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2024.10.4

Macのパフォーマンス向上:速度を上げる方法

MacOSのお役立ち情報

【2025年版】Macが遅い原因を根絶!プロが教えるパフォーマンスチューニングの真髄

この記事の最終更新日:2025年7月7日

悩む女性

先輩、数年前に買った、私のMacBook Proなんですけど、最近なんだかすごく動作が遅く感じるようになってきて…。
特に、ブラウザのタブをたくさん開いたり、アプリをいくつか同時に起動したりすると、虹色のカーソルがクルクルと回りっぱなしで、作業が全然進まないんです。
一応、デスクトップに置いてある不要なファイルは消してるつもりなんですけど、他に何かできることってないんでしょうか?
ネットでよく見る「Macを高速化!」みたいなクリーンアップアプリも、なんだか怖くて、どれが本当に効果があるのかもわからなくて…。

解説する男性

その悩み、Macを長く、そして真剣に愛用しているからこそ生まれる、とても重要なサインだね。
Macのパフォーマンス低下は、実は、単一の原因で起きることは稀で、CPU、メモリ、ストレージといった様々な要因が、複雑に絡み合って発生するんだ。
多くの人は、その根本原因を特定せずに、やみくもに『高速化アプリ』のような、いわば『栄養ドリンク』に頼ろうとする。でも、それでは一時的な対症療法にしかならない。
本当のパフォーマンスチューニングとは、まず『アクティビティモニタ』や『コンソール』といった、macOSに標準搭載されたプロ用の診断ツールで、パフォーマンスの『ボトルネック』を正確に突き止める、科学的なアプローチから始まるんだ。
今日は、その診断方法から、ソフトウェア、そしてハードウェアの両面から、君のMacを新品同様、いや、それ以上に快適にするための、プロフェッショナルな知識と技術を、全て伝授しよう。

【第一部:診断編】あなたのMacを蝕む「真犯人」を特定せよ

Macのパフォーマンス問題を解決するための、最も重要で、そして最初に行うべきステップは、「何が原因で遅いのか」を正確に特定することです。

闇雲に設定を変更したり、ファイルを削除したりする前に、まずはMacの状態を客観的に把握するための「聴診器」の使い方をマスターしましょう。

最強の標準ツール「アクティビティモニタ」の完全読解術

「アプリケーション」フォルダ内の「ユーティリティ」フォルダに、ひっそりと格納されている「アクティビティモニタ」。

これこそが、Macの内部で何が起きているのかを、リアルタイムで監視できる、最も強力な標準ツールです。

起動したら、5つのタブの意味を正しく理解しましょう。

  • 「CPU」タブ:

    現在実行中のプロセスが、どれだけCPUの計算能力を使用しているかを表示します。「%CPU」の列をクリックして降順に並べ替えたとき、特定のアプリ(時には、`mds_stores`のようなバックグラウンドプロセス)が、常に高い使用率を占めている場合、それがパフォーマンス低下の直接的な原因である可能性が高いです。「暴走」しているプロセスを見つけたら、それを選択して左上の「×」ボタンで終了させることもできます。

  • 「メモリ」タブ:

    Macの物理メモリ(RAM)の使用状況を監視します。最も注目すべきは、グラフで表示される「メモリプレッシャーmacOSがメモリの空き容量をどれだけ必要としているかを示す指標。緑は正常、黄色は注意、赤はメモリが深刻に不足している状態を意味します。」です。このグラフが頻繁に黄色や赤になる場合は、メモリ不足が原因で、低速なストレージを一時的なメモリとして使用する「スワップ」が多発している証拠です。

  • 「エネルギー」タブ:

    特にノートブックユーザーにとって重要です。各プロセスが、どれだけバッテリーを消費しているかを示します。「エネルギー影響」が高いアプリを特定し、不要であれば終了させることで、バッテリー駆動時間を延ばすことができます。

  • 「ディスク」タブ:

    ストレージ(SSD/HDD)へのデータの読み書き(I/O)が、どのプロセスによって、どれくらいの頻度で行われているかを確認できます。特定のプロセスが、絶えず大量のデータを読み書きしている場合、それがシステム全体の応答性を低下させている可能性があります。

  • 「ネットワーク」タブ:

    データの送受信量をプロセスごとに表示します。身に覚えのないプロセスが、大量のデータを外部と通信している場合、マルウェアの可能性も疑うべきです。

上級者向け診断ツール「コンソール」と「EtreCheck」

アクティビティモニタで大まかな原因を掴んだら、さらに深掘りするためのツールがあります。

  • コンソール.app:

