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2025.12.14

【メーカー別】ノートパソコンを“データを残して”初期化する完全ガイド|Windows 11「このPCをリセット」失敗しない選び方(クラウド/ローカル・BitLocker・初期化できない時)

ノートパソコンのお役立ち情報

最終更新日:2025年12月15日

【メーカー別】ノートパソコンを“データを残して”初期化する完全ガイド|Windows 11「このPCをリセット」失敗しない選び方(クラウド/ローカル・BitLocker・初期化できない時)

Windows 11の「このPCをリセット」は、うまく使えば“データを残したまま”調子を取り戻せます。いっぽうで、選択肢(クラウド/ローカル)やBitLocker(ディスク暗号化)を理解しないと、ログイン不能・復旧不能・時間ロスになりがちです。この記事では、初心者でも失敗しにくい順番で、メーカー別の注意点までまとめて解説します。

  • Windows 11
  • このPCをリセット
  • 初期化
  • BitLocker
  • メーカー別

目次

検索意図の分解(顕在/準顕在/潜在)

この記事は「Windows 11でノートPCをデータを残して初期化したい」というニーズを、次の3層に分けて解決します。

顕在ニーズ(今すぐやりたい)

  • 「このPCをリセット」でファイルを残して初期化する方法が知りたい。
  • クラウドダウンロードとローカル再インストールの違いが知りたい。
  • BitLockerで回復キーを求められて詰みたくない。

準顕在ニーズ(失敗したくない)

  • 初期化後にアプリやドライバー、Officeが戻らないのが不安。
  • メーカー別(DELL/HP/Lenovo/NEC/富士通)の癖を知りたい。
  • 初期化できない時に復旧できる“逃げ道”が欲しい。

潜在ニーズ(本当の目的)

  • 重い・不安定を根本改善して、作業時間を取り戻したい。
  • 売却や下取りの前に、データ保護と再設定の手間を最小化したい。
  • ウイルス疑い(マルウェア:悪意のあるソフト)や設定破損を安全側で片付けたい。

「データを残して初期化」とは?できること・できないこと

Windows 11の「このPCをリセット」は、OS(基本システム)を入れ直しつつ、選択によっては個人ファイルを残せる機能です。

分類 基本の挙動 注意点
個人用ファイル 残せる(保持オプション) 場所によっては対象外。別ドライブや暗号化領域は要確認。
アプリ(インストールしたソフト) 基本は消える 再インストールが必要。ライセンス再認証も起きやすい。
設定 多くが初期化される Wi-Fi、プリンタ、既定アプリなどは再設定前提。
Windows自体の破損 改善しやすい ストレージ故障(SSD不良)だと改善しないことがある。
ウイルス疑い 状況次第 強い感染の場合はクリーンインストール(完全入れ直し)が安全。

このページの前提は「同じPCを使い続ける」「できればファイルを残したい」です。売却や譲渡が目的なら、データ保護の観点から“残す”初期化はおすすめしません(後半で目的別に整理します)。

最重要:リセット前の安全準備(失敗しても戻れる状態)

リセットは、成功しても「アプリが消える」「設定が戻る」などの影響が出ます。失敗した場合でも戻れるように、最低限の準備を先に済ませます。

まずは“二重バックアップ”を作る

  • 外付けSSD(外部ストレージ:USB接続で保存するディスク)に、重要フォルダをコピー。
  • クラウド(OneDrive等:ネット上の保管)にも、最重要だけ同期。
  • 外付けSSDは、別PCで一度開けるか確認(復元テスト)。

アプリとアカウントを棚卸しする

  • Office、Adobe、VPN、業務ソフトなど「再ログインが必要なもの」をメモ。
  • ブラウザのブックマークとパスワード(同期/エクスポート)を確認。
  • メール(Outlook等)のデータ保存場所を把握(PST:メール保管ファイル)。

BitLockerの状態を必ず確認する

BitLocker(ビットロッカー:ディスク暗号化)を使っていると、リセット中や再起動で「回復キー」を要求されることがあります。回復キーが見つからないとログインできず、復旧が難しくなります。

  • Windowsの設定から「デバイスの暗号化」または「BitLocker」を確認。
  • 回復キー(48桁の数字)を、紙か安全なメモに控える。
  • 会社PCの場合は、管理者に回復キーの管理方法を確認。

クラウド/ローカルの選び方と、時間・失敗率の目安

「このPCをリセット」には、再インストール方法の選択があります。どちらが正解というより、状況で選びます。

選択肢 向いている状況 注意点
クラウド ダウンロード OS破損の疑いがある/最新の状態でやり直したい/ローカル回復が怪しい ネットが必要。通信量が大きい。回線が不安定だと失敗しやすい。
ローカル 再インストール ネットが弱い/短時間で終えたい/回復環境が健全そう 回復イメージ(復元用のデータ)が壊れていると失敗する。

