
Macのストレージ管理:スペースを空けるコツ
MacOSのお役立ち情報

この記事の最終更新日:2025年7月1日

私のMacBook、最近「起動ディスクの空き領域がありません」っていう警告が頻繁に出てきて困っているんです。
そんなに大きなファイルを保存した覚えはないんですけど、ストレージ設定を見てみたら、「システムデータ」っていう灰色の項目が、ものすごく容量を占めていて…。
これって一体何なのか、そしてどうすれば安全に削除できるのか、全然分からなくて途方に暮れています。

そのお悩み、Macユーザーなら誰もが一度は直面する、非常に根深い問題ですよね。
謎の「システムデータ」にストレージを占領されてしまう、あの現象です。
ご安心ください。
その正体と、安全に“大掃除”する方法は、ちゃんと存在するんです。
今日は、Macのストレージがなぜ一杯になるのか、その根本原因から、macOSに標準搭載されている管理機能の効果的な使い方、そしてプロが実践する、キャッシュやスナップショットといった「システムデータ」の正体を突き止めて、安全に削除するための高度なテクニックまで、日本一詳しく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、あなたは数十ギガバイトもの空き容量を取り戻し、Macを再び快適に使えるようになっていますよ。
【診断編】なぜMacのストレージは一杯になるのか? - 「システムデータ」の謎
具体的な整理術に進む前に、まずはあなたのMacのストレージが、一体「何」によって占められているのかを、正確に把握することから始めましょう。
ストレージ使用状況の確認方法
画面左上のアップルメニュー()から「このMacについて」を選択し、表示されたウィンドウで「詳細情報」ボタンをクリックします。
次に、左側のメニューから「ストレージ設定」を選ぶと、お使いのMacのストレージが、カラフルなバーで視覚的に表示されます。
「アプリケーション」「書類」「写真」といった分かりやすい項目に並んで、多くの場合、かなりの割合を占めているのが、灰色の**「システムデータ」**や、白黒模様の**「macOS」**といった項目です。
【最重要】謎の領域「システムデータ」の正体を暴く
この「システムデータ」こそが、多くのユーザーを悩ませる、ストレージ肥大化の元凶です。
これは、単一のファイルではなく、macOSが正常に動作するために、あるいはユーザー体験を向上させるために、一時的に作成・保存している、様々なファイルの“寄せ集め”なのです。
その主な内訳は、以下の通りです。
- ・1. キャッシュファイル:
アプリケーションやシステムが、次回の動作を高速化するために作成する一時的なデータです。
Webブラウザのキャッシュ、アプリのキャッシュ、システムのキャッシュなどが含まれます。
本来は自動で管理されるはずですが、時に肥大化して、ストレージを圧迫します。
- ・2. Time Machineのローカルスナップショット:
Time Machineでバックアップを取っているMacが、外付けドライブに接続されていない時に、安全のために一時的に内蔵ストレージ上に作成する、バックアップのコピーです。
これが、知らず知らずのうちに、数十GB単位で溜まっていることがあります。
- ・3. 古いiOS/iPadOSのバックアップ:
過去に、Finder(またはiTunes)を使ってiPhoneやiPadのバックアップをMac内に作成した場合、その巨大なバックアップファイルが、忘れ去られたままストレージを占有しているケースです。
- ・4. 仮想マシンのファイルやディスクイメージ:
Parallels Desktopなどの仮想化ソフトを使っている場合、Windowsなどをインストールした仮想マシンのファイルは、非常に大きなサイズになります。
- ・5. その他の一時ファイルやログファイル:
アプリケーションが作業中に作成する一時ファイルや、システムの動作記録であるログファイルなども、ここに分類されます。
これから紹介するテクニックは、これらの「システムデータ」の正体を一つずつ突き止め、安全に削除していくプロセスでもあります。
【初級編】macOS標準機能で、安全にスペースを確保する
まずは、Appleが公式に用意してくれている、誰でも安全に使えるストレージ管理機能から試していきましょう。
「ストレージ設定」画面に表示される、いくつかの「おすすめ」項目を実行するだけです。
1. 「iCloudに保存」- クラウドを第二のストレージとして活用
これは、「デスクトップ」と「書類」フォルダにあるすべてのファイルを、iCloud Driveに保存し、Mac上には必要に応じてダウンロードする、という設定です。
また、「写真」アプリのライブラリも、オリジナルはiCloudに保存し、Mac上には最適化された小さなサイズの写真を残すようになります。
これにより、ローカルストレージの容量を大幅に節約できますが、**有料のiCloud+ストレージプラン(50GB、200GB、2TBなど)への加入が、実質的に必須**となる点には注意が必要です。
2. 「ストレージを最適化」- 不要なメディアファイルを自動削除
この機能を有効にすると、Apple TVアプリで一度視聴した映画やテレビ番組が、自動的にMacから削除されるようになります。
また、「メール」アプリで、最近受信した添付ファイルのみをダウンロードし、古いものは必要な時にサーバーからダウンロードするようになります。
設定しておいて損はない、便利な自動お掃除機能です。
3. 「ゴミ箱を自動的に空にする」- 30日ルールでクリーンに
これも、有効にしておくと便利な機能です。
ゴミ箱に移動したファイルが、30日以上経過すると、自動的に完全に削除されるようになります。
ゴミ箱にファイルを溜め込んでしまい、空にするのを忘れがちな方におすすめです。
4. 「不要なファイルを削除」- 大容量ファイルや古いアプリを発見
この項目をクリックすると、Mac内のファイルを分析し、「サイズが大きいファイル」「ダウンロード」「サポートされていないアプリ」といったカテゴリで、不要なファイルの候補を一覧表示してくれます。
特に「サイズが大きいファイル」の一覧は、自分が忘れていた、過去の巨大な動画ファイルなどを見つけ出すのに、非常に役立ちます。
