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2025.6.10

Macのアーカイブユーティリティでファイル圧縮と解凍を効率化

MacOSのお役立ち情報

「Macでファイルを圧縮するとき、何かもっと効率的な方法ってないのかしら?毎回右クリックして『圧縮』を選ぶだけじゃなくて、もっと高度な設定とかできないのかな…」とMacBookを片手に悩む田中さん。

「実はMacには標準で『アーカイブユーティリティ』というツールが搭載されていて、コマンドラインを使えば圧縮率の設定からパスワード保護まで、かなり細かく制御できるんですよ。GUIからのアクセスは限定的ですが、ターミナルを活用すれば上級者にぴったりの機能が揃っています」と答える山田さん。

田中さんのような疑問を持つMacユーザーは少なくありません。この記事では、多くのユーザーが見落としがちな「アーカイブユーティリティ」の隠れた機能と活用法について、上級者向けに徹底解説します。ファイル管理を効率化したいあなたのお役に立てれば幸いです。


Macのアーカイブユーティリティとは

Macのアーカイブユーティリティは、macOSに標準搭載されているファイル圧縮・解凍ツールです。単にファイルを右クリックして「圧縮」を選択するだけでなく、実はこの背後では洗練されたアプリケーションが動作しています。

アーカイブユーティリティは「/System/Library/CoreServices/Applications/」ディレクトリに存在していますが、最近のmacOSではFinderから直接アクセスすることが難しくなっています。しかし、Spotlightで「アーカイブユーティリティ」と検索すれば、簡単に見つけることができます。

2025年5月現在、macOS Sequoia (14.0)に搭載されているアーカイブユーティリティは、以前のバージョンと比較して大幅なパフォーマンス向上が図られています。特にApple Siliconプロセッサを搭載したMacでは、圧縮・解凍速度が最大35%向上しており、大容量ファイルの処理も快適に行えるようになりました。

アーカイブユーティリティの主な特徴は以下の通りです。

  • ・macOSに標準搭載されている
  • ・複数のフォーマットに対応(zip, tar, gzip, bzip2など)
  • ・GUIとコマンドライン両方のインターフェースを提供
  • ・高度な暗号化オプションをサポート
  • ・Automatorやショートカットアプリとの連携が可能
  • ・Apple Siliconに最適化されたパフォーマンス

このツールは一見シンプルに見えますが、上級者が活用できる高度な機能が豊富に備わっています。特にTerminalを使いこなせるユーザーにとっては、非常に強力なファイル管理ツールとなるでしょう。


基本的な圧縮・解凍操作

まずは基本的な操作方法からおさらいしておきましょう。これらは初心者でも簡単に行える操作ですが、上級テクニックの基礎となる部分です。

ファイル圧縮の基本

Macでファイルを圧縮する最も一般的な方法は次の通りです。

  1. 1.Finderで圧縮したいファイルまたはフォルダを選択する
  2. 2.右クリック(または control + クリック)してコンテキストメニューを表示
  3. 3.「"ファイル名"を圧縮」を選択

この操作で、選択したアイテムと同じ場所に「ファイル名.zip」というZIPアーカイブが作成されます。

複数のファイルを一度に圧縮する場合は、まず圧縮したいファイルをすべて選択してから、上記の手順で圧縮できます。

ファイル解凍の基本

ZIPファイルを解凍する基本的な方法は次の通りです。

  1. 1.ZIPファイルをダブルクリック

たったこれだけです。macOSはZIPファイルをダブルクリックするだけで、自動的にアーカイブユーティリティを起動して解凍を行います。デフォルトでは、解凍されたファイルはZIPファイルと同じ場所に作成されます。

ドラッグ&ドロップによる操作

アーカイブユーティリティを直接起動して操作することも可能です。

  1. 1.Spotlightで「アーカイブユーティリティ」を検索して起動
  2. 2.圧縮したいファイルをアプリケーションウィンドウにドラッグ&ドロップ

この方法だと、環境設定で指定した場所に圧縮ファイルが保存されます。

クイックアクション機能の活用

macOS Mojave以降では、Finderのクイックアクション機能を使ってファイルの圧縮・解凍が行えます。

  1. 1.Finderでファイルを選択
  2. 2.スペースキーを押しながらクリックしてクイックルックプレビューを表示
  3. 3.右上の「その他」ボタンをクリック
  4. 4.「圧縮」を選択

これらの基本操作を理解した上で、次にコマンドラインによる高度な操作方法を見ていきましょう。


コマンドラインによる高度な圧縮設定

アーカイブユーティリティの真の力を引き出すには、ターミナルからのコマンドライン操作が欠かせません。GUIでは提供されていない高度なオプションを利用できるようになります。

zipコマンドの基本

macOSのターミナルでは、「zip」コマンドを使用してファイル圧縮を行います。基本的な使い方は以下の通りです。

zip [オプション] アーカイブ名.zip 圧縮するファイル

例えば、「document.txt」というファイルを圧縮する場合は次のようになります。

zip archive.zip document.txt

複数のファイルを圧縮する場合は、スペースで区切って指定します。

zip archive.zip file1.txt file2.jpg folder1

圧縮レベルの設定

zipコマンドでは、-0から-9までの数字で圧縮レベルを指定できます。-0は圧縮なし(高速)、-9は最大圧縮(低速)を意味します。

# 最大圧縮率でファイルを圧縮
zip -9 archive.zip document.txt

# 圧縮せずに素早くアーカイブ化
zip -0 archive.zip large_file.iso

上級者向けのテクニックとして、データの種類によって最適な圧縮レベルを選択することが重要です。例えば、既に圧縮されている形式(JPEG、MP3、MP4など)は、再圧縮してもあまり効果がないため、-0や-1のような低い圧縮レベルを使用するのが効率的です。一方、テキストファイルやCSVデータなどは-9でしっかり圧縮するとファイルサイズが大幅に削減できます。

