
ノートパソコンのファームウェアアップデートの手順と注意点
ノートパソコンのお役立ち情報

Q:「ファームウェアのアップデートって、なんだか怖いんですけど…ノートパソコンにアップデート通知が出てきたんです。でも『ファームウェア』って、普段の更新と違う感じで…。失敗したら壊れたりしないんですか?」
A:「たしかに、ファームウェアの更新は通常のソフト更新より慎重に扱う必要がある。でも、手順を守ってやれば問題ないよ。更新することで不具合が解消されたり、パフォーマンスが向上することもある」
ファームウェアとは何か
ファームウェアは、ハードウェアとソフトウェアの間を制御する“基盤のプログラム”です。
ノートパソコンの場合、BIOSやUEFIと呼ばれることもあります。OSより先に動作し、電源投入時からシステム全体を制御します。
主な役割
● ハードウェアの初期化(CPU、メモリ、ストレージなど)
● OSの起動を補助
● セキュリティ機能(Secure Bootなど)の管理
● 電力制御やファン動作の最適化
アップデートにより、ハードウェアの互換性改善やセキュリティ強化が図られることがあります。
ファームウェアとは何か
ファームウェアとは、ハードウェアの基本動作を制御する低レベルなソフトウェアです。パソコンでは主に「BIOS」または「UEFI」として知られており、OSが起動する前の段階から機能します。キーボードやストレージ、ディスプレイといった各種ハードウェアが正しく動作するための初期化処理を担い、OSとの橋渡し役を果たします。
ファームウェアの主な役割
ハードウェアの初期化
電源投入直後に、CPU、メモリ、グラフィックス、ストレージなどの動作確認(POST)を実施します。これにより、不良部品や誤接続が検出され、異常時は起動が中断されます。
● CPUやRAMが正しく接続されているかを確認
● ストレージのSATA/NVMe接続状況をスキャン
● USBやキーボード、マウスの応答確認を実行
OS起動の補助
OSはハードウェアを直接制御できないため、ファームウェアを通じて起動に必要な環境を構築します。UEFI対応のOS(Windows 10以降など)では、従来のBIOSより高速な起動と安全なブート制御が実現されています。
● 起動デバイスの順番(ブートオーダー)を管理
● OSローダーへの制御権の引き渡し
セキュリティ制御
UEFIには「Secure Boot」や「TPM(Trusted Platform Module)」との連携など、OS以前の段階でセキュリティを強化する機能が備わっています。
● 改ざんされたOSやドライバの起動を防止
● BitLockerとの連動によりドライブ暗号化を強化
● TPMによるファームウェアレベルの認証サポート
電源管理と動作制御
ノートパソコンでは特に重要な役割として、バッテリー効率や発熱制御もファームウェアに依存しています。
● ファン速度の自動制御(温度に応じた回転数)
● AC接続時とバッテリー駆動時のパフォーマンス切り替え
● スリープ・休止状態の移行制御
ファームウェアのアップデートとは
最新のファームウェアにアップデートすることで、ハードウェアの安定性や互換性、セキュリティ性能が向上することがあります。たとえば、以下のような改善が期待できます。
● 新しいCPUやSSDへの対応
● ブート処理の高速化
● 既知の脆弱性(例:Spectre/Meltdown)の修正
アップデート手順はメーカーにより異なりますが、一般的な流れは次の通りです。
アップデート手順(例:UEFI)
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1.メーカーサイトから最新のファームウェアをダウンロード
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2.USBメモリにアップデートファイルをコピー
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3.UEFI画面から「Firmware Update」機能を実行
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4.完了後、自動で再起動
※アップデート中の電源断は致命的な不具合を招くため、ACアダプタ接続を厳守。
操作方法と設定の基本
ファームウェア設定にアクセスするには、PC起動時に特定のキーを押す必要があります(F2、Del、Escなどは機種により異なる)。
基本的な設定項目
● ブート順の変更(例:USBから起動)
● セキュリティパスワードの設定(管理者ロック)
● Secure Bootの有効・無効の切り替え
● Intel Virtualization TechnologyやXMP設定の調整
上級者向けには、オーバークロックやサーマルスロットリング制御といった高度な設定も可能ですが、慎重な検証が求められます。
結論
ファームウェアは、パソコンの安定動作とセキュリティを支える基盤となるプログラムです。普段意識されにくい存在ですが、正しく理解し、必要に応じて設定・更新を行うことで、パフォーマンスや安全性を最大限に引き出すことができます。特に上級者は、BIOS/UEFIを通じてシステムの挙動を微調整し、用途に最適化した環境を構築できるでしょう。
