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2024.5.20

Windows 11でのネットワーク設定と最適化

Windowsのお役立ち情報

この記事の最終更新日:2025年7月2日

悩む女性

最近、自宅のインターネット回線を、高速な光回線に変えたんです。
スマートフォンで速度を測るとすごく速いんですけど、なぜか私のWindows 11のパソコンだけ、Webページの表示が遅かったり、オンライン会議で映像がカクついたりすることがあって…。
せっかくの高速回線を、PCが活かしきれていないような気がするんです。
Windows 11の中で、何か通信速度を改善するような、良い設定方法はありませんか?

解説する男性

そのお悩み、非常に良い点に気づかれましたね。
多くの方が、インターネットの速度は「回線」と「ルーター」だけで決まると思いがちですが、実は、PC側の「OSの設定」も、体感速度に大きな影響を与えているんです。
ご安心ください。
Windows 11には、そのネットワーク性能を最大限に引き出すための、様々な「最適化」設定が用意されています。
今日は、その中でも特に効果の高い、DNSサーバーの変更や、ネットワークアダプターの電源管理、そしてプロが使うコマンドラインツールまで、あなたのPCの通信速度を“チューンナップ”するための秘訣を、日本一詳しく、そして分かりやすく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、あなたは、せっかくの高速回線のポテンシャルを、100%引き出せるようになっていますよ。

【思想】ネットワークパフォーマンスのボトルネックはどこにあるのか?

具体的な設定に入る前に、なぜPCの通信速度が、回線本来の速度よりも遅く感じられることがあるのか、その原因となる「ボトルネック」の考え方を理解しましょう。

1. 物理的な接続方法の壁:有線LAN vs 無線LAN(Wi-Fi)

まず、大前提として、安定性と速度を最大限に求めるのであれば、**有線LAN接続が、Wi-Fi接続に、常に勝ります。**

Wi-Fiは、電波で通信を行うため、壁や家具といった物理的な障害物、電子レンジなどの家電製品からの電波干渉、あるいは近隣の家で使われている多数のWi-Fi電波との混信など、速度を低下させる要因が数多く存在します。

一方、有線LANは、物理的なケーブルでPCとルーターを直接結ぶため、これらの外部要因の影響を一切受けず、常に安定した、低遅延の通信を実現します。

オンラインゲームや、重要なビデオ会議など、一瞬の通信の途絶も許されないような用途では、有線LAN接続が、今なお最も信頼性の高い選択なのです。

2. Wi-Fiの「規格」と「周波数帯」の壁

Wi-Fiを使う場合でも、その「規格」と「周波数帯」が、速度を大きく左右します。

2025年現在、主流のWi-Fi規格は、Wi-Fi 5 (802.11ac)、Wi-Fi 6/6E (802.11ax)、そして最新のWi-Fi 7 (802.11be)です。

新しい規格ほど、理論上の最大通信速度は向上します。

そして、さらに重要なのが「周波数帯」です。

  • 2.4GHz帯:

    障害物に強く、遠くまで電波が届きやすいですが、電子レンジなど多くの家電も利用する帯域のため、電波干渉を受けやすく、通信速度も遅いのが特徴です。

  • 5GHz帯:

    他の電波との干渉が少なく、高速な通信が可能ですが、壁などの障害物には弱いという特性があります。

  • 6GHz帯 (Wi-Fi 6E/7):

    最新の規格で利用できる、非常にクリーンで、高速な通信が可能な新しい道路のようなものです。

    まだ利用者が少ないため、混信の心配もほとんどありません。

快適な通信のためには、可能な限り、**5GHz帯または6GHz帯**に接続することが、基本中の基本となります。

3. OSとソフトウェアの壁 - DNSやドライバー、バックグラウンド通信

そして、意外と見落とされがちなのが、Windows 11のOS内部の設定です。

Webサイトの名前と、その住所(IPアドレス)を紐づける**DNSサーバー**の設定が最適でない場合、Webページの表示が遅くなることがあります。

また、ネットワークアダプターの**ドライバー**が古い、あるいは省電力設定によってパフォーマンスが抑制されているケースや、バックグラウンドでWindows Updateなどの**大容量通信**が行われていることも、体感速度の低下に繋がります。

これから解説する最適化は、主に、このOS内部の壁を取り払うためのものです。

【実践編】Windows 11のネットワーク設定を最適化する

それでは、あなたのPCのネットワーク設定を、プロのレベルへと引き上げるための、具体的な手順を見ていきましょう。

1. ネットワークプロファイルの確認と変更

これは、セキュリティにも関わる、非常に重要な最初の設定です。

Windows 11は、接続するネットワークの種類に応じて、セキュリティレベルを自動で変更します。

  • プライベートネットワーク:

    自宅や会社のオフィスなど、信頼できるネットワークで選択します。

    同じネットワーク内の他のPCとの、ファイル共有などが許可されます。

  • パブリックネットワーク:

    カフェや空港、ホテルといった、不特定多数が利用する公共のWi-Fiに接続する際に選択します。

    PCは、他のデバイスから発見されないように、ステルスモードとなり、ファイル共有などの機能は無効化され、セキュリティが最大限に高められます。

「設定」→「ネットワークとインターネット」から、現在接続しているWi-Fiまたはイーサネットの「プロパティ」を開き、ネットワークプロファイルの種類が、現在の環境に対して、正しく「プライベート」または「パブリック」に設定されているか、必ず確認してください。