再帰的な圧縮

ディレクトリとその中のすべてのファイルを圧縮する場合は、-rオプション(recursive)を使用します。

zip -r project_backup.zip project_folder/

これにより、指定したフォルダとその中のすべてのファイルやサブフォルダが圧縮されます。

除外パターンの指定

特定のファイルやパターンを除外して圧縮したい場合は、-xオプションを使用します。

# .gitファイルと.DS_Storeファイルを除外して圧縮
zip -r project_backup.zip project_folder/ -x "*.git*" "*.DS_Store"

この例では、.gitで始まるファイルと.DS_Storeファイルを除外しています。パターンはワイルドカード(*)を使用して指定できます。

分割圧縮

大きなファイルを複数の小さなZIPファイルに分割して圧縮することも可能です。これは、メール添付やUSBメモリでの持ち運びに便利です。

# 100MBごとに分割してZIPファイルを作成
zip -r -s 100m split_archive.zip large_folder/

このコマンドは「split_archive.zip」「split_archive.z01」「split_archive.z02」...というように、100MBごとに分割されたファイルを作成します。

zipinfoによるアーカイブ情報の確認

作成したZIPファイルの詳細情報を確認するには、zipinfoコマンドを使用します。

zipinfo archive.zip

このコマンドは、アーカイブに含まれるファイルのリスト、圧縮率、日時情報などを表示します。上級者は、この情報を確認してアーカイブが正しく作成されているか検証することをお勧めします。

解凍コマンド(unzip)の高度な使い方

ZIPファイルを解凍するには、unzipコマンドを使用します。

# 基本的な解凍
unzip archive.zip

# 特定のディレクトリに解凍
unzip archive.zip -d /path/to/extract/

# アーカイブ内容の確認(実際に解凍せず)
unzip -l archive.zip

# 特定のファイルのみを解凍
unzip archive.zip file1.txt file2.jpg

2025年5月現在、macOS Sequoiaでは、Appleシリコン向けに最適化されたunzipコマンドが導入され、特に大容量ファイルの解凍時のパフォーマンスが大幅に向上しています。


対応フォーマットと互換性

Macのアーカイブユーティリティは、さまざまな圧縮フォーマットに対応しています。上級ユーザーとして、各フォーマットの特性と用途を理解しておくことは重要です。

標準サポートフォーマット

アーカイブユーティリティが標準でサポートしている主なフォーマットは以下の通りです。

  • ・ZIP - 最も一般的な圧縮形式。Windows、Linux、macOSのすべてで互換性あり
  • ・TAR - 複数のファイルを1つにまとめるだけのアーカイブ形式(圧縮なし)
  • ・GZIP (.gz) - 単一ファイルの圧縮に使用される形式
  • ・BZIP2 (.bz2) - GZIPより圧縮率が高いが処理速度が遅い形式
  • ・COMPRESS (.Z) - UNIXの古い圧縮形式
  • ・DMG - Apple独自のディスクイメージ形式
  • ・ISO - CDやDVDのイメージファイル形式
  • ・XAR - Appleが開発したeXtensible ARchiveフォーマット

macOS Sequoia (14.0)では、Zstandard (.zst)フォーマットへの対応も追加され、高速な圧縮・解凍が可能になっています。

コマンドラインで使用できる追加フォーマット

GUIインターフェースでは直接サポートされていないものの、ターミナルからコマンドを使用することで操作できるフォーマットもあります。

  • ・7z - 高圧縮率のオープンソースフォーマット(homebrew等で別途インストールが必要)
  • ・RAR - Windows世界でよく使われる高圧縮率フォーマット(別途インストールが必要)
  • ・LZ4 - 超高速圧縮アルゴリズム(圧縮率は低め)
  • ・LZMA/XZ - 高圧縮率のアルゴリズム

これらのフォーマットを利用するには、Homebrewなどのパッケージマネージャを使って必要なツールをインストールします。

# 7zツールのインストール
brew install p7zip

# rarツールのインストール
brew install rar

# lz4ツールのインストール
brew install lz4

フォーマット別のコマンド例

各フォーマットの基本的なコマンド例を以下に示します。

TAR

# ディレクトリをTARアーカイブに格納
tar -cf archive.tar directory/

# TARアーカイブの内容を表示
tar -tf archive.tar

# TARアーカイブを展開
tar -xf archive.tar

GZIP

# ファイルをGZIP圧縮
gzip file.txt

# GZIP圧縮ファイルを解凍
gunzip file.txt.gz

TAR.GZ(TGZ)- TARとGZIPの組み合わせ

# ディレクトリをTAR.GZに圧縮
tar -czf archive.tar.gz directory/

# TAR.GZアーカイブを展開
tar -xzf archive.tar.gz

BZIP2

# ファイルをBZIP2圧縮
bzip2 file.txt

# BZIP2圧縮ファイルを解凍
bunzip2 file.txt.bz2

7Z(Homebrewでインストール後)

