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2025.8.14

【Mac/iPhone】AirDropが送れない・認識しない!原因と今すぐ試せる10の解決策を“全パターン”網羅しました

MacOSのお役立ち情報

記事の最終更新日:2025年8月5日

質問する若い女性
AirDropが、急に使えなくなりました…

iPhoneで撮った写真をMacに送る時、いつもAirDropを使っているのですが、今日急に相手としてMacが表示されなくなってしまいました。逆にMacからiPhoneに送ろうとしても、相手が見つかりません。

Wi-FiもBluetoothもオンになっているはずなのに全く認識してくれなくて、本当に困っています。ケーブルを使わずにファイルを一瞬で送れる、あの魔法のような機能が使えないとすごく不便です。

何か、この問題を確実に解決するためのチェックリストのようなものはないのでしょうか?

解説する博識な男性
PC STORE スタッフ

その、突然「魔法が解けた」ような感覚、非常によく分かります。AirDropはあまりにもシームレスに動作するため、一度その便利さに慣れてしまうと、使えなくなった時のストレスは大きいですよね。

ご安心ください。その魔法の正体は、実は「**Bluetooth**」と「**Wi-Fi**」という2つの技術の絶妙な「共同作業」です。Bluetoothが近くの仲間を「発見」し、Wi-Fiがその仲間との間に高速な専用道路を「建設」してデータを転送するのです。

つまり、AirDropが機能しないということは、この2人のダンサーのどちらかが足を踏み外してしまったというサインなのです。この記事では、その2人のダンサーを再び完璧なハーモニーで踊らせるための、プロが実践する体系的な診断チェックリストを10のステップで伝授します。簡単な確認から少し専門的な設定まで、順番に試していけばきっとあなたの魔法は蘇ります。

AirDropの哲学:それは「物理的な近さ」を「デジタルな信頼」に変換する技術

Bluetoothでお互いを発見し、Wi-Fiで直接データを転送するAirDropの仕組みの概念図

AirDropは単なるファイル転送機能ではありません。それは、Appleのエコシステムにおける重要な設計思想の一つ、「**物理的な近接性**」を最高のユーザー体験へと昇華させたものです。メールアドレスを知らなくても、パスワードを入力しなくても、ただお互いのデバイスが物理的に近くに存在する、その事実だけで安全で高速なデータの架け橋を一瞬で築き上げる。

この魔法のような体験の裏側では、2つの無線技術が見事な連係プレーを演じています。

  • Bluetooth Low Energy (BLE)による「発見」: まず、省電力なBluetoothを使い、お互いの存在をレーダーのように常に探索し認識し合います。これが、AirDropの共有シートに相手のアイコンが表示される仕組みです。
  • Wi-Fi Directによる「転送」: そして、お客様がファイルを送信する相手を選択した瞬間、デバイス同士は既存のWi-Fiネットワーク(ルーター)を介さずに、直接1対1の高速なWi-Fi接続を確立します。これにより、たとえインターネット接続のない場所でも、大容量の動画ファイルなどを瞬時に転送することが可能になるのです。

この「**Bluetoothで見つけ、Wi-Fiで送る**」という二段階のプロセスを理解することが、AirDropのトラブルシューティングにおける全ての基本となります。


AirDropを復活させる10段階の緊急対応プロトコル

1から10までのトラブルシューティングのステップがチェックリスト形式で並んだインフォグラフィック

AirDropが機能しない時、その原因は無数に考えられます。しかし、慌てる必要はありません。以下の10のステップを上から順番に一つずつ確認していくことで、ほとんどの問題は解決するはずです。

【基本の確認】まず物理的な前提条件を見直す(ステップ1~4)

問題の原因は、意外と単純な見落としにあるかもしれません。

ステップ1:Wi-FiとBluetoothが両方ともオンになっているか?
送信側、受信側の両方のデバイスでコントロールセンターを開き、Wi-FiとBluetoothの両方のアイコンが青く点灯していることを確認します。これは最も基本的な前提条件です。

ステップ2:デバイス同士の距離は十分に近いか?
AirDropが安定して機能するための推奨距離は**9メートル以内**です。お互いのデバイスを物理的に近づけて試してみてください。

ステップ3:「集中モード」や「おやすみモード」がオンになっていないか?
これらのモードが有効になっていると、AirDropの通知が表示されず、あたかも受信できていないかのように見える場合があります。一時的に全ての集中モードをオフにして試してみてください。