迷ったらこの選び方

  • 最近アップデート失敗や青画面(BSOD:致命的エラー画面)が続くなら、クラウド寄り。
  • ネットが不安定・通信制限があるなら、ローカル寄り。
  • 「初期化できない」を避けたいなら、先に準備(回復ドライブや別PC)も検討。

BitLockerがあると何が起きる?回復キーで詰まない手順

BitLockerは、盗難や紛失時にデータを守る強力な仕組みです。その反面、初期化や修復で“本人確認”として回復キーが必要になることがあります。

よくある詰まりポイント

  • 再起動後に突然「回復キーを入力してください」が出る。
  • Microsoftアカウントを使っていないつもりでも、端末側で自動的に暗号化されている。
  • 会社PCで、回復キーが管理者側にしかなく、個人では確認できない。

回復キー対策の“安全手順”

  1. まず暗号化の有無を確認(デバイスの暗号化/BitLockerの表示)。
  2. 回復キーを控える(紙・パスワード管理アプリなど安全な場所)。
  3. 会社PCなら、初期化を始める前に管理者へ確認する(後で詰むのを防ぐ)。

回復キーが用意できてから、リセットに進むのが一番の失敗回避です。

Windows 11「このPCをリセット」手順(データを残す)

「個人用ファイルを保持する」を選ぶ判断

「データを残す」目的なら、基本は「個人用ファイルを保持する」を選びます。ただし、次のケースは“残す”初期化が不向きです。

  • 売却・譲渡が目的(データの痕跡が残る可能性があるため)。
  • ウイルス感染が強く疑われる(完全入れ直しが安全側)。
  • SSDの故障が疑わしい(リセットしても症状が戻る)。

手順(設定画面から実行する場合)

  1. 設定を開き、「システム」→「回復」を選ぶ。
  2. 「このPCをリセット」を選択し、開始する。
  3. 「個人用ファイルを保持する」を選ぶ。
  4. 「クラウド ダウンロード」か「ローカル 再インストール」を選ぶ。
  5. 表示される内容(消えるアプリ一覧など)を確認して実行する。

実行中の注意点

  • ACアダプタを接続(電源断は失敗の原因)。
  • 外付け機器は最小限(USB機器が原因で失敗することがある)。
  • 途中で固まったように見えても、しばらく待つ(再起動が複数回入る)。

初期化後に必ずやる復旧・最適化

  1. Windows Updateを当てる(再起動も含めて完了まで)。
  2. メーカーの更新ツールでドライバー更新(無線・音・タッチパッドを優先)。
  3. 必要アプリを再インストールし、ライセンス再ログインを行う。
  4. OneDriveやブラウザ同期を戻す(戻す順番は“少しずつ”が安全)。
  5. 不要スタートアップ(起動時常駐)を整理し、体感速度を改善する。

【メーカー別】リセット/回復でつまずきやすいポイント

Windowsのリセット機能は共通ですが、メーカーごとに「回復環境」「サポートツール」「BIOS設定(起動設定)」が微妙に違い、つまずきポイントも変わります。ここでは“よくある現場の罠”を中心に整理します。

DELLで多いポイント

  • SupportAssist(サポートツール:診断と更新)が入っていて、更新の導線がメーカー寄りになる。
  • 回復に失敗したとき、診断メニュー(ハード診断)を先に回すと原因切り分けが早い。
  • 無線が不安定な場合、リセット後はWi-Fiドライバー更新が優先。

HPで多いポイント

  • HP Support Assistant(更新ツール)を使うとドライバー復旧が早い。
  • キーボードのファンクションキー設定(Fn動作)が初期化で変わることがある。
  • タッチパッドやオーディオは、更新順で挙動が改善することがある。

Lenovoで多いポイント

  • Lenovo Vantage(更新ツール)がドライバー復旧の要。
  • 省電力設定が強めで、初期化後にバッテリー制御が変わったように感じることがある。
  • カメラ/マイクなどプライバシー設定が初期化で戻るので、会議前に確認が必要。

NECで多いポイント

  • 独自のユーティリティが多く、初期化後に必要なものだけ戻す整理が効く。
  • Wi-Fiやタッチパッドの“体感不調”は、メーカー側の推奨ドライバーで改善することがある。
  • 購入時のプリインストール(最初から入っているアプリ)を戻すかどうかを決めておくと良い。

富士通で多いポイント

  • ユーティリティの復旧で操作性(ホットキー等)が戻るケースがある。
  • 初期化後はWindows Update → メーカー更新の順にすると安定しやすい。
  • キーボード/タッチパッドの細かな設定が初期値に戻るので、使い慣れた状態に再調整。

