
Fnキーを押さずにF1~F12を使いたい!ファンクションキーのロックを解除・切り替えするメーカー別(Dell/HP/Lenovo等)設定方法ガイド
ノートパソコンのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年9月29日
ピー太さん、新しいノートパソコンのキーボードで、すごく困っていることがあるんです。私、Excelで作業することが多くて、セルを編集するために`F2`キーを頻繁に使うんです。
でも、このPCだと`F2`キーを押すと画面の明るさが変わってしまうだけで、セルが編集できません。`F2`キーとして使うには、左下にある「Fn」キーを毎回同時に押さないといけないみたいで…。この一手間が本当にストレスです。
Fnキーを押さなくてもF1~F12キーを直接使えるように、設定を切り替えることはできないのでしょうか?
その悩み、まさに現代のノートパソコンにおける「あるある」の代表格ですね。Excelのヘビーユーザーやプログラマーの方々から本当によく聞く悲鳴です。
ご安心ください。そのFnキーの「ロック」は、メーカーごとに少し方法は異なりますが、多くの場合簡単なキー操作一つで解除することが可能です。それは、お客様のキーボードが持つ「メディアキー」としての役割と、「ファンクションキー」としての本来の役割のどちらを「主役」にするかを、あなたが宣言するための「切り替えスイッチ」なのです。
この記事では、そのスイッチの在り処をDELL、HP、Lenovoといった主要メーカー別に徹底的に解説します。キーボードショートカットでの切り替えから、BIOS/UEFIというPCの深層設定まで、あなたの指にFキーの自由を取り戻すための全てのてじゅんを授けましょう。
キーボードの哲学:それは「メディアキー」と「ファンクションキー」の主役交代劇である
なぜ最近のノートパソコンは、Fnキーを押さなければF1~F12キーが使えない仕様になっているのでしょうか。その背景には、ユーザーのPC利用スタイルの変化があります。
かつてF1~F12の「**ファンクションキー**」は、ソフトウェアの特定の機能を呼び出すための重要なショートカットとして多用されていました。しかしPCがより一般的なエンターテイメント・デバイスとして普及するにつれて、音量の調整、画面の明るさ変更、再生・停止といった「**メディアキー**」としての役割がより重視されるようになったのです。
多くのノートPCメーカーはライトユーザーの利便性を優先し、デフォルトの状態ではキーの上段に描かれたアイコンの機能(メディアキー)が直接働くように設計しています。そして本来のFキーとしての機能は、Fnキーと同時に押すことで呼び出す「脇役」へとその立場を変えたのです。しかし、私たちパワーユーザーにとってはFキーこそが「主役」です。これから私たちが行うのは、この主役と脇役の立場を逆転させ、キーボードの支配権を再びファンクションキーの手に取り戻すための簡単な「クーデター」なのです。
第一章:3つの解決策 - あなたのPCに合った最適な切り替え方法
Fnキーのロックを解除し、F1~F12キーを優先させるための方法は主に3種類あります。お客様のPCがどの方法に対応しているか、簡単なものから順番に試していきましょう。
方法①(最も手軽):Fn Lock(ファンクションロック)キーボードショートカット
多くのノートパソコンには、このメディアキーとファンクションキーの役割を瞬時に切り替えるための専用のキーボードショートカットが用意されています。これは「**Fn Lock(ファンクションロック)**」と呼ばれ、多くの場合`Esc`キーや`Shift`キー、あるいは`Ctrl`キーなどに小さな「**南京錠のマーク**」と共に印字されています。以下の組み合わせを試してみてください。
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`Fn + Esc` キー:
DELL、HP、Lenovo (ThinkPad) など、非常に多くのメーカーで採用されている最も一般的なショートカットです。`Esc`キーに「FnLk」や南京錠マークが印字されていないか確認してください。
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`Fn + 左Shift` キー:
一部のHP製ノートパソコンなどで採用されています。
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`Fn`キーを単独で押す:
Microsoft Surfaceシリーズなどでは、`Fn`キー自体がトグルスイッチになっています。一度押すだけでロック状態が切り替わり、キーに搭載されたLEDライトの点灯・消灯で現在のモードを判別できます。
このショートカットが機能すれば、それが最も簡単な解決策です。
方法②(最も確実):BIOS/UEFIでの設定変更
もしキーボードショートカットが見つからない、あるいは機能しない場合、より根本的なPCの動作設定を司る「**BIOS/UEFI**(バイオス/ユーイーエフアイ)」の設定画面から変更します。
【注意】BIOS/UEFIはPCの根幹を司る設定です。これから指示する項目以外の設定は決して変更しないでください。
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BIOS/UEFI画面への入り方:
まずPCを再起動し、メーカーのロゴが表示された直後に特定のキー(`F2`、`F10`、`Delete`キーなど、メーカーや機種によって異なります)を連打します。 -
設定項目の捜索:
英語のメニューが表示されますが、慌てる必要はありません。キーボードの矢印キーで操作し、「`Configuration`」「`System Configuration`」「`Advanced`」「`POST Behavior`」といった名前のタブを探します。 -
設定の変更:
その中に、「**Function Key Behavior**」「**Action Keys Mode**」「**Hotkey Mode**」といった名前の設定項目があるはずです。その項目を選択し、現在の設定(多くの場合「`Media Key`」や「`Enabled`」になっている)を、「**`Function Key`**」や「**`Disabled`**」へと変更します。 -
保存して終了:
`F10`キーを押して設定を「Save and Exit(保存して終了)」すれば完了です。
このBIOS/UEFIでの変更は、OSの設定とは無関係なハードウェアレベルでの設定のため、最も確実で恒久的な解決策となります。
方法③:メーカー製の専用ユーティリティソフトを使う
一部のメーカーは、Windows上でFnキーの動作を切り替えるための専用のユーティリティソフトウェアを提供しています。例えばDELLの「Dell Peripheral Manager」やHPの「HP Support Assistant」、あるいは「Windowsモビリティセンター」の中などで設定が可能な場合があります。BIOS/UEFIでの設定が難しいと感じる場合は、お客様のPCにプリインストールされているメーカー独自の設定ツールの中に、同様の機能がないか探してみるのも一つの手です。
まとめ:Fnキーの主役交代は3つのルートで実現できる
ノートパソコンのファンクションキーがメディアキーとして動作するという煩わしさ。それはお客様の知識と簡単な設定変更で完全に克服できる問題です。そのためのアプローチをここにまとめます。
- まずキーボードの「南京錠」を探す: 最も簡単な解決策は、「`Fn + Esc`」に代表されるFn Lockショートカット。あなたのキーボードに南京錠マークがないか、まず確認する。
- 確実性を求めるなら「BIOS/UEFI」へ: PCの深層設定にある「Function Key Behavior」を「Function Key」優先に変更する。これが最も根本的な解決策である。
- メーカー製ツールも確認する: BIOSが苦手なら、Windows上で動作するメーカー独自のコントロールパネルに設定項目が隠されている可能性もある。
お客様のタイピングスタイルに合わせてキーボードの振る舞いを最適化する。その小さなカスタマイズが、あなたの毎日の作業効率と快適性を大きく向上させる第一歩となるでしょう。ぜひファンクションキーの本来の力をその手に取り戻してください。
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