ファームウェアをアップデートすべきタイミング
むやみに更新する必要はありませんが、以下の場合は更新を検討しましょう。
● ノートパソコンのメーカーから明示的な更新通知がある
● 新しい周辺機器やOSの互換性問題が出ている
● セキュリティに関する脆弱性が報告されている
● 起動や動作に不安定さがある場合
更新内容はメーカーのリリースノートで必ず確認することが重要です。
ファームウェアをアップデートすべきタイミング
ファームウェアとは、パソコンのハードウェアを制御するために存在する基盤のソフトウェアです。多くの場合、BIOSやUEFIと呼ばれ、OSが起動する前に動作します。マザーボード上の各種チップ、メモリ、ストレージ、ファン、電源制御など、ハードウェア全体の初期化と管理を担っています。
アップデートの判断は慎重に行う必要がありますが、以下のような状況では更新が有効です。
アップデートが必要なケース
メーカーから更新通知が出ている場合
● 製品公式サイトやサポートツールでファームウェア更新の案内が出ている
● 重要な安定性やセキュリティの修正が含まれている場合が多い
● 例:Lenovo Vantage、Dell Command Update、HP Support Assistant などが通知してくる
通知が明示されている場合は、基本的に対応しておいた方が安全です。
新しい周辺機器との互換性問題
● 外付けSSDやThunderbolt機器が認識されない
● Wi-Fi 6ルーターとの接続が不安定
● 特定のUSB機器がフリーズするなどのトラブル
このような現象が発生した場合、ファームウェア側の更新で改善されることがあります。
セキュリティに関する脆弱性の報告がある
● IntelやAMDのプロセッサに関する脆弱性がニュースになることがある
● それに対応したファームウェアアップデートがメーカーから提供される
● 特に「Secure Boot」「TPM」などを利用する環境では、更新が推奨される
公的なセキュリティ情報サイトやCVEデータベースを参考に、自身のPCモデルが該当するか確認しましょう。
システムが不安定、または起動トラブルがある
● スリープ復帰後にブラックアウトする
● BIOS設定が勝手に初期化される
● 起動時のPOSTで止まる、ファンが暴走する
これらの不安定な症状は、ファームウェア側のバグが影響していることもあります。
アップデート前の確認事項
ファームウェアはハードウェア制御の根幹です。更新作業は慎重に行う必要があります。
● メーカー公式のリリースノートを確認
→ 何が変更されるか、どの問題が修正されるかを把握する
● 現在のバージョンを控えておく
→ 「msinfo32」コマンドでBIOSバージョンを確認可能
● バッテリー駆動ではなく、必ずACアダプタを接続
→ 更新中の電源断は致命的なエラーにつながります
● BIOSパスワードの有無も確認
→ ロックされていると更新に失敗するケースがあります
これらの確認を怠ると、更新に失敗してPCが起動不能になるリスクもあるため注意が必要です。
アップデートの手順(基本的な流れ)
メーカーや機種によって手順は異なりますが、多くのノートパソコンでは以下のような流れです。
● メーカーの公式サイトからBIOSまたはUEFIのアップデートファイルをダウンロード
● 実行形式(.exe)またはUSBブート形式のアップデータが提供されている
● Windows上で実行する場合は指示通りに進めるだけで完了
● 一部機種では再起動後に自動でファームウェア更新が始まる
● 完了後、自動的に再起動される
実行後はBIOS設定が初期化されていることもあるため、カスタム設定を使っている場合は再設定を忘れずに。
注意すべき点
● アップデート中に強制終了や電源断をしない
● ベータ版や非公式ファームウェアは使用しない
● 同一モデルでもサブモデルによってファイルが異なる場合がある
● TPMやBitLockerが有効なPCでは、事前に回復キーの取得が必要なケースもある
一歩間違うとシステムが起動しなくなるリスクがあるため、公式の手順に厳密に従うことが最重要です。
結論
ファームウェアのアップデートは、すべてのユーザーに必須というわけではありません。しかし、セキュリティ強化や動作の安定性を目的とした更新であれば、確実に実施する意義があります。とくにメーカーから正式な通知が出ている場合は、内容をしっかり確認した上で、適切なタイミングで対応しましょう。過剰に警戒する必要はありませんが、慎重さは必要です。アップデートを正しく行えば、パソコンの性能と安全性の両方を底上げできます。
アップデートの準備と確認事項
更新は慎重に。失敗を防ぐため、事前準備が不可欠です。
必須の準備
● ACアダプタを接続し、バッテリー残量を十分に確保する
● Windows Updateや他のソフトが動いていないことを確認
● 重要なデータは外部にバックアップしておく
一時的にPCが操作不能になるため、作業中は中断しないように注意します。
情報の確認ポイント
● 型番とBIOS/UEFIバージョンを確認
→ 「msinfo32」コマンドでシステム情報を表示
● アップデート対象が自分のモデルに合っているか確認
● 適用される改善内容や注意点をよく読む
アップデート前に準備すべきこととは?