メーカー共通:回復キー/BIOS/周辺機器

  • BitLocker回復キーは、メーカーに関係なく“最重要”。
  • リセット中のUSB機器(ドック、外付けGPU、古いハブ)は一度外す。
  • BIOS(起動制御)の設定は触りすぎない。変えた場合は元に戻せるようメモする。

初期化できない時の対処(WinRE・修復・インストールメディア)

「このPCをリセット」を押しても失敗する、途中で戻る、そもそも起動しない。こういう時は、段階的に“弱い修復”→“強い復旧”へ進むのが安全です。

まずは軽い修復(成功率高・影響小)

  1. 周辺機器を外して再試行する。
  2. 空き容量を確保する(目安:システムドライブに20GB以上)。
  3. セーフモード(最小構成起動)で起動できるなら、不要アプリを削除してから再挑戦。

WinRE(回復環境)から実行する

WinRE(回復環境:修復メニュー)からリセットできる場合があります。起動が不安定なときほど有効です。

  • 自動修復が出る場合は、そのまま「トラブルシューティング」へ進む。
  • 起動できるなら「設定」→「回復」から「今すぐ再起動」で回復環境へ。

それでもダメなら、インストールメディア(USB)を用意する

別PCがあるなら、USBインストールメディア(起動用USB)を用意し、修復や再インストールの選択肢を増やします。これは“詰み回避”の切り札です。

  • 回復ドライブ(復旧用USB)を作っておくと、失敗後も戻りやすい。
  • BitLockerの回復キーがないと、修復や移行が難しくなることがある。

目的別:最適ルート早見(重い/売却前/ウイルス疑い/業務PC)

とにかく重い・不安定を直したい

  • 二重バックアップ → データ保持リセット → Windows Update → メーカー更新の順。
  • 改善しない場合はSSDの健康状態(ストレージ不良)を疑う。

売却・下取り・譲渡の前

  • 原則は「データを残す」ではなく、データ保護を優先して消去前提の手順を検討。
  • BitLockerが有効なら、回復キー管理と消去の整合が重要。

ウイルス疑いがある

  • まずネットワークから切り離す(Wi-Fiをオフ)。
  • データ保持より、安全側(完全入れ直し)を優先する判断も必要。

会社・学校PC

  • 自己判断で初期化しない。管理者へ相談して手順に従う。
  • BitLocker回復キーが管理側の場合、事前確認が必須。

よくある質問

Q

「個人用ファイルを保持する」を選べば、デスクトップのファイルは全部残りますか。

A

多くの場合は残りますが、保存場所や構成によって例外があります。別ドライブに置いているデータ、暗号化状態、同期設定(OneDrive等)によっては期待どおりにならないこともあるため、必ず外付けSSDなどに二重バックアップを作ってから実行してください。

Q

クラウドダウンロードとローカル再インストール、どちらが安全ですか。

A

状況次第です。OS破損が疑われる、回復イメージが怪しい、できるだけ新しい状態にしたいならクラウド寄りです。ネットが不安定・通信量が厳しいならローカル寄りが現実的です。迷う場合は、失敗しても戻れる準備(バックアップと回復手段)を優先してから選ぶと安心です。

Q

BitLockerの回復キーが分からないのですが、初期化しても大丈夫ですか。

A

おすすめしません。回復キーが必要な場面で入力できないと、ログイン不能になり復旧が難しくなります。まず暗号化の有無を確認し、回復キーの所在を確保してから実行してください。会社PCの場合は管理者が保持していることが多いので、先に相談するのが安全です。

Q

初期化が途中で失敗して戻ってしまいます。何から試せばいいですか。

A

まずは周辺機器を外し、空き容量を確保して再試行してください。それでも改善しなければ、WinRE(回復環境)からの実行を試します。さらにダメなら、別PCでインストールメディア(USB)を作って修復手段を確保するのが“詰み回避”になります。

まとめ

  • Point

    「データを残す初期化」は便利ですが、成功率を上げる鍵は“事前準備”です。二重バックアップと、アプリ/アカウントの棚卸しを先に済ませると、初期化後の復旧がスムーズになります。

  • Point

    クラウド/ローカルは状況で選びます。OS破損の疑いが強いならクラウド寄り、回線が弱いならローカル寄り。迷ったら「失敗しても戻れる保険」を先に作るのが安全です。

  • Point

    BitLockerは回復キーが命です。回復キーが用意できるまで初期化を始めないことが、最も大きな失敗回避になります。初期化できない時はWinRE→USBメディアの順で“段階的に強く”対処しましょう。

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