    これもユーティリティフォルダにある標準アプリです。macOSやアプリケーションが、動作中に吐き出す、膨大な量のログメッセージをリアルタイムで表示します。エラーメッセージやクラッシュレポートをフィルタリングして見ることで、特定のアプリの不具合や、システムレベルの問題の原因を、より詳細に調査することができます。

  • EtreCheck:

    これはサードパーティ製の診断ツールですが、多くの専門家が推奨しています。あなたのMacのハードウェア構成、インストールされているソフトウェア、常駐プロセス、そして既知の問題点などを、包括的にスキャンし、非常に分かりやすいレポートとして出力してくれます。自分では気づかなかった問題(古いドライバーや、不要な常駐ソフトなど)を発見するのに、絶大な威力を発揮します。

【第二部:ソフトウェア編】無料でできるパフォーマンス改善術

診断によってボトルネックを特定したら、まずは、お金をかけずにソフトウェアレベルでできる、改善策を試していきましょう。

1. 起動と常駐プロセスを制圧する

Macの動作が遅くなる最大の原因の一つが、あなたが気づかないうちに、バックグラウンドで動き続けている、多数の常駐アプリケーションです。

まずは、「システム設定」→「一般」→「ログイン項目」を確認します。

ここには、Macの起動時に自動で立ち上がるアプリがリストアップされています。

本当に常に必要かを見直し、不要なものは「-」ボタンで削除しましょう。

しかし、本当の敵は、ここには表示されない、より深い階層で動作するプロセスです。

Finderのメニューから「移動」→「フォルダへ移動」を選択し、以下のパスを入力して、フォルダの中身を確認してみてください。

  • ~/Library/LaunchAgents (ユーザーごとの常駐アプリ設定)
  • /Library/LaunchAgents (全ユーザー共通の常駐アプリ設定)
  • /Library/LaunchDaemons (システムの起動時に実行される、より強力な常駐プログラム)

これらのフォルダには、過去にインストールして、すでにアンインストールしたはずのアプリの残骸が残っていることがあります。

明らかに不要だと確信が持てるもの(アプリ名で判断できるものが多い)を削除することで、システムの負荷を軽減できます。(※自信がない場合は、触らないか、事前にバックアップを取ってください)

2. ストレージの最適化とクリーンアップ

ストレージの空き容量が少なくなると、OSが正常に動作するための作業領域が不足し、パフォーマンスが著しく低下します。

目安として、常に総容量の15%~20%は、空けておくように心がけましょう。

Appleメニューから「このMacについて」→「ストレージ」タブ→「管理」ボタンを押すと、macOS標準のストレージ管理ツールが起動します。

「不要なファイルを削除」や「書類を確認」といった項目から、巨大なファイルや、長期間使っていないファイルを見つけ出し、効率的に整理できます。

さらに上級者向けとして、時間と共に肥大化する各種キャッシュファイルの削除も有効です。

Finderで`~/Library/Caches`フォルダを開き、各アプリケーションのキャッシュフォルダの中身を削除することで、空き容量を確保し、アプリの不具合を解消できる場合があります。(フォルダ自体ではなく、中身のファイルを削除するのが基本です)

ただし、これらの作業は、システムの動作に影響を与える可能性があるため、必ずバックアップを取ってから、自己責任で行ってください。

このため、多くの専門家は、安易に市販の「Macクリーンアップアプリ」を使うことを推奨しません。

これらのアプリは、時に、必要なシステムファイルまで削除してしまうリスクを伴うからです。

3. Spotlightインデックスの再構築

アクティビティモニタで、`mds_stores`や`mdworker`といったプロセスが暴走し、CPUを占有している場合、それはMacの検索機能であるSpotlightmacOSに搭載されている、ファイル、アプリ、メール、Webサイトなどを高速に検索するためのシステム全体検索機能。のインデックス(索引ファイル)が、何らかの原因で破損している可能性があります。