パソコンのファームウェアやドライバ、OSのアップデートは、システムの安定性やセキュリティを保つうえで欠かせません。しかし、アップデートは「ただ実行する」だけでは危険です。作業中に電源が落ちたり、誤ったファイルを適用したりすると、最悪の場合パソコンが起動しなくなることもあります。
そのリスクを避けるためには、万全な準備と事前確認が必要です。ここでは、上級者向けに「やっておくべき準備」「確認すべき情報」「安全な操作手順」まで詳しく解説します。
安全なアップデートのための必須準備
まずは、ハード的・ソフト的な環境を整えることが最重要です。
● ACアダプタを接続し、バッテリーは満充電に近い状態にする
ファームウェアやBIOSアップデート中に電源が切れると、修復不能な故障につながる可能性があります。電源は必ず安定供給できる状態で作業しましょう。
● Windows Updateや他の常駐ソフトは事前に停止する
バックグラウンドで動作しているアップデート処理が干渉すると、競合が起きる恐れがあります。アップデート前に「更新の一時停止」を設定し、セキュリティソフトも一時的に無効にすると安全です。
● 重要データは必ず外部にバックアップ
アップデート作業に失敗することも想定して、システムドライブ(Cドライブ)以外のドライブや外付けストレージ、クラウドなどへ必要なファイルを退避させておきましょう。
情報の確認ポイントを深掘り
アップデートファイルが自分のPCに適合しているかどうか、確認しないまま実行するのはリスクが高いです。以下の手順で、事前に詳細なシステム情報を把握しておきましょう。
● 型番・BIOS/UEFIバージョンの確認方法
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1.Win+Rキーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
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2.「msinfo32」と入力してEnter
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3.「システム情報」が表示される
この中の「システムモデル」がPCの型番、「BIOSバージョン/日付」が現在のBIOSバージョンになります。
アップデート対象ファイルとこの情報を照らし合わせ、「対応モデル」かどうか、「現在のバージョンより新しいか」をしっかり確認しましょう。
● 改善内容・注意事項を把握する
アップデート提供元の公式サイトやリリースノートに、以下のような情報が必ず記載されています。
● 不具合修正やセキュリティ強化などの改善点
● アップデートに伴う仕様変更
● 適用後に必要な操作(再起動、設定初期化など)
これらを読まずに適用すると、意図しない動作に悩まされることがあります。
実際のアップデート手順と注意点
実行前の準備と確認ができたら、いよいよアップデート作業に入ります。モデルやアップデートの種類によって手順は異なりますが、基本的な流れは以下のとおりです。
● ファームウェアやBIOSのアップデート手順(一般例)
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1.メーカーのサポートページから正しいファイルをダウンロード
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2.ZIP形式の場合は解凍し、中身を確認
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3.説明書にある実行ファイルをダブルクリック
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4.「はい」「次へ」などの指示に従ってインストール
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5.自動的に再起動がかかり、アップデート処理が行われる
このとき、作業中は絶対に中断しないこと。再起動中に電源を切ったり、ボタン操作をしたりすると、アップデートが失敗し、起動不可になる可能性があります。
● 操作不能時間を見越して行動する
アップデート中は10〜30分程度、PCが一切操作できなくなることもあります。業務中やオンライン会議前などには行わず、時間に余裕のあるときに行うようにしましょう。
トラブルが起きた場合の対処法
アップデート中にフリーズしたり、エラーが表示されたりすることもあります。その場合、焦らず次の点を確認しましょう。
● 電源ランプが点灯しているなら、処理中の可能性があるのでしばらく待つ
● 再起動後にWindowsが起動しない場合、「回復環境(WinRE)」を試す
● BIOS画面に入れる場合、設定を初期化(Load Setup Defaults)する
どうしても起動できない場合は、リカバリーディスクやUSBから修復を試みましょう。上級者であれば、MBRやUEFIの修復コマンド(bootrecなど)を使用する手もあります。
結論
