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2025.7.7

【緊急】Macが起動しない!「?」マークや黒い画面の時にまず試すべき5つの対処法

MacOSのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年7月14日

質問する若い女性
助けて!Macが起動しません…

今朝、MacBookの電源を入れたら、いつものリンゴのマークではなく、フォルダの真ん中に「?」が点滅している、見たことのない画面が表示されて、そこから先に進まなくなってしまいました。

何度か再起動を試してみたのですが、結果は同じです。

大学の卒業論文の大事なデータが全部この中に入っているのに…と思うと、パニックで頭が真っ白です。

これはもう、完全に壊れてしまったのでしょうか?私のデータはもう取り出せないのでしょうか?

修理に出す前に、何か自分で試せることはありませんか?

解説する博識な男性
PC STORE スタッフ

その画面は、Macユーザーにとって最も心臓に悪い光景の一つですね。お気持ち、痛いほどお察しします。

ですが、どうか深呼吸をして落ち着いてください。その点滅する「?」マークは絶望のサインではありません。それは、あなたのMacがあなたに送っている、非常に的確な「SOS信号」なのです。

その信号の意味は、「私は目覚めましたが、自分の『脳(起動ディスク)』がどこにあるのか見つけられません」というメッセージです。これは多くの場合、ハードディスクの物理的な故障ではなく、OSの論理的な問題や一時的な接続の不具合が原因です。

この記事では、冷静な救急救命士のように、誰でも安全に試せる簡単な応急処置から、macOSに隠された専門的な「修復ツール」を呼び出す方法まで、あなたのMacを蘇生させるための5段階の緊急対応プロトコルを解説します。高い確率で、あなたの大切なデータは無事です。一緒に救出活動を始めましょう。

起動しないMacの哲学:それは「沈黙」ではなく、あなたへの「対話」の試みである

Macが正常に起動しない時、私たちは一方的に突き放されたような絶望感を覚えます。しかし、その沈黙や異常な表示は、実はMacがその内部で何が起きているのかを私たちに伝えようとする必死の「対話」の試みなのです。

点滅する「?」マークは、「起動ディスク(Startup Disk)が見つからない」という明確な論理エラーのメッセージです。Appleロゴが表示されたまま進まないという症状は、「OSの読み込みの途中で問題が発生した」というソフトウェア的な問題の可能性を示唆しています。そして、ファンは回るのに画面が真っ暗なままという症状は、より根源的なハードウェアレベルでの問題を疑わせます。

私たちの仕事は、パニックに陥ることなくこれらのMacからの声なきメッセージを正確に読み解き、適切な「治療法」を体系的に施していくことです。それは、優秀な医師が患者の症状から病因を特定していく診断のプロセスそのものなのです。


5段階の緊急修復プロトコル

これから紹介する5つのステップを、必ずこの順番通りに試してください。簡単な処置から始め、徐々に、より専門的な修復へと進んでいくことが、問題を悪化させずに解決するための最短ルートです。

ステップ1:応急処置 - SMCとNVRAM(PRAM)のリセット

これはMacのあらゆる原因不明の不調に対して、まず最初に試すべき伝統的な応急処置です。ハードウェアの低レベルな設定を一度リフレッシュすることで、一時的な電子的な混乱が解消されることがあります。

【SMC(システム管理コントローラ)のリセット】
SMCは電源、バッテリー、冷却ファンといった物理的なコンポーネントの動作を管理しています。このリセット方法は、**Intel CPUを搭載したMacでのみ有効**です(Apple Silicon搭載Macではこの機能はOSに統合されており、ユーザーが手動でリセットする必要はありません)。

【NVRAM/PRAMのリセット】
NVRAMは、起動ディスクの選択、画面解像度、音量といったOSが起動する前に読み込まれる基本的な設定を記憶しています。「?」マークが表示される症状は、まさにこの「起動ディスクの選択」情報が破損している可能性を示唆しているため、このリセットは特に有効な場合があります。これも**Intel Macでのみ有効な手順**です。Macの電源を入れた直後に、「`Option + Command (⌘) + P + R`」の4つのキーを同時に20秒ほど押し続けてください。これによりNVRAMが初期化され、Macは改めて起動可能なディスクを探し始めます。

ステップ2:診断起動 - セーフモードでの原因切り分け

セーフモードは、Macを必要最小限の機能とドライバーだけで起動させる診断用のモードです。もしセーフモードでMacが正常に起動できるのであれば、問題の原因はハードウェアの故障ではなく、後からインストールしたサードパーティ製のソフトウェア、ログイン項目、あるいは破損したフォントやキャッシュといったソフトウェア的な要因にあると強く推定できます。

セーフモードへの入り方は、Intel MacとApple Silicon Macで異なります。

  • Intel Macの場合: 電源を入れ、すぐに「`Shift`」キーをログイン画面が表示されるまで押し続けます。
  • Apple Silicon Macの場合: 電源ボタンを「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで押し続け、起動ディスクを選択してから「`Shift`」キーを押しながら「セーフモードで続ける」をクリックします。