# ディレクトリを7z形式で圧縮
7z a archive.7z directory/

# 7zアーカイブの内容を表示
7z l archive.7z

# 7zアーカイブを展開
7z x archive.7z

互換性の注意点

異なるOS間でファイルをやり取りする場合、いくつかの注意点があります。

  • ・文字コード: macOSはUTF-8を使用していますが、古いWindowsシステムではShift-JISなどが使われることがあります。日本語ファイル名を含むZIPアーカイブを作成する場合は注意が必要です。

  • ・隠しファイル: macOSでは「.DS_Store」や「__MACOSX」などの隠しファイルが自動的に作成されることがあります。Windowsユーザーにファイルを送る場合は、これらを除外するとよいでしょう。

  • ・シンボリックリンク: macOSのシンボリックリンクはWindowsでは正しく処理されないことがあります。クロスプラットフォームで使用する場合は、シンボリックリンクを実際のファイルやディレクトリに置き換えることを検討してください。

  • ・拡張属性: macOSのファイルには、リソースフォークやFinder情報などの拡張属性が含まれていることがあります。クロスプラットフォームの互換性のために、これらを除外するオプションもあります。

# macOS固有のメタデータを除外してZIP作成
zip -r --filesync archive.zip directory/

パスワード保護と暗号化

セキュリティが重要なファイルを扱う場合、アーカイブユーティリティとコマンドラインツールを組み合わせることで、強力な暗号化を施したアーカイブを作成できます。

ZIPファイルのパスワード保護

ZIPフォーマットでは、コマンドラインを使用してパスワード保護を施すことができます。

# パスワード保護付きZIPの作成
zip -e secure_archive.zip sensitive_file.pdf

# または
zip -P "yourpassword" secure_archive.zip sensitive_file.pdf

ただし、セキュリティ上の理由から、コマンドラインに直接パスワードを入力する方法(-Pオプション)は推奨されません。コマンド履歴にパスワードが残ってしまうリスクがあるからです。代わりに-eオプションを使用すると、パスワードを入力するためのプロンプトが表示されます。

macOS Sequoia (14.0)では、ZIPファイルの暗号化アルゴリズムがAES-256に強化され、以前のバージョンと比較してセキュリティが大幅に向上しています。

解凍時のパスワード入力

パスワード保護されたZIPファイルをGUIで開くと、macOSが自動的にパスワード入力ダイアログを表示します。コマンドラインの場合は次のようになります。

unzip secure_archive.zip
# パスワードを求められるので入力

高度な暗号化オプション

より高度な暗号化が必要な場合は、OpenSSLコマンドを使用することができます。OpenSSLはmacOSに標準で搭載されています。

# ファイルをAES-256で暗号化
openssl enc -aes-256-cbc -salt -in file.txt -out file.txt.enc

# 暗号化ファイルの復号
openssl enc -d -aes-256-cbc -in file.txt.enc -out file.txt

2025年5月現在、最新のmacOS Sequoiaでは、アーカイブユーティリティのGUIからも高度な暗号化オプションが利用できるようになっています。アーカイブユーティリティを起動し、「ファイル」→「新規アーカイブ...」を選択すると、暗号化設定が表示されます。

GPGによる暗号化

さらに強力な暗号化が必要な場合は、GPG(GNU Privacy Guard)を使用することも可能です。GPGはHomebrewを使用してインストールできます。

# GPGのインストール
brew install gnupg

# 公開鍵暗号方式でファイルを暗号化
gpg -e -r "受信者のメールアドレス" file.txt

# 暗号化ファイルの復号
gpg -d file.txt.gpg > file.txt

GPGを使用すると、公開鍵暗号方式による強力な暗号化が可能になり、特定の受信者のみがファイルを復号できるようになります。

セキュリティのベストプラクティス

機密性の高いファイルを扱う際のベストプラクティスをいくつか紹介します。

  1. 1.強力なパスワードを使用する: 少なくとも12文字以上で、大文字、小文字、数字、記号を含む複雑なパスワードを使用してください。

  2. 2.一時ファイルの削除: 暗号化前の一時ファイルは、「安全な消去」機能を使用して完全に削除しましょう。

# ファイルの安全な削除
rm -P sensitive_file.txt
  1. 3.メタデータの削除: 重要なドキュメントを圧縮する前に、メタデータ(作成者情報など)を削除することを検討してください。

  2. 4.分割保管: 特に重要なファイルの場合、アーカイブとパスワードを別々の経路で送信することを検討してください。

  3. 5.利用後の証跡削除: ターミナルの履歴からパスワードや暗号化コマンドを削除します。

# ターミナル履歴の特定行を削除
history -d line_number

バッチ処理と自動化

多数のファイルを定期的に圧縮・解凍する必要がある場合、バッチ処理と自動化のテクニックが非常に役立ちます。macOSには複数の自動化ツールが用意されています。

シェルスクリプトによる自動化

最も柔軟な自動化方法はシェルスクリプトを作成することです。以下は、指定したディレクトリ内のすべてのサブディレクトリを個別のZIPファイルに圧縮するスクリプトの例です。

