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2025.6.16

Windows 11でのスクリーンタイムの設定と管理法

Windowsのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年7月13日

質問する若い女性
子供のパソコン時間が心配で…

最近、子供がパソコンを使う時間が増えてきて少し心配なんです。

特にゲームや動画に夢中になるとあっという間に何時間も経ってしまって…。

Windows 11にスマートフォンのようにアプリの利用時間を制限したり、不適切なサイトを見られないようにしたりする機能は備わっているのでしょうか?

ただ厳しく制限するだけでなく子供と話し合いながらうまく付き合い方を学ばせたいのですが、何か良い方法はありませんか?


解説する博識な男性
パソコン専門店のスタッフ

そのお悩み、非常によく分かります。

お子様のデジタルライフとどう向き合うかは現代の保護者様にとって大きなテーマですよね。

ご安心ください。

Windows 11にはそのお悩みを根本から解決するための非常に強力で思慮深いツールが標準で組み込まれています。

それが「**Microsoft ファミリーセーフティ**」です。

この記事ではこのファミリーセーフティ機能の中核である「**スクリーンタイム**」の設定方法を、基本的な使い方から専門家ならではの一歩踏み込んだ管理術まで、日本一詳しいレベルで徹底解説します。

この記事を読み終える頃には単なる「時間制限」を超えた、お子様の健全なデジタル市民性(デジタル・シティズンシップ)を育むための最高のパートナーとしてWindows 11を使いこなせるようになっているはずです。

スクリーンタイムは家族のデジタル習慣を育む「対話型」管理ツールである

Windows 11におけるスクリーンタイム機能は、単に子供のパソコン利用を一方的に制限するための監視ツールではありません。

その本質は保護者と子供がデジタルデバイスとの健全な付き合い方を共に考え、ルールを作り、そして時には柔軟に見直していくための「コミュニケーションプラットフォーム」です。

Microsoftファミリーセーフティという包括的なサービスの一部として提供されるこの機能は、デバイスの利用時間からアプリやゲームごとの制限、さらには不適切なコンテンツからの保護まで、多岐にわたる設定をクラウドベースで一元管理することを可能にします。

この章ではスクリーンタイムがなぜ現代の家庭に不可欠なのか、その背景にある思想と機能の全体像を深く理解していきます。

デジタルウェルビーイングという考え方

私たちはかつてないほどデジタルデバイスに囲まれた生活を送っています。

その恩恵は計り知れませんが、一方で過度な利用は心身の健康に様々な影響を及ぼす可能性も指摘されています。

このデジタル技術と心身の健康的な関係性を指す言葉が「**デジタルウェルビーイング**」です。

スクリーンタイム機能はまさにこのデジタルウェルビーイングを家庭内で実現するために設計されています。

「何時間使ったか」という量的な管理だけでなく、「何に時間を使っているか」という質的な側面にも目を向けることを促します。

アクティビティレポートを通じて子供が何に興味を持っているのかを把握し、それをきっかけに会話を始めることができます。

例えば「このゲームがそんなに面白いんだね。どんなところが好きなの?」といった対話は、一方的な禁止よりも遥かに建設的な関係を築く上で役立つのです。

Microsoftファミリーセーフティの生態系

スクリーンタイムは単独で存在する機能ではありません。

Microsoftが提供するクラウドベースの包括的な安全管理サービス「**Microsoftファミリーセーフティ**」という大きな生態系の一部です。

これにより一度設定を行えば、同じMicrosoftアカウントでサインインしている全てのWindows 11 PC、Xboxコンソール、さらにはAndroidデバイス(専用アプリのインストールが必要)にまで、そのルールを一貫して適用することができます。