セーフモードで起動した後は、不要なアプリケーションやログイン項目を削除し、再起動して問題が解決したかどうかを確認します。

ステップ3:手術室への入場 - macOS復旧モードの起動

これまでの手順で問題が解決しない場合、いよいよ、より本格的な修復ツールが格納された特別な起動領域「macOS復旧」モードへと入ります。これも起動方法がCPUの種類によって異なります。

  • Intel Macの場合: 電源を入れた直後に、「`Command (⌘) + R`」をAppleロゴが表示されるまで押し続けます。
  • Apple Silicon Macの場合: 電源ボタンを「起動オプション」が表示されるまで押し続け、歯車のアイコンの「オプション」を選択し、「続ける」をクリックします。

「macOS復旧」ユーティリティのウィンドウが表示されれば、あなたはMacを修復するためのいくつかの強力な武器を手にしたことになります。

ステップ4:修復ツールの実行 - ディスクユーティリティとmacOSの再インストール

macOS復旧の画面に表示されるユーティリティの中から、まず試すべきは「**ディスクユーティリティ**」です。ディスクユーティリティを選択し、左側の一覧からお使いのMacの内蔵起動ディスク(通常は「Macintosh HD」など)を選択します。そして、ツールバーにある「**First Aid**」という機能ボタンをクリックし、「実行」します。First Aidは、ディスクの論理的なファイルシステムの構造にエラーや矛盾がないかをチェックし、もし問題が見つかれば自動で修復を試みます。「?」マークが表示されるトラブルの多くは、このFirst Aidを実行することで解決することがあります。

もしFirst Aidでも問題が解決しない場合、次の選択肢は「**macOSを再インストール**」です。このオプションは、あなたの個人的なデータ(書類、写真など)や設定、アプリケーションを**消去することなく**、macOSのシステム部分だけを新しいものに上書きインストールします。これにより、破損したシステムファイルが原因で起動できなくなっていた問題を解決できる可能性があります。

ステップ5(最終手段):ディスクの完全な初期化とクリーンインストール

これは、他の全てのソフトウェア的な修復方法が尽きた場合の最後の手段です。**このプロセスは、あなたのMac上の全てのデータを完全に消去します。**実行する前には、Time Machineなどによるバックアップが存在していることが絶対的な前提条件となります。

手順は、まずmacOS復旧モードで「ディスクユーティリティ」を起動します。そして、内蔵ディスクを選択し「消去」ボタンをクリックしてディスクを完全にフォーマットします。その後、macOS復旧のメインメニューに戻り、「macOSを再インストール」を選択し、真っさらになったディスクに新しいOSをクリーンインストールします。これにより、ソフトウェアに起因するあらゆる問題は根本的に解決されます。もしこのクリーンインストール後もなおMacが起動しないのであれば、その問題はもはやソフトウェアではなく、SSDやロジックボードといったハードウェアの物理的な故障である可能性が極めて高いと判断できます。


専門医への相談 - DIY修理の限界を知る

これら5つの全てのステップを試しても、なおあなたのMacが目を覚まさない場合、それはもはやあなたが家庭用の救急箱で対処できるレベルの怪我ではありません。マザーボード(ロジックボード)の故障、SSDの物理的な破損、あるいはディスプレイやケーブルの断線といった、専門的な診断と部品交換を必要とする深刻な状態である可能性が高いです。

その際は、いたずらに時間を費やし状況を悪化させる前に、速やかに私たちのようなプロの修理専門店にご相談ください。私たちは、あなたの大切なパートナーと、その中に眠るかけがえのないデータを救い出すための最善の方法をご提案します。

まとめ:Macが起動しない時、あなたは探偵であり、医者である

Macが沈黙した時、絶望の淵で思考を停止させてはいけません。その沈黙の裏にあるメッセージを読み解き、冷静な診断と適切な処置を施す探偵であり、そして医者としてのあなたの能力が試されています。

  1. 症状を見極める: 表示されているのは「?」マークか、それとも林檎マークか、あるいは完全な黒い画面か。その症状が問題の切り分けの第一歩である。
  2. 応急処置を試す: まずはSMCとNVRAMのリセット。この伝統的なおまじないが、多くのIntel Macを奇跡的に蘇らせてきた事実を忘れない。
  3. 診断モードで原因を絞り込む: セーフモードで起動できるか。それがソフトウェアの問題かハードウェアの問題かを見極める大きな分水嶺となる。
  4. 復旧ツールを信頼する: macOS復旧モードは強力な手術室である。「ディスクユーティリティ」のFirst Aidがあなたの最初のメスとなる。
  5. バックアップの価値を再認識する: 最後の手段であるクリーンインストールをためらいなく実行できるという選択肢は、完全なバックアップを持つ者だけに与えられた特権である。

これらの体系的なトラブルシューティングの知識は、あなたのMacとの関わりをより深く、そしてより成熟したものへと変えてくれるはずです。そして、どうか忘れないでください。どんな時でも、私たちプロがあなたの最後のセーフティネットとしてここにいるということを。

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