
MacでのPDFサインとアノテーション:Previewアプリの使い方
MacOSのお役立ち情報


最近、仕事でPDFの契約書にサインしないといけないことが増えたんですけど、いちいち印刷して、サインして、またスキャンするのがすごく手間で…。
Macで直接サインできたり、修正指示を書き込んだりする簡単な方法ってないんでしょうか?

ええ、その手間、非常によく分かります。
実は、Macにはそのための完璧なツールが最初から入っているんですよ。
Dockにある「プレビュー」というアプリです。
多くの方が画像を見るだけのアプリだと思っていますが、実はPDFの編集機能が驚くほど強力なんです。
今日は、このプレビューアプリを使って、PDFへのサインから、プロのように注釈を入れるアノテーション注釈付けのこと。テキストや図形などを追加して、文書に説明や訂正指示などを加える作業を指します。のテクニックまで、日本一詳しく、そして分かりやすく解説していきますね。
Macの標準アプリ「プレビュー」とは? - 見るだけじゃないPDF編集能力
プレビューアプリは、macOSに標準でインストールされている、画像やPDFファイルを開くためのアプリケーションです。
しかし、その真価は、ファイルを開いた後に表示できる「マークアップツールバー」に隠されています。
このツールバーを使いこなすことで、高価なPDF編集ソフトを導入せずとも、ビジネスで必要とされるほとんどの作業が完結します。
なぜプレビューアプリが推奨されるのか?
最大のメリットは、追加費用なしで、誰でもすぐに使える手軽さです。
macOSに最適化されているため動作は非常に軽快で、Apple製品らしい直感的なインターフェースで、マニュアルを読まなくても多くの機能が使えてしまいます。
日常的なPDFの確認や修正作業であれば、プレビューアプリだけで十分すぎるほどの能力を持っています。
【実践編】PDFへのサイン(署名)の作成と挿入
プレビューアプリを使えば、デジタル文書へのサインが驚くほど簡単になります。
一度サインを作成してしまえば、いつでも数クリックで書類に挿入できます。
サイン(署名データ)を作成する3つの方法
マークアップツールバーにある「署名」ボタンをクリックすると、サインを作成する方法を選択できます。
- 1. トラックパッドで作成
Macのトラックパッドに指で直接サインを描きます。
手軽さが魅力で、急いでいる時に便利です。
- 2. カメラで取り込む
これが最もおすすめの方法です。
白い紙に普段通りにサインをし、それをMacのカメラにかざすと、アプリが自動で認識して綺麗なデジタルデータに変換してくれます。
本物のサインに最も近い仕上がりになります。
- 3. iPhone/iPadで作成
お持ちのiPhoneやiPadの画面に、指やApple Pencilでサインを描くこともできます。
手元のデバイスで描いたサインが、リアルタイムでMacに転送されます。
作成したサインをPDFに挿入する
サインを作成・保存したら、再度「署名」ボタンをクリックし、リストから使いたいサインを選択します。
PDF上にサインの画像が表示されるので、ドラッグして好きな位置に配置し、四隅のハンドルを調整してサイズを変更します。
これで、まるで手書きしたかのようなサイン入りPDFの完成です。
【応用編】プロのように注釈を入れるアノテーション術
プレビューの真骨頂は、多彩なアノテーション機能にあります。
資料の校正やフィードバックなど、様々なビジネスシーンで活躍します。
マークアップツールバーの全機能解説
ツールバーには、PDFを編集するための便利なツールが並んでいます。
- ・テキストツール
クリックした場所にテキストボックスを作成し、文字を直接入力できます。
日付や補足事項を書き加えるのに最適です。
- ・シェイプツール
四角形や円、矢印などの図形を描画できます。
注目してほしい箇所を囲んだり、修正指示を明確に示したりするのに役立ちます。
- ・ハイライトツール
まるで蛍光マーカーのように、テキスト部分をなぞって色付けできます。
重要な文章を目立たせるのに便利です。
- ・ノートツール
付箋のように、クリックするとコメントが表示される「ノート」を埋め込むことができます。
スッキリした見た目を保ちつつ、詳細な注釈を残したい場合に有効です。
【上級テクニック】「インスタントアルファ」で会社の角印などを貼り付ける
PDFに会社の角印などの画像を貼り付けたい場合、画像の白い背景が邪魔になることがあります。
そんな時に役立つのがインスタントアルファ画像内の特定の色(通常は背景色)をドラッグ操作で選択し、透明にする機能です。切り抜き作業が非常に簡単になります。機能です。
まず、印鑑の画像をプレビューで開き、マークアップツールバーの左から2番目にある魔法のステッキのようなボタン(インスタントアルファ)を選択します。
画像の白い背景部分をクリックしながら少しドラッグすると、背景だけが選択されるので、そのまま`Delete`キーで削除します。
背景が透過された印鑑画像をコピー(`Command + C`)し、目的のPDFにペースト(`Command + V`)すれば、文書に綺麗に馴染んだ形で印鑑を配置できます。
ページの追加、削除、並べ替え
プレビューアプリでは、PDFのページ構成も自由自在に編集できます。
メニューバーの「表示」から「サムネール」を選択すると、ウィンドウの左側に全ページの縮小画像が表示されます。
このサムネールをドラッグ&ドロップするだけで、ページの順番を簡単に入れ替えたり、不要なページを`Delete`キーで削除したりできます。
さらに、別のPDFファイルからサムネールをドラッグしてきて、文書の間に挿入し、複数のPDFを一つに結合することも可能です。
サイン・注釈入りPDFの保存と共有
編集したPDFを保存する際には、意図しない変更を防ぐための重要なポイントがあります。
上書き保存と「別名で保存」
編集後に`Command + S`で保存すると、元のPDFファイルに直接変更が上書きされます。
オリジナルのファイルを残しておきたい場合は、先にファイルの複製を作成しておくか、「ファイル」メニューを開いた状態で`Option`キーを押すと出現する「別名で保存…」を選択しましょう。
【重要】編集不可の「フラットな」PDFとして書き出す方法
プレビューで追加したサインや注釈は、通常の状態では後から動かしたり削除したりできてしまいます。
契約書など、改ざんを防ぎたい重要な書類の場合は、注釈を画像の一部として完全に文書に焼き付けてしまう「フラット化」という処理を行うことを強く推奨します。
方法は簡単で、「ファイル」メニューから「書き出す…」を選択し、フォーマットが「PDF」になっていることを確認して、新しい名前で保存するだけです。
こうして書き出されたPDFは、追加したサインやテキストが画像データと一体化し、後から編集することができなくなります。
まとめ
今回は、Macに標準搭載されている「プレビュー」アプリを使って、PDFへのサインや高度な注釈付けを行う方法を網羅的に解説しました。
- 1. サインは簡単作成:
トラックパッド、カメラ、iPhoneを使い、高品質なデジタル署名を一度作成すれば、いつでも利用可能です。
- 2. 多彩なアノテーション:
テキスト、図形、ハイライト、ノートなどの多彩なツールで、プロフェッショナルな資料校正ができます。
- 3. 安全な保存:
重要な書類は、編集できない「フラットなPDF」として書き出すことで、ビジネス文書としての信頼性を高められます。
これまで当たり前だと思っていた、印刷、捺印、スキャン、そして再送付といった一連の手間は、Macのプレビューアプリだけで完全に過去のものになります。
この機能をマスターすれば、あなたのペーパーレス業務は劇的に加速するはずです。
もし、プレビューアプリのさらに高度な使い方や、より複雑なPDFフォームの作成などでお困りのことがあれば、いつでもお気軽に当店のサポートカウンターにご相談ください。
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