#!/bin/bash

# ディレクトリ内の各フォルダを個別のZIPファイルに圧縮するスクリプト
SOURCE_DIR="/path/to/source"
DEST_DIR="/path/to/destination"

# 日付スタンプを生成
DATE_STAMP=$(date +"%Y%m%d")

# ソースディレクトリ内の各フォルダをループ
for folder in "$SOURCE_DIR"/*; do
    if [ -d "$folder" ]; then
        # ディレクトリ名を取得
        dir_name=$(basename "$folder")
        
        # ZIPファイル名を作成(ディレクトリ名+日付)
        zip_file="$DEST_DIR/${dir_name}_${DATE_STAMP}.zip"
        
        # 圧縮を実行
        zip -r "$zip_file" "$folder" -x "*.DS_Store" "*/.git/*"
        
        echo "Compressed $dir_name to $zip_file"
    fi
done

echo "All folders compressed successfully!"

このスクリプトを保存し、実行権限を付与します。

chmod +x compress_folders.sh

Automatorによる自動化

GUIによる自動化を好む場合は、macOSのAutomatorアプリを使用できます。

  1. 1.Automatorを起動
  2. 2.「新規書類」を選択
  3. 3.「アプリケーション」または「ワークフロー」を選択
  4. 4.以下のアクションを追加
    • ・「指定されたファイルを取得」または「Finderアイテムを取得」
    • ・「アーカイブを作成」

Automatorでは、ファイル選択からアーカイブ作成、さらにはメール送信まで一連の処理を自動化できます。

LaunchDaemonによる定期実行

特定の時間に自動的に圧縮処理を実行したい場合は、LaunchDaemonを使用します。

  1. 1.plistファイルを作成

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN" "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<dict>
    <key>Label</key>
    <string>com.example.backuparchive</string>
    <key>ProgramArguments</key>
    <array>
        <string>/path/to/your/compress_folders.sh</string>
    </array>
    <key>StartCalendarInterval</key>
    <dict>
        <key>Hour</key>
        <integer>23</integer>
        <key>Minute</key>
        <integer>0</integer>
    </dict>
</dict>
</plist>

  1. 2.plistファイルを保存

sudo cp com.example.backuparchive.plist /Library/LaunchDaemons/
sudo launchctl load /Library/LaunchDaemons/com.example.backuparchive.plist

これにより、毎晩23時に自動的にスクリプトが実行されます。

ショートカットアプリによる自動化

macOS Monterey以降では、新しいショートカットアプリを使用してアーカイブ処理を自動化することもできます。

  1. 1.ショートカットアプリを開く
  2. 2.「+」ボタンをクリックして新しいショートカットを作成
  3. 3.「アクションを検索」で「ファイルの圧縮」を検索して追加
  4. 4.必要に応じて入力パラメータと出力先を設定
  5. 5.ショートカットを保存

作成したショートカットは、メニューバー、Finder、または特定のトリガーで実行できます。

Watch Folderの作成

特定のフォルダに配置されたファイルを自動的に圧縮する「監視フォルダ」を作成することもできます。これにはfswatch(Homebrewでインストール可能)というツールと組み合わせたシェルスクリプトを使用します。

brew install fswatch

# 監視スクリプトの作成
cat > watch_and_compress.sh << 'EOF'
#!/bin/bash

WATCH_DIR="/path/to/watch"
OUTPUT_DIR="/path/to/output"

fswatch -0 "$WATCH_DIR" | while read -d "" event
do
    # 新しいファイルが追加された場合
    if [ -f "$event" ]; then
        filename=$(basename "$event")
        zip -j "$OUTPUT_DIR/${filename}.zip" "$event"
        echo "Compressed $filename"
        # 元のファイルを削除(必要に応じて)
        # rm "$event"
    fi
done
EOF

chmod +x watch_and_compress.sh

このスクリプトをバックグラウンドで実行しておくと、指定したディレクトリに新しいファイルが追加されるたびに自動的に圧縮します。

2025年5月現在のmacOS Sequoiaでは、システムの自動化機能が強化され、特にショートカットアプリでは「アーカイブユーティリティ」専用のアクションが追加されています。これにより、より柔軟な自動化が可能になっています。


アーカイブユーティリティの環境設定カスタマイズ

アーカイブユーティリティには、GUIからアクセスできる便利な環境設定があります。これらの設定を適切にカスタマイズすることで、作業効率を大幅に向上させることができます。

環境設定へのアクセス方法

アーカイブユーティリティの環境設定にアクセスするには、次の手順に従います。

  1. 1.アーカイブユーティリティを起動(Spotlightで「アーカイブユーティリティ」と検索)
  2. 2.メニューバーから「アーカイブユーティリティ」→「環境設定」を選択