ステップ4:「インターネット共有(テザリング)」がオフになっているか?
iPhoneやiPadの「インターネット共有」がオンになっていると、Wi-Fiがそのために使われてしまい、AirDropの直接接続がうまくいかないという典型的なトラブルパターンです。コントロールセンターでインターネット共有がオフになっていることを確認してください。

【設定の確認】相手に「見える」状態になっているか(ステップ5~6)

物理的な条件が整っていても、ソフトウェア的な設定が壁となっているケースが非常に多いです。

ステップ5:AirDropの受信設定を「すべての人」に変更する
これこそが、AirDropのトラブルシューティングにおける**最も重要な切り分け手順**です。コントロールセンターでAirDropの設定を確認します。設定は3種類あります。

  • `受信しない`:AirDropを完全にオフにします。
  • `連絡先のみ`:あなたの連絡先に登録されている相手からのみ受信します。
  • `すべての人(10分間のみ)`:全ての人から受信可能になります。(セキュリティのため10分で自動的に元に戻ります)

「連絡先のみ」はセキュリティが高いですが、お互いのApple IDのメールアドレスや電話番号が正確に連絡先に登録されていないと認識されない、というトラブルの温床です。まず、**受信側のデバイス**でこの設定を「**すべての人**」に切り替えてみてください。もしこれで相手が表示されるようになれば、原因はこの連絡先の設定にあったことが確定します。

ステップ6:デバイスのロックが解除されているか?
基本的なことですが、送信側、受信側の両方のデバイスがスリープしておらず、ロックが解除された状態であることを確認してください。

【リセット手順】デバイスの「機嫌」を直す(ステップ7~10)

ここまでの手順で解決しない場合、問題はデバイスの一時的なソフトウェアの不具合にある可能性が高いです。

ステップ7:Wi-FiとBluetoothの再起動
ITトラブルシューティングの古典的な手法です。両方のデバイスで一度Wi-FiとBluetoothを完全にオフにし、10秒ほど待ってから再度オンにしてみてください。

ステップ8:両方のデバイスの再起動
ソフトウェアの一時的な不具合を解消するための最も確実な方法が再起動です。送信側、受信側の両方のデバイスを一度完全に電源オフにし、再度起動してからAirDropを試してみてください。

ステップ9(Mac向け):ファイアウォールの設定を確認する
Macのファイアウォールが外部からの接続をブロックしている可能性も考えられます。「システム設定」>「ネットワーク」>「ファイアウォール」を開きます。もしファイアウォールがオンになっている場合は、「オプション...」ボタンをクリックし、「**外部からの接続をすべてブロック**」にチェックが入っていないことを確認します。また、「`sharingd`」というプロセスからの接続が「許可」になっていることを確認してください。

ステップ10(iPhone/iPad向け最終手段):ネットワーク設定のリセット

【警告】この操作は、お使いのiPhone/iPadに保存されている全てのWi-Fiパスワード、Bluetoothのペアリング情報、VPN設定などを完全に消去します。実行する前にその意味をよく理解してください。

iPhoneやiPad側のネットワーク機能に根深い問題が発生している場合の最後の手段です。「設定」>「一般」>「転送またはiPhoneをリセット」>「リセット」と進み、「**ネットワーク設定をリセット**」を実行します。これによりネットワーク関連の設定が全て工場出荷時の状態に戻り、AirDropの問題が解決する場合があります。

まとめ:AirDropのトラブルは必ず解決できる

AirDropが機能しないというストレスは、その原因が目に見えない電波の問題であるだけに非常に大きいものです。しかし、その背後にある技術的な仕組みを理解し、体系的な手順で一つずつ可能性を潰していけば、その魔法は必ずあなたの手元に戻ってきます。

  1. まず物理を疑う: Wi-FiとBluetoothはオンか?距離は近いか?邪魔する設定(集中モード、インターネット共有)はないか?
  2. 「受信設定」こそが最大の容疑者: トラブルの9割は「連絡先のみ」の設定が原因。まず受信側を「すべての人」に切り替えて切り分けを行う。
  3. 再起動は偉大なヒーロー: 多くのソフトウェア的な一時的不具合は、デバイスの再起動によって浄化される。
  4. 最後の砦はリセット: どうしても解決しない場合は、Macのファイアウォール設定の確認や、iPhone/iPadのネットワーク設定リセットがあなたの最後の武器となる。

そして何よりも大切なのは、パニックにならず、一つずつ冷静に手順を踏むことです。この記事が、お客様のMacとiPhoneとの間に再びスムーズな対話の架け橋を架けるための一助となれば幸いです。

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