家にいる時はPCで、外出先ではスマートフォンで、といったように子供がどのデバイスを使おうとも、家族で決めたルールがシームレスに守られるのです。

このクロスデバイスでの一元管理能力こそが、Microsoftファミリーセーフティの最大の強みの一つと言えるでしょう。

スクリーンタイム管理の基盤は盤石な「ファミリーグループ」の構築から始まる

Windows 11の強力なスクリーンタイム機能を最大限に活用するための絶対的な前提条件。

それは保護者と子供のMicrosoftアカウントを「**ファミリーグループ**」という一つの単位として、正しくそして安全に紐付けることです。

この最初の設定を正確に行うことで、初めて全ての管理機能が意図通りに機能し始めます。

この章ではその最も重要で基本的なファミリーグループの作成とメンバーの管理方法について、上級者でも見落としがちなポイントを含めて解説します。

ファミリーグループの役割:管理者とメンバー

ファミリーグループは役割の異なる二種類のメンバーで構成されます。

  • 管理者(オーガナイザー): 通常は保護者のアカウントがこれにあたります。ファミリーグループの作成、メンバーの招待、そして各メンバーのスクリーンタイムやコンテンツフィルターといった全ての制限設定を管理する権限を持ちます。
  • メンバー: 通常は子供のアカウントがこれにあたります。管理者が設定したルールの中でデバイスを利用します。時間延長のリクエストなどを管理者に送信することができます。

一つのファミリーグループには複数の管理者と複数のメンバーを所属させることが可能です。

例えば両親を管理者として設定し、兄弟それぞれをメンバーとして管理するといった運用ができます。

【実践】ファミリーグループの作成とメンバーの追加

ファミリーグループの管理はWindowsの設定画面からではなく、専用のWebサイトまたはWindowsに標準搭載されている「ファミリー」アプリから行います。

  1. ファミリーセーフティサイトへのアクセス: WebブラウザでMicrosoftファミリーセーフティの公式サイトにアクセスし、管理者となる保護者のMicrosoftアカウントでサインインします。
  2. ファミリーグループの作成: まだグループを作成していない場合「ファミリーグループを作成」ボタンが表示されるのでクリックします。
  3. メンバーの追加: 「ファミリーメンバーを追加」を選択します。ここで子供のメールアドレスまたは電話番号を入力して招待を送信します。
  4. 役割の選択: 招待する際にそのアカウントの役割を「メンバー」または「管理者」から選択します。お子様の場合は必ず「メンバー」を選択してください。
  5. 招待の承諾: 招待された子供側のアカウントでメールなどを確認し、ファミリーグループへの参加を承諾します。このプロセスを経て初めて親子のアカウントが正式に紐付けられます。

もしお子様がまだMicrosoftアカウントを持っていない場合は、このメンバー追加のプロセスの中で新しく子供用のアカウントを作成することもできます。

その際、生年月日を正確に入力することが年齢に応じた適切なコンテンツフィルターを自動で適用する上で非常に重要になります。

デバイス全体の利用時間は曜日ごとに「時間枠」と「合計時間」で柔軟に設定する

ファミリーグループの構築が完了したら、いよいよ具体的な時間制限の設定に入ります。

スクリーンタイムの最も基本的な機能は、PCやXboxといったデバイス全体の利用をコントロールすることです。

Windows 11のファミリーセーフティでは、「**いつからいつまで使って良いか(時間枠)**」と、「**合計で何時間使って良いか(利用時間の上限)**」という二つの異なるアプローチを曜日ごとにきめ細かく設定できるのが特徴です。

これにより「平日は学校から帰ってきて夕食後の1時間だけ」「週末は昼間に少し長く遊んでも良い」といった家庭のライフスタイルに合わせた柔軟なルール作りが可能になります。

時間枠の設定:PCを使って良い時間帯を定める

「時間枠」の設定は「この時間帯以外はPCにサインインできなくする」という最も分かりやすい制限です。

Microsoftファミリーセーフティの管理画面から対象の子供のアカウントを選択し、「スクリーンタイム」の項目に進みます。

「デバイス」タブの中に曜日ごとのスケジュールが表示されます。

例えば月曜日から金曜日までの平日に対して、利用可能な時間枠を「18:00から20:00まで」と設定すれば、子供はその2時間の間しかデバイスにサインインすることができなくなります。