または、以下のコマンドでも直接設定ファイルを編集できます。

defaults write com.apple.archiveutility setting_name value

主な設定項目

展開後の処理

アーカイブファイルを展開した後に、元のアーカイブファイルをどう処理するかを設定できます。

  • ・そのまま残す: デフォルト設定。元のアーカイブファイルは展開後もそのまま残ります。
  • ・ゴミ箱に入れる: 展開後、元のアーカイブファイルを自動的にゴミ箱に移動します。
  • ・削除: 展開後、元のアーカイブファイルを完全に削除します。

この設定は、大量のアーカイブファイルを扱う場合に特に便利です。例えば、多数の添付ファイルを展開する必要がある場合、「ゴミ箱に入れる」を選択しておくと、手動でクリーンアップする手間が省けます。

展開先の設定

アーカイブファイルの展開先を指定することができます。

  • ・同じフォルダ: アーカイブファイルと同じフォルダに展開します(デフォルト)。
  • ・指定した場所: 常に特定のフォルダに展開します。
  • ・選択ダイアログを表示: 展開のたびに保存先を選択するダイアログを表示します。

大量のファイルを整理する必要がある場合は、「指定した場所」を選択し、専用の作業フォルダを設定しておくと効率的です。

コマンドラインによる環境設定変更

ターミナルからdefaultsコマンドを使用して、アーカイブユーティリティの設定を変更することもできます。以下にいくつかの例を示します。

# 展開後にアーカイブをゴミ箱に移動
defaults write com.apple.archiveutility dearchive-move-after -string trash

# 展開先を指定
defaults write com.apple.archiveutility dearchive-destination -string /Users/username/Archives

# 展開後に展開フォルダを開く
defaults write com.apple.archiveutility dearchive-reveal-after -bool YES

高度なカスタマイズ

macOS Sequoia (14.0)では、以下のような高度なカスタマイズオプションも追加されています。

  • ・並列処理スレッド数の設定: マルチコアプロセッサを活用するための並列処理スレッド数を指定できます。

# 並列処理スレッド数を8に設定
defaults write com.apple.archiveutility number-of-threads -int 8

  • ・一時ファイル保存先の変更: 大容量ファイル処理時の一時ファイルの保存先を変更できます。

# 一時ファイルの保存先を変更
defaults write com.apple.archiveutility temporary-directory -string /Volumes/ExternalDrive/temp

  • ・圧縮前のファイル検証: 圧縮前にファイルの整合性を検証するオプションも追加されています。

# 圧縮前のファイル検証を有効化
defaults write com.apple.archiveutility verify-before-archive -bool YES

設定のリセット

不具合が生じた場合や、デフォルト設定に戻したい場合は、以下のコマンドを実行します。

defaults delete com.apple.archiveutility

これにより、すべての設定がデフォルト値にリセットされます。

環境設定を最適化することで、日常的なファイル圧縮・解凍作業がスムーズになり、時間の節約につながります。特に大量のファイルを扱う場合や、特定のワークフローに合わせたい場合は、これらの設定を見直してみることをお勧めします。


トラブルシューティング

アーカイブユーティリティを使用していると、様々な問題に遭遇することがあります。ここでは、よくある問題とその解決策を紹介します。

破損したZIPファイル

ダウンロードしたZIPファイルが破損している場合や、途中で転送が中断された場合、解凍時にエラーが発生することがあります。

症状

  • ・「予期しないファイルの終わりに達しました」というエラーメッセージ
  • ・「CRC チェックに失敗しました」というエラー
  • ・解凍処理が途中で停止する

解決策

  1. 1.zipコマンドの修復オプションを試す

zip -FF broken.zip --out fixed.zip

このコマンドは、破損したZIPファイルの修復を試みます。完全に修復できない場合でも、アクセス可能な部分からファイルを回復できることがあります。

  1. 2.別のツールを試す

The Unarchiver(App Storeで無料)やKeka(Homebrewでインストール可能)など、サードパーティのアーカイブツールを使用すると、標準のアーカイブユーティリティよりも強力な修復機能を持っていることがあります。

brew install keka

  1. 3.部分的に解凍する

コマンドラインを使用して、破損していない部分だけを解凍することも可能です。

unzip -t broken.zip  # テスト実行して、どのファイルが正常かを確認
unzip broken.zip file1.txt file2.jpg  # 正常なファイルのみを指定して解凍

パスワード付きZIPの問題

パスワード保護されたZIPファイルに関するトラブルも頻繁に発生します。

症状

  • ・パスワードを入力しても「不正なパスワード」と表示される
  • ・パスワードが分からなくなった

解決策

  1. 1.文字コードの問題

日本語などの非ASCII文字をパスワードに使用していた場合、文字コードの違いによって問題が発生することがあります。ターミナルからunzipコマンドを使用して、異なる文字コードでの解凍を試みてください。

# CP932(Shift-JIS)エンコーディングでのパスワード試行
LANG=ja_JP.CP932 unzip secured.zip

  1. 2.暗号化アルゴリズムの互換性

ZIPファイルの暗号化方式には複数のバージョンがあります。古い暗号化方式(ZipCrypto)と新しい方式(AES)の互換性の問題が発生することがあります。The Unarchiver等のサードパーティツールを試してみましょう。

  1. 3.パスワード復旧は困難

強力なパスワードが設定されたZIPファイルのパスワードを忘れた場合、復旧は非常に困難です。オンラインで「ZIP password recovery」ツールを検索すると、ブルートフォース攻撃でパスワードを回復するツールが見つかりますが、時間がかかり、成功率は低いことを覚えておいてください。

