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2024.5.14

Macのトラブルシューティング:一般的な問題と解決策

MacOSのお役立ち情報

この記事の最終更新日:2025年7月2日

悩む女性

MacBookを愛用しているんですけど、最近なんだか調子が悪くて…。
虹色のカーソルがクルクル回って固まったり、Wi-Fiがたまに途切れたり、ちょっとした不具合が続いています。
「Macは安定している」って聞いていたのに、どうしてなんでしょう?
何か問題が起きた時に、自分で原因を調べて、解決できるような方法ってありますか?

解説する男性

そのお悩み、よく分かります。
おっしゃる通り、Macは非常に安定した優れたOSですが、精密な機械である以上、時には不調をきたすこともあります。
でも、ご安心ください。
Macには、そうした不調の原因を、ユーザー自身が突き止め、そして解決するための、非常に強力で洗練されたツールが、OSの隅々にまで標準で備わっているんです。
今日は、プロの技術者が実践している「問題の切り分け」の思考法から、macOSに隠された診断・修復機能の使い方、そしてトラブルを未然に防ぐための予防法まで、日本一詳しく、そして分かりやすく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、あなたはもうMacの不調を恐れることなく、自信を持って対処できる「Macの主治医」になっていますよ。

【思想】Macトラブルシューティングの極意 - 「切り分け」と「macOS復旧」

具体的な解決策に進む前に、あらゆるMacのトラブルに対処するための、最も重要な思考法を身につけましょう。

論理的思考の核心「問題の切り分け」

プロの技術者がトラブルに対処する際、常に頭の中で行っているのが、この「問題の切り分け」です。

これは、複雑に見える問題の原因を、可能性の高いものから、あるいは検証が簡単なものから、一つずつ潰していくことで、真の原因を特定していく思考プロセスです。

  • ・この問題は、ハードウェア(物理的な部品)が原因か? それともソフトウェア(OSやアプリ)が原因か?
  • ・この問題は、特定のアプリケーションを使っている時だけ起きるのか? それとも常に起きているのか?
  • ・この問題は、特定のユーザーアカウントでログインしている時だけ起きるのか?
  • ・この問題は、何か新しい周辺機器を接続したり、OSをアップデートしたりした直後から始まったか?

このように、大きな問題を、手がかりを基に小さな問題へと分解していくことで、闇雲に操作するのではなく、論理的に解決策を導き出すことができます。

Macの「緊急治療室」- macOS復旧を理解する

多くの深刻なトラブルシューティングの起点となるのが、**「macOS復旧」**という特別な起動モードです。

これは、通常のmacOSとは別の、ストレージ上の隠された領域から起動する、Macの「緊急治療室」のようなものです。

たとえ、メインのmacOSが起動しなくなっても、このmacOS復旧から起動できれば、ディスクの修復や、OSの再インストールといった、様々な回復作業を行うことができます。

この「macOS復旧」の存在と、その起動方法(Appleシリコン搭載Macでは電源ボタン長押し、Intel Macでは`Command+R`)を知っているかどうかが、Macユーザーのレベルを分ける、最初の境界線と言えるでしょう。

【症状別】Macでよくある問題と、その原因・解決策

それでは、Macユーザーが遭遇しやすい代表的な5つの症状別に、その診断方法と、ご自身で試せる具体的な解決策を見ていきましょう。

ケース1:「Macの動作が遅い・虹色のカーソル(風車)が頻繁に表示される」

【主な原因:リソース不足、または暴走プロセス】

Macの動作が遅くなる原因の多くは、CPU、メモリ、ストレージといった、PCの限られたリソースが、何らかの理由で限界に達している(ボトルネックになっている)ことです。

【診断:アクティビティモニタで犯人を探す】

「アプリケーション」→「ユーティリティ」にある**「アクティビティモニタ」**は、Mac内部の活動を詳細に監視するための、プロ向けのツールです。

  • CPUタブ:

    「%CPU」の列を見て、特定のアプリケーションのCPU使用率が、常に100%近くに張り付いていないか確認します。

    もし、暴走しているプロセスがあれば、それがPC全体の動作を遅くしている原因です。

  • メモリタブ:

    ウィンドウ下部にある「メモリプレッシャー」のグラフに注目します。

    このグラフが、緑色であれば問題ありませんが、黄色や赤色になっている場合、物理メモリが不足し、低速なストレージとの間で、パフォーマンスを低下させるスワップメモリ(机)の空き容量が不足した際に、一時的に使用していないデータを低速なストレージ(本棚)に退避させる動作のこと。これが多発すると、PC全体の動作が極端に遅くなります。が多発していることを意味します。

【解決策】

  1. 1. 暴走プロセスの強制終了:

    アクティビティモニタで、暴走しているアプリケーションを選択し、左上の「×」ボタンから「強制終了」させます。

  2. 2. ログイン項目の見直し:

    「システム設定」→「一般」→「ログイン項目」を開き、Macの起動と同時に自動で立ち上がる不要なアプリを、「-」ボタンで削除します。

  3. 3. キャッシュファイルの削除(上級者向け):

    Finderの「移動」メニューを`Option`キーを押しながらクリックし、「ライブラリ」→「Caches」フォルダの中身を削除すると、動作が改善される場合があります。(実行は自己責任でお願いします)

ケース2:「特定のアプリが頻繁にクラッシュする・予期せず終了する」

【主な原因:アプリのバグ、設定ファイルの破損、他のソフトとの競合】

特定のアプリケーションだけが不安定な場合、そのアプリ自体か、関連する設定ファイルに問題がある可能性が高いです。

【診断:コンソールアプリでログを確認する】

「アプリケーション」→「ユーティリティ」にある**「コンソール」**アプリは、Macの動作に関する、あらゆるログを記録している、超上級者向けのツールです。

左側のサイドバーから「クラッシュレポート」を選択すると、過去にクラッシュしたアプリケーションの、詳細なレポートを確認でき、原因究明のヒントが得られることがあります。

【解決策】

  1. 1. アプリケーションのアップデート:

    まずは、Mac App Storeや、開発元のウェブサイトから、アプリケーションを最新のバージョンにアップデートしてみてください。

    既知のバグが修正されている可能性があります。

  2. 2. 設定ファイルの削除(中級者向け):

    アプリの設定ファイル(plistファイル)が破損している場合、それを一度削除することで、問題が解決することがあります。

    Finderの「ライブラリ」→「Preferences」フォルダの中から、該当するアプリの設定ファイル(例: `com.apple.Safari.plist`)を探し出し、一度デスクトップなどに移動させてから、アプリを再起動してみます。

  3. 3. アプリケーションの再インストール:

    最終手段として、アプリケーションを一度「ゴミ箱」に入れて完全に削除し、再度インストールし直します。

ケース3:「Macが起動しない(?マーク、Appleロゴで止まるなど)」

【主な原因:起動ディスクの認識不良、システムファイルの破損】

Macが起動しない、という最も深刻に見えるトラブルですが、macOSには、これを修復するための強力なツールが内蔵されています。

【解決策:macOS復旧の完全活用】

この症状に対する対処法は、当店の別記事「Macが起動しない!「?」マークや黒い画面の時にまず試すべき5つの対処法」で、これ以上なく詳しく解説しています。

「セーフモードでの起動」「NVRAM/SMCリセット(Intel Macのみ)」「ディスクユーティリティでの修復」「macOSの再インストール」といった、一つ一つのステップを、そちらの記事を参照しながら、冷静に試してみてください。

ケース4:「Wi-FiやBluetoothに繋がらない・頻繁に途切れる」

【主な原因:ソフトウェア的な不具合、または設定ファイルの破損】

ワイヤレス接続のトラブルは、多くの場合、ハードウェアの故障ではなく、ソフトウェア的な問題です。

【解決策】

  1. 1. ルーターとMacの再起動:

    まず試すべき、基本中の基本です。

  2. 2. ワイヤレス診断の実行:

    メニューバーのWi-Fiアイコンを`Option`キーを押しながらクリックすると、一番下に「ワイヤレス診断を開く…」という項目が表示されます。

    これを実行すると、お使いのネットワーク環境の問題点を、自動で診断してくれます。

  3. 3. 設定ファイルの再作成(上級者向け):

