
【緊急】Macが起動しない!「?」マークや黒い画面の時にまず試すべき5つの対処法
MacOSのお役立ち情報


大変です!
私のMacBookの電源を入れたら、フォルダに「?」マークが点滅したまま、全然起動しなくて…。
何度か再起動したら、今度は画面が真っ暗なまま、うんともすんとも言わなくなりました。
高かったのに、もしかして完全に壊れちゃったんでしょうか?
大事なレポートも入ってるのに、本当にどうしたらいいか分からなくて、パニックです…。

それは心臓に悪いですよね。
大切なMacが突然起動しなくなると、本当に不安になるお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、まずは深呼吸してください。
その症状は、必ずしも致命的な故障とは限りません。
Macには、そうした深刻な事態から回復するための、強力な自己診断・修復機能がいくつも備わっているんです。
今日は、修理に出して高額な費用がかかる、と諦めてしまう前に、ご自身で安全に試せる5つの魔法のような修復ステップを、優先順位の高い順に、そして世界一詳しく解説していきます。
この手順を一つずつ冷静に試せば、あなたのMacが再び笑顔を見せてくれる可能性は十分にありますよ。
【大前提】パニックになる前に - 起動しないMacの症状を正しく観察する
トラブルシューティングの第一歩は、現状を正確に把握することです。
パニックになって闇雲に操作する前に、あなたのMacが発している「エラーのサイン」を冷静に観察しましょう。
そのサインこそが、原因を特定するための最大のヒントになります。
あなたのMacはどの症状? - エラーのサインを読み解く
「起動しない」と言っても、その表示にはいくつかのパターンがあります。
- ・1.「?」マークが点滅するフォルダ
これは、Macが起動するためのmacOS(オペレーティングシステム)を見つけられない、というサインです。
起動ディスクが物理的に認識されていないか、システムが破損している可能性があります。
この記事のメインテーマの一つです。
- ・2. 禁止マーク(丸に斜線)
起動ディスクは認識できているものの、その中にあるmacOSがお使いのMacでは利用できないバージョンである、というサインです。
例えば、非対応の古いMacに、新しいmacOSを無理にインストールしようとした場合などに表示されます。
- ・3. 地球儀マーク(インターネット復元)
Mac本体に内蔵されている復旧用のシステム領域から起動できず、代わりにインターネット経由でAppleのサーバーに接続し、復旧システムをダウンロードしようとしている状態です。
内蔵ストレージに深刻な問題がある可能性を示唆します。
- ・4. 画面が真っ暗なまま(でも音はする)
電源ランプは点灯し、ファンの回転音や起動音はするものの、画面には何も表示されない状態。
ディスプレイの接続や、メモリ、グラフィック関連のトラブルが疑われます。
これも、今回の主要なテーマです。
- ・5. Appleロゴや進捗バーで止まる
OSの起動プロセスは始まっているものの、途中の特定のファイルやドライバーの読み込みで失敗し、フリーズしている状態です。
ソフトウェア的な問題の可能性が高いと言えます。
最初に確認すべき超基本事項
専門的な修復ステップに進む前に、まずは誰でも確認できる、しかし見落としがちな2つの基本事項を必ずチェックしてください。
電源とケーブルの再確認:
「そんなはずはない」と思っても、もう一度確認しましょう。
ACアダプターはコンセントにしっかり刺さっていますか?
テーブルタップのスイッチはオンになっていますか?
MacBookの充電ポート(MagSafeやUSB-C)に、ホコリなどが詰まっていませんか?
ケーブルに断線や損傷はありませんか?
