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2025.9.8

【Mac】macOSのアップデートが終わらない・失敗する!“あと約1分”から進まない時の原因と、データを守り抜くための8つの解決ステップ

MacOSのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年8月29日

質問する若い女性
Macのアップデートが、終わりません…

新しいmacOSのアップデートを始めたのですが、インストール画面のプログレスバーが最後の最後で止まってしまいました。「残り約1分」と表示されたまま、もう1時間以上も動きません。

このまま待っていればいつか終わるのでしょうか?それとも何か問題が起きているのでしょうか?

電源ボタンを長押しして強制的にシャットダウンしてしまっても大丈夫なのか、もしMacが起動しなくなってデータが全部消えてしまったらと思うと、怖くて何もできません。この絶望的な状況からデータを守りながら安全に脱出するための方法を教えてください。

解説する博識な男性
PC STORE スタッフ

その「残り約1分」の永遠とも思える時間。Macユーザーであれば誰もが一度は経験する、最も心臓に悪い瞬間ですね。お察しします。

まずお伝えしたいのは、その状態は多くの場合お客様のMacが「壊れた」わけではないということです。それはアップデートという極めて複雑な外科手術の最終段階で、予期せぬ「問題」に直面し立ち往生している状態なのです。

そして最も重要なことは、**データを守ること**を最優先に考え、冷静に、そして正しい手順で対処することです。この記事では、プロのシステムエンジニアが実践する体系的なトラブルシューティングの手順を8つのステップに分けて解説します。安全な強制終了の作法からMacに隠された自己修復機能を呼び出す方法まで。あなたのMacとその中の大切なデータを守り抜くための、完全な救出マニュアルです。

アップデートの哲学:それは、システムの「対立」であり、「崩壊」ではない

macOSのメジャーアップデートは、単に新しいファイルを追加するだけの単純な作業ではありません。それはOSの心臓部であるカーネルから、無数のシステムファイル、ドライバー、そしてあなたの個人的な設定に至るまで、PCの全ての要素を新しいバージョンへと移行させる極めて繊細で複雑なプロセスです。

特に悪名高い「残り約1分」の段階は、インストーラーが古いシステムと新しいシステムとの間でデータの最終的な整合性を取り、最終的な起動ディスクを構築している最も重要な局面です。この段階でフリーズするということは、多くの場合、以下のような何らかの「対立」がシステム内部で発生していることを示唆しています。

  • ディスクの空き容量が一時ファイルを作成するのに足りない。
  • ダウンロードされたアップデートファイル自体が破損している。
  • 既存のディスクのファイルシステムに軽微なエラーが存在する。
  • サードパーティ製のシステム拡張機能が新しいOSと競合している。

私たちの仕事は、パニックに陥りPCをさらに危険な状態に晒すのではなく、これらの対立を一つずつ冷静に解消し、アップデートのプロセスを再び正しい流れに戻してあげることなのです。


第一章:8段階の緊急対応プロトコル - データ保護を最優先に

アップデートが停止したMacを安全に救出するための具体的な8つのステップです。必ずステップ1から順番に試してください。よりリスクの低い方法から始めるのが鉄則です。

【フェーズ1:観察と安全な再起動】

ステップ1:まず、ひたすら待つ(最低1~2時間)
信じられないかもしれませんが、これが最も重要で、そして最初に行うべきことです。「残り約1分」の表示は全くあてになりません。バックグラウンドでは膨大なファイルの検証や移動が行われており、PCの性能やデータの量によってはこの最後の1分が数時間続くことも決して珍しくありません。コーヒーでも淹れて、最低でも1時間、できれば2~3時間は何もせず、ただ辛抱強く待ってみてください。何事もなかったかのようにプロセスが完了するかもしれません。

ステップ2:安全な強制終了
数時間待っても全く進展がない場合、いよいよ強制的なシャットダウンを検討します。Macの電源ボタンを、Appleロゴが消え画面が真っ暗になるまで10秒以上長押しし続けます。現代のmacOSが採用するAPFSファイルシステムは、ジャーナリング機能(※ファイルの変更履歴を記録しておくことで突然の電源断などによるファイルの破損を防ぐ仕組み)が非常に強力なため、この操作でシステムが致命的に破損する可能性は低いですが、それでも最後の手段であることに変わりはありません。

ステップ3:通常の再起動を試みる
強制終了後、10秒ほど待ってから再度電源ボタンを押してMacを起動してみてください。運が良ければmacOSは中断されたアップデートプロセスを自動で再開し、正常にインストールを完了させることがあります。