.cpgzループの問題

macOSで時々発生する問題として、ZIPファイルを解凍すると.cpgzファイルが生成され、それを開くと再び元のZIPファイルになるという無限ループがあります。

症状

  • ・ZIPファイルを開くと.cpgzファイルが生成される
  • ・.cpgzファイルを開くと元のZIPファイルに戻る
  • ・解凍が永遠に完了しない

解決策

  1. 1.ターミナルからの解凍
unzip file.zip -d /path/to/destination

  1. 2.ditto コマンドの使用
ditto -x -k file.zip /path/to/destination

  1. 3.Finderのプレビュー機能を使用

Finderでファイルを選択し、スペースキーを押してプレビューを表示。右上の「開く」ボタンをクリックしてみてください。

  1. 4.別のツールを使用

The Unarchiver や Keka などのサードパーティアプリケーションを試してみてください。

大容量ファイルの処理

大容量のファイルを圧縮・解凍する際には、メモリ不足やディスク容量の問題が発生することがあります。

症状

  • ・処理中にアプリケーションがフリーズまたはクラッシュする
  • ・「ディスク容量が不足しています」というエラーが表示される
  • ・処理が異常に遅い

解決策

  1. 1.分割圧縮の使用

# 1GBごとに分割して圧縮
zip -r -s 1g large_archive.zip large_folder/

  1. 2.一時ファイルディレクトリの変更

十分な空き容量がある別のドライブを一時ファイル用に使用します。

TMPDIR=/Volumes/ExternalDrive/temp unzip large_archive.zip

  1. 3.リソースの最適化

圧縮・解凍中は他の重いアプリケーションを閉じ、システムリソースを解放してください。また、macOS Sequoiaでは「低優先度モード」が追加され、バックグラウンドでの処理を指定できるようになっています。

# 低優先度で実行
nice -n 10 zip -r archive.zip folder/

その他の一般的な問題

  • ・特殊文字を含むファイル名: 文字化けや解凍エラーの原因になることがあります。ファイル名をシンプルにしてから圧縮することをお勧めします。

  • ・権限の問題: 解凍したファイルの権限が正しく設定されていない場合は、以下のコマンドで修正できます。

chmod -R 755 extracted_folder

  • ・隠しファイルの問題: macOSは.DS_Storeなどの隠しファイルを自動的に作成します。これらを除外するには

zip -r archive.zip folder/ -x "*.DS_Store" "._*" "__MACOSX/*"

2025年5月現在のmacOS Sequoiaでは、アーカイブユーティリティの安定性が向上し、以前のバージョンで見られた多くの問題が解決されています。特に、Apple Siliconプロセッサを搭載したMacでは、大容量ファイルの処理パフォーマンスが大幅に改善されています。


macOS Sequoiaでの新機能と変更点

2025年5月現在の最新macOSバージョン、macOS Sequoia (14.0)では、アーカイブユーティリティに多くの新機能と改善が施されています。ここでは、その主な変更点を紹介します。

パフォーマンスの向上

macOS Sequoiaでは、特にApple Siliconプロセッサ(M3/M4シリーズ)を搭載したMacで、アーカイブユーティリティのパフォーマンスが大幅に向上しています。

  • ・圧縮速度: 従来のバージョンと比べて最大35%高速化
  • ・解凍速度: 大容量ファイルの解凍が最大40%高速化
  • ・メモリ使用量: 効率化により、大きなアーカイブでも少ないメモリで処理可能

これらの改善は、特にApple独自のハードウェアアクセラレーションを活用した新しい圧縮アルゴリズムの実装によるものです。

新しいサポートフォーマット

macOS Sequoiaでは、以下の新しい圧縮フォーマットがサポートされるようになりました。

  • ・Zstandard (.zst): Facebookが開発した高速圧縮アルゴリズム
  • ・LZ4 (.lz4): 超高速な圧縮・解凍が特徴のフォーマット
  • ・LZFSE: Appleが開発したエネルギー効率の高い圧縮アルゴリズム

これらの新フォーマットは、コマンドラインから以下のように使用できます。

# Zstandard圧縮
zstd file.txt -o file.txt.zst

# Zstandard解凍
zstd -d file.txt.zst

# LZ4圧縮
lz4 file.txt file.txt.lz4

# LZ4解凍
lz4 -d file.txt.lz4 file.txt

セキュリティの強化

macOS Sequoiaでは、アーカイブユーティリティのセキュリティ機能が強化されています。

  • ・AES-256暗号化: ZIPファイルの暗号化にAES-256アルゴリズムがデフォルトで使用されるようになりました
  • ・署名検証: 署名付きアーカイブファイルの検証機能が追加されました
  • ・マルウェアスキャン: 解凍時に内蔵のXProtectでマルウェアスキャンが自動実行されるようになりました

これらの機能により、特に信頼できない出所からダウンロードしたアーカイブファイルの安全性が向上しています。

新しいGUIインターフェース

macOS Sequoiaでは、アーカイブユーティリティのGUIインターフェースが刷新され、より直感的な操作が可能になりました。

  • ・ダークモード対応: システム全体のダークモード設定に完全対応
  • ・進捗表示の改善: より詳細な進捗状況とファイルリストの表示
  • ・ドラッグ&ドロップの強化: 複数のファイルやフォルダのドラッグ&ドロップによる圧縮がよりスムーズに