ノートPCの場合、バッテリーが完全に空になっている可能性も考え、少なくとも15分以上は充電してみてください。
すべての周辺機器の取り外し:
USBハブ、外付けHDD、プリンター、SDカードなど、Macに接続されているすべての周辺機器を物理的に取り外してください。
特定の周辺機器の不具合が、Mac全体の起動プロセスを妨げているケースは、驚くほど多くあります。
Macを「素の」状態に戻してから、再度起動を試みてください。
【修復ステップ】優先順位の高い順に試す5つの対処法
基本的な確認で解決しなかった場合、いよいよMacに内蔵された自己修復機能を呼び覚ますステップに進みます。
必ず、この順番通りに、一つずつ試してください。
ステップ1:セーフモードでの起動 - ソフトウェアの問題を切り分ける
【なぜこれを行うのか?】
セーフモードは、Macを起動させるために最低限必要なシステム機能とドライバーだけでMacを立ち上げる、特殊な「診断モード」です。
このモードで起動する際には、起動ディスクの簡単なチェックと修復も自動的に行われます。
もし、セーフモードで正常に起動することができれば、それは「Macの基本的なハードウェア(CPU、メモリ、ストレージ)は壊れていない。問題の原因は、後からインストールしたアプリケーション、ログイン項目、破損したフォント、あるいは互換性のない周辺機器ドライバーといった、ソフトウェア的な要因にある」という、極めて重要な切り分けができたことになります。
【具体的な手順(Appleシリコン vs Intel Mac)】
お使いのMacがどちらのチップを搭載しているかによって、手順が異なります。
Appleシリコン(M1, M2, M3, M4など)搭載Macの場合:
- 1. Macの電源が完全に切れていることを確認します。システム終了してください。
- 2. Mac本体の**電源ボタンを、指を離さずに10秒以上長押し**し続けます。
- 3. 画面に、起動ディスクと「オプション」という歯車アイコンが表示されたら、電源ボタンから指を離します。これが「起動オプション」画面です。
- 4. 内蔵の起動ディスク(通常は「Macintosh HD」)を選択します。
- 5. キーボードの **`Shift`キーを押しながら**、表示されている「セーフモードで続ける」というボタンをクリックします。
- 6. `Shift`キーを押したまま、ログインウィンドウが表示されるのを待ちます。画面右上に「セーフブート」と赤字で表示されていれば成功です。
Intelプロセッサ搭載Macの場合:
- 1. Macの電源が完全に切れていることを確認します。システム終了してください。
- 2. 電源ボタンを押してMacの電源を入れ、**直後に`Shift`キーを、指を離さずに長押し**し続けます。
- 3. Appleロゴが画面に表示されたら、`Shift`キーから指を離します。
- 4. 通常より少し時間がかかりますが、ログインウィンドウが表示されれば成功です。セーフモードで起動しているかは、「このMacについて」→「システムレポート」→「ソフトウェア」で「起動モード:セーフ」となっているかで確認できます。
【セーフモードで起動できたらどうするか?】
無事にセーフモードで起動できたら、問題解決は目前です。
原因となっている可能性が高いソフトウェア的な要素を、一つずつ解消していきます。
- ・ログイン項目を無効にする:
「システム設定」→「一般」→「ログイン項目」を開き、「ログイン時に開く」に登録されているアプリケーションをすべて選択し、「−」ボタンで削除します。
これらはMacの起動と同時に自動で立ち上がるアプリで、中には起動トラブルの原因となるものがあります。
- ・不要なアプリやフォントを削除する:
トラブルが発生する直前にインストールしたアプリケーションや、大量に追加したフォントがあれば、それらを削除します。
- ・ディスクの空き容量を確保する:
起動ディスクの空き容量が極端に少ないと、システムの動作が不安定になります。
不要なファイルを削除し、最低でも全体の15%程度の空き容量を確保してください。
これらの対処を行った後、Macを通常通り再起動し、問題が解決しているかを確認します。
【これで解決しない場合】
セーフモードですら起動しない、あるいはセーフモードで起動しても問題が解決しない場合、次はMacのハードウェアが記憶している、ごく基本的な設定情報をリセットしてみましょう。
ステップ2:NVRAM(またはPRAM)リセット - ハードウェアの短期記憶を消去する
【なぜこれを行うのか?】
NVRAM(不揮発性ランダムアクセスメモリ)旧世代のMacではPRAM(パラメータRAM)と呼ばれていました。音量、画面解像度、起動ディスクの選択、タイムゾーンといった、Macの基本的なハードウェア設定を記憶している、ごく少量の特殊なメモリです。は、Macの電源がオフの状態でも、OSを起動するために必要な、ごく基本的なハードウェア設定を記憶しておくための特殊なメモリです。
ここに記憶されている情報が、何らかの理由で破損したり、矛盾した状態になったりすると、Macはどのディスクから起動すればよいか分からなくなったり、正しい画面解像度で表示できなくなったりして、起動に失敗することがあります。
NVRAMリセットは、この記憶を工場出荷時のデフォルト状態にクリアすることで、設定の破損に起因する起動トラブルを解消する操作です。
【具体的な手順】