2.【効果絶大】DNSサーバーを高速なものに変更する

DNS(Domain Name System)とは、`www.google.com`といった、人間が理解できるWebサイトの「名前」を、`172.217.25.68`といった、コンピューターが理解できる「IPアドレス(住所)」へと、変換してくれる、いわば**「インターネットの電話帳」**のようなものです。

通常、私たちは、契約しているインターネットサービスプロバイダ(ISP)が提供するDNSサーバーを、無意識に使っています。

しかし、このISPのDNSサーバーは、時に応答が遅かったり、不安定になったりすることがあります。

これを、GoogleやCloudflareといった、世界的な企業が無料で提供している、非常に高速で信頼性の高い**「パブリックDNS」**に変更することで、Webサイトの表示速度が、体感できるレベルで向上することがあります。

【設定手順】

  1. 1. 「設定」→「ネットワークとインターネット」から、お使いの接続(Wi-Fiまたはイーサネット)の「ハードウェアのプロパティ」を開きます。
  2. 2. 「DNSサーバーの割り当て」の横にある「編集」ボタンをクリックします。
  3. 3. 設定を「手動」に切り替え、IPv4のスイッチをオンにします。
  4. 4. 「優先DNS」と「代替DNS」の欄に、以下のいずれかの数値を入力します。

Google Public DNS:

優先DNS: 8.8.8.8
代替DNS: 8.8.4.4

Cloudflare DNS:

優先DNS: 1.1.1.1
代替DNS: 1.0.0.1

設定後、「保存」をクリックすれば完了です。

3. ネットワークアダプターのドライバー更新と電源管理

ネットワークの安定性は、それを司るハードウェア「ネットワークアダプター」の、ドライバーソフトウェアに大きく依存します。

【ドライバーの更新】

「デバイスマネージャー」を開き、「ネットワークアダプター」の項目を展開します。

お使いのWi-Fiまたはイーサネットアダプターを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択し、「ドライバーを自動的に検索」を実行してください。

【電源管理の最適化(ノートPC向け)】

ノートPCでは、バッテリーを節約するために、Wi-Fiアダプターの電源が、自動的にオフになることがあります。

これが、スリープからの復帰時に、Wi-Fiに再接続できなくなる原因となることがあります。

デバイスマネージャーで、Wi-Fiアダプターのプロパティを開き、「電源の管理」タブにある**「電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」**のチェックを外すことで、この問題を回避できます。

4.【上級者向け】コマンドプロンプトによるネットワーク診断とリセット

Windowsには、GUI(グラフィカルな画面)からはアクセスできない、より高度なネットワークの診断・修復ツールが、コマンドラインに用意されています。

コマンドプロンプトを管理者として実行し、以下のコマンドを試してみてください。

  • `ipconfig /flushdns`

    PC内に保存されている、古いDNSのキャッシュ情報を、完全にクリアします。

    特定のWebサイトだけが表示できない、といった問題の解決に有効です。

  • `ipconfig /release` → `ipconfig /renew`

    現在ルーターから割り当てられているIPアドレスを一度解放し、新しいIPアドレスを再取得します。

    IPアドレスの競合などが原因の接続不良を、リセットできます。

  • `ping 192.168.1.1 -t`

    お使いのルーター(IPアドレスは環境によります)に対して、継続的に通信パケットを送り、その応答時間(latency)や、パケットロスがないかを監視します。

    Wi-Fi接続が不安定な場合に、その原因が電波状況にあるのかを切り分けるのに役立ちます。

  • `netsh wlan show interfaces`

    現在接続しているWi-Fiの、電波強度(シグナル)、利用しているチャンネル、通信速度といった、非常に詳細な情報を確認できます。

まとめ - 最適化は、あなたのデジタルライフの「QOL」を高める

Windows 11のネットワーク設定は、デフォルトのままでも、ほとんどの場合は問題なく動作します。

しかし、そこに少しだけ、プロの視点を加えることで、あなたのインターネット体験の「質(QOL: Quality of Life)」は、見違えるほど向上するのです。

  1. 1. 基本を固める:

    安定性を求めるなら、可能な限り「有線LAN」を。

    Wi-Fiを使うなら、電波干渉の少ない「5GHz/6GHz帯」に接続しましょう。

    そして、接続先の環境に合わせて、「パブリック/プライベート」プロファイルを正しく設定することが、セキュリティの第一歩です。

  2. 2. DNSを最適化する:

    プロバイダ提供のDNSから、GoogleやCloudflareといった、高速なパブリックDNSに変更するだけで、Webページの表示速度が、体感できるレベルで改善されることがあります。

  3. 3. ドライバーと電源管理を見直す:

    ネットワークアダプターのドライバーを最新に保ち、ノートPCの場合は、不必要な電力節約機能をオフにすることで、接続の安定性が向上します。

  4. 4. コマンドを使いこなす:

    ipconfigやping、netshといったコマンドラインツールは、あなたのネットワークの状態を、より深く、そして正確に把握するための、強力な武器となります。

これらの最適化は、あなたが契約している高速なインターネット回線のポテンシャルを、最後の最後まで、余すところなく引き出すための、最後の仕上げです。

ぜひ、この記事を参考に、あなただけの、最高のネットワーク環境を構築してみてください。

もし、より複雑なネットワークの問題や、最適なPC環境の構築について、専門家のアドバイスが必要だと感じたら、いつでもお気軽に、私たちにご相談ください。

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