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2025.5.6

Macの音声アシスタントSiriで生産性を高める使い方

MacOSのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年7月11日

質問する若い女性
MacのSiriって、どう使えば便利なの?

iPhoneでは、タイマーをセットしたり、リマインダーを登録したり、Siriを結構便利に使っているんです。

でも、MacにもSiriが入っているけど、天気を尋ねるくらいしか使ったことがなくて…。

パソコンでの作業中に、わざわざ声で操作するメリットがあまり感じられないんです。

例えば、「昨日使ったPDFファイルを探して」とか、「仕事で使うアプリを一斉に起動して」といった、もっとパソコン作業の生産性を上げてくれるような、MacのSiriならではの、賢い使い方ってないのでしょうか?

解説する博識な男性
パソコン専門店のスタッフ

その疑問、Macを使いこなす上で、非常に重要な視点ですよ。

多くの方が、MacのSiriを、iPhone版の延長線上にある、単なる「おしゃべり相手」や「検索ツール」だと思っています。

しかし、MacにおけるSiriの真価は、そこにはありません。

MacのSiriは、キーボード、マウスに次ぐ「第三の入力装置」であり、あなたの声で、ファイルシステムやOSの設定を直接操作するための、「**音声コマンド・コントロールシステム**」なのです。

そして、その真のポテンシャルは、macOSに標準搭載されている、もう一つの強力な自動化ツール、「**ショートカット**」アプリと組み合わせることで、まさに無限大に解放されます。

この記事では、Siriの基本的な活用法から、この「ショートカット」アプリを使い、あなただけのオリジナル音声コマンドを作成し、複雑な定型作業を、声一つで実行させる、究極の生産性向上術までを、徹底的に解説します。

あなたのMacを、有能な「音声アシスタント」へと、一緒に育て上げましょう。

Siriの哲学:それは「思考の速度」でPCを操作するための第三の腕

私たちは、PCを操作する際、主にキーボードとマウス(トラックパッド)という、二つの「腕」を使っています。

しかし、人間の思考の速度は、時として、指先の物理的な動きの速度を、遥かに上回ります。

「あのプロジェクトのフォルダを開いて、関連するアプリを立ち上げて、今日のタスクを確認したい」

この一連の思考が頭に浮かんだ時、それを手で実行するには、複数のクリックと、キー入力が必要です。

MacのSiriを生産性向上の文脈で捉えるとは、この、思考と実行の間に存在する、わずかな、しかし無数に存在する「時間的・身体的コスト」を、あなたの「声」という、最も直感的な入力装置で、限りなくゼロに近づける試みです。

Siriは、あなたの思考を、OSへの直接的な命令へと変換する、第三の、そして最速の「腕」となり得るのです。

特に、その能力が、後述する「ショートカット」アプリと融合する時、Siriは、定型的な質問に答えるだけの単純なアシスタントから、あなたの意図を汲んで、複雑なワークフローを実行する、真にパーソナルな、インテリジェント・エージェントへと、その姿を変えます。

第一章:基本作法 - Siriの召喚と、対話の準備

Siriの能力を引き出す前に、まず、いつでも、どんな状況でも、スムーズにSiriを呼び出し、対話できる環境を整えましょう。

Siriを起動する多彩な方法

macOSでは、ユーザーの好みに合わせて、複数の方法でSiriを起動できます。

  • キーボードショートカット: デフォルトでは、「`Option (⌥) + Space`」キーの長押しでSiriが起動します。このショートカットは、「システム設定」>「SiriとSpotlight」で、あなたの押しやすい、任意のキーの組み合わせに変更することが可能です。
  • メニューバーまたはDockのアイコン: 画面右上のメニューバーや、Dockに表示されているSiriのアイコンをクリックすることでも、起動できます。
  • “Hey Siri”: 近年のMacBookモデルや、Apple製の外部ディスプレイに接続している場合、「ヘイ、シリ」と話しかけるだけで、完全にハンズフリーでSiriを起動できます。両手がキーボードやマウスから離れている時に、特に便利です。

設定の最適化:「SiriとSpotlight」パネル

「システム設定」>「SiriとSpotlight」パネルでは、Siriの挙動を、より細かくカスタマイズできます。

声の性別や言語の変更、音声フィードバックの有無といった基本的な設定に加え、「Siriからの提案とプライバシー」の項目では、Siriが、あなたのアプリケーションの利用状況を学習し、Spotlight検索や通知などで、より的確な提案を行うことを許可するかどうかを設定できます。