この操作は、**Intelプロセッサ搭載のMacでのみ有効**です。
Intelプロセッサ搭載Macの場合:
- 1. Macをシステム終了します。
- 2. 電源ボタンを押して電源を入れ、**直後に`Option + Command + P + R`の4つのキーを同時に、指を離さずに長押し**します。
- 3. そのまま約20秒間、キーを押し続けます。
この間にMacが再起動するように見える場合がありますが、押し続けてください。
古いMacでは、起動音が2回鳴るのがリセットの合図です。
T2セキュリティチップ搭載のMacでは、Appleロゴが2回表示されて消えたら、キーを離して構いません。
Appleシリコン搭載Macの場合:
Appleシリコン搭載のMacでは、**この手動リセット操作は不要**です。
NVRAMに相当する設定は、起動プロセス中に自動的にチェック・リセットされる仕組みになっています。
もし同様の問題が疑われる場合は、システムを一度終了し、1分ほど待ってから再起動するだけで、同等の効果が得られます。
【これで解決しない場合】
ハードウェアの基本設定の問題ではありませんでした。
次は、電源や熱管理といった、より物理的な動作を司るコントローラーのリセットを試みます。
ステップ3:SMCリセット - システム管理コントローラを正常化する
【なぜこれを行うのか?】
SMC(システム管理コントローラ)電源ボタンの応答、バッテリーの充放電管理、冷却ファンの制御、スリープとスリープ解除、キーボードバックライトなど、Macの物理的な動作や電源状態を制御する重要なチップです。は、Macの低レベルな物理動作を司る、縁の下の力持ちです。
このSMCの動作が不安定になると、「電源ボタンを押しても反応しない」「バッテリーが正常に充電されない」「冷却ファンが常に高速で回転し続ける」といった、電源や物理的な動作に関連する、原因不明に見えるさまざまなトラブルが発生します。
SMCリセットは、このコントローラーを再起動させ、その動作を正常な状態に戻すための操作です。
【具体的な手順】
この操作も、**Intelプロセッサ搭載のMacでのみ必要**となります。
また、機種によって手順が異なります。
Appleシリコン搭載Macの場合:
NVRAMと同様、**手動でのSMCリセットは不要**です。
SMCの機能はMシリーズチップに統合されており、Macをシステム終了して電源アダプタを30秒ほど抜き、再度接続して起動するだけで、SMCに相当する機能はリセットされます。
T2セキュリティチップを搭載したIntelノートブックの場合 (2018年以降のモデル):
- 1. Macをシステム終了し、ACアダプターを接続します。
- 2. キーボードの左側にある**`Control`キー**と**`Option(Alt)`キー**、そして右側にある**`Shift`キー**の3つを、同時に**7秒間**長押しします。
- 3. 7秒後、その3つのキーを押したまま、さらに**`電源ボタン`**も加えて、4つのキーを同時に**7秒間**長押しします。
- 4. 7秒経ったら、4つのキーすべてから指を離します。
数秒待ってから、通常通り電源ボタンを押してMacを起動します。
T2チップを搭載していないIntelノートブックの場合 (2017年以前のモデル):
- 1. Macをシステム終了し、ACアダプターを接続します。
- 2. キーボードの左側にある**`Shift + Control + Option(Alt)`キー**と、**`電源ボタン`**を、4つ同時に**10秒間**長押しします。
- 3. 10秒経ったら、4つのキーすべてから指を離し、通常通り電源ボタンを押してMacを起動します。
【これで解決しない場合】
ハードウェアの制御系のリセットでも改善しませんでした。
いよいよ、OSそのものを修復する、Macに内蔵された最終手段である「緊急治療室」を呼び出します。
ステップ4:macOS復旧からの起動 - Macに内蔵された緊急治療室
【なぜこれを行うのか?】
Macのストレージには、通常のmacOSがインストールされている領域とは別に、「macOS復旧macOS Recoveryとも呼ばれる、Macの起動ディスクとは別の隠されたパーティションから起動する、診断・修復のためのユーティリティ群です。」と呼ばれる、隠されたパーティションが存在します。
ここには、Macを修復・復旧させるためのツール群が格納されており、たとえメインのmacOSが完全に破損して起動できなくなっていても、この「緊急治療室」からMacを起動させることが可能です。
ここから起動できるかどうかは、問題がソフトウェア的なものか、あるいはストレージ自体の物理的な故障なのかを判断する、重要な分水嶺となります。
【具体的な手順】
ここでも、AppleシリコンとIntel Macで手順が異なります。
Appleシリコン搭載Macの場合:
- 1. Macをシステム終了します。
- 2. **電源ボタンを、指を離さずに長押し**し続けます。
Appleロゴが表示されても、そのまま押し続けてください。
- 3. 「起動オプションを読み込み中」というテキストが表示されたら、電源ボタンから指を離します。
- 4. 表示された「オプション」という歯車アイコンをクリックし、「続ける」をクリックします。
Intelプロセッサ搭載Macの場合:
- 1. Macをシステム終了します。