さらに、ファイル共有機能との統合が強化され、圧縮ファイルをiCloudリンク、AirDrop、メールなどで直接共有できるようになりました。

自動化機能の拡張

macOS Sequoiaでは、アーカイブユーティリティとの連携が可能な自動化機能が拡張されています。

  • ・ショートカットアプリとの統合: アーカイブユーティリティ専用のアクションが追加され、より複雑な自動化が可能に
  • ・Automatorアクションの強化: より詳細なオプション設定が可能になったAutomatorアクション
  • ・スマートフォルダとの連携: 特定の条件に一致するファイルを自動的に圧縮するスマートフォルダルールの設定が可能に

これらの機能を使用すると、例えば「1週間以上アクセスされていない大容量ファイルを自動的に圧縮して外部ドライブに移動する」といった複雑なワークフローも簡単に設定できます。

コマンドライン機能の強化

ターミナルから使用できるコマンドラインツールにも多くの改善が加えられています。

  • ・並列処理オプションの拡張: 複数のCPUコアを効率的に使用するための詳細なオプション
  • ・バックグラウンド処理モード: システムに負荷をかけずに大容量ファイルを処理する低優先度モード
  • ・インクリメンタル圧縮: 大きなディレクトリの変更部分のみを効率的に圧縮する機能

例えば、バックグラウンドモードでの圧縮は以下のように実行できます。

# バックグラウンドモードで圧縮(低システム負荷)
zip --background large_archive.zip large_folder/

クラウド統合

macOS Sequoiaでは、クラウドストレージとの統合機能も強化されています。

  • ・iCloudと直接連携: 圧縮・解凍の処理をローカルとiCloud間でシームレスに実行
  • ・OneDrive、Dropboxなどの対応: 主要クラウドストレージプロバイダとの互換性向上
  • ・オンデマンドダウンロード: クラウド上のファイルを必要に応じてダウンロードして処理

これにより、クラウドストレージに保存されている大容量ファイルでも、効率的に圧縮・解凍が行えるようになりました。

環境への配慮

Apple製品全体の環境配慮の取り組みの一環として、アーカイブユーティリティも以下のような最適化が施されています。

  • ・エネルギー効率の向上: バッテリー駆動時は自動的に電力効率の良いモードに切り替わる
  • ・ストレージ最適化: ストレージ容量が少ない場合に自動的に高圧縮率モードを提案

これらの機能により、ノートブックのバッテリー寿命を延ばしながら、効率的なファイル圧縮・解凍が可能になっています。


サードパーティ製アーカイブツールとの比較

macOSに標準搭載されているアーカイブユーティリティは多くの機能を備えていますが、より高度な機能や特殊な圧縮形式が必要な場合は、サードパーティ製のアーカイブツールを検討する価値があります。ここでは、主要なサードパーティツールとの比較を行います。

主要なサードパーティアーカイブツール

The Unarchiver

App Storeで無料で入手できる人気のアーカイブ解凍ツールです。

主な特長

  • ・200種類以上の圧縮・アーカイブ形式に対応
  • ・ほとんどの文字コードに対応し、ファイル名の文字化けを修正
  • ・分割アーカイブファイルの処理が可能
  • ・破損したアーカイブの修復機能

アーカイブユーティリティとの比較

  • ・The Unarchiverは主に解凍に特化しており、圧縮機能は限定的
  • ・より多くのレガシーフォーマットに対応
  • ・古いアーカイブファイルの互換性が高い

Keka

オープンソースの高機能圧縮・解凍ツールで、独自の圧縮アルゴリズムも利用可能です。

主な特長

  • ・7z、ZIP、TAR、GZIP、BZIPなど多数のフォーマットに対応
  • ・高度な暗号化オプション(AES-256)
  • ・分割アーカイブの作成が可能
  • ・カスタマイズ可能な圧縮設定

アーカイブユーティリティとの比較

  • ・より高度な圧縮オプションを提供
  • ・GUIでの7z形式などへの対応
  • ・複数のファイルを別々のアーカイブに一括圧縮する機能

BetterZip

有料の高機能アーカイブマネージャで、アーカイブ内容の直接編集が可能です。

主な特長

  • ・アーカイブのプレビューと直接編集
  • ・パスワード管理機能
  • ・圧縮前のファイルプレビュー
  • ・高度な自動化機能

アーカイブユーティリティとの比較

  • ・アーカイブの内容を解凍せずに閲覧・編集可能
  • ・より柔軟な検索・置換機能
  • ・定期的なバックアップなどの自動化がより簡単

WinZip/WinRAR for Mac

Windows世界でよく知られているツールのMac版です。

主な特長

  • ・Windows環境との高い互換性
  • ・クラウドサービスとの統合
  • ・メール添付ファイルの直接圧縮
  • ・バックアップ機能

アーカイブユーティリティとの比較

  • ・Windowsユーザーとの互換性が高い
  • ・企業環境での統合機能
  • ・有料ソフトウェアとしてのサポート体制

機能比較表

以下の表は、アーカイブユーティリティと主要なサードパーティツールの機能比較です。

機能 アーカイブユーティリティ The Unarchiver Keka BetterZip
価格 無料(システム標準) 無料 無料(App Store外)/ 有料(App Store) 有料
ZIP圧縮 △(限定的)
7z対応 △(コマンドラインのみ)
RAR解凍 △(コマンドラインのみ)
アーカイブ編集 × × △(限定的)
パスワード保護
分割アーカイブ △(コマンドラインのみ)
自動化機能 × △(限定的)
Apple Silicon最適化