【フェーズ2:OSの自己修復機能を呼び出す】

ステップ4:セーフモードでの起動
もし通常の再起動でも問題が解決しない場合、次はMacの自己診断モードである「セーフモード」で起動します。セーフモードは起動時にディスクの簡単なチェックと修復を行い、またキャッシュファイルを削除するため、アップデートの妨げとなっていたソフトウェア的な問題を解消してくれる可能性があります。起動方法はIntel MacとApple Silicon Macで異なります。

  • Intel Mac:電源を入れた直後に「`Shift`」キーを押し続けます。
  • Apple Silicon Mac:電源ボタンを長押しし続け、「起動オプションを読み込み中」と表示されたら起動ディスクを選択し、その後「`Shift`」キーを押しながら「セーフモードで続ける」をクリックします。

セーフモードで一度デスクトップまで起動できたら、何もせずそのまま再度通常通りに再起動してみてください。

ステップ5:NVRAM(PRAM)リセット(Intel Macのみ)
起動ディスクの情報など、ハードウェアの基本的な設定を記憶しているNVRAMをリセットします。電源を入れた直後に「`Option + Command (⌘) + P + R`」の4つのキーを20秒ほど押し続けることで実行できます。

【フェーズ3:手術室へ - macOS復旧モードでの修復】

ここまでの手順で解決しない場合、いよいよMacの最も強力な修復環境である「macOS復旧」モードを使います。

ステップ6:macOS復旧モードで起動する
起動方法がCPUの種類によって異なります。

  • Intel Mac:電源を入れた直後に「`Command (⌘) + R`」を押し続けます。
  • Apple Silicon Mac:電源ボタンを長押しし続け、「起動オプション」が表示されたら歯車のアイコンの「オプション」を選択します。

ステップ7:ディスクユーティリティの「First Aid」を実行する
macOS復旧ユーティリティのウィンドウから、まず「ディスクユーティリティ」を選択します。左側の一覧からお客様のMacの内蔵起動ディスク(通常は「Macintosh HD」)を選択し、「First Aid」を実行します。これによりディスクの論理的なファイルシステムのエラーがチェックされ、修復されます。アップデートが失敗する根本原因がディスクの軽微なエラーであるケースは非常に多いです。

ステップ8:macOSを上書きで再インストールする
First Aidが完了したら、いよいよ最終手段です。macOS復旧のメインメニューに戻り、「macOS [バージョン名] を再インストール」を選択します。

【重要】この「再インストール」は、お客様の個人的なデータ、アプリ、設定を**消去することなく**、macOSのシステム部分だけを新しいものに上書きする安全なプロセスです。

多くの場合、このOSの上書き再インストールによって破損したシステムファイルが修復され、中断されていたアップデートが完了し、お客様のMacは無事に最新のOSで起動するはずです。


究極の保険:アップデート前のTime Machineバックアップ

今回お客様が経験した冷や汗の出るような事態を二度と繰り返さないために、全てのMacユーザーが心に刻むべき、たった一つの習慣があります。それは、「**メジャーなOSアップデートを行う前には、必ずTime Machineで完全なバックアップを作成しておく**」ということです。

Time Machineによるバックアップさえあれば、たとえアップデートが最悪の形で失敗しMacが起動不能に陥ったとしても、お客様はmacOS復旧モードから「Time Machineバックアップから復元」を選択するだけで、アップデートを試みる直前の完璧な状態へと全てを巻き戻すことができるのです。これは、あなたの数年分の思い出と仕事を守るための最も簡単で最も確実な保険です。この習慣こそが、あなたを真の上級者へと導きます。

まとめ:Macの沈黙は、あなたに「正しい手順」を教えてくれる教師である

macOSのアップデートが停止するトラブルは私たちをパニックに陥れますが、その一つ一つの症状はMacがあなたに送る重要なサインです。そのサインを正しく読み解き、冷静にそして体系的な手順で対処する知識を持つこと。それが、あなたの大切なデータを守り抜くための唯一の方法です。

  1. まず「待つ」という名の勇気を持つ: 「残り約1分」は信用しない。数時間の忍耐が全てを解決するかもしれない。
  2. 「セーフモード」は万能の診断薬: OSの軽微な問題を自動で修復してくれる最初の駆け込み寺。
  3. IntelとApple Siliconの「作法」の違いを知る: 復旧モードへの入り方など、あなたのMacの心臓部に合わせた正しい手順を知っておく。
  4. 手術室の基本は「First Aid」から: macOS復旧モードに入ったら、まずディスクユーティリティでディスクの健康診断を行う。
  5. 「OSの再インストール」はデータを消さない安全な最終手段: 最後の切り札は、あなたのデータを保持したままOSだけをリフレッシュする上書きインストールである。

そして何よりも覚えておいてください。全ての冒険の前には「Time Machine」という名のセーブポイントを作成しておくこと。その賢明な習慣こそが、あなたをあらゆるデジタルの悪夢から守り続けるのです。

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