
Windows 11アップグレード:必要な準備と手順
Windowsのお役立ち情報

この記事の最終更新日:2025年7月6日

今使っているWindows 10のパソコンに、「Windows 11へのアップグレード」っていう通知が、頻繁に来るんです。
それに、Windows 10のサポートが、もうすぐ終わるっていう話も聞いて、すごく焦っていて…。
でも、OSのアップグレードなんて、なんだかすごく大変そうで、怖いんです。
大事なファイルが消えてしまったり、使っているソフトが動かなくなったりしないか、すごく心配で…。
安全に、そして確実に、Windows 11にアップグレードするための、完全な手順書みたいなものって、ありませんか?

そのご心配、そして、慎重なその姿勢、素晴らしいです。
おっしゃる通り、OSのアップグレードは、PCにとって、いわば「心臓移植」にも等しい、非常に大きな手術です。
何の準備もなしに臨めば、取り返しのつかない事態を招く可能性も、ゼロではありません。
ご安心ください。
しかし、正しい手順で、入念な「術前準備」を行い、そして、最適な「執刀方法」を選べば、その手術は、驚くほど安全に、そして確実に、成功させることができるんです。
今日は、そのための「完璧な手術計画書」として、あなたのPCが、そもそも手術に耐えられるかの「術前診断」から、万が一に備える「保険(バックアップ)」、そして、具体的な「3つの執刀方法」まで、プロの視点から、日本一詳しく、そして分かりやすく解説していきます。
この記事を、あなたの主治医だと思って、頼ってください。
【第1部:診断】あなたのPCは、Windows 11という未来へ進めるか?
まず、最も重要なことから始めましょう。
それは、あなたのPCが、そもそもWindows 11を、公式にサポートしているかどうか、その「資格」を確認することです。
なぜ、Windows 11には「システム要件」があるのか?
Windows 11は、そのセキュリティレベルを、根本から引き上げるために、PCのハードウェアに対して、いくつかの、これまでにない、厳しい最低要件を課しました。
それは、現代の高度なサイバー攻撃に対抗するため、OSだけでなく、ハードウェアレベルからの、多層的な防御を、標準とするためです。
【PC正常性チェックアプリによる、一次診断】
まず、Microsoftが提供している「PC正常性チェック」アプリを、ダウンロードし、実行してください。
これが、最も簡単な一次診断です。
このアプリが「このPCはWindows 11の要件を満たしています」と表示すれば、あなたは、大きな関門を一つ、クリアしたことになります。
立ちはだかる「3つの壁」- CPU, TPM 2.0, セキュアブート
もし、正常性チェックで「要件を満たしていません」と表示された場合、その原因は、ほぼ、以下の3つのいずれかにあります。
- ・1. CPUの世代:
Windows 11は、原則として、**Intelなら第8世代Coreプロセッサー以降**、**AMDならRyzen 2000シリーズ以降**のCPUを、サポート対象としています。
これより古い世代のCPUは、残念ながら、公式にはサポートされません。
- ・2. TPM 2.0Trusted Platform Moduleの略。パスワードや暗号化キーといった機密情報を、OSから隔離された専用の「金庫」に保管し、ハッキングから守るための、物理的なセキュリティチップです。:
これは、PCのセキュリティの根幹をなす、物理的なチップです。
2016年以降に製造された、ほとんどのPCには搭載されていますが、古いPCでは、搭載されていなかったり、BIOS/UEFI設定で無効になっていたりする場合があります。
- ・3. セキュアブートPCの起動時に、信頼できる正規のOSだけを読み込むようにする、ファームウェアレベルの「検問所」機能。OSが起動する前の、最も無防備な段階での、マルウェアの侵入を防ぎます。:
これも、UEFI(BIOSの後継規格)に搭載された、重要なセキュリティ機能です。
これらの要件を満たしていないPCに、無理やりWindows 11をインストールすることも、技術的には可能ですが、メーカーやMicrosoftのサポート対象外となり、将来的なアップデートが適用できないなど、深刻な不具合を招く可能性があるため、私たちは、決してお勧めしません。
【第2部:準備】アップグレードという「大手術」の前の、完璧な術前準備
あなたのPCが、無事に、手術への「資格」を持っていることが確認できたら、次は、その手術を、100%安全に成功させるための、入念な「術前準備」に取り掛かります。
1. 【最重要】データの完全バックアップ - 究極の「保険」
OSのアップグレードにおいて、**「何が起きても、データだけは絶対に失わない」**という状態を、確保しておくこと。
これが、何よりも優先される、絶対的な鉄則です。
プロは、必ず、性質の異なる、複数のバックアップを取得します。
【方法A:ファイル履歴による、個人データのバックアップ】
まず、外付けのHDDやSSDを用意し、Windows 10の「ファイル履歴」機能を使い、あなたの、ドキュメント、ピクチャ、デスクトップといった、個人用フォルダの、完全なバックアップを作成してください。
【方法B:システムイメージによる、PC環境の丸ごとバックアップ】
次に、より強力なバックアップとして、「コントロールパネル」の「バックアップと復元 (Windows 7)」から、**「システムイメージの作成」**を実行します。
これは、OS、アプリケーション、設定、そしてあなたのファイルまで、現在のC:ドライブの状態を、**丸ごと、一つのイメージファイルとして、完全に複製**するものです。
万が一、アップグレードに失敗し、PCが起動しなくなったとしても、このイメージさえあれば、あなたは、いつでも、手術前の、健全なWindows 10の環境に、すべてを復元することができるのです。
