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2024.8.4

Macのウイルス対策:安全な使用のためのガイド

MacOSのお役立ち情報

この記事の最終更新日:2025年7月6日

悩む女性

「Macは安全で、ウイルスに感染しないから、対策ソフトは要らないよ」って、ずっと思っていたんです。
でも最近、ブラウザに変な広告が頻繁に出たり、動作が少し遅くなったりして、もしかして、私のMacもウイルスに感染してしまったんじゃないかって、すごく不安で…。
本当に、Macって、何もしなくても大丈夫なんでしょうか?

解説する男性

そのご心配、そして、その鋭い観察眼、素晴らしいです。
残念ながら、「Macはウイルスに感染しない」というのは、もはや過去の、そして、現代においては、非常に危険な「神話」なんです。
ご安心ください。
あなたのMacには、Appleが長年かけて築き上げてきた、非常に強力で多層的な、標準のセキュリティ機能が備わっています。
そして、万が一、不審なソフトウェアが侵入してしまったとしても、それを検知し、駆除するための、正しい手順が存在します。
今日は、なぜMacもウイルス対策が必要なのか、その理由から、macOSに内蔵された防衛システムの仕組み、そして、あなた自身でできる、具体的な脅威の診断と駆除の方法まで、日本一詳しく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、あなたはMacのセキュリティに対する、正しい知識と、自信を、手に入れているはずです。

【思想】「Macは安全」神話の終焉と、現代の脅威

具体的な対策に入る前に、まず、なぜ「Macは安全」という神話が生まれ、そして、なぜそれが、現代において、通用しなくなったのかを理解しましょう。

なぜ、かつてMacは安全だったのか?

かつて、世界のPC市場は、Windowsが9割以上を占めていました。

ウイルスやマルウェアを作成する攻撃者にとって、市場シェアの小さいMacを狙うことは、費用対効果が悪く、魅力的なターゲットではなかったのです。

その結果、Mac向けのマルウェアの数は、Windowsに比べて、圧倒的に少なく、そのことが「Macは安全」というイメージを形成しました。

なぜ、今、Macが狙われるのか?

しかし、iPhoneやiPadの爆発的な成功により、Apple製品は世界中に普及し、そのブランド価値は、かつてないほど高まりました。

それに伴い、攻撃者にとって、Macユーザーは、金銭的な価値を持つ、非常に魅力的なターゲットへと変わったのです。

現在では、Macユーザーの個人情報や、Apple ID、クレジットカード情報を盗み出すことを目的とした、Mac専用のマルウェアが、数多く開発・配布されています。

Macを標的とする、主なマルウェアの種類

  • アドウェア:

    最も一般的な脅威です。

    ブラウザに、偽の広告や、ポップアップを強制的に表示させたり、検索エンジンを、怪しげなものに書き換えたりします。

  • PUPs (潜在的に迷惑なプログラム):

    「あなたのMacは危険に晒されています!」といった偽の警告を表示し、有償版の購入を促す、悪質な「Macクリーナー」や「オプティマイザ」といったソフトが、これにあたります。

  • スパイウェア / キーロガー:

    バックグラウンドで、あなたのキーボード入力や、Webの閲覧履歴を記録し、外部のサーバーに送信します。

    IDやパスワード、銀行の暗証番号などが盗まれる、非常に危険なマルウェアです。

  • トロイの木馬:

    一見すると、便利なフリーソフトや、動画再生プラグイン(Adobe Flash Playerの偽物など)を装い、ユーザーに、自らの手でインストールさせるタイプのマルウェアです。

    インストールされた後、バックドア(裏口)を作り、PCを乗っ取ります。

  • ランサムウェア:

    最も凶悪なマルウェアです。

    あなたのMac内の、すべての写真や、書類といった、大切なファイルを、勝手に強力な暗号でロックし、その解除と引き換えに、高額な身代金を要求します。

【第1の壁】Appleの「多層防御」- macOSに内蔵された免疫システム

これらの脅威に対し、Appleは、ハードウェアからソフトウェアに至るまで、幾重にもわたる、非常に強力な「多層防御」システムを、macOSに標準で組み込んでいます。