アップデートは、システムの最適化に欠かせない重要な作業ですが、慎重な準備と正確な情報確認がなければリスクも大きくなります。
● 電源管理とバックアップは必須
● システム情報とアップデート対象の適合性を確認する
● 公式情報を読み込み、作業中は絶対に中断しない
上級者だからこそ、基本に忠実に進める姿勢が求められます。万全な準備で、トラブルのないアップデートを行いましょう。
アップデート手順(例:Windows上から実行)
最近の多くのノートパソコンは、メーカー提供のツールを通じてWindows上から安全にファームウェアを更新できます。
一般的な流れ
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1.メーカー公式サイトから最新のアップデートファイルまたはユーティリティをダウンロード
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2.管理者権限でインストーラーを実行
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3.自動的に再起動し、ファームウェアの書き換えが始まる
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4.更新完了後にWindowsが再起動して立ち上がる
実行中の注意点
● 絶対に電源を切らない
● 操作やキー入力をしない
● 画面が数分間真っ暗になっても慌てず待つ
ファームウェアの更新中は途中で止めないことが鉄則です。
Windows上でのファームウェアアップデート手順と注意点
ノートパソコンやデスクトップPCにおけるファームウェアのアップデートは、パフォーマンス向上や不具合修正、セキュリティ強化に直結する大事な作業です。最近では、多くのメーカーが専用ユーティリティを提供しており、Windows上からGUIベースで安全にファームウェアを更新できるようになっています。
ただし、利便性が高くなったとはいえ、ファームウェア書き換えには依然として慎重さが求められます。途中で電源が切れたり操作ミスがあると、最悪の場合システムが起動しなくなる危険もあります。
ここでは、上級者向けにWindows上から実行するファームウェアアップデートの具体的な流れ、注意点、各操作の意味などを詳しく解説します。
事前に準備しておくべきこと
アップデート開始前に、PCの状態を整えることが非常に重要です。次のような準備を忘れずに行いましょう。
● ACアダプタを必ず接続し、バッテリーを十分に充電しておく
ファームウェアの書き換え中に電源が落ちると、PCが正常に起動しなくなる恐れがあります。
● バックグラウンドプロセスを整理し、不要なアプリはすべて終了する
常駐ソフトが干渉すると、アップデートが失敗する可能性があります。セキュリティソフトも一時的に無効にしておくと安全です。
● 重要なデータは外部にバックアップを取る
万が一のエラーに備えて、ドキュメントや写真、業務ファイルなどは外付けHDDやクラウドに退避しておきます。
● ファームウェアの更新対象が自分のモデルに対応しているか確認する
メーカー公式サイトで、PCの型番とBIOS/UEFIのバージョンを照合し、対象外の更新ファイルを適用しないように注意します。
実際のアップデート手順
ファームウェア更新は、基本的には以下の流れで進みます。各ステップの意味とポイントもあわせて解説します。
● ステップ1:メーカー公式サイトからファイルを入手
メーカーのサポートページにアクセスし、以下の情報をもとにファイルを探します。
● 製品の型番
● OSのバージョン(Windows 10/11など)
● 現在のBIOS/UEFIのバージョン
アップデート対象かどうかを慎重に確認し、適切なファイルをダウンロードします。更新プログラムは「.exe形式」のユーティリティや「ZIP形式」の圧縮ファイルで提供されていることが多いです。
● ステップ2:インストーラーを管理者権限で実行
ダウンロードした「.exeファイル」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。ここでパスワード入力を求められる場合は、システム管理者のアカウント情報が必要になります。
インストーラーが起動すると、アップデート対象の確認、注意事項の表示、再起動の案内などが順に表示されるので、指示に従って進めていきます。
● ステップ3:自動的に再起動し、ファームウェア書き換えが開始される
「開始」や「アップデート」などのボタンを押すと、システムは自動的に再起動します。この再起動後の画面で、ファームウェアの更新が実行されます。黒い画面にバーやメッセージが表示され、進捗が確認できる場合もあります。
● ステップ4:更新完了後、再びWindowsが起動する
書き換えが無事完了すると、PCは再び再起動し、Windowsが立ち上がります。その後、自動的に更新ログが表示されることもあります。必要に応じてBIOS画面を開いて、バージョンが更新されたかを確認します。
実行中の注意点と安全対策
アップデート作業中は、極めて繊細な処理が行われています。以下の行為は、絶対に避けなければなりません。
● アップデート中に電源を切らない