また、特筆すべきは、「**Siriへのタイプ入力**」というアクセシビリティ機能です。

これを有効にすると、Siriを起動した際に、音声だけでなく、キーボードでコマンドを入力できるようになります。

公共の場所や、静かなオフィスなど、声を発するのがはばかられる環境でも、Siriの強力な機能を、テキストベースで活用するための、非常に優れたオプションです。

第二章:Siriの標準能力 - Macならではのファイル・システム操作

MacのSiriは、iPhoneのSiriにはない、デスクトップOSならではの、強力な能力を持っています。

それが、Finderと連携した、高度な「ファイルシステム検索・操作能力」です。

声で、ファイルを探し出す

Siriは、Spotlight(※注釈:macOSに内蔵された、超高速なデスクトップ検索エンジン)の強力なインデックス能力と、完全に統合されています。

これにより、あなたは、曖昧な記憶を頼りに、声で、目的のファイルを探し出すことができます。

  • `「先週、自分が編集した“プロジェクト計画書”という名前のファイルを探して」`
  • `「拡張子がPDFで、“契約書”という単語が含まれるファイルを見せて」`
  • `「このMacの空き容量はあとどれくらい?」`

Siriは、これらの自然言語による問いかけを解釈し、該当するファイルを、Finderウィンドウとして、あなたの目の前に提示してくれます。

声で、システム設定を変更する

マウスで、何度もクリックを重ねて、目的の設定画面にたどり着く必要はありません。

Siriに話しかけるだけで、多くのシステム設定を、瞬時に変更したり、開いたりできます。

  • `「ダークモードにして」`
  • `「Wi-Fiをオフにして」`
  • `「ディスプレイの輝度を50%に設定」`
  • `「バッテリーの設定を開いて」`

これらのコマンドは、特にプレゼンテーション中や、フルスクリーンで作業している際に、ワークフローを中断することなく、素早く環境を調整したい場合に、絶大な威力を発揮します。

声で、情報を処理し、タスクを登録する

もちろん、iPhoneでお馴染みの、情報検索や、標準アプリとの連携も、Mac上でシームレスに機能します。

  • `「今日の午後3時に、山田さんに電話する、とリマインドして」` → リマインダーアプリにタスクが登録されます。
  • `「明日の午前10時から、定例会議を、田中さんと鈴木さんを招待して、スケジュールして」` → カレンダーアプリに予定が作成され、連絡先に登録されていれば、出席依頼まで送信されます。
  • `「集中できるジャズを、Apple Musicで再生して」` → Apple Musicが起動し、適切なプレイリストの再生が始まります。

第三章:究極の進化 - 「ショートカット」アプリで、Siriを「あなた専用」に育てる

ここからが、Siriを、単なる便利な音声アシスタントから、あなたの生産性を爆発的に向上させる、真にパーソナルな「インテリジェント・エージェント」へと、進化させるための、この記事の核心です。

その鍵は、macOSに標準搭載されている、もう一つの強力な自動化ツール、「**ショートカット**」アプリにあります。

ショートカットアプリとのシナジー:Siriに「新しい能力」を教える

ショートカットアプリは、かつてのAutomatorの思想を、よりモダンに、より強力に進化させた、Apple純正の自動化ツールです。

「アプリを起動する」「ファイルを取得する」「テキストを加工する」といった、様々な「アクション」を、レゴブロックのように組み合わせることで、あなただけの、オリジナルな「ワークフロー(一連の自動処理)」を作成できます。

そして、ここでの最も重要な事実は、**あなたが作成した、全てのショートカットは、その「名前」をSiriに話しかけるだけで、実行できる**、ということです。

つまり、ショートカットアプリは、Siriに、標準では搭載されていない、無限の「新しい能力」を、あなたが直接「教え込む」ための、魔法の教科書なのです。

【実践例1】仕事開始の儀式を自動化する「始業準備」ショートカット

毎朝、仕事を開始する際に、必ず行う、一連の定型作業を、Siriの一声で完了させるショートカットを作成してみましょう。

  1. 「ショートカット」アプリを起動し、新しいショートカットを作成します。名前を「始業準備」とします。
  2. アクションライブラリから、「Appを開く」アクションを追加し、仕事で使うアプリ(例:Slack)を選択します。
  3. 同様に、「Appを開く」アクションを、必要なアプリの数だけ追加します(例:メール、カレンダー、VS Code)。
  4. 「フォルダを開く」アクションを追加し、現在進行中のプロジェクトのフォルダを指定します。
  5. 「集中モードを設定」アクションを追加し、「仕事」の集中モードを、指定した時間(例:12時まで)オンにするように設定します。

