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2025.9.18

【解決】MacのTime Machineが終わらない・失敗する!“準備中”で止まる原因と、エラーを解消してバックアップを正常化する全手順

MacOSのお役立ち情報

           

記事の最終更新日:2025年9月11日

   
       
            質問するスト子        
       
           
スト子
           

MacのTime Machineでバックアップを取ろうとしているのですが、何時間もずっと「バックアップの準備中…」という表示のまま全く進まないんです。

           

プログレスバーも動かないし、本当に動いているのかどうかさえ分かりません。バックアップは万が一の時の命綱だと思っているので、ちゃんと機能していないとすごく不安です。

           

何か特別な操作をしてしまったのでしょうか?この終わらない「準備中」の状態を安全に解消して、正常にバックアップを完了させるための確実な手順を教えてください。

       
   
   
       
            解説するピー太郎        
       
           
ピー太郎
           

その沈黙の「準備中」、Time Machineが発する最ももどかしいサインですね。バックアップという重要な生命線を確保しようとしている、まさにその最中に起きるからこそ不安も大きいことでしょう。

           

ご安心ください。その現象は多くの場合、Time Machineが「壊れた」わけではありません。それはTime Machineという極めて几帳面な「図書館司書」が、お客様のMacという広大な書庫を巡回し、前回のバックアップ以降に変更された一冊一冊の本を照合している、非常に時間のかかる「目録作成」の作業なのです。

           

そして時として、その司書は破損したファイルという「破れたページ」や、他のソフトからの「干渉」によって足を止めてしまうのです。この記事では、その勤勉な司書の仕事がなぜ止まってしまったのか、その原因を突き止め、再びスムーズに作業を再開させるための、プロが実践する8段階の体系的なトラブルシューティング術を伝授します。

       
   

Time Machineの哲学:それは「複写」ではなく、緻密な「差分の記録」である

Time Machineのトラブルシューティングに入る前に、まずその仕組みの本質を理解しておくことが重要です。Time Machineは単純なファイルのコピー&ペーストではありません。それは、お客様のMacの特定の時点の状態を丸ごと「スナップショット」として記録し、次回のバックアップではそのスナップショットとの「**差分**」(新しく作成されたファイル、変更されたファイル、削除されたファイル)だけを効率的に記録していく、という極めて高度な仕組みで動作しています。

そして問題の「**バックアップの準備中…**」というフェーズこそが、この差分を割り出すための最も重要で、そして最も負荷のかかるプロセスなのです。この段階でTime Machineは、Mac上の全てのファイルをスキャンし、前回のバックアップの記録と一つ一つ比較照合し、変更点のリストを作成しています。

特にOSのメジャーアップデート後や長期間バックアップを取っていなかった後など、変更点のリストが膨大になる場合、この「準備」だけで数時間、あるいはそれ以上かかることも決して珍しくありません。この仕組みを理解し、「待つ」という選択肢を持つこと。それが不要なパニックを避けるための第一歩なのです。


第一章:8段階の緊急対応プロトコル - 簡単なものから順番に

Time Machineの停止したプロセスを安全に、そして確実に再開させるための具体的な8つのステップです。よりリスクの低い方法から始めるのが鉄則です。

【フェーズ1】観察と基本的な確認

ステップ1:まず、ひたすら待つ(特に初回やアップデート後)
前述の通りこれが最も重要です。特に新しいMacでの初回バックアップや、macOSの大型アップデート後の最初のバックアップはシステムの大部分が変更されているため、「準備中」の段階が数時間に及ぶことがあります。可能であれば一晩そのまま放置してみてください。朝には何事もなかったかのようにバックアップが完了しているかもしれません。

ステップ2:物理的な接続と干渉を確認する

  • 接続の確認: バックアップ用の外付けドライブがMacにしっかりと接続されているか、ケーブルを一度抜き差しして確認します。別のUSB/Thunderboltポートに接続してみるのも有効です。
  • ドライブのフォーマット: Time Machine用のドライブは、現在では「APFS」形式でフォーマットされていることが強く推奨されます。
  • 干渉ソフトの確認: ウイルス対策ソフトや他のクラウドストレージ同期ソフト(Dropboxなど)が、Time Machineのスキャンプロセスを妨害している可能性があります。一時的にこれらのソフトを無効にして試してみてください。