時間外にサインインしようとすると「時間です」というメッセージが表示され、それ以上進むことができません。

利用時間の上限設定:合計利用時間を定める

時間枠の設定に加えてさらに合計利用時間を制限することもできます。

先ほどの例で平日の時間枠を「18:00から20:00まで」と設定した上で、さらに利用時間の上限を「1時間」と設定したとします。

この場合、子供は18時から20時までの間に合計で1時間デバイスを使用すると、たとえまだ20時になっていなくてもその時点で自動的にロックアウトされます。

これにより「夜更かしを防ぐ」という目的と「長時間の連続使用を防ぐ」という二つの目的を同時に達成することができるのです。

もちろん時間枠を設けずに「1日合計2時間まで」といったシンプルな上限時間だけを設定することも可能です。

クロスデバイスでの時間統合

スクリーンタイム設定画面の上部にある「すべてのデバイスで1つのスケジュールを使用する」というスイッチをオンにすると、設定した時間制限がその子供が使用する全てのWindows PCとXboxで合算してカウントされるようになります。

例えば上限時間を2時間に設定した場合、PCで1時間、Xboxで1時間プレイすると合計で2時間と見なされ、両方のデバイスがロックされます。

これにより子供がデバイスを使い分けることで時間制限をすり抜けることを防ぎます。

アプリとゲームの個別管理でデジタルライフの「質」を高める

全てのPC利用時間を一律に制限するだけでは、本当に価値のある教育的なアプリや創造的な活動まで阻害してしまう可能性があります。

スクリーンタイム機能の真価は、デバイス全体の使用時間とは別に**特定のアプリやゲームごとに個別の時間制限を設定できる**点にあります。

これにより例えば「学習ソフトは時間無制限で使って良いが、特定のゲームは1日1時間まで」といった利用の「質」に注目した、メリハリのあるインテリジェントな管理が可能になるのです。

アクティビティレポートの活用

どのアプリにどれくらいの時間を費やしているかを正確に把握することが個別管理の第一歩です。

ファミリーセーフティの管理画面にある「概要」セクションでは子供の週ごとのアクティビティレポートを確認することができます。

このレポートには最もよく使われたアプリやゲーム、閲覧したWebサイト、検索したキーワードなどが詳細にリストアップされています。

この客観的なデータを基に親子で「少しこのゲームの時間が長いかもしれないね」といった具体的な話し合いをすることができます。

アプリとゲームの制限設定

スクリーンタイムの設定画面で「アプリとゲーム」タブに切り替えると、子供が最近使用したアプリやゲームが一覧で表示されます。

ここで時間制限を設けたいアプリ(例えば特定のゲーム)を選択し、曜日ごとに個別の利用時間上限を設定することができます。

この制限時間はデバイス全体の利用時間とは独立してカウントされます。

例えばデバイス全体の制限時間を「2時間」、特定のゲームの制限時間を「1時間」とした場合、子供がそのゲームを1時間プレイするとゲームは起動できなくなりますが、デバイス全体の残り時間(1時間)を使って他のアプリ(Webブラウザや他のゲームなど)を使用することは依然として可能です。

「常に許可」と「常にブロック」の戦略的活用

アプリごとの設定には時間制限だけでなく、「常に許可」または「常にブロック」という強力なオプションも存在します。

  • 常に許可: このリストに追加されたアプリは、デバイス全体のスクリーンタイムが上限に達していても常に使用することができます。オンライン学習用のソフトウェアや辞書アプリ、家族とのコミュニケーションツールなどをここに登録しておくことで子供の有益な活動を妨げることがありません。
  • 常にブロック: このリストに追加されたアプリは時間に関係なく一切起動することができなくなります。不適切と判断したゲームやSNSアプリなどを完全に利用禁止にしたい場合に使用します。

これらの機能を戦略的に組み合わせることで、画一的な制限ではない個々の子供の成長段階や家庭の方針に合わせたオーダーメイドのデジタル環境を構築することができます。

上級管理術を駆使すればあらゆる状況に対応し回避の試みすら防ぐことができる

Microsoftファミリーセーフティは非常に強力ですが、抜け道を探そうとする好奇心旺盛な子供や予期せぬシステムの不具合によって意図通りに機能しない場面に遭遇することもあります。

しかしご安心ください。

Windowsのより深い階層の知識や管理者としての適切な対処法を知っていれば、これらの問題のほとんどは解決可能です。

この章ではスクリーンタイムが機能しない場合のトラブルシューティングから、子供による回避の試みを未然に防ぐためのプロフェッショナルなテクニックまで、一歩踏み込んだ上級者向けの管理術を解説します。