このショートカットを保存すれば、以降、あなたがMacに向かって、「**ヘイ、シリ。始業準備**」と話しかけるだけで、Siriは、これらの一連の作業を、一瞬で、そして完璧に、実行してくれるようになります。

【実践例2】議事録を瞬時に作成する「ミーティングノート」ショートカット

会議が始まる直前に、適切なフォーマットの議事録ページを、瞬時に作成するショートカットです。

  1. ショートカット名を「ミーティングノート」とします。
  2. 「入力を要求」アクションを追加し、「プロンプト」に「会議のタイトルは?」と入力します。
  3. 「現在の日付」アクションを追加します。
  4. 「テキスト」アクションを追加し、その中に、議事録のテンプレート(例:「日時:【現在の日付】\n出席者:\n\n議題:\n\n決定事項:」)を記述します。`【現在の日付】`の部分には、前のステップで取得した「現在の日付」変数を、動的に挿入します。
  5. 「メモを作成」アクションを追加し、「本文」に、前のステップで作成したテキストを、「フォルダ」に、議事録を保存したいメモのフォルダを指定します。メモのタイトルには、ステップ1で入力させた「会議のタイトル」変数を指定します。

これで、「**ヘイ、シリ。ミーティングノート**」と話しかけ、会議名を発声するだけで、日付入りの、フォーマットされた議事録の下書きが、瞬時に作成されるようになります。

第四章:Siriとの対話のコツ

Siriの能力を最大限に引き出すには、人間側にも、少しだけ、賢い「話し方」のコツが必要です。

基本は、「具体的に、そして明確に」命令すること。

「ファイルを探して」という曖昧な命令よりも、「昨日、自分が作成した、“予算案”という名前の、PDFファイルを探して」という、具体的で、絞り込みやすい情報を含んだ命令の方が、Siriは、遥かに正確に、あなたの意図を理解してくれます。

もし、Siriがうまく聞き取ってくれない場合は、「システム設定」>「サウンド」>「入力」で、マイクの入力レベルが適切に設定されているかを確認するのも、有効なトラブルシューティングです。

まとめ:Siriは、あなたが「育てる」パーソナル・アシスタントである

Macに搭載されたSiriは、あなたが、ただの受動的なユーザーである限り、天気予報を教えてくれる、少し便利なガジェットに過ぎません。

しかし、あなたが、「ショートカット」アプリという、強力な教育ツールを手に取り、あなた自身のワークフローを、Siriに能動的に「教え込む」時、Siriは、他の誰のものでもない、あなたのためだけに働く、最高のパーソナル・アシスタントへと、その姿を変貌させます。

  1. Siriを「コマンドライン」として捉える: MacのSiriは、おしゃべり相手ではなく、ファイルシステムやOS設定を直接操作するための、強力な音声コマンドインターフェースであると、まず認識を改める。
  2. Finder操作を声に置き換える: 「あのファイルどこだっけ?」と思った瞬間、マウスを動かす前に、まずSiriに尋ねてみる。この習慣が、ファイル検索の時間を劇的に短縮する。
  3. 「ショートカット」アプリこそが、Siriの真の能力解放の鍵: あなたが日々繰り返している、あらゆる定型作業は、ショートカットとして定義可能であり、そして、全てのショートカットは、Siriによって、声で起動可能である。
  4. 自動化の喜びを体験する: 「始業準備」「終業準備」「議事録作成」といった、あなただけのカスタムコマンドを創り出し、Siriに実行させる。その成功体験が、あなたの生産性を、新たな次元へと導く。

あなたの声が、あなたのMacを、そしてあなたの仕事を、動かす。

その近未来的で、そしてこの上なく効率的な体験を、ぜひ、この記事をきっかけに、あなたの日常のものとしてください。

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