1. Gatekeeperとアプリの公証 - 不審なアプリを、水際でブロックする「門番」

Gatekeeper(ゲートキーパー)は、あなたが、悪意のあるソフトウェアを、意図せずインストールしてしまうのを防ぐための、最初の、そして最も重要な防衛ラインです。

「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」で、アプリケーションのダウンロード元の許可を「App Storeと確認済みの開発元からのアプリケーション」に設定しておくことで、Appleによる審査と、マルウェアスキャン(公証)をクリアした、信頼できるソフトウェアしか、あなたのMacでは実行できなくなります。

2. XProtectとMRT - あなたが知らないところで働く「沈黙の番人」

実は、macOSには、あなたが意識しないところで、常にマルウェアの侵入を監視している、2つのセキュリティ機能が内蔵されています。

**XProtect**は、既知のマルウェアの「指名手配書」リスト(定義ファイル)を持っており、あなたがファイルをダウンロードしたり、アプリを起動したりする際に、そのファイルがリストに載っていないかを自動でチェックします。

**MRT (Malware Removal Tool)**は、もし万が一、システム内にマルウェアが侵入してしまった場合に、それを検知し、自動的に駆除するためのツールです。

これらは、ユーザーが操作することなく、バックグラウンドで静かにあなたを守り続けています。

3. SIP (System Integrity Protection) - OSの根幹を守る、難攻不落の「城壁」

これは、Macのセキュリティの、根幹をなす、非常に強力な保護機能です。

SIP(シップ)は、たとえ管理者権限を持つユーザーであっても、OSの最も重要なシステムファイルや、フォルダを、変更・削除することを、**OSレベルで、完全に禁止**します。

これにより、万が一マルウェアがPCに侵入したとしても、それがOSの根幹部分に感染し、システム全体を乗っ取る、という最悪の事態を防ぎます。

このSIPの存在こそが、Macが、Windowsに比べて、本質的に、ウイルスに対して、より強い耐性を持つ、大きな理由の一つなのです。

【第2の壁】サードパーティ製ウイルス対策ソフトは、Macに必要か?

この問いは、長年にわたり、Macユーザーの間で、議論の的となってきました。

2025年現在の、私たちプロとしての見解は、以下の通りです。

ほとんどのユーザーには「不要」である

結論から言うと、**一般的な使い方をしている、ほとんどのMacユーザーにとって、高価なサードパーティ製のウイルス対策ソフトは、もはや「不要」**です。

前述した、macOSの強力な標準セキュリティ機能を有効にし、ソフトウェア・アップデートを常に最新の状態に保ち、そして、App Storeや、信頼できる開発元からのみ、アプリをインストールする、という、基本的なルールを守っている限り、マルウェアに感染するリスクは、極めて低いと言えます。

むしろ、一部の、作りの悪いウイルス対策ソフトは、Macの軽快な動作を妨げたり、OSのアップデートと競合して、不具合を引き起こしたりする、といったデメリットの方が、大きい場合さえあります。

しかし、「あった方が良い」ユーザーも存在する

一方で、以下のような、特定のユーザーにとっては、追加のセキュリティソフトが、さらなる「安心感」をもたらす、有効な選択肢となり得ます。

  • 1. ハイリスクな行動を取るユーザー:

    公式サイト以外から、安易にソフトウェアをダウンロードしたり、P2Pファイル共有ソフトを使ったりと、マルウェアとの遭遇確率が、本質的に高い使い方をするユーザー。

  • 2. Windowsユーザーと、頻繁にファイルをやり取りするユーザー:

    Macには無害でも、Windows環境ではウイルスとして活動するファイルを、自分が感染源となって、意図せず、同僚や取引先に広めてしまう、というリスクを防ぎたい場合。

  • 3. 究極の「安心感」を求めるユーザー:

    技術的な防御策に加え、既知の脅威に対する、もう一つの「目」を持つことで、精神的な安心感を得たい、と考えるユーザー。

もし、サードパーティ製のソフトを導入する場合は、AV-TESTなどの、独立した評価機関で、常に高い評価を得ている、実績のある、信頼できる製品(例えば、Malwarebytes for Macなど)を選びましょう。

【第3の壁】あなた自身が、最強のセキュリティ対策である

どんなに強力なOSの保護機能や、ウイルス対策ソフトを導入しても、最終的に、マルウェアの侵入を許してしまうのは、私たちユーザー自身の、ほんの少しの油断です。

「感染したかも?」と思った時の、診断と駆除の手順

もし、あなたのMacに、不審なポップアップが頻繁に表示されたり、動作が急に遅くなったり、といった、感染の兆候が見られた場合は、以下の手順で、診断と駆除を試みてください。

  1. 1. 不審なアプリと、ブラウザ機能拡張を確認する:

    「アプリケーション」フォルダや、お使いのブラウザの「機能拡張」設定に、インストールした覚えのない、怪しいものがないかを確認し、あれば削除します。

  2. 2. アクティビティモニタで、怪しいプロセスを探す:

    「アクティビティモニタ」を起動し、CPUやメモリを、異常に消費している、見慣れない名前のプロセスがないかを探します。

  3. 3. ログイン項目と、起動エージェントを確認する(上級者向け):

    マルウェアの多くは、Macの起動時に、自動で立ち上がるように、設定されています。

    「システム設定」→「一般」→「ログイン項目」を確認します。

    さらに、Finderの「移動」→「フォルダへ移動」で、以下のフォルダを確認し、怪しいファイルがないかを探します。

    ~/Library/LaunchAgents
    /Library/LaunchAgents
    /Library/LaunchDaemons
  4. 4. 信頼できるマルウェアスキャナを実行する:

    前述の「Malwarebytes for Mac」には、無料で利用できる、高性能なスキャン機能があります。

    これをダウンロードし、システム全体のスキャンを実行することで、多くの一般的なMac向けアドウェアやマルウェアを、検知・駆除できます。

  5. 5. 究極の解決策「OSのクリーンインストール」:

    もし、これらの方法でも、不審な挙動が改善されない場合は、Time Machineで重要なデータをバックアップした上で、ディスクを完全に初期化し、macOSをクリーンインストールするのが、最も確実で、完璧な解決策です。

まとめ - Macの安全は、あなたとAppleの「共同作業」である

Macのウイルス対策は、Appleが提供する強固な技術基盤と、私たちユーザー自身の賢明な行動、その二つが組み合わさることで、初めて完璧なものとなります。

  1. 1. 神話を信じない:

    「Macは安全」という言葉を過信せず、Macもまた、マルウェアの標的となり得る、という、現代の常識を、まず受け入れましょう。

  2. 2. Appleの標準機能を信頼し、有効化する:

    Gatekeeperや、XProtect、そしてSIPといった、macOSに内蔵された、強力な多層防御システムが、あなたのMacを、常に静かに守っています。

    OSのアップデートを、常に最新の状態に保つことが、その防御を、最大限に機能させる鍵です。

  3. 3. 最後の砦は「あなた」:

    信頼できないソースから、安易にソフトウェアをインストールしない。

    怪しいメールや、リンクを開かない。

    そして、万が一に備え、常にデータのバックアップを取っておく。

    あなたの賢明な習慣こそが、最高のセキュリティ対策です。

この記事で解説した、正しい知識と、適切な設定、そして、賢明な習慣を身につけることで、あなたのMacは、あなたのプライバシーと、かけがえのないデータを守る、真に信頼できる「要塞」となるのです。

もし、あなたのMacのセキュリティに、少しでも不安な点や、マルウェアの駆除で、専門家の助けが必要だと感じたら、いつでもお気軽に、私たちにご相談ください。

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