ACアダプタを外したり、バッテリー切れになるとシステムが壊れます。
● キーボードやマウスに触れない
操作が無効になる設計が多いですが、予期せぬ割り込み操作がトラブルの元になることもあります。
● 画面が暗くなっても、強制終了しない
画面が真っ暗になる場合もありますが、多くは内部処理中です。最低でも10〜15分は待ってください。
● 作業時間は最低30分を見込んでおく
予期せぬ再起動や検証工程が発生することもあるため、時間に余裕をもって行うことが望ましいです。
トラブルが起きた場合の対処
万が一、アップデート後に正常に起動しない場合、以下の対処法を試みることができます。
● BIOS画面にアクセスできる場合は、デフォルト設定にリセット
● Windowsが起動しない場合は、回復ドライブやインストールメディアを使って修復
● USBブート可能なBIOS更新ツールがあれば、リカバリーモードから再適用
どうしても回復できない場合は、メーカーサポートに連絡し、修理やマザーボード交換を検討する必要があります。
結論
Windows上からのファームウェアアップデートは、便利で直感的な操作が可能な一方、誤操作や準備不足によるリスクも無視できません。
● ダウンロード前に自機種の型番とバージョンを必ず確認
● インストーラーは管理者権限で実行する
● 更新中は絶対にPCを操作しない
● 電源の確保とバックアップを万全にする
正確な情報と手順を守れば、安全にファームウェアを更新できます。トラブルなく作業を終えるには、細かい確認と慎重な行動が鍵になります。
USBブートでの更新方法(上級者向け)
一部のモデルやトラブル発生時には、USBメモリから起動してアップデートする手法も使われます。
● メーカー提供のISOやイメージファイルをUSBに書き込む
● BIOS設定で起動順を変更してUSBからブート
● 画面の指示に従って更新を進める
この方法は確実性が高い一方で、設定ミスがあると起動しなくなるリスクもあるため、初心者には非推奨です。
USBブートによるファームウェア更新の実践手順(上級者向け)
Windowsが正常に起動しない場合や、特定の機種に限定されたアップデートを行う際には、USBブートによる更新方法が選ばれることがあります。この手法はメーカーが提供するブータブルイメージをUSBメモリに書き込み、そこから起動してファームウェアを直接書き換えるというものです。
確実性が高く、環境に依存しにくいというメリットがありますが、その分、設定ミスによるブート不能リスクや操作誤りの影響も大きいため、上級者向けの手法といえます。以下では、具体的な準備手順から操作のポイント、起こり得るトラブルへの対処法まで詳しく解説します。
USBブートで更新するための準備
作業前に、更新に必要なファイルとツール、ハードウェアの状態をきちんと整えておくことが重要です。
必要なもの
● 容量8GB以上のUSBメモリ(中身は初期化されるため、事前にバックアップ)
● メーカー公式サイトからダウンロードしたBIOS更新用のISOファイルまたはイメージファイル
● RufusなどのUSB書き込みツール(FreeDOSまたはISOイメージ対応)
● 安定した電源(ノートPCはACアダプタ必須)
● 作業用の別PC(ファイル作成やヘルプ参照用)
USBメモリの作成手順
BIOSアップデート用のUSBブートメディアを作るには、専用ツールを使って正しくイメージを書き込む必要があります。以下の手順で進めてください。
● Rufusを使ったイメージ書き込み
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1.Rufusを起動する(インストール不要のポータブル版あり)
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2.対象のUSBメモリを選択
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3.「ブートの種類」でISOファイルを指定(メーカーが提供したBIOSアップデート用ISOを選択)
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4.パーティション構成は通常「MBR」、ファイルシステムは「FAT32」を選ぶ
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5.「スタート」をクリックして書き込みを開始
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6.完了後、安全にUSBメモリを取り外す
USB作成後、念のため内容を確認し、起動ファイルやアップデート用のバッチファイルが正しく入っているかチェックします。
BIOS設定の変更とUSBブートの実行
USBから起動するには、BIOS(UEFI)側で設定変更が必要です。これは慎重に行いましょう。
起動順位の変更とセキュリティ解除
● 電源投入直後にF2、DEL、F12などのキーでBIOSセットアップを起動(機種によって異なる)
● Bootタブで「Boot Order(起動順位)」を表示し、USBを最優先に設定