ここから、不要なファイルを選択し、直接削除することが可能です。
【中級・上級編】手動でのディープクリーニング術
macOSの標準機能だけでは削除しきれない、より深い階層の不要ファイルを、手動で削除していく、プロ向けのテクニックです。
特に「ライブラリ」フォルダ内のファイルを操作する際は、その意味を完全に理解し、必ず自己責任のもとで、慎重に行ってください。
操作に少しでも不安がある場合は、無理せず私たちのような専門家にご相談ください。
1. キャッシュファイルの安全な削除
キャッシュは、アプリの動作を高速化するためのものですが、時に肥大化し、不具合の原因ともなります。
Finderを開き、メニューバーの「移動」をクリックしながら`Option`キーを押すと表示される「ライブラリ」を選択します。
この「ライブラリ」フォルダの中に、**「Caches」**というフォルダがあります。
一般的に、この「Caches」フォルダの**中身のファイルやフォルダは、すべて削除しても問題ありません。**
アプリケーションは、次回起動時に、必要なキャッシュを自動で再生成します。
ただし、「Caches」フォルダ自体は削除しないでください。
すべてを選択(`⌘+A`)し、ゴミ箱に移動させ、再起動することで、数GBの空き容量が確保できることがあります。
2. Time Machineローカルスナップショットの管理と削除
これが、「システムデータ」肥大化の、最も一般的な原因の一つです。
Time Machineは、外付けのバックアップディスクが接続されていない時でも、安全のために、過去24時間分、あるいは変更があった時点のバックアップ(スナップショット)を、内蔵ストレージに一時的に作成しています。
これ自体は非常に優れた機能ですが、ストレージ容量が逼迫している際には、手動で削除することができます。
【ターミナルを使った削除手順】
「アプリケーション」→「ユーティリティ」にある「ターミナル.app」を起動し、以下のコマンドを実行します。
-
1. スナップショットの一覧表示:
tmutil listlocalsnapshots /
これを入力すると、`com.apple.TimeMachine.2025-07-01-123456.local`といった形式で、保存されているスナップショットの一覧が表示されます。
-
2. スナップショットの削除:
sudo tmutil deletelocalsnapshots 2025-07-01-123456
`sudo`コマンドの後、上記で表示された日付部分を指定して実行します。
管理者のパスワードを求められるので、入力してください。
これにより、指定したスナップショットが削除されます。
3. 古いiOS/iPadOSのバックアップファイルの削除
過去に使っていたiPhoneやiPadのバックアップが、Mac内に眠っていませんか?
Finderのサイドバーからお使いのiPhoneなどを選択し、「バックアップを管理」ボタンをクリックすると、Mac内に保存されているバックアップの一覧が表示されます。
もう必要のない、古いデバイスのバックアップは、一つで数十GB以上あることも珍しくありません。
不要なものを選択し、削除しましょう。
あるいは、Finderの「移動」→「フォルダへ移動」で、以下のパスを入力しても、バックアップフォルダに直接アクセスできます。
`~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/`
【最終手段】サードパーティ製ツールの活用
手動での操作に自信がない、あるいは、もっと効率的にクリーニングを行いたい、という場合には、サードパーティ製のMac用メンテナンスアプリを活用するのも一つの手です。
ディスクアナライザ(DaisyDiskなど):
Mac内のストレージ使用状況を、美しく、そして直感的な円グラフ(サンバーストチャート)で可視化してくれるアプリです。
どのフォルダが、どのファイルが、どれだけの容量を占めているのかが一目瞭然となるため、不要な大容量ファイルを見つけ出すのに、絶大な威力を発揮します。
Macクリーナー(CleanMyMac Xなど):
この記事で紹介したような、各種キャッシュのクリア、不要な言語ファイルの削除、大容量ファイルのスキャンといった作業を、ボタン一つで、安全かつ自動的に実行してくれる、統合メンテナンスツールです。
ただし、この種のアプリには、悪質なものも存在するため、必ず長年の実績と信頼のある、定番のアプリケーションを選ぶようにしてください。
まとめ - ストレージ管理は、Macとの対話であり、健康管理である
Macのストレージ容量不足は、多くのユーザーを悩ませる問題ですが、その原因と対処法を正しく理解すれば、決して恐れる必要はありません。
- 1. まず現状を把握する:
「ストレージ設定」画面で、何が容量を圧迫しているのか、その全体像を把握することから始めましょう。
- 2. OSの標準機能を活用する:
Appleが用意してくれている「ストレージ管理」のおすすめ機能は、安全かつ効果的です。
まずは、ここから試すのが基本です。
- 3. 「システムデータ」の正体を暴く:
キャッシュ、Time Machineローカルスナップショット、古いiOSバックアップといった、「システムデータ」の肥大化の原因を、一つずつ、そして慎重に、手動でクリーニングしていきましょう。
- 4. 習慣化する:
ストレージ管理は、一度やれば終わり、というものではありません。
定期的にMacの「健康診断」を行い、不要なファイルを整理する習慣をつけることが、快適な環境を維持するための、何よりの秘訣です。
あなたのMacのストレージをクリーンに保つことは、単に空き容量を確保するだけでなく、Mac全体のパフォーマンスを安定させ、あなた自身の仕事や創造活動の効率を高める、非常に重要なメンテナンス作業なのです。
もし、ご自身での操作に不安がある、あるいは、プロの手による完璧なクリーンアップと最適化をご希望でしたら、いつでもお気軽に、私たちにご相談ください。
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