて魔改造は完成する。
- 過度な期待はしない、しかし十分に楽しむ: これは30万円のハイエンドPCではない。しかし3万円の投資で人気ゲームが快適に動くという驚異的なコストパフォーマンスを存分に味わう。
ぜひ、あなたもこの知的でスリリングな魔改造の世界に足を踏み入れ、あなただけの最強のコストパフォーマンスを誇るゲーミングPCをその手で生み出してみてください。

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