- 2. 電源ボタンを押して電源を入れ、**直後に`Command (⌘) + R`キーを、指を離さずに長押し**し続けます。
- 3. Appleロゴや回転する地球儀が表示されたら、キーを離します。
成功すると、「macOS復旧」というタイトルのユーティリティウインドウが表示されます。
この画面が表示されれば、まだ希望はあります。
ここから、次のステップである「ディスクユーティリティ」の実行や、最終手段である「macOSの再インストール」を行うことができます。
【もしmacOS復旧も起動しない場合】
このmacOS復旧システムすら起動できないとなると、残念ながら、内蔵ストレージ(SSD/HDD)の深刻な物理故障や、マザーボード(ロジックボード)の故障といった、ユーザー自身での対処が不可能な問題である可能性が極めて高くなります。
この時点で、速やかにプロの修理業者に相談することを強く推奨します。
ステップ5:ディスクユーティリティで起動ディスクを修復する
【なぜこれを行うのか?】
「?」マークが表示されるなど、Macが起動ディスクを見失っている場合、その原因として、ディスクのファイルシステム(データを整理・管理するための“住所録”のようなもの)が論理的に破損しているケースが非常に多くあります。
ディスクユーティリティに内蔵されている「First Aid」機能は、このファイルシステムの矛盾やエラーをスキャンし、修復を試みるための強力なツールです。
【具体的な手順】
- 1. 上記のステップ4の手順で、macOS復旧を起動します。
- 2. 「macOS復旧」のユーティリティウインドウで、「ディスクユーティリティ」を選択し、「続ける」をクリックします。
- 3. ディスクユーティリティのウインドウが表示されたら、メニューバーの「表示」から「すべてのデバイスを表示」を選択します。
- 4. 左側のサイドバーに表示されたディスク一覧の中から、内蔵の起動ボリューム(通常は「Macintosh HD」または「macOS」という名前)を選択します。
その上の階層にある物理ディスク(例: APPLE SSD...)ではありません。
- 5. ツールバーにある「First Aid」ボタンをクリックし、確認ダイアログで「実行」をクリックします。
First Aidが実行され、ディスクのチェックと修復が開始されます。
処理が完了すると、「問題は見つかりませんでした」や「ディスクは修復されました」といったメッセージが表示されれば、修復は成功です。
ディスクユーティリティを終了し、Macを再起動して、正常に起動するかを確認してください。
もし、「ディスクを修復できませんでした」といったエラーが表示された場合は、ディスクが論理的、あるいは物理的に深刻なダメージを負っていることを示します。
この場合、残された道は、ディスクを完全に消去してmacOSをクリーンインストールするか、プロによるデータ復旧と修理を依頼することになります。
万策尽きたら…プロの診断へ - データ復旧という最後の希望
もし、これら5つのステップをすべて試しても、あなたのMacが起動しない場合、それはユーザー自身で安全に対処できる範囲を超えています。
これ以上無理に操作を続けると、状況をさらに悪化させ、大切なデータを永遠に失ってしまうリスクさえあります。
プロに相談する最大のメリットは「データ復旧」
私たちが最も伝えたいのは、**「Macが起動しなくても、中のデータは無事である可能性が高い」**ということです。
たとえマザーボードが故障していても、SSDが無事であれば、専門の機材と技術を用いることで、あなたの大切な写真、卒業論文、仕事のファイルなどを、安全に救出することが可能です。
諦めて新しいMacを購入してしまう前に、まずはそのMacに眠っている、お金では買えない「価値(データ)」を救出できないか、ぜひ一度、私たちプロにご相談ください。
当店では、正確な故障箇所の診断と修理のお見積りはもちろん、データ復旧を最優先とした、お客様にとって最善のご提案をさせていただきます。
まとめ - 諦めるのは、すべてを試してからでも遅くない
愛用のMacが突然起動しなくなるという、絶望的な状況。
しかし、パニックにならず、この記事で解説した手順を一つずつ冷静に試すことで、解決への道筋が見えてきます。
- 1. セーフモードを試す: ソフトウェアの問題か、ハードウェアの問題かを切り分ける第一歩。
- 2. NVRAM/SMCをリセットする: ハードウェアの基本的な設定や制御をリフレッシュする(Intel Macのみ)。
- 3. macOS復旧から起動する: Macに内蔵された緊急治療室を呼び出し、OSシステムの根幹にアクセスする。
- 4. ディスクを修復する: ディスクユーティリティのFirst Aidで、起動ディスクの論理的なエラーを修復する。
- 5. プロに託す: すべてを試してもダメなら、データ復旧の可能性を信じて、速やかに専門家へ相談する。
この論理的なトラブルシューティングのプロセスこそが、闇雲な操作による状況の悪化を防ぎ、あなたのMacと、その中にある大切なデータを守るための、最も確実な方法です。
そして、そのすべてのステップを試した上で、それでも解決しない場合は、決して一人で抱え込まないでください。
私たち専門家は、そんなあなたの最後の砦となるために存在しています。
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