2. 「回復ドライブ」の作成 - 緊急時に、PCを起動させるための「鍵」
システムイメージがあっても、PC自体が起動しなければ、復元作業は始められません。
**回復ドライブ**とは、Windowsが起動しないような深刻なトラブルが発生した際に、PCを起動させ、様々な修復ツールにアクセスするための、**「緊急用の鍵」**となる、起動可能なUSBメモリです。
これは、**PCが正常に動作している時にしか作成できません。**
スタートメニューで「回復ドライブ」と検索し、16GB以上の空のUSBメモリを使って、必ず、アップグレードの前に、作成しておいてください。
3. ストレージの空き容量確保と、各種アップデート
Windows 11のアップグレードには、数十GBの、十分な空き容量が必要です。
「ディスククリーンアップ」ツールを使い、不要なファイルを削除し、C:ドライブの空きを、最低でも64GB以上、確保しておきましょう。
また、現在のWindows 10と、すべてのデバイスドライバー、そして、インストールされているアプリケーションを、それぞれ、最新の状態にアップデートしておくことも、互換性の問題を、最小限に抑える上で、非常に重要です。
【第3部:実行】あなたに最適な、3つのアップグレード経路
準備が整ったら、いよいよ、アップグレードの実行です。
あなたには、主に3つの選択肢があります。
経路A:最も簡単で、安全な「Windows Update」経由
これは、Microsoftが、あなたのPCの構成に対して、アップグレードの準備が整ったと判断した時に、自動で通知される、最も標準的で、安全な方法です。
「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を開き、「Windows 11へのアップグレードの準備ができました」と表示されていれば、「ダウンロードしてインストール」をクリックするだけです。
あとは、画面の指示に従っていけば、あなたのファイルや設定を引き継いだまま、アップグレードが完了します。
経路B:自らアップグレードする「インストールアシスタント」
Windows Updateに通知が来ていなくても、「すぐにでもアップグレードしたい」という場合は、Microsoftの公式サイトから**「Windows 11 インストールアシスタント」**をダウンロードして、実行します。
これも、基本的には、画面の指示に従うだけの、比較的簡単な方法です。
経路C:プロが推奨する、最高の「クリーンインストール」
これが、PCのパフォーマンスと、安定性を、最高の状態にするための、私たちプロが、最も強く推奨する、究極の方法です。
**クリーンインストール**とは、既存の環境を引き継がず、ストレージを完全に初期化した上で、まっさらな状態から、Windows 11を、新規にインストールする方法です。
これにより、長年使ってきたWindows 10環境で蓄積された、あらゆる「デジタルのゴミ」や、不要な設定が一掃され、PCは、工場出荷時以上に、クリーンで、高速な状態に生まれ変わります。
Microsoftの公式サイトから「メディア作成ツール」をダウンロードし、Windows 11のインストール用USBメモリを作成して、そこからPCを起動し、画面の指示に従って、インストールを進めてください。
ただし、この方法は、PC上のすべてのデータが消去されるため、完璧なバックアップが、絶対の前提条件となります。
【最終章】アップグレード後の「術後ケア」
無事に、Windows 11へのアップグレードが完了したら、最後に、いくつかの確認と、仕上げの作業を行いましょう。
まず、最初にやるべきことは、**再度、Windows Updateを実行し、最新の累積更新プログラムなどを、すべて適用する**ことです。
次に、「デバイスマネージャー」を開き、すべてのデバイスが、正常に認識されているか、警告マーク(`!`)などが付いているものがないかを確認します。
そして、一週間ほど、普段通りにPCを使ってみて、特に問題がないことを確認できたら、ディスククリーンアップツールを使い、アップグレード前のOSのバックアップである、巨大な**「Windows.old」**フォルダを削除し、ストレージの空き容量を、確保しましょう。
まとめ - アップグレードは、「準備」がすべてである
Windows 11へのアップグレードは、決して、恐れるようなものではありません。
しかし、それは、入念な準備と、正しい手順を、決して軽んじてはならない、重要なプロセスです。
- 1. まず「診断」せよ:
あなたのPCが、Windows 11のシステム要件(特に、CPU、TPM 2.0、セキュアブート)を満たしているか、PC正常性チェックアプリで、必ず確認しましょう。
- 2. 完璧な「保険」をかけよ:
アップグレードの前に、ファイル履歴と、システムイメージという、二重の完全なバックアップを取得すること。
これが、あなたに、失敗を恐れない「勇気」を与えてくれます。
そして、緊急用の「鍵」である、回復ドライブの作成も、忘れてはいけません。
- 3. 最適な「経路」を選べ:
手軽さを取るなら「Windows Update」、最高のパフォーマンスを求めるなら「クリーンインストール」。
あなたのスキルと、目的に合わせて、最適なアップグレード方法を選択しましょう。
2025年10月、Windows 10は、その歴史的な役割を終えます。
セキュリティが確保された、安全なPC環境を、今後も使い続けるために、Windows 11への移行は、すべてのユーザーにとって、避けては通れない道です。
ぜひ、この記事を、あなたの、未来へのアップグレード計画のための、信頼できる「手術計画書」として、ご活用ください。
もし、その過程で、専門家の助けが必要になった場合は、いつでも、私たちにご相談ください。
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