【フェーズ2】ソフトウェア的なリセット

ステップ3:バックアップの手動停止と再開
「システム設定」>「一般」>「Time Machine」を開きます。進行中のバックアッププロセスを一度「×」ボタンでキャンセルします。その後バックアップドライブを一度取り外し、再度接続してからメニューバーのTime Machineアイコンから「今すぐバックアップを作成」を選択し、手動でプロセスを再開させてみてください。

ステップ4:Spotlightのインデックス再作成
Time Machineはファイルの変更を検知するために、macOSの検索機能であるSpotlightのインデックスを利用しています。このインデックスが破損していると準備プロセスが終わらなくなることがあります。「システム設定」>「SiriとSpotlight」>「Spotlightのプライバシー」を開き、「+」ボタンで一度あなたのTime Machineバックアップ用ドライブを除外リストに追加します。数分後、再びそのドライブをリストから「-」ボタンで削除します。これによりSpotlightは、そのドライブのインデックスをゼロから再構築し問題が解消される場合があります。

【フェーズ3】より高度な診断と修復

ステップ5:`tmutil`コマンドによる詳細なステータス確認
ここからは少し専門的な領域です。「アプリケーション」>「ユーティリティ」から「ターミナル」を起動し、以下のコマンドを入力してください。

tmutil status

これはTime Machineの現在の状態をGUIよりも詳細に表示するコマンドです。どのフェーズでどれくらいのファイル数を処理しているのか、といった内部的な進捗を確認できます。

ステップ6:ディスクユーティリティによる「First Aid」
問題がMac本体の起動ディスク、あるいはバックアップ用ドライブのファイルシステムの軽微な破損にある可能性も考えられます。「ディスクユーティリティ」を起動し、まずMacの内蔵ディスクに対して「First Aid」を実行します。それが完了したら、次にTime Machine用の外付けドライブに対しても同様に「First Aid」を実行し、論理的なエラーを修復してください。

ステップ7:`.inProgress`ファイルの削除
Time Machineはバックアップの実行中に、「`.inProgress`」という拡張子を持つ一時ファイルを作成します。バックアップが異常終了すると、この破損した一時ファイルが残存し次回のバックアップを妨害することがあります。Time Machineドライブを開き、「`Backups.backupdb`」フォルダの中を探して、この「`.inProgress`」ファイルを手動で削除することで問題が解決する場合があります。

【フェーズ4】最終手段 - バックアップの初期化

【警告】この操作は、これまでにTime Machineで作成した全ての過去のバックアップ履歴を完全に消去します。最後の手段として実行してください。

ステップ8:バックアップドライブの再フォーマット
これまでの全ての手段を尽くしても問題が解決しない場合、バックアップデータそのものが深刻に破損している可能性が高いです。その場合の唯一の解決策は、一度全てをリセットしゼロから新しいバックアップ史を始めることです。「ディスクユーティリティ」を使い、Time Machine用の外付けドライブを完全に「消去」(フォーマット形式は「APFS」を推奨)します。そして、Time Machineの設定でその真っさらになったドライブを改めてバックアップディスクとして指定し直し、全く新しい初回バックアップを開始します。

まとめ:Time Machineの沈黙は、あなたに「忍耐」と「体系的な思考」を教える

Time Machineが「準備中」で停止する問題は、Macユーザーにとって非常に一般的なトラブルです。しかし、その沈黙の裏側で何が起きているのかを理解し、正しい手順で対処すれば決して恐れるに足りません。あなたのデータの守護神との信頼関係を取り戻すための、最後のチェックリストです。

  1. まず「待つ」: アップデート後や初回は数時間かかるのが当たり前。忍耐こそが最初の解決策である。
  2. 干渉を疑う: ウイルス対策ソフトや他の同期ソフトを一時的に停止してみる。
  3. Spotlightを再構築する: Time Machineの頭脳である検索インデックスをリフレッシュさせる。
  4. ディスクを「治療」する: Mac本体とバックアップドライブ、両方の健康診断を「First Aid」で行う。
  5. 最後の手段は「初期化」: 全ての手段が尽きたなら、過去のバックアップ履歴との決別を決断し、新しい歴史を始める勇気を持つ。

そして何よりも覚えておいてください。バックアップは一つだけでなく複数の方法で多層的に行うことこそが、お客様のかけがえのないデータをあらゆるリスクから守り抜く究極の戦略であるということを。

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