    ネットワーク関連の設定ファイルが破損している場合、これを一度削除し、OSに再作成させることで、問題が解決することがあります。

    Finderの「移動」→「フォルダへ移動」で、`/Library/Preferences/SystemConfiguration/`と入力し、その中にある以下のファイルを、デスクトップなどに移動させてから、Macを再起動します。

    com.apple.airport.preferences.plist
    com.apple.wifi.message-tracer.plist
    NetworkInterfaces.plist
    preferences.plist

ケース5:「USB機器や外部ディスプレイが認識されない」

【主な原因:接続の問題、ドライバーの不具合、または電力不足】

【解決策】

  1. 1. 物理的な再接続:

    ケーブルを一度抜き差ししたり、Macの別のポートに接続したり、別のケーブルを試したり、といった基本的な確認を行います。

  2. 2. システム情報での確認:

    「システム情報」アプリを起動し、左側の「USB」や「Thunderbolt/USB4」の項目で、デバイスがハードウェアとして認識されているかを確認します。

    ここに表示されていなければ、物理的な故障の可能性が高いです。

  3. 3. SMCリセット(Intel Macのみ):

    ポートへの電力供給などを司るSMC(システム管理コントローラ)をリセットすることで、問題が解決することがあります。

  4. 4. セルフパワーのUSBハブを使う:

    多くのUSB機器を接続している場合、Macからのバスパワーだけでは電力が不足している可能性があります。

    ACアダプターから直接電力を供給できる「セルフパワー」タイプのUSBハブを使うと、動作が安定します。

【予防法】Macを常に最高のコンディションに保つためのメンテナンス術

こうしたトラブルを未然に防ぎ、あなたのMacを、長く、健康な状態で使い続けるためには、日頃の「健康管理」が不可欠です。

  • 【月一回】アップデートの確認:

    macOSと、Mac App Storeのアプリを、常に最新の状態に保つことが、セキュリティと安定性の基本です。

  • 【月一回】ディスクのアクセス権を検証:

    macOS復旧から起動し、「ディスクユーティリティ」のFirst Aidを、定期的に実行する習慣をつけましょう。

    これは、ファイルシステムの軽微なエラーを、深刻化する前に修復してくれます。

  • 【半年に一回】不要ファイルの整理:

    ダウンロードフォルダや、デスクトップを整理し、不要なファイルを削除します。

    使わなくなったアプリケーションも、定期的にアンインストールしましょう。

  • 【常に】Time Machineでのバックアップ:

    これが、究極の、そして最強の予防法です。

    どんな深刻なトラブルが発生しても、大切なデータを失うことがなければ、あなたはいつでも、クリーンな状態からやり直すことができます。

まとめ - トラブルシューティングは、あなたのMacとの「対話」である

Macに発生する様々なトラブルと、その解決策について、包括的に解説してきました。

  1. 1. 思想を理解する:

    トラブルシューティングの極意は「問題の切り分け」です。

    パニックにならず、ソフトウェア的な問題か、ハードウェア的な問題か、論理的に原因を絞り込んでいきましょう。

  2. 2. macOSの強力なツールを信頼する:

    「アクティビティモニタ」「コンソール」、そして「macOS復旧」。

    Macには、プロが使うのと同じ、強力な診断・修復ツールが、標準で備わっています。

  3. 3. 最高の対策は「予防」にあり:

    定期的なソフトウェアアップデートと、Time Machineによる確実なバックアップ。

    この2つの習慣が、あなたを、ほとんどの深刻なトラブルから守ってくれます。

PCのトラブルシューティングとは、いわば、言葉を話せないパートナーとの「対話」のようなものです。

Macが発する小さなサインに耳を傾け、その声に、正しい知識と手順で応えてあげることで、あなたとMacとの絆は、より深く、そしてより強固なものになっていくのです。

そして、もし、あなた一人では解決できない、難しい問題に直面した時は、決して一人で抱え込まないでください。

私たちPCのプロフェッショナルは、そんなあなたの「主治医」として、いつでもご相談をお待ちしております。

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