スクリーンタイムが機能しない時のチェックリスト

時間制限が正しく適用されない場合、パニックにならず以下の項目を一つずつ冷静に確認してください。

  1. アカウントの同期状態: 子供が使用しているPCで本当に対象の子供アカウントでサインインしているか、またそのアカウントがインターネットに接続されMicrosoftのサーバーと正しく同期しているかを確認します。設定の変更がPCに反映されるまでには若干のタイムラグが生じることがあります。
  2. OSのアップデート: 保護者と子供両方のPCが最新のWindows Updateを適用していることを確認します。古いバージョンのOSではファミリーセーフティ機能が正しく動作しない場合があります。
  3. Microsoftアカウントの確認: 子供のアカウントの「本人確認」が完了しているかを確認します。セキュリティ上の理由から本人確認が済んでいないアカウントには一部の機能が制限されることがあります。
  4. ファミリーセーフティからの再参加: 一時的なアカウントの紐付け不具合の可能性があります。一度ファミリーグループから子供のアカウントを削除し、再度招待・参加プロセスを行うことで問題が解決する場合があります。

回避の試みを防ぐための管理者設定

知識のある子供はシステムの時刻設定を変更することで時間制限を回避しようとすることがあります。

これを防ぐには子供のアカウントを管理者権限のない「**標準ユーザー**」にしておくことが絶対的に重要です。

標準ユーザーはシステムの時刻変更やセキュリティソフトの無効化、そしてファミリーセーフティ機能に関連するシステムファイルの変更といった重要な操作を行うことができません。

アカウントの種類は「設定」→「アカウント」→「家族」から確認・変更できます。

さらにPCのUEFI/BIOS(PCのハードウェアを制御する基本プログラム)設定画面に入り管理者パスワードを設定しておくことで、子供がUEFI/BIOSレベルで時刻を変更することも防ぐことができます。

ローカルグループポリシーの活用(最上級者向け)

より厳格なシステム管理を求める最上級者向けの情報として、「**ローカルグループポリシーエディター**(gpedit.msc)」の活用が挙げられます。

これはWindowsのあらゆる動作を非常に細かく制御するための管理ツールです。

例えばグループポリシーを使用すれば「コントロールパネル」へのアクセスを完全に禁止したり、「設定」アプリの特定の項目(時刻と言語など)を非表示にしたりといった極めて強力な制限をユーザーアカウント単位で課すことができます。

これにより子供がスクリーンタイム設定を回避するために利用する可能性のあるあらゆるシステム変更の抜け道を原理的に塞ぐことが可能です。

ただしこのツールの設定はシステム全体に大きな影響を及ぼすため、各ポリシーの意味を完全に理解した上で自己責任で慎重に操作する必要があります。

まとめ

本記事ではWindows 11の「スクリーンタイム」機能について、その根底にある思想から具体的な設定手順、さらにはプロフェッショナルな上級管理術に至るまで包括的にそして深く掘り下げてきました。

この機能は単なるデジタルな手錠ではなく、親子でデジタルデバイスとの健康的な関係を築くための最高の対話ツールとなり得ます。

  1. 思想を理解する:スクリーンタイムは「監視」ではなく「対話」のツールです。アクティビティレポートを基に子供の興味関心について話し合う機会を持ちましょう。
  2. 基盤を固める:全ての管理は保護者と子供のアカウントを「ファミリーグループ」として正しく紐付けることから始まります。
  3. 時間をデザインする:「時間枠」と「合計時間」を組み合わせ家庭のライフスタイルに合わせた柔軟なルールを曜日ごとに設定しましょう。
  4. 質に注目する:アプリとゲームを個別に管理し学習アプリは「常に許可」、特定のゲームには時間制限といったメリハリのある設定で有益な活動を奨励しましょう。
  5. 回避策を封じる:子供のアカウントは必ず「標準ユーザー」に設定し、時刻変更などの抜け道を原理的に塞ぐことが安定した運用の鍵です。

テクノロジーは私たちの生活を豊かにしますが、同時に新しい課題ももたらします。

Windows 11のスクリーンタイム機能を深く理解し賢く活用することで、その課題を乗り越えお子様がデジタル社会を安全にそして創造的に生き抜くための揺るぎない土台を築いてあげてください。

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