● Secure Bootを無効化(セキュリティの影響でUSB起動がブロックされる場合がある)
● Fast Bootを無効化(スキップされる処理があると起動に失敗する可能性あり)
● 設定を保存してBIOSを終了(F10キーで保存・終了が多い)
正しく設定されていれば、USBメモリから自動的に起動します。メーカー独自のロゴではなく、DOSベースの画面や更新用ツールのUIが表示されるはずです。
アップデートの実行手順
USB起動に成功すると、ファームウェア更新の画面が表示されます。ここからの操作は特に慎重に進めましょう。
● メニュー画面で「Update BIOS」「Flash Firmware」などのオプションを選択
● 自動でスクリプトが実行される場合もあるので、表示メッセージを見落とさずに確認
● 処理中は絶対に電源を切らない、キーボードに触れない
● 書き換え完了後、自動で再起動するか、「Reboot Now」といった選択肢が表示される
画面が一時的に真っ暗になることがありますが、これは異常ではありません。特にファン音が止まっても、しばらくは電源を切らずに待機してください。
更新後の確認とBIOS設定の復元
アップデートが完了してWindowsが起動したら、以下の確認作業を行いましょう。
● BIOS画面を再度開き、バージョンが更新されているか確認
● Secure BootやFast Bootの設定を元に戻す(必要に応じて)
● OSの動作に異常がないか、デバイスマネージャーやイベントビューアでチェック
● 再度USBを抜いて、通常の起動順に戻しておく
よくあるトラブルと対処法
上級者であっても、完全にトラブルを避けることはできません。以下は代表的な失敗例とその対処方法です。
● USBが起動しない
→ BIOSで起動順位とSecure Boot設定を再確認。USBのフォーマットが正しいかも見直す。
● アップデートが途中で止まる
→ 停止直後であれば、10分ほど待ってから電源長押しで強制シャットダウンし、再試行。ただし途中で止めた場合、復旧不可能になるリスクもあり。
● 起動後にブラックアウトまたは再起動ループになる
→ CMOSクリアを実行し、BIOS設定を初期化。改善しない場合はリカバリBIOS(バックアップ機能)があるか確認。
結論
USBブートによるファームウェア更新は、柔軟性と確実性が魅力の手法ですが、それと引き換えに操作ミスの許容範囲は極めて狭くなります。
● ブータブルUSBの作成は、正確な設定と信頼できるツールが必須
● BIOS設定を適切に変更し、ブート優先順位を見直す
● 作業中は電源の安定供給と操作無用を徹底
● 更新後の動作確認と設定の戻しも忘れずに行う
上級者に求められるのは、手順通りに進める冷静さと、万が一に備えたリスク管理です。完璧な準備と確実な実行が、安全なファームウェア更新の鍵となります。
アップデート後の確認と対応
正常に起動しても、念のために動作チェックを行っておきましょう。
● システム情報からバージョンが正しく更新されているか確認
● BIOS設定の内容がリセットされていることがあるため再確認
● 特定のデバイスにエラーが出ていないかデバイスマネージャで確認
アップデート後に実施すべき確認とトラブル対応
ファームウェアやBIOSのアップデートが完了し、PCが正常に起動したとしても、作業が完全に終わったわけではありません。更新が正しく反映されているか、設定が意図せず変更されていないか、細かな動作チェックを行うことがとても大切です。
特にBIOSの更新後は、一部の設定が初期化されることがあり、ハードウェアの挙動に影響することもあります。見落とすと、パフォーマンス低下や周辺機器の認識不良などにつながるため、アップデート直後の確認作業は慎重に進める必要があります。
ここでは、上級者向けに「確認すべき項目」と「不具合への対処法」を操作手順付きで詳しく解説します。
システム情報からバージョン確認
まず最初に行うべきは、ファームウェアやBIOSのバージョンが想定どおりに更新されているかのチェックです。
● バージョン確認手順(Windows上)
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1.Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
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2.入力欄に msinfo32 と入力してEnter
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3.「システム情報」ウィンドウが表示される
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4.左側の「システム概要」を選び、右側にある
「BIOS バージョン/日付」
「SMBIOS バージョン」
「ベースボード製造元」「ベースボード製品」
などの項目を確認
バージョンが更新前と異なっていれば、書き換えは成功しています。リリースノートで案内されているバージョンと一致するかどうかも照らし合わせましょう。
BIOS設定の再確認と再調整