この場合、インデックスを強制的に再構築することで、問題が解決します。

「システム設定」→「SiriとSpotlight」→下部の「Spotlightのプライバシー」を開きます。

ここに、Macintosh HD(あなたの起動ドライブ)全体をドラッグ&ドロップで追加し、すぐにまた「-」ボタンでリストから削除します。

この操作により、Spotlightは、ドライブ全体のインデックスをゼロから作り直し始めます。

再構築中はCPUに負荷がかかりますが、完了すれば、プロセスの暴走は収まり、検索速度も改善されるはずです。

【第三部:ハードウェア編】投資で実現する物理的な高速化

ソフトウェア的な対策を施しても、まだパフォーマンスに不満が残る場合、それはマシンの物理的な限界に達しているサインかもしれません。

【Intel Mac限定】最大の効果「RAM(メモリ)増設」

メモリプレッシャーが常に黄色や赤を示している場合、メモリ不足は明らかです。

2020年以前に発売されたIntel CPU搭載のMacの中には、メモリを後から増設・交換できるモデルが存在します(主に、一部のiMac、Mac mini、そして2012年以前のMacBook Proなど)。

お使いのモデルがメモリ増設に対応しているかを確認し、対応しているならば、これは最もコストパフォーマンスの高いアップグレードの一つです。

8GBから16GBへ、16GBから32GBへと増設するだけで、複数のアプリを同時に利用した際の快適さは、劇的に向上します。

【Intel Mac限定】劇的な変化「HDDからSSDへの換装」

もし、あなたがお使いのiMacやMac miniが、旧来のHDD(ハードディスクドライブ)を搭載しているモデルであれば、それをSSD (ソリッドステートドライブ)半導体メモリを記憶媒体として用いた、非常に高速なストレージデバイス。HDDとは比較にならないほどの読み書き速度を誇ります。に換装することで、あなたのMacは、まるで別のマシンかのように生まれ変わります。

OSの起動、アプリの起動、ファイルの読み書きといった、あらゆる動作が、数倍から十数倍高速になります。

これは、CPUをアップグレードするよりも、体感速度の向上に、遥かに大きな影響を与える、究極の延命措置です。

【Apple Silicon Mac】購入時に全てが決まる世界

一方、2020年以降に登場したApple Silicon(M1, M2, M3など)を搭載したMacでは、状況が全く異なります。

Apple Silicon Macでは、CPU, GPU, そしてメモリが、ユニファイドメモリアーキテクチャCPUとGPUが、同じメモリ空間に直接、かつ高速にアクセスできるようにするApple Siliconの設計思想。これにより、データ転送のボトルネックを解消し、システム全体のパフォーマンスを向上させます。という設計思想のもと、一つのチップ上に統合されています。

これにより、驚異的なパフォーマンス効率を実現している反面、購入後にメモリやストレージを増設・換装することは、物理的に一切不可能です。

したがって、Apple Silicon Macを選ぶ際は、購入するその瞬間に、数年後の自分の使い方まで見越して、十分なメモリとストレージの容量を選択するという、慎重な判断が求められます。

目先の価格差でメモリやストレージを妥協すると、将来、必ず後悔することになります。

まとめ - Macのパフォーマンスチューニングは、マシンとの「対話」である

Macのパフォーマンスを維持し、向上させることは、やみくもな操作や、魔法のアプリに頼ることではありません。

それは、まず、アクティビティモニタなどの診断ツールを通じて、あなたのMacが発する悲鳴(「CPUが限界だ!」「メモリが足りない!」)に、真摯に耳を傾ける「対話」のプロセスなのです。

  1. 1. まずは「診断」せよ:

    パフォーマンス低下の真犯人を、アクティビティモニタで特定すること。全てのチューニングは、この正確な原因究明から始まります。

  2. 2. 次に「ソフトウェア」を整えよ:

    不要なログイン項目や常駐プロセスを整理し、ストレージの空きを確保し、時にはSpotlightのインデックスを再構築する。これらの基本的なメンテナンスが、多くの問題を解決します。

  3. 3. 最後に「ハードウェア」の限界を知れ:

    ソフトウェア的な対策で改善しない場合は、それはマシンの物理的な限界です。Intel Macならアップグレードという選択肢があり、Apple Silicon Macなら、それは次の買い替えのタイミングと、その際の適切なスペック選択の重要性を教えてくれるサインなのです。

最も重要なのは、あなたのMacが「なぜ遅いのか?」を、感情ではなく、データに基づいて論理的に探求する姿勢です。

その探求の過程で、あなたはMacの内部構造への理解を深め、あなたのマシンは、単なる道具から、より長く、快適に付き合える、かけがえのないパートナーへと変わっていくでしょう。

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