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最終更新日:2026年6月14日
Excel実践活用ガイド
毎月の売上集計を手作業でやって、グラフを作り直して…という作業に、うんざりしていませんか。実はExcelだけで、ボタンひとつで切り替わる「動くダッシュボード」が作れます。しかも一度作れば、毎月はデータの更新だけ。この記事では、初めての方にもわかるように、そして仕組みから知りたい方にも役立つように、Power Query・ピボットテーブル・スライサーを連携させたダッシュボードの作り方を、3ステップで解説します。専門用語には折りたたみの用語解説をつけました。
毎月、売上データを手作業で集計してグラフにしてるんですけど、もう大変で、ミスも多くて…。ボタンひとつで切り替わるような、かっこいい分析画面に憧れるんですけど、私には無理ですよね?
いや、Excelだけで作れるんだよ。3ステップでね。まずPower Queryでデータを整える。次にピボットテーブルで集計する。最後にスライサーでボタン操作できるようにする。一度作れば、毎月はデータを更新するだけ。順番に見ていこう。
結論
動くダッシュボードとは、ボタンやスライダーをクリックするだけで、複数のグラフや表が一斉に切り替わる、対話的な分析画面のことです。これを、専用ソフトもプログラミングもなしに、Excelだけで作れます。鍵になるのが、3つの機能の連携です。
手順はシンプルに3ステップです。まずPower Queryで、バラバラなデータを集計しやすい形に自動で整えます。次にピボットテーブルで、整えたデータを集計し、グラフにします。最後にスライサーを置いて、ボタンひとつで全体を絞り込めるようにします。この3つがつながると、「東京ボタンを押せば全グラフが東京のデータに切り替わる」ような、動く画面が完成します。そして最大の利点は、一度作れば、翌月からはデータを入れ替えて更新ボタンを押すだけ、ということ。毎月の手作業から解放されます。この記事では、その3ステップを順番に解説します。中〜上級者の方にも、機能の連携の勘どころが伝わる内容です。

まず、「動くダッシュボード」がどんなものかを共有しましょう。ひとことで言うと、見る人が自分で操作して、知りたい切り口でデータを見られる分析画面です。
たとえば、地域ボタンを押せば、売上・件数・推移のグラフが一斉にその地域の数字に切り替わる。期間を選べば、その期間だけの集計が見られる。こうした対話的な操作ができるのが、静的な表との違いです。現代のExcelは、こうしたBI(ビジネスインテリジェンス)に近いことを、身近なツールで実現できます。
動くダッシュボードは、作る人だけでなく、見る人も自分で操作して答えを見つけられます。上司や同僚から個別の集計を頼まれることも減ります。Excelの集計の基本に不安がある方は、まずExcelのピボットテーブルでデータ分析で土台を固めるのもおすすめです。
企業に蓄積されたデータを集計・分析し、経営や業務の判断に役立てる仕組みや手法のことです。専用のBIツールもありますが、現代のExcelは、Power Queryやピボットテーブル、スライサーを組み合わせることで、プログラミングなしに、このBIに近い対話的なデータ分析を実現できます。身近なExcelが、強力な分析プラットフォームになる、というイメージです。

作り方に入る前に、3つの機能がそれぞれ何を担うのか、全体像をつかみましょう。役割分担が分かると、迷いません。
| ステップ | 機能 | 役割(たとえると) |
|---|---|---|
| 1. 整形 | Power Query | 材料の下ごしらえ |
| 2. 集計 | ピボットテーブル | 調理して盛り付け |
| 3. 操作 | スライサー | 味を選ぶリモコン |
料理にたとえると分かりやすいです。Power Queryでバラバラの材料を下ごしらえし、ピボットテーブルで集計して見やすく盛り付け、スライサーで「どの切り口で見るか」を選べるようにする。この一連の流れを一度組めば、あとは材料(データ)を入れ替えるだけで、何度でも使えます。データ整形の前提になる関数の知識はExcelのXLOOKUP関数の完全ガイドも参考になります。

最初のステップは、データの整形です。集計の前に、データをきれいに整えておくことが、ダッシュボードの土台になります。ここを担うのがPower Queryです。
さまざまな形式のデータを取り込めます。
集計しやすい形に自動で整えます。
整ったデータをExcelに渡します。
Power Queryの最大の利点は、一度行った整形の手順がすべて記録され、次回からは自動で再現されることです。毎月、同じ形式のデータを取り込むだけで、ボタンひとつで同じ整形がかかります。手作業のデータ整理から解放される、まさに「下ごしらえの自動化」です。
Excelに搭載された、データ整形のための機能です。役割はETL(Extract=抽出、Transform=変換、Load=読込)と呼ばれ、さまざまな場所からデータを取り込み、集計しやすい形に整えて、Excelに渡します。最大の特徴は、整形の手順が記録され、次回以降は自動で再現されること。毎月のデータ更新が、ボタンひとつで済むようになります。
Extract(抽出)・Transform(変換)・Load(読込)の頭文字をとった言葉で、データを使える形に整える一連の流れを指します。バラバラの場所からデータを集め(抽出)、きれいに整え(変換)、分析する場所へ渡す(読込)という3段階です。Power Queryは、このETLをExcel上で、視覚的な操作で実現してくれるツールです。