BIOSアップデート後、設定がデフォルト状態に戻っていることがあります。特に自作PCや上級機能を活用している環境では、元の設定に戻す必要があります。
よく確認すべきBIOS項目
● 起動順位(Boot Order)
→ 起動ドライブが正しく設定されているか
● Secure Bootの状態
→ OS再インストール時に影響するため、使用有無を確認
● XMP/メモリクロック設定
→ メモリの性能が落ちていないかチェック
● SATAモード(AHCI/RAID)
→ ストレージ構成に影響が出ることがある
● VT-dやIntel Virtualization Technologyの有効/無効
→ 仮想環境を使っている場合は注意
BIOSにアクセスするには、起動時に F2 や DEL キーを押します(機種により異なる)。必要に応じて、設定のバックアップファイルを用いて復元することも可能です。
デバイスマネージャーでのエラーチェック
BIOSやファームウェアの更新後、一部のハードウェアが正常に認識されないケースがあります。デバイスマネージャーを使って、エラーの有無を確認します。
操作手順
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1.スタートメニューを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択
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2.一覧を確認し、黄色いビックリマークがついたデバイスがないかチェック
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3.特に次のカテゴリは重点的に確認
● システムデバイス
● サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー
● ネットワークアダプター
● ストレージコントローラー
不明なデバイスやドライバのエラーが見つかった場合は、以下の対応を取ります。
● 最新のドライバをメーカーサイトから手動でインストール
● エラーが消えない場合は、該当デバイスを一度削除し、「ハードウェア変更のスキャン」で再認識させる
● それでも改善しない場合は、システムの復元やアップデートのやり直しを検討
パフォーマンスと挙動のチェック
ファームウェア更新後は、PCの起動速度、冷却ファンの動作、外部デバイスの挙動などに違和感がないか確認しておくことが重要です。
チェックポイント
● 起動時間やシャットダウン速度が異常に遅くなっていないか
● ファンの回転数が上がりすぎていないか(異音の確認も)
● USB機器や外付けディスプレイが正しく動作しているか
● Wi-FiやBluetoothが安定して通信できているか
● スリープや休止状態が正しく機能しているか
問題が出た場合は、更新されたファームウェアが安定版であるかどうかを確認し、ベータ版や互換性の低いバージョンであればロールバックの検討も必要です。
不具合が出た場合の対処方法
アップデート後に問題が発生した場合は、以下の方法で段階的に解決を試みます。
● BIOSを再設定し、Load Optimized Defaultsを適用して再起動
● システムの復元ポイントからロールバックを試みる(Windowsの復元機能)
● 過去のBIOSバージョンに戻す(メーカーが旧バージョンを提供していれば)
● CMOSクリアを実施し、BIOS設定を完全にリセット
● メーカーサポートに状況を詳しく伝え、対応を仰ぐ
上級者であれば、必要に応じてbootrecやDISM、SFCなどのコマンドも活用し、システム整合性の検証と修復を行うことができます。
結論
ファームウェアやBIOSの更新は、起動できたからといって安心してはいけません。細部までしっかり確認し、不具合の芽を早期に摘み取ることが重要です。
● 「msinfo32」で更新バージョンの確認を最初に行う
● BIOS設定が初期化されていないかチェックし、必要に応じて再調整
● デバイスマネージャーでハードウェアの正常性をチェック
● 実際の動作やパフォーマンスに違和感がないか感覚的にも確認
● 不具合があれば、段階的に復旧対応を試みる
上級者として求められるのは、起こり得るリスクを予測し、確実に把握・修正していく力です。アップデート後の確認作業は、PCを安定運用するための最後の重要な工程といえます。
まとめ
ノートパソコンのファームウェアアップデートは、慎重に行えば安全で効果の高いメンテナンスです。
● 更新にはリスクがあるが、安定性や互換性の向上が得られる
● メーカーの案内に従い、必要性を見極めてから実行する
● 作業前の準備と、作業中の注意を怠らないことが重要
● 更新後の確認と再設定も忘れずに
当店では、ファームウェアアップデートの代行やご相談も承っています。作業に不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。安全に、安心してパソコンを使い続けるためのお手伝いをいたします。
パソコン購入のためのお役立ち情報
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