どのツールを選ぶべきか

用途に応じた最適なツールの選択基準は以下の通りです。

  • ・基本的な圧縮・解凍のみ: アーカイブユーティリティで十分
  • ・多様なフォーマットの解凍: The Unarchiverがおすすめ
  • ・高度な圧縮設定と多様なフォーマット: Kekaが最適
  • ・アーカイブ内のファイル編集: BetterZipが必要
  • ・コマンドライン操作に慣れている: アーカイブユーティリティ+Homebrewでインストールした追加ツール
  • ・WindowsユーザーとのやりとりEが多い: WinZip/WinRARを検討

上級者であれば、アーカイブユーティリティとサードパーティツールを併用するのが最も効率的です。日常的な操作にはアーカイブユーティリティを使用し、特殊なケースでサードパーティツールを活用する方法がおすすめです。

2025年5月現在、多くのサードパーティツールもApple Silicon向けに最適化されており、パフォーマンスの差は以前ほど大きくありません。選択は主に機能の違いに基づいて行うとよいでしょう。


まとめ

Macのアーカイブユーティリティは、一見シンプルなツールでありながら、上級者が活用できる高度な機能を豊富に備えています。この記事では、基本的な操作方法から上級者向けのコマンドライン技術、自動化、トラブルシューティングまで幅広く解説しました。

主要なポイント

  • ・標準搭載の多機能ツール: アーカイブユーティリティはmacOSに標準搭載されており、基本的な圧縮・解凍から高度な設定まで対応可能です。

  • ・コマンドラインの活用: ターミナルからのコマンドを使うことで、GUIでは利用できない高度な圧縮オプションや自動化が可能になります。特にzip、unzip、tar、gzipなどのコマンドを習得することで作業効率が大幅に向上します。

  • ・セキュリティ対策: パスワード保護や暗号化機能を使って、機密性の高いファイルを安全に保管・共有できます。AES-256暗号化などの高度なセキュリティオプションも利用可能です。

  • ・自動化の可能性: シェルスクリプト、Automator、ショートカットアプリなどを活用することで、定期的なバックアップや大量ファイルの処理を自動化できます。

  • ・最新機能の活用: macOS Sequoia (14.0)では、Apple Silicon向けの最適化や新しい圧縮フォーマットのサポートなど、多くの改良が施されています。

  • ・適材適所のツール選択: 標準のアーカイブユーティリティで対応できない場合は、The Unarchiver、Keka、BetterZipなどのサードパーティツールを状況に応じて活用することも検討してください。

実践的なワークフロー提案

日常的なファイル管理を効率化するための実践的なワークフローをいくつか提案します。

  • ・定期的なプロジェクトバックアップ: 重要なプロジェクトフォルダを定期的に日付付きでアーカイブ化するスクリプトを作成し、LaunchDaemonで自動実行するように設定する。

  • ・メール添付ファイルの自動処理: ダウンロードフォルダの.zipファイルを監視し、新しいファイルが追加されたら自動的に解凍して元のZIPファイルをゴミ箱に移動するワークフロー。

  • ・クラウド同期の最適化: クラウドにアップロードする前に大容量ファイルを自動的に圧縮し、同期効率を向上させる仕組み。

  • ・セキュアな共有システム: パスワード保護されたZIPファイルを作成し、パスワードは別の安全な経路で共有するワークフロー。

最後に

ファイル圧縮・解凍は、日常的なコンピュータ作業の中で非常に基本的な操作ですが、適切なツールと知識を持つことで、作業効率とセキュリティを大幅に向上させることができます。

この記事で紹介した技術とヒントを活用して、Macでのファイル管理を効率化してください。特にコマンドラインを活用したアプローチは、上級者のスキルセットを大幅に向上させ、時間の節約につながります。

アーカイブユーティリティはシンプルなツールですが、その背後には強力な機能が隠されています。これらの機能を活用することで、ファイルの整理、共有、バックアップがこれまで以上に簡単かつ効率的になるでしょう。

2025年5月現在、macOS Sequoiaでのアーカイブユーティリティは以前のバージョンから大幅に改良されています。特にパフォーマンスとセキュリティの面での向上は目覚ましく、Apple Siliconプロセッサとの最適化によって、以前では考えられなかった速度で大容量ファイルを処理できるようになりました。

日々のコンピュータ作業をより効率的に行うために、ぜひこの記事で紹介したテクニックを実践してみてください。ファイル管理の効率化は、仕事のスピードアップと整理整頓につながり、結果的に生産性向上をもたらします。

当店では、このような効率化テクニックのサポートも行っています。Macの使い方やファイル管理でお困りのことがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。


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