整形したデータを、いよいよ集計します。ここで活躍するのがピボットテーブルです。ドラッグ操作だけで、さまざまな角度から集計できます。
たとえば「地域ごとの売上」「月ごとの推移」「商品別の構成比」などを、項目をドラッグするだけで瞬時に集計できます。さらに、集計結果をグラフ(ピボットグラフ)にすれば、ダッシュボードの見た目の部品がそろっていきます。
ダッシュボードは、複数のグラフや表を組み合わせて作ります。売上推移の折れ線、地域別の棒グラフ、構成比の円グラフなど、見たい切り口ごとにピボットテーブルとグラフを用意しましょう。これらを後でスライサーが一斉に操ります。ピボットテーブルの詳しい操作はExcelのピボットテーブルでデータ分析、グラフ作りはExcelのグラフとレポート作成ガイドで詳しく解説しています。
大量のデータを、ドラッグ操作だけでさまざまな角度から集計・分析できる、Excelの強力な機能です。「行に地域、列に月、値に売上」のように項目を配置するだけで、集計表が瞬時に作られます。関数を組まなくても、合計・平均・件数などを自在に出せます。ダッシュボードでは、このピボットテーブルが集計とグラフの土台になります。

最後のステップが、ダッシュボードを「動く」ものにする仕上げです。スライサーを置くことで、ボタン操作で全体を絞り込めるようになります。
絞り込み用のボタンを設置します。
複数のグラフを一括で操れます。
期間の絞り込みも視覚的にできます。
ここが最大のポイントです。スライサーを右クリックして「レポートの接続」を選び、操作したい複数のピボットテーブルにチェックを入れると、その一つのスライサーが、画面上の全グラフを一斉に操る「リモコン」になります。「東京」を押せば全グラフが東京に、「大阪」を押せば大阪に、一斉に切り替わります。作った部品を専用シートに美しく並べれば、ダッシュボードの完成です。
ピボットテーブルのデータを、ボタンをクリックするだけで絞り込めるようにする機能です。「地域」「商品カテゴリ」などの項目をボタン形式で表示し、押すだけで集計が切り替わります。右クリックの「レポートの接続」で複数のピボットテーブルにつなげば、一つのスライサーで画面全体を一斉に操作できる、ダッシュボードの操作パネルになります。
スライサーの日付版ともいえる機能です。日付のデータに対して挿入すると、年・四半期・月・日といった単位で、期間をスライド操作で絞り込めます。「直近3か月」「今年の第2四半期」のような期間の切り替えが、視覚的に直感的に行えます。スライサーと同様、複数のピボットテーブルに接続して、画面全体の期間を一斉に切り替えられます。

大量のデータを扱うダッシュボードは、パソコンの性能も少し気にしたいところです。とはいえ、特別なハイスペックは不要です。
数千行程度のデータなら、標準的なパソコンで十分です。ただ、数万行を超える大きなデータをPower Queryで整形し、複数のピボットで集計すると、メモリの余裕が動作の軽さに直結します。本格的に使うなら、メモリ16GB以上を目安にすると安心です。スペックの考え方はノートパソコンのスペックの見方|年代別の性能の目安もどうぞ。
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はい、作れます。Power Query、ピボットテーブル、スライサーは、いずれもマウスのドラッグやクリックといった視覚的な操作で扱えます。プログラミングや関数の暗記は必要ありません。最初は単純な集計から始め、少しずつ部品を増やしていけば、無理なく本格的なダッシュボードを組み立てられます。
はい、そこが最大の利点です。Power Queryは整形の手順を記録するので、翌月は新しいデータに差し替えて「更新」ボタンを押すだけで、同じ整形・集計が自動で再現されます。毎月ゼロから集計し直す手作業がなくなり、時間も大幅に短縮でき、人的ミスも減ります。作るのは最初の一度だけ、というイメージです。
はい、できます。スライサーを右クリックして「レポートの接続」を選び、連動させたい複数のピボットテーブルにチェックを入れると、一つのスライサーで画面上の全グラフを一斉に切り替えられます。これが「動くダッシュボード」の心臓部です。日付の絞り込みには、同様に動く「タイムライン」も使えます。
数千行程度のデータなら、標準的なパソコンで十分です。ただし、数万行を超える大きなデータを整形・集計する場合は、メモリに余裕があるほうが快適です。本格的に使うなら、メモリ16GB、CPUはCore i5/Ryzen 5クラス以上、ストレージはSSDを目安にすると、更新もスムーズで安心です。
大丈夫ですが、先にピボットテーブルの基本に触れておくと、よりスムーズです。ダッシュボードはピボットテーブルを土台にするため、集計の仕組みを理解しておくと応用が利きます。不安な方は、まずピボットテーブル単体の使い方を学んでから、本記事の3ステップに取り組むのがおすすめです。基本を押さえれば、あとは組み合わせるだけです。

Excelで動く経営ダッシュボードは、「整形→集計→操作」の3ステップで作れます。Power Queryでバラバラのデータを集計しやすい形に整え、ピボットテーブルでさまざまな角度から集計してグラフにし、スライサーでボタンひとつ全体を絞り込めるようにする。とくにスライサーの「レポートの接続」で、一つのボタンが全グラフを操るリモコンになるのが、動くダッシュボードの心臓部です。
最大の魅力は、一度作れば、翌月からはデータを更新するだけで使い回せること。Power Queryが整形手順を記録してくれるので、毎月の手作業から解放されます。プログラミングは不要で、すべてマウス操作で組み立てられます。大きなデータを扱うなら、メモリ16GB以上のパソコンがあると快適です。手作業の集計に追われていた方は、ぜひこの3ステップで、自分だけの動く分析画面を作ってみてください